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2006.03.04

滋賀県長浜市幼稚園児刺殺事件について

 やや旧聞になるのだが、二月十七日滋賀県長浜市で起きた幼稚園児刺殺事件について、ニューズウィーク日本版3・8「日本社会 中国人妻が抜いた孤独の刃」を読んでからなんとなく無意識にひっかかることがあった。同記事は、リードが「滋賀県の園児殺害事件で明らかになった日中結婚ビジネスの実態」というように、日中結婚ビジネスに焦点が当てられている。他所でも同事件についてそうした観点で論じられることが多かったようにも思う。
 無意識のひっかかりは、はてなブックマーク経由で読んだ「はてな的、論点ひきこもり」の” 斎藤環「精神医学、世論との距離保て」(参照)でふと意識に浮かんできた。なお、同エントリは、精神科医斎藤環の朝日新聞寄稿を無断転載したものだろうか、よくわからない。なので、あまりここから斎藤環の意見を批判するわけにもいかないが、一読、精神科医の見解とは思えないなというのがあった。端的に言えば、社会批評家斎藤環なんか不要だから、一精神医としてこの事件を語ってほしかった、ということだ。
 ニューズウィークの記事を読み返した。無意識のひっかかりはすぐにわかった。


99年の来日後、しばらく夫の実家に住んでいた鄭の印象について、「ごく普通の笑顔がきれいな人だった」と近所の人は口をそろえる。
 しかしその後、精神的に不安定になり、03年秋から05年秋まで長浜市内の精神病院に通院。04年には4か月間入院していた。

 「精神病院」というタームで私の心はカチっと音をたてた。そういう報道はあったか。また、そういう履歴をもった人が事件を起こしたとき、日本の新聞メディアは実名を出さないはずではなかったか。
 別ソースのニュースを見ると、京都新聞”犯行動機 解明急ぐ 長浜2園児殺害1週間”(参照)ではこうある。

しかし、2003年から通院し、長期入院したこともあった。2年前に夫の実家から今の家に移り、長女が通園を始めた。昨春からは園に長女の様子を頻繁に見に行き、当番以外の日も通園について行った。

 他大手新聞も類似の表現で、精神病院という記載は見あたらなかった。日刊スポーツ”滋賀園児殺害の鄭容疑者、精神鑑定へ”(参照)では「神経内科」とある。

 調べや親族の話によると、鄭容疑者は2000年7月に結婚。03年ごろから感情の起伏が激しくなって、家庭で暴れだすようになり、家族が救急車を呼び病院に連れて行ったこともあった。その後、鄭容疑者は長浜市内の神経内科で診察を受け回復。通院は続けていたが昨年10月から病院に行かなくなった。医師からは2週間に1度、通院するように言われていた。最近も突然怒りだすことが多く、事件前日にはほとんど寝ていない様子だったという。

 私の知識では、精神科と神経内科は異なる。
 おそらく、病院は、広義には精神病院ではあるだろうが、容疑者が通院・長期入院していたのは、精神科ではなく神経内科ではなかったのだろうか。話を端折るが、それは適切な対応ではなかったのではないか。さらに、精神科医斎藤環はこの点を専門家として言及するのが社会的な役割ではなかったか。追記同日:入院先は精神神経科らしいとのコメントをいただいた。
 日刊スポーツの同記事だが、標題のように精神鑑定を問うている。引用が長くなるが重要なのであえて引用したい。

 滋賀県長浜市で幼稚園児2人を刺殺したとして逮捕された鄭永善容疑者(34)について、大津地検は21日までに、精神鑑定を実施する方針を固めた。
 鄭容疑者は「自分の子どもがなじめなかった」と動機を供述。しかし、事実と食い違う点も多く一方的な思い込みとみられる上、精神的に不安定になって家庭内で暴力を振るっていたことも分かり、地検は鑑定で精神状態を詳しく調べる必要があると判断した。
 一方、鄭容疑者が殺害状況を具体的に説明。「このままここにいたら捕まる」と逃走を図ったことから罪の意識もあり、刑事責任は問えるとみている。

 少し粗暴な議論になるのだが、神経内科に通院ということで、精神科ではないことから、ジャーナリズムは実名報道に踏み切り、そしてその社会評論家風な斎藤環のように、事件を社会問題に還元して議論が進められているのだが、私は、これは元来が精神科の領域の問題ではなかったかという疑問に捕らわれつつある。

