« 2006年7月2日 - 2006年7月8日 | トップページ | 2006年7月16日 - 2006年7月22日 »

2006.07.15

Deed Poll(ディード・ポール)

 ラジオ深夜便を聞いていたらオーストラリアで近年改名する人が増えているという話題があった。改名は届け出だけで比較的簡単にできる。現状ではずば抜けて増えているというわけでもなく、妥当とされる理由も特にないようだ。話ではこの制度をDeed Pollと呼ぶという程度に簡単に触れていたが、そういえばこれは私には以前から疑問だった。
 私事だが昔学校で勉強をしていたときカナダ国籍の講師が講議の終わりに突然、次回はかみさんがやりますよとか言って、なんじゃそれと思ったのだが、次回アルビン・トフラーのかみさんみたいな人が出てきて講議をしていた。なんかよくわかんねーなと思ったのだが、このかみさんの姓がだんなと違っていた。よくある別姓ではなく、だんなの名字の頭にドイツ語名だろそりゃみたいのが付いているのだ。ミドルネームかなんかかと思って聞いてみたら結婚したとき改名したのよとのこと。旧姓を旦那の姓の前にくっつけたそうだ。合理的でしょ、子供はこの姓なのよと続くのが、世の中わけわかんねーのいるよなには当時相当に慣れていたので、ふーんそりゃいいとか答えてしまった。
 後、コモンウェルスではDeed Pollというのがあって改名はけっこう普通らしいと知ったのだが、カナダもそうだったのだろうか。あるいはあのご夫妻カナダへの移民だったのだろうか。
 ちらとネットをひくと、ブログ「えるざの英国日記アネックス」に”ダブルネーム”というページがあり、こんなエピソードがあった。


 えるざも旦那さまも、結婚前は割と珍しい名字を持っていました。結婚に当たって、「どちらかが名字を変えなければならないのはもったいない(?)」と言うことで、二人の名前をくっつけてしまうことにしました。ちなみに国際結婚の場合は日本でも夫婦別性が認められていますが、こちらも「せっかく二人が一緒になるのだから」と、二人で一つの名前を作ることに決めました。
 具体的にどういうことかと言うと、例えば「田中さん」と「スミスさん」が結婚して、「田中スミス」または「スミス田中」にしてしまおうということです。

 こういうのけっこう普通みたいですね。
 記事には簡単ですとの話に続いてこうある。

さてイギリスで名前を変える手続きですが、日本在住の旦那さまはまず「Deed Poll」なる書類をインターネットでダウンロードしました。これを持って地元の公証役場へ行き、目の前で書類にサインしたことを証明してもらいます。旦那さまは今後の手続きを考えて公証役場へ行きましたが、職場の上司や同僚でも良いようです。要は証人がいればいいわけです。

 これがDeed Pollというやつ。
 オーストラリアでの改名はとちと調べたらクイーンズランド州の解説ページ”Registering a change of name”(参照)がすぐにめっかった。改名なんて簡単だし自由にしていいよみたいな話に続いて、Deed Poll廃止の説明がある。

As from 1 February 2004, you will no longer be able to change your name by deed poll in Queensland. However, you may be able to register a change of name on the ‘Change of name register’ which is maintained by the Registry of Births, Deaths and Marriages.

 Deed Pollは廃止になったけど、名前の登録はできますよということだが、私がわかんないのはここだ。結局簡単な登録で改名ができるということだが、Deed Pollとどう違うのだろうか?
 そういえば、アラビアのロレンスことThomas Edward Lawrence(参照)だが、三十九歳のときにDeed Pollで改名し、Thomas Edward Shawになっている。この制度はけっこう古くからあるのだろう。
 英語版のウィキペディアにはDeed Pollについて解説(参照)があり、それなりに詳しいのだが、いまいちわからない。

A deed poll is a legal document binding only to a single person or several persons acting jointly to express an active intention. It is strictly speaking not a contract because it only binds one party and expresses an intention instead of a promise.

The most common use is a name change through a Deed of Change of Name (often simply referred to as a Deed Poll). Deed polls are used for this purpose in countries including England and Wales, the Republic of Ireland, Northern Ireland, New Zealand, some States and territories of Australia, Hong Kong and Singapore.


