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2007.02.20

家計って株式投資で儲かってんの?

 十三日の朝のラジオで評論家内橋克人が、株式を保有している世帯と銀行・郵貯などに貯金している世帯とでは家計の収入に大きな差が出てきて困ったものだという話をしていた。ぼんやりと寝惚けた頭で話を聞き流していたのだが、え?と思って目が覚める。そうなのか? というかどのくらい差があるのか。話を聞いているとけっこうな差がありそうだ。まあ、差があっても別によいわけで、それを格差問題だとも思わないのだが、気にはなっていた。その後、十七日付けの日経新聞に同じ話が載っていたので、ざっくり確認し、あらためて、へぇと思った。
 話は内閣府発表〇五年度の国民経済計算(SNA)によるらしい。ソースは”17年度国民経済計算(93SNA)”(参照)ではないかと思う。が、データばっかりで私のような素人からは内橋の話は読み取れない。というわけで、ざっくり聞いた話をまとめるのだが、二〇〇五年度の国民所得の内、家計に回った所得(賃金+財産)の分配率は七五・三%で前年度比で〇・四ポイント上昇。七年ぶりのことらしい。ただ、上昇の率を見ると大した変化でもないとは思う。
 内橋の話では、家計収入を構成する賃金、財産、賃料・利子所得のうち、賃金は伸び悩み利子所得は減少傾向にあるなか、財産に含まれる配当所得が五一%増と急増したとのこと。配当所得は金額で七兆四千億円。つまり、家計は資金を銀行・郵貯の貯金から株式投資に振り替えて成功している、ということだ。内橋の意見は、これではいけない、賃金が上がるべきだし、投資をしない庶民にも預貯金金利のメリットがなくてはならない、といったものだったかと思う。
 しかし、ちょっと考えればわかるように、銀行・郵貯の貯金というのは結果的に投資と別物ではないのだから、むしろ庶民はもっと直接的に企業から投資の利益を得られるようになってめでたしめでたしということになるはずだ。まあでも、それはけっこうどうもでいい。
 ラジオでは突っ込み役のアナウンサーも「私も株式投資してないんですが、日本の家計の実態はそう変化しているのですか」と訝しげであった。私も同感。なんか変だなと。なんかからくりがありそうだがよくわからない。
 そういえばそもそも家計が約千五百兆円金融資産を持っているというのも、よく言われるわりに実感できない。ちなみに、日銀の資金循環統計ではこの内、株式・出資金の占める比率は、〇四年度末の八・八%から〇五年度末には一一・六%に上昇したとのこと。すごいなと思うがやはり実感はない。
 そういえば昨日の日経新聞記事”サラリーマン世帯の貯蓄率、06年に8年ぶり上昇”(参照)だと、サラリーマンは貯蓄に励みだしたようだ。


 総務省の家計調査ベースの貯蓄率は、毎月の収入から税金や社会保険料を差し引いた可処分所得のうち消費に充てず、手元に残したお金(貯蓄)の比率。06年の平均貯蓄率は27.5%と前年比で2.2ポイント上昇した。1カ月あたりの可処分所得は44万円と前年比0.1%増えたが、消費は2.8%減らし、貯蓄は8.6%増やした。

 簡単に言って、消費を減らしている、と。読売新聞記事”06年の家計調査、月平均消費支出は2年連続減少”(参照)はもっと実感がある。

総務省が13日発表した2006年の総世帯の家計調査(速報)によると、一世帯当たりの月平均消費支出額は25万8086円で、物価変動の影響を除いた実質で前年比3・5%減と2年連続で減少した。

 同記事では少子化の影響などにも言及があるが、消費の減少はそれが大きな原因でもないのだろう。
 現状の日本のGDPだが産経の記事”経済成長率示す「GDP」 求められる速報値の精度向上 ”(参照)によるとこう。

 計算のベースとなるのは家計調査や法人企業統計といった政府のさまざまな統計で、17年度のGDPは物価変動の影響を除いた実質で540兆円。項目別には個人消費が302兆円と最大で、公共投資などの公的需要が119兆円、民間企業の設備投資も82兆円と大きい。名目だと503兆円に減るが、それでも世界のGDP総額の約10%を占める。

 ざっくりした感じだけど、日本人が消費を促進しないとこのまま日本はじんわりとしたデフレスパイラルが継続していくのでしょう。で、その実態というと、賃金所得に依存している若い世代の世帯は貯金をし、おそらく株式投資もできてるほどおカネに余裕のある年配の世帯ではさらに株式投資の利益を得ていく、という構図なのだろうか。あまりしっくりしないのだが。

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コメント

 ねえねえ。なんで今さら株の話なの?

投稿: 名無しさん | 2007.02.20 18:52

素人が買えるのは投信だろ。
高配当うたってる株は

投稿: | 2007.02.20 21:45

SNAの配当収入の件については、週刊ダイヤモンド(2月17日号)27ページでモルガン証券北野氏が述べられています。それによると、配当所得七兆四千億円中、上場企業の配当分は一兆一千億程度で、残りのほとんどは未上場企業の配当ではないかとのことです。

すなわち、株式・投信等を購入したサラリーマン層が配当で潤っているというようり、企業のオーナーが自分に多額の配当を出しているのだろうと思われます。

投稿: | 2007.02.21 07:54

株って極論すれば↑そういうもんじゃない。

投稿: 名無しさん | 2007.02.21 10:07

個人資産1500兆円とか政府が勝手に発表する理由は国債を消化させる為の口実であり、実際そのような嘘っこ発表を元に日銀は国債を購入して居るわけです。日銀と言えば金利うp0.25%しましたがどうしてああも感情的になるのですかね。あいつにいわれたからチクショー0.125じゃなく0.25にしてやる。とか?まあどうせ国民はどうでもいいんでしょうね。

投稿: yokunaiwai | 2007.02.23 20:25

数字は苦手なんですが、株って企画の利潤をそっくり懐に収める為の、企画者側の方便ではないのですか?

よく解りませんが。

投稿: 夢応の鯉魚 | 2007.02.26 14:10

昨日は大調整でしたね。
これをきっかけに、多少調整局面に入るのでしょうか。

投稿: Relax | 2007.03.01 07:41

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