【追記同日】
 コメントにて以下の情報をいただいた。私の推測だが、この情報は正しいと思う。

> 病院は長浜日赤病院
> http://www.nagahama.jrc.or.jp/
> 精神神経科です。
> http://www.nagahama.jrc.or.jp/sinryouka/seisinka.htm

 容疑者に精神神経科の入院歴があるとすれば、なぜ大手新聞社は実名報道に踏み切り、また精神神経科を明記しなかったのだろうか。あるいは明記されていたのか。

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2006.03.03

ぼくちん永田はほっぺをペチっで終わり

 世間的には終わった問題でもあり、私もひとまずの区切りをつけておきたいと思う。疑惑メール問題についてだ。
 永田寿康衆院議員Yet民主党員資格停止中が、武部鉄人28号に深々頭を下げるの図や如何と、昨日十時のNHKニュースを見た。見るんじゃなかったかなという後悔もあるが、こういう風景も世の中にはあるな。ふと脳裏に又吉イエスの厳粛なる言葉が浮かんだが詮無き。オリガミスト永田のさらなる謝罪会見の映像もあったのだが、釈明中、どもったのか口が回らなかったのか、自分の頬を自分の手でペチと叩いた。私は唖然とした。こ、こいつ、お子ちゃまか。五十も近くなって今だお子ちゃま気分の抜けない私が言うこっちゃないが、ぼくちんほっぺをペチっはねーだろ。所作というものがあるだろ。なるほどこりゃ、小娘が何か言わなきゃなんない世の中か(参照)。
 醜態をもって一巻の終わりということだろう。読売新聞記事”永田氏「メールは本物でない」…衆院は懲罰動議を付託”(参照)によれば、こういう落とし所となった。


 これに先立ち民主党は2日昼、自民党の1日の公開質問状に対し、<1>メールの真偽は「本物ではない」とした党声明の通り<2>メールに基づく武部氏の二男への送金疑惑は、論拠が消滅した<3>武部氏と二男の名誉回復措置として、改めて謝罪する――とする鳩山幹事長名の回答書を自民党に提出した。しかし、自民党は納得せず、国会での正式な陳謝などを求める公開質問状を再提出した。

 「極東ブログ: 問題はメールの真偽ではなく口座の真偽ではないのか」(参照)で触れたが、この問題は、疑惑メールではなく、疑惑口座である。それが、永田ちゃんごめんねペチっで、「<2>メールに基づく武部氏の二男への送金疑惑は、論拠が消滅した」ことになった。なんだか、それって論理が狂ってね。疑惑メールは主疑惑の従であった。
 つまり、主疑惑である口座問題に民主党がギブアップしたということだ。負けであり、完敗であり、鉄人28号乾杯である。もう、ご次男の疑惑自体が消えちゃったんだものね。
 ここで世間的には終わった問題となった。
 私には問題は残った。しかし、ここで区切りをつけるためにエントリを書いている。
 問題は……もう昨日の週刊文春も週刊新潮も出していることでもあるからブログに書くにもどういうことはなかろう、永田オリガミちゃんのお友達、フリージャーナリスト西澤孝である。ことの粗方の真相とやらは週刊文春「『ネタ元記者』と対決180分」の記事に詳しい。週刊新潮はS学会の敵意をネタにしすぎのようだ。
 問題はではフリージャーナリスト西澤孝が元凶かというとそのあたりから記事はぼけてくる。とりあえず、民主党+永田オリガミちゃんの問題はその次元にクローズするし、国民の問題としても、どの面さげてやがんだぁ(西澤桃花裏人格の声にて)で終わる。しかし、事の真相はフリージャーナリスト西澤孝の奥になる。
 奥には主要な登場人物がまず三人いる。同記事ではS学会系とされる弁護士への配慮からか、富裕層向け雑誌編集者X(エックス)とされているが、雑誌はデュモンだしすでにネットでは名前が流れているのだからここに秘す理由もないようにも思うがとりあえず書かない。二人目はメール作成者でもあり、ライブドア関係者で、昨年、すでに退社している人物Y(ワイ)。最後にYの女友達。女友達というのからYではなくXではないかとも思うがという凝った洒落はさておき。
 こうしたXYXみたいな構図が文春の「真相」記事から示唆されている。それが真相かはわからないが、この部分が解明されないと疑惑メールの出所はわからないし、なにより、疑惑口座はこうした奥の構図から出ていることは間違いない。
 民主党としてはその構図が解明できない。解明できない理由もあるだろう。自民党としてはその構図を民主党が解明するわけはないという駆け引きで事件は進んだ。チキンゲームは自民党の勝ちになった。
 もし疑惑メールの真偽を知りたいなら、富裕層向け雑誌編集者Xを調べることから着手しなけれならない。が、そこで、とりあえずデット・エンドとなった。その先にはメドゥーサでもいるのかもしれないし。
 この間、バイストーリーも展開した。富裕層向け雑誌編集者Xの人脈からいろいろと愉快なブランチが出てきた。その先には、話題の新進アルファーブロガー、といっても引き籠もりさんじゃないほう(マーケッター大西だよなもなしなし)の線も浮かびあがり、そういえばと思うと、ふーん、なんだかわかんないけどそんなものかもな感は、こんな問題はどうでもいいとか、フリージャーナリスト西澤なんてそもそもいねーんだよとかの火消し火消しからじわ~っと伝わる温かさ。なるほど煙幕の後は火消しだよな。そして、ひとまず、終わり。

