グーグルは何かを知ろうとしている
雑記でもないのだがちょっと散漫な話になる。ので、一応結論的みたいのを先に言っておくと標題どおり「グーグルは何かを知ろうとしている」ということだ。何かとは取り敢えず人々の欲望としておく。誤解されるかなと思うのは、私がここで「グーグル」というのはシステムのことであって、その会社の経営者とか開発者という人間を指しているわけではない。
話の起点は先日のことだ。本田健(著)「ユダヤ人大富豪の教え」(参照)の引用が多いあるブログのエントリについて、はてなブックマークが多数付いたことに、私は奇異な感じを持った。該当のはてなブックマークは「はてなブックマーク - ユダヤ人大富豪の教え : akiyan.com」(参照)である。はてなダイアリーでの引用を含めると四百点近いブックマークとなった。
私はこの書籍についてフィクションだと思っているしあまり関心はない。が、はてな利用者がこの書籍についてこんなに関心を持っているということに関心を持ち、「本田健」というキーワードを単純にグーグルで調べてみた。
現時点での結果はこんな感じになる(参照)。少し長くなるが引用する。
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先の本の著者本田健の公式サイトがトップになり、それにそのセミナーの紹介のようなリンクが続く。先日のNHKスペシャル「グーグル革命の衝撃 ~あなたの人生を“検索”が変える~」(参照)のように、まさにグーグルの結果リストがビジネスに影響するような結果となっている。しかし、NHKの番組も含めそのことはけっこうどうでもいい。私にとってあれ?と思ったのは、この結果ページの末尾にある関連検索のほうだ。
本田健 プロフィール 本田健 経歴 本田健 生年月日
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なぜこんな関連検索をグーグルが呈示するのか最初は違和感を持った。まず前提となるのは、この関連検索の候補はグーグルという会社の人間の操作によるものではなく、グーグルというシステムが機械的な手順で表示したということだ。
人々は「本田健」というキーワードについて知りたいのは、そのプロフィールであり、経歴であり、生年月日であり、写真なのだということだ。
多少修辞のきつい言い方になるが、グーグルというシステムは、「本田健」というキーワードについて特定の関心を持っている。厳密性を期すならその関心は比喩的な意味としてもいい。
私としてはグーグルに問いかけられたように思い、人々の意識を反映したグーグルの「意識」に関心を持った。つまり、私も、「本田健」というキーワードについてそのプロフィール、経歴、生年月日、写真に関心を持つように促された。そうしてみてわかったのだが、その情報がグーグルのデータベース、あるいは、グーグルというシステムの記憶に含まれていない。
グーグル以外の手法で「本田健」というキーワードを頼りに情報を収集してみてわかったのだが、単著もあるというのに、書籍奥付などで公開された経歴のなかに生年、出身地、学歴、資格、公的所属といった基本要素が含まれていない。さらに探すと、写真を含めた情報は韓国東亜日報の記事に存在した(参照)。私は韓国語が読めないので自動翻訳を使って記事を眺めてみたのだが、早稲田の法学部を出ていることがわかった。たぶん、トップリストに見える「韓国語版はこちら」というテキスト断片も韓国語情報となんらかの関係があるのかもしれない。
それにしても繰り返しになるのだが、「本田健」というキーワードについてグーグルが特定の関心を持っているというふうに私には思えるといった状態がここにある。
ここでふと最上位の検索結果項目の参照情報が気になった。グーグルは、「本田健」というキーワードに対して、オントロジカルに結合するインターネットの情報をどのように理解(組織化)しているのだろうか。結果は私には意外というか少し驚きを伴うものだった(参照)。
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いったい何がグーグルのオントロジーを決定しているのだろうか。明らかに通常のオントロジーでモデル化される規範的な辞書を使っているのではない。インターネットという情報に加え、ウェブ2・0的な人々の参与や関心・行動のトレースをコーパスとして、グーグルのオントロジーが形成されている。
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コメント
プロフィール(?)を通して、人間とその人間が生きた「世界」。もっと言えば、「予め失われし過去」を欲してるんでしょ。最強のコンテンツは「人間」なんですよね。結局のところ。
投稿: モッサアアア | 2007.02.08 12:26
「予め失われし過去」なんてもんは、さ。当人がどんなに頑張っても足掻いても、絶対入手出来ないんだよね。そこを「売り物」にしないと、商売は成り立たんのですよ。はっはっは。
投稿: モッサアアア | 2007.02.08 12:37
欲しがるものを与えちゃ駄目でしょ。手に入れられないものを与えるですょ。
投稿: モッサアアア | 2007.02.08 12:41
反照に対応して自己を彫刻するオブジェ=グーグル(「常に新しい」百科事典)。会話が始まったら、後は拡大解釈する人間とただ需要に追いつこうとするグーグルのイタチゴッコってことでしょうか……
今のサクラダ・ファミリアみたいなものか(確か設計図の部分はもう終わってるんですよね、アレ)?