 契約というのは二者で成立するものだが、一者だけで公的に有効な意思表明の文書というのがDeed Pollの原義のようだが、ここにも説明があるように実際には改名の手続きに使われるようだ。
 ところで字引を見ると、平型捺印証書とあるのだが「捺印」ではないだろうし、どうも全然理解されていない訳語のようでもある。あるいは、日本でもDeed Pollのようなものがあるのだろうか。
 こういうのがわかってないってことは私は抜本的に英米法に無知ってことなんだろうと思うので、歴史背景とその背景の哲学がわかっている人がいて、ご親切なかたでしたら、教えてくださいな。

photo
Deed Poll
署名とシール(印)
photo
Deed Poll

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.14

軍服もどき

 エントリのテーマが絞り込めないので雑感に近いだがこのところの世界情勢を薄目で見ながら軍服もどきのことを時折考えていた。まずは目下日本で話題の北の金さんだがあのファッションはファッションなのか軍服もどきなのか。私は詳しく知らない。父っつあんの金日成を思い出すと金持ち金さんよろしく恰幅よく背広が似合っていた。彼の場合は多分に伝説であれ実戦に関わっていたので軍服はマジでもあっただろうが、息子の金さんにはまるで軍歴はない。父っつあんとその軍の老人たちは、彼の目からすればうるさい存在だろうし、そこににょきにょきと生えてくる軍エリートというのはどういうふうに見えただろうか。金さんの軍服もどきファッションはそういう背景があるのだろうか。江沢民も胡錦涛も軍の文脈になると中山服なのか軍服もどきを着ざるをえない。みなさん軍人でもないし。
 テポど~ん(参照)以降、金さんの消息が不明というふうなニュースもある。チキンな金さんが隠れるときはマジーチキンブイヨン状態なので、この状態が長引くと国内的にもろくでもない状態なのだろう。というか、北朝鮮の国家意志について再考する必要はあるだろう。
 話が飛んで。イスラエル状況が悪化していると伝えられている。実際悪化しているのだろう。ガザの問題に局所化されず、イスラエル軍兵士拉致事件というのもあるのだがよりによってレバノン侵攻を始めた。「二正面作戦」?んなあほな。金曜日は基本的にニュースを見ないことにしているのだが少しは沈静化の方向があるかと思ったら逆で産経”イスラエル首相、レバノンへの攻撃強化命令”(参照)によれば、オルメルト首相はびんびんである。彼は軍服もどきを着ているわけではないが、北の金さんとか江・フランケンシュタイン・沢民さんなんかと同類のように思える。
 イスラエルの状況に自分が詳しいわけでもないが民意の大局の流れを見て思うのはイスラエル国民が世論として目下のオルメルトの判断を支持することはないと思う。というか、オルメルトは軍部との関係でそうせざるを得ないのではないか。ただ、この産経の指摘は気にはなる。


 13日付イスラエル紙の中には、ヒズボラがシリアと関係が深いことから、シリアが何らかの形でイスラエルとの対立を表面化させ、アラブ側がイスラエル包囲網を形成するとの警戒感を示す論評も出ている。
 イスラエルとしては、兵士と囚人の「捕虜交換」に応じた場合、第2、第3の拉致事件が発生しかねず、安易な妥協はできない。

 ちょっと陰謀論に足を突っ込むのはなんだが、パレスチナ側のハマスはぶいぶい言っているわりには国際的な対応に統制が取れているわけではないし、パレスチナ人は案外損得に賢いので地味な和平努力の継続でぼちぼちでんなの成果が期待できないわけでもないだろう、と私は思う。そうだとすると、そういうのは嫌という非統制勢力が爆走するのは世の常だし、そうした勢力を「これは使える」にするのもありがち。
 シリアがらみのスジがあるのなら、そのあたりはそれなりのスジで叩くとして、現状は悲惨だが、オルメルトもハマスも周期的な動きをするのではないか。悲観的な楽観論だが。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2006.07.13

コンベクションオーブンとスロークッカー

 ココログ投稿できるのかテ・ス・ト。
 先日日記にしょろっと料理のコツみたいなしょうもないことを書いた(参照)。要点は、料理なんてものは二十分以上も手間かけるもんじゃないよということ。料理が好きな人もいるだろうし、母の手作りとか嘘くさいこと言う人もいるけど、実際の生活、夕食作りに二十分以上もかかるようだと嫌になってしまう。やってられるかよ。やってらんなきゃ、外食とか中食とかデパチカになる。というわけで、日頃の食事なんてさっさとやってできるだけ健康な食い物で嫌いでないレパートリーを巡回するだけ、でいいと思う。
 それでも、できたら、ということで、鍋とフライパンは厚手のしっかりしたン万円のがいいと思うし、浄水器もン万円のがいいだろうとは思う。できたらということだけど。そんなのに併せてコンベクションオーブンもお勧めした。
 