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2006.03.02

リチャード・プール、享年八六

 昨今なにかと天皇家に関する議論がネットで盛んだが、法的に見れば日本では戦前も戦後も一貫して天皇は国家の機関であった。そのことは昭和天皇もよく理解していた。中野学校でもきちんと教えていた。天皇という存在は憲法に従属するものであり、憲法を見ればわかる。最新版の日本の憲法を見ればそれは「象徴」ということだ。つまり、バッチだ。スケバン刑事リメークもきっと桜の大門を見せてくるだろうが、象徴というのはそういうものだ。
 最新版日本国憲法を作ったのは日本人ではない。米人たちである。GHQ(連合国軍総司令部)である。その民政局の憲法起草委員会たちの、今で言えば「はてな」で日記とか書いたりWeb2.0と見ると脊髄反射的にブックマークしていそうな若造である。
 二十六歳だったのだろう、リチャード・プールはその時。なぜ、僕が?とプールは思った。そりゃ、君の誕生日が理由さ、日本の天皇と同じく四月二十九日だからね、と。もちろん、気の利いた洒落というだけの話。彼は、大学で国際法や憲法学も学んでいた。なにより、横浜生まれ、そして六歳まで日本で育ったということで、日本の伝統などについて、当時のメンツのなかではよく知っていると思われた。もっとも六歳の子が日本の文化や言葉の深い陰影を知るすべもない。

cover
日本国憲法を生んだ
密室の九日間
 プール青年が悩んだのは、敗戦国日本の「天皇」をどう憲法に位置づけるかということだけではなかった。そんな大それたことを青年の一存で決められるものでもない。ケーディス大佐を長とする委員会で検討を重ねた結果だった。問題は、すべてのジョブがそうであるように、納期である。日本国憲法をでっちあげるまでの期間はわずか十日。十日もあれば世界を震撼させることもできるのかもしれないが、それを描く歴史書が実際の歴史の評価に絶えないように、日本国憲法もその後の歴史に耐えるものであるのか、プール青年は不安に思った。後に彼は当時を思い出し、「米国憲法でも草案作りに何か月も要しているのに、短期間の指示にとても驚いた」と述べた(「憲法五十周年記念フォーラム」1997)。
 こんなん出ましたけどみたいな草案が出来た。気になったのは九条である。読売新聞記事”改憲の是非、議論必要 憲法議連主催の憲法50周年記念フォーラム開く”(1997.11.19)で、老いたかつての軍人リチャード・プールはこう述べている。