投稿: 夢応の鯉魚 | 2007.02.08 14:40
検索キーも収集しているだけのことでしょう。我々が教えている。
投稿: nodzo | 2007.02.08 14:51
グーグルが大衆の意識を見える化しているのが、意識を持っているように
見えるということでしょうか。
それが実際に意識を持つ、ということと同じなのか、違うのか、という話なのでしょうか?
投稿: unico | 2007.02.08 16:31
オントロギーって言葉は、むつかしくて
かっこ
いいです。
ぼくもたくさん難しいことばをおぼえたいです。
投稿: | 2007.02.08 16:49
ユーザーの手続き(使いこなし)を
サービスの手続き(プログラム)に
コンバートしてるんじゃないですかね。
自動プログラム。
グローバルサービスのローカライズの
手抜きっぷりにまだ当分零細も大丈夫かと
安心していたのですがこれは駄目かも。
投稿: papepo | 2007.02.08 16:57
>つまり、私も、「本田健」というキーワードについてそのプロフィール、経歴、生年月日、写真に関心を持つように促された。
これはたまたまキーワードが人名だったからさもドラマティックに思えるのかもですが、実際には単に検索キーワードのありがちな組み合わせを収集して、一緒に使われやすい言葉を並べてるだけでしょ。分かり切ったことだと思うけど。
人名じゃなくて、例えば「ラーメン」とかで調べると分かります。さすがに「ラーメン二郎」にGoogleが誘導しているというような大げさな話ではなく、「多くの人が"ラーメン二郎"を探していますが、これではないですか?」という程度のごく一般的なSuggestionでしょう。
>単著もあるというのに、書籍奥付などで公開された経歴のなかに生年、出身地、学歴、資格、公的所属といった基本要素が含まれていない。
含まれていないからこそ、人がそのキーワードで盛んに調べてるわけで、それは確かにネットの中で人が求めている情報でこそあれ、Googleがそれを欲している、というのは、面白いけど、別にシステムの必然以外の何者でもなく、「ウェブ進化論」的な飛躍じゃないですか。
最近面白いと思ったのはですね、Counterstrikeというネトゲーがあるんですが、Counterstrikeという言葉で調べてみると、一般的な略語である「CS」が自動的に検索結果に反映されるわけですね。しかし、その結果、CounterStrikeではなく、AdobeのCSシリーズが検索結果に先に表示されてしまうんです。勝手に略して、勝手に違う結果を出してる。つまりGoogleが錯綜しているわけです。面白くないですか?
投稿: PPP | 2007.02.08 17:31
関連検索はGoogleが初めてではなく、Yahoo!などが先行しておこなっています。ゆうなればYahoo!も知ろうとしているということでしょうか?
ただ、Yahoo!の場合検索結果はクエリベース、Googleの場合はクロールベースといわれていますので、仰るとおりGoogleがより「ウェブ2・0的な人々の参与の関心とその行為」を利用しているように思えます。
また、Googleは自身のデータを使って巨大なコーパスを作っています。日本語版は公表されていないようですが作成していることは想像に難くありません。http://googleresearch.blogspot.com/2006/08/all-our-n-gram-are-belong-to-you.html
投稿: Mib | 2007.02.08 18:14
なんか2週ぐらい遅れてる感じ。
これが検索ワードではなくてタグだったら、もうちょっと説得力のある話になっただろうに。
投稿: | 2007.02.08 19:01
オントロジーって人工知能関係の用語だったのですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ontology_%28computer_science%29
哲学の「存在論」だとばかり思い込んでいました。
投稿: ひでき | 2007.02.08 19:01
きっとHALのように隠された目的を探そうとするのでしょうね。
偽りの計画、知らされていない目的。
やがてグーグルが発狂しないか心配になってくるな。
投稿: 2001 | 2007.02.08 19:13
「グーグルは何かを知ろうとしている。」
この表現は「極東ブログ」さんのグーグルに対する気持ちを表していると言っていいでしょうか。
「グーグルは、あたかも人間のように、思考し言葉を選択する」という風に。
しかし、私は一種の違和感を覚えました。
有用なツールとしてこれからも発展していくことは間違いないような気がしますが、擬人化して考えるほどの感覚をグーグルに持つことはできませんでした。
なんといってもグーグルは現在「言葉」が中心です。
言葉というものは「様々な人間と意思の疎通ができる道具」であると同時に、「様々な人間との意思の疎通を阻害するものでもある」ということです。
まずその点で物理的に使用者の層が限定されてしまいます。(日本語を知らない人は日本語を読めません。あほな人は難しい言葉は知りません)
言葉を母体にしているうちは、道具としても限界があるような気さえします。