一九四六年二月、マッカーサー元帥がホイットニー民政局長に「一週間で憲法を改正する草案を準備しろ」と指示したことに驚いた。米国の憲法は、何か月も費やして初めて起草されていたからだ。私は天皇についての起草にあたった。象徴天皇制について内閣にいろんな意見があったが、国会に対して天皇が支持する旨を伝えてくれた。玉音放送、人間宣言と同じぐらい重要なことだ。
 九条の草案を見たときに「永遠に軍事力の保持を放棄せよということは理にかなっていない。原理原則を言うのならば、本文でなく前文で言うほうがより適切でないか」という私見をケーディス大佐(運営委員会のチーフ)に述べたが、彼は「マッカーサー元帥がそう言った」と明かした。
 私は九条の改正は正当化されると思う。日本は国際問題において主要先進国と同じような役割を担うべきだ。紛争を解決する手段としては戦争は放棄すべきだが、国際的な平和維持、人道的な活動のためには防衛力を保持してしかるべきだ。

 そういう意見もあるだろう。クリエーターの心情としても一般的にもそういうものだ。自分の作品に対する後悔の念というものはクリエーターがすべて共有するものでもある。例外は糸井重里のマザーくらいのものかもしれない。
 リチャード・プール、享年八六。亡くなったのは二月二十六日。バージニア州の自宅にて(参照)。
 その親族の歴史(参照)には、日本の敗戦時に関わる、なにかまだ大きな歴史の謎が秘められているようにも思うが、よくわからない。

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2006.03.01

問題はメールの真偽ではなく口座の真偽ではないのか

 昨日、民主党永田寿康衆院議員の記者会見後、早々にエントリを書いたが、民主党ではその後もその関連のごたごたが続いていた。時刻は七時二〇分だったかと記憶に頼るのだが、前原誠司民主党代表は民主本部で会見し、疑惑メールが「本物ではない」と宣った。
 この点はさすがに、逝ってしまったお魚目の前原でもシラは切り通せないだろう。お話はその先だ。送金が指定されたとする口座について、信頼に足りる裏づけができなかったから国政調査権発動も「いったん取り下げる」と平然とぶちかました。うひゃ、なんだ、こいつ。
 魚眼前原は先週は「国政調査権を発動して、調査すると確約することが必要だ」と言っていた。そこからどうしてこういう変遷になるのか。
 という前にジャーナリズムの問題も関連しているので触れておくが、同種の主張は二月二十三日の日経新聞社説”あいまい決着は許されない”(参照)にもあった。


 前原氏は資金振込に関係する口座名や口座番号の情報を得ていると言明した。メールの真贋の決着がつけられないとすれば、この口座を調べない限り事実関係は究明できないだろう。国政調査権の発動を含め、与野党はその手立てを早急に検討する必要がある。国民の関心は高く、あいまいなまま幕を引くことは許されない。

 そして、今朝の社説”あまりにもお粗末な永田議員と民主党”はこうだ(参照)。

 不正の追及は国会における野党の大事な役割である。そのためには十分な裏付け調査が必要であり、もし、十分な裏付けがとれない場合は質問にも慎重さが必要である。あいまいな情報で大げさな疑惑追及をすれば、国会は不毛なスキャンダル暴露合戦の場になって国民の信頼を失ってしまう。戦前の政党政治がそうしたプロセスを経て崩壊した教訓を与野党とも忘れてはなるまい。

 ちょっとこれもないだろ。
 市民社会にとって市民の最終の保護者は国家であると同時に、最大の脅威もまた国家である。国家の権利をどのようにコントロールするかが市民社会の最大の課題であり、その最終ツールが憲法でもある。ま、憲法論はどうでもいいが、市民は国家の権力の発現にはいつも注意を払っていなくてはならない。し、ジャーナリズムもそれが基本だ。
 この問題に関連してもっとも優れた記事は二月二十一日付け毎日新聞”武部氏二男・金銭授受疑惑:「堀江メール」、国政調査権で攻防 発動でも効力疑問”(参照)だ。

 「民主党は何を調査しようとしているのか。過去の例から見てもおかしい」。自民党の細田博之国対委員長は20日の与党国対委員長会談で、国会法104条を根拠とした民主党の国政調査権発動要求を強く批判した。
 自民党が「過去の例」を持ち出すのは、同法を適用した事例37件(34件は昭和20年代)のうち、今回のように民間を対象にしたケースは1949年の2件しかないためだ。衆院事務局も「国政調査権は立法府による行政監視の一環と位置づけられ、学説上も民間には抑制的に用いるべきだと解釈されている」と話す。