それから言葉は「今存在する概念や事物の中でも共通の認識が出来上がっているもの」のみに存在します。そう考えると、まだ言葉になっていない物は世の中にたくさんあるんです。無限に有ると言ってもいい。
言葉を生む力はグーグルにはないです。
と、いうわけで、一生懸命想像してみましたが「グーグルが某かの意識を持っている」という風な考えにはたどり着きませんでした。
それから私もオントロジーって何か良くわからなかったのでグーグルで調べました。わかったような気もしました。
投稿: も | 2007.02.08 21:06
>PPPさん
>単に検索キーワードのありがちな組み合わせを収集して、一緒に使われやすい言葉を並べてるだけでしょ。分かり切ったことだと思うけど。
ワタシもそう思ったんですが、Googleツールバーのオプションにある [単語の入力時にキーワードの候補を表示する] をオンにして表示されるもの(の中で件数の多いもの)とのズレが気になるんですよね。
「神田昌典」でやってみたら、検索ページの一番下にはトップで出てくる「フォトリーディング」がツールバーへの入力時には出てこないとか。
「ラーメン」でも「ラーメンデータベース」が検索ページには出てこないなとか。
いや、だから何ってこともないんですが、分かり切った話として片付けられない気分。
投稿: luxon | 2007.02.08 23:21
>ワタシもそう思ったんですが、Googleツールバーのオプションにある [単語の入力時にキーワードの候補を表示する] をオンにして表示されるもの(の中で件数の多いもの)とのズレが気になるんですよね。
ズレといっても、たまたま「フォトリーディング」がないだけで、八割方マッチしてますよね。ウェブ検索とツールバーで単にキーワード情報を参照してるサーバーが違うだけでしょう。そもそもGoogleなんて適当なわけだし(Googleダンスとか)、たまたま人名に続いて「プロフィール」とか「経歴」とか意味あり気なキーワードをサジェストされた場合、人はさも「Googleが何かを知ろうとしている」、なんて語っちゃうってことの方が若い僕らには不思議です。まさにオヤジのオントロジー。
>分かり切った話として片付けられない気分。
分かり切った話じゃないけど、Googleのごく普通な技術的誤差の話を、大げさに語ってるだけだと思うんだけど。違うかな。だいたい、こんなのfinalventさんのブログでなければ、「これはひどい」で終わりの話題じゃない。
投稿: PPP | 2007.02.09 04:15
仮に、Google(システム?)が何かを知ろうとして、その何かを知った場合、どうなるのでしょう?
知った何かを利用するのは、Googleのシステムではなく、Google関係者など、人間だと思うのです。
だから、Googleのシステム?が、何かを知ろうとしてるのではなく、システムを動かしている人々が、何かを知ろうとしてるのではないでしょうか?
えっと・・・・単純すぎます?こういう考え方??
投稿: みほ@もっさり | 2007.02.09 07:25
finalventさんがおっしゃるように、googleの関連検索ワードのみの単語の組み合わせで最適化された言葉を吐く時代も来るかもしれませんね。
もしかしたらGoogleAPIと人工無能を使えばできるかもしれないと考えたことはあります。技術が無いのですが。
投稿: cyberbob:-) | 2007.02.09 09:48
もう一度よく読んでみたんですけど・・・・。
私の知識や理解が及ばないのか、ただ自分がパーなので誤読しか出来ないのか分かりませんが、結局、
「グーグルは何かを知ろうとしている」
それだけしか読み取れませんでした。
アホな読者ですみません。
投稿: みほ@もっさり | 2007.02.09 11:42
関連検索って微妙な単語が表示されてる感じしますよね。検索する側が知りたいこと、検索される側が隠したいことが出やすいような。
投稿: bywordeh | 2007.02.10 02:01
>bywordehさんの>検索される側が隠したいことが・・・
は、とても引っかかるヒントのように思えます。
投稿: わ | 2007.02.10 03:32
国際金融筋の諜報システムの一環でしょう。
http://teamrenzan.com/archives/writer/edajima/post_168.html
投稿: | 2007.02.11 01:33
そっか。Googleは小倉さんのズラに興味ありまくりなんだ。
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いいこと聞いたよ。
・・・って。複数の単語を検索しているケースから拾って、一定のアルゴリズムに基づいて表示させてるだけでしょ。
投稿: a | 2007.04.24 01:23
母集合に重みを加える事により、全方位的な
架空の像を促進する事が出来るわけですね。
投稿: bc | 2007.05.03 07:44
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投稿: 大原佑介 | 2007.05.23 13:23