 さらに。

 さらに、国会法104条に基づく調査権を発動したとしても、どこまで実効性があるかという問題もある。最近では94年に細川護煕首相(当時)が東京佐川急便から1億円を借り入れた疑惑をめぐり、法務省や国税庁などに資料を要求した例があるが、「国家公務員の守秘義務」などを理由に拒否され、それ以上の追及はできなかった。要求を拒否しても、同法には罰則規定もない。
 実態を解明する手段として、議院証言法による証人喚問や資料要求もある。ただし、実現へのハードルは一層高くなり、現段階では現実味がないのが実情だ。

 魚眼前原というか現行民主党は調査権の発動について本気だったのか。本気だったとしたら、市民社会原則のセンスが狂ってないか。また、どうせ政府は調査権の発動に応じるわけがないからというメンツの問題だったのか。昨日の魚眼前原の会見だと後者のように思えてならない。
 前原会見の前段部分に話を移す。民主党ツンデレってやつか。
 オリガミスト永田会見ではメールの真偽は不明だとツンしておきながら、前原会見でデレしたのかその理由はなんだ? 人間型ET鳩山由紀夫幹事長は次の三点を挙げた。

  1. メーラーのユードラのバージョンが堀江容疑者の使用のそれと違う
  2. 署名前に不自然な@(アットマーク)が入っている
  3. 情報仲介者への信頼が喪失した

 怒っていいのか笑っていいのかわからないが、それってみんなおまえさんたちの隠蔽工作ではないのか。しかも、国権乱用のための。
 ユードラ・バージョンを隠したことの民主党あるいはオリガミスト永田の関与は今ひとつわからないが、@(アットマーク)については明白に民主党の隠ぺい工作である。ひどすぎね。
 しかし、そのあたりがごたごたしていたのは民主党だけのことで世間ではすでに済んだ話だ。問題は、三番目、「情報仲介者への信頼が喪失した」ということだ。
 問題はそこなのだ。どのようなプロセスで「情報仲介者への信頼が喪失した」かの責任説明が私には十分ではないと思う。
 そもそもの問題はメールの真偽ではなく口座の真偽ではないのか。二月十六日の永田議員の会見では、堀江被告が選挙コンサルティングの名目でしたとされる、武部幹事長の二男の銀行口座への振り込みは三回以上、と指摘していた。”資金提供は計3回以上 民主・永田氏が会見 武部氏二男送金問題 ”(2.26時事)より。

 民主党の永田寿康衆院議員は16日昼、国会内で記者会見し、 ライブドア前社長の堀江貴文被告から自民党の武部勤幹事長の二男に対し、 昨年8月26日付メールで指示のあった振り込みの前後にも資金提供が あったと述べた。振り込みは計3回以上となる。永田氏はこうした 資金提供について「証言を得ている」と述べる一方、物証の有無については 明言を避けた。

 問題の端緒となるファクツの報告は、「三回以上とされる振り込み」であって、疑惑のメールはそのサポート(例証)という位置づけだったはずだ。だからこそ、魚眼前原や民主党も疑惑の口座の解明を、脱線しつつも、狙っていた。
 今回の事件は、一例だが、「池田信夫 blog」”偽メールの怪”(参照)のように、ラザー・ゲート事件に模して考える人が多い。だが、それはあくまで従属的なファクツであり、問題の構図は疑惑の口座から発したものであった。
 昨日のエントリ(参照)で指摘した送受信者同一疑惑も入手経路疑惑も曖昧のまま終わるのかもしれない。しかし、それはおっちょこちょいってのは仕方ないなぁ永田ぁ(俺もそうだしなぁ)、にクローズする問題だ。
 民主党が握っていたとされる口座の情報がガセであれば、この問題は、終わる。そこが曖昧であれば、この問題が終わったとは私には到底思えない。

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2006.02.28

民主党永田寿康衆院議員の謝罪、なのか?

 先ほど、国会内で行われた民主党永田寿康衆院議員の記者会見を見た。彼は心労だったかで二十三日に東京都内の病院に入院したというあたりで、同日過労で倒れた私も絶妙な、おっちょこちょいだけが通じ合える親近感をもっていた。で、この会見、なんだったのか? 私もまだ疲労感が残るせいなのか、この間、ニュースをフォローしてなかったのか、亀甲様とかスルーちゃったせいなのか、なんだかさっぱりわからなかった。
 こういうときは、ソクラテスの原則でもあるが、私に鞭、違う、私は無知、ということから愚考してみるのがいいだろう。愚考のガイドラインは今日付朝日新聞”黒塗りの怪、「送金メール」なぜ信じた? 残る疑問”(参照)としたい。

送受信者同一疑惑
 送受信者同一という奇っ怪な話。メールとされるプリントアウトの黒塗り部分の送信者と受信者が同じという、うふふな話がメディアを飛び交っていた。それって本当なのか? その話はどこから出たのか? それをオリガミスト永田は知っていたのか? いや、永田は当初知らなかったらしい。


 永田氏が16日の衆院予算委員会で手にしていたメールは、送信者と受信者は黒塗りされていた。それでも永田氏は直後の記者会見で「差出人は堀江(貴文ライブドア)前社長。受取人は社員だ」と明言していた。

 ところが朝日新聞の記事が正しければ、民主党は党として別の見解を出していた。

 ところが、党の調査で同じ文面のメールを入手したところ、送信者と受信者は、ともに永田氏への情報提供の「仲介者」のアドレスだったという。これが同じメールだったとすれば、永田氏は送金メールの「実物」を入手していなかったことになる。

 朝日新聞の同記事では、ここから「永田氏は何を根拠に「差出人は堀江前社長」などと言い切ったのかが問われそうだ」としているが、それはたいした疑問でもないし、さっきの会見でもその回答はあった。フリーランス西○○おっとっと仮にN記者とする謎のフリージャーナリスト、を信頼しており、そこからの口頭情報らしい。
 私の疑問は、まず単純に、送受信者同一だったのか? そこが会見ではっきりしなかった。あるいは、はっきりしてましたかね?
 もし、送受信者同一だったら、メーラーを使ったメールの転送ですらないことになる。そして、国会という場で国民を愚弄したメカニズムを国民は知りたいと思うのが当然ではないのか。

入手経路疑惑
 入手経路が会見でわからなかった。N記者の名前が出るかなと思ったが出なかった。ネットなどでは一部でぼこぼこボーガスが噴いているがジャーナリズム的にはFA(ファイナルアンサー)状態のように見える。オリガミスト永田はさておき、民主党はそのあたりどう考えているのだろう。
 現状では、ライブドアの関係者Aが、N記者にタレコミ、それをオリガミスト永田がゲットというスジになっている。ライブドアの関係者Aによる内部告発というのが民主党の筋書きだが、疑惑のメールのようなものには別バージョンがいくつか存在していることから、ライブドアの関係者AがN記者にタレコミのリンケージが直線ではないことも確かだろう。あるいは、N記者からオリガミストへの線が分岐しているのかもしれないが、どうだろうか。
 この点については、別バージョンをトレースしていけばわかるように思うし、それは民主党のお家の事情とかもないのだから、それほど難しいことでもないのではないかと思うが、が、が、そこが進まないように見える。
 いや、ぶっちゃけ、平沢勝栄衆院議員のパスでトレースすればいいだけのことだが、そのあたりが絶妙にきな臭い。

銀行口座はわかってんのか
 朝日新聞の先の記事を離れて会見を聞いていてもう一点私が気になったのは、疑惑の銀行口座だった。永田も民主党というか前原体制幹部はその疑惑の銀行口座を知っているということだ。そのあたりが、先週の党首討論での前原誠司民主党代表の強気の元でもあり、国政調査権の発動の連呼の元でもあった。
 こんなメールとも言えないような怪文書をもとに国政調査権を振るうというのはちょっとまともな民主主義国家市民の発想とも思えないが、大手新聞社では日経も支持していて、日経さんオイオイなのか、そうでもしなければダメなのか……微妙で納得せい、と。
 話を少し戻して、メールのようなものの問題より、その銀行口座から関連情報は出ないのだろうか。
 話の流れを見ていると、それこそが、ライブドアの関係者Aの口座でもあるのだろうなとは思うが。

おまけ……民主党ってどうよ?
 民主党ってどうよ?については、まあ、なるようになるのだろうなと思う。あと、私はこれで民主党を見限ってはいない。

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