cover
デロンギ
コンベクションオーブン
 「デロンギ・コンベクションオーブン」だが、私が使っているのは旧型。東京に引っ越すきっかけで買った。すぐにスイッチの部分が壊れて修理したらまた壊れた。やっぱあれだなイタリア製電化製品のオンオフはコンセントだなということで、そんなふうに使っている。で、何に使うか。いろいろ使える。スコーンとかクッキーとか焼くのもいい。チキンも丸ごと焼ける。チキンの丸ごとっていうのは意外と安いものだよ。スタッフィングに悩むようならレモン丸ごとでもいい。レモンの表面をフォークでグシグシとさしてそれをチキンに詰めて外側を塩・コショウ・油を適当に塗って焼く。他に、スーパーとかで買って冷たくなった天ぷらの温めにもいい。無駄な油も抜ける。ピザもナンも焼ける。特にピザは焼き石を使うからカリっとうめーよ。と、いろいろ使えるし、普通のオーブンより立ち上がりが速いのも手軽。で、そんななかで特にお勧めしたいのが焼き魚。これのコンベクション・モードで焼いた干物は旨いです。鰺の干物とかだと二百二十度十五分くらい。ちなみに鰺の干物を簡単に作る方法もあるがまたの機会に。それから普通の焼き魚も同様にできる。今の季節だとイサキの塩焼きがグッドです。粗塩して小一時間おいて焼く。塩がしみるように串でブチブチやるといいと思うが。で、この粗塩小一時間は調理にはとりあえず含めない。
cover
スロークッカー
タイマー付煮込み名人
 冒頭の話に戻って、料理のコツで、あまり兵器を増強させるのもなぁと思ってスロークッカーのお勧めはしなかった。案の定、ぶくまコメントで二十分じゃ煮物できないじゃんとか言われた。いやいやできるんだってば。というわけで、「スロークッカー」を使う。便利。昨日はこれでソーキを煮た。ソーキっていうのは豚のあばら肉。作り方は一回鍋に水からゆでて沸騰させてから取り出す。あく抜きですね。この手間十分くらいなもの。そしてスロークッカーに投げ込み煮ること二時間ほど。この間なんもすることなし。柔らかく煮えたら、適当に味付けしておしまい。つまり手間は前後の二十分。シチューとかもできる。おでんもできますよ。魚の煮物とかには向かないけど、野菜とお肉はこれでことこと煮ると旨い。スープ系はバッチグーです。それからよくやるのが、鶏ガラと塩と米を水を適当に入れておくと、というか半リットルの水に米は半合ぐらいか、夜中に入れとくと朝には広東粥ができる。
 料理器具は増やさないほうがいいと思うので、お好みで。ちなみに、料理器具でなにが要らないかって炊飯器。「極東ブログ: 米の研ぎ方・飯の炊き方」(参照)を再読あれ。

| | コメント (6) | トラックバック (2)

2006.07.10

北朝鮮問題でのロシアの影

 エントリの前に。ココログが先週末から事実上利用不能状態に陥っている。そして今週は大規模メンテナンスということで、事実上エントリアップが不能になる。もしかすると、ココログ自体が終了ということになるかもしれない。
 北朝鮮のミサイル実験問題については、現時点では、先日の「極東ブログ: テポど~ん」(参照)に加えることがあまりないのだが、九日付けのテレグラフ”Russia secretly offered North Korea nuclear technology”(参照)が多少気になった。以下、話は陰謀論臭いのでそのあたりは適当にフィルターして理解していただきたい。
 テレグラフでの話は標題のとおり、「ロシアが秘密裏に北朝鮮に核技術を提供していた」ということで、北朝鮮のミサイル技術の背景にも旧ソ連(ロシア)があるのだがそこに直結しているわけではない、とりあえず。核技術以外にはIT技術での繋がりはありそうだ。
 陰謀論的に言うと、黒幕はロシア、ということになるのだろう。現実のロシアは一枚岩ではないのと、なにかと複雑な問題があるが、仮にそうだとするとロシアにどんなメリットがあるのか。


Sources close to the proposed sale of the equipment - which would have civil and military uses - said that it was evidence of Russia's secret support for its Soviet-era ally, which was once a bulwark against Chinese influence in the Far East. It was reported that the North Korean military interest in the exhibition stemmed from the dual purpose of many of the products and technologies on display.

 冷戦構造の再現というスジらしい。いかにもロシア嫌いなテレグラフっぽい暗示だが、一般に冷戦というと西側対ソ連ということだったが、極東地域では、ここでも触れているように、対中国的な意味合いがあった。
 日本側から見ていると、右派も左派も独自に勘違いしているようだが、長期ビジョンで見ると、ロシアの最大の脅威は中国であり(人口論的にも圧倒される)、それが極東に大きく展開してくる。その意味で、極東に対して、中国や日本への重圧の構造を作っておくのもロシアにはメリットになりうるし、このメリットは米国とも共通利益となる。極東のエネルギーはずるっと対米向けにしてもよいのだし。
 もともと北朝鮮というのは、ソ連の傀儡国家として創作されたものであり、金正日自身もソ連人であった。このあたりのごく普通の歴史的な背景というは日本などから見えるよりは大きいのかもしれない。
 話は多少余談に逸れるが、別件でシガチョフ事件(参照)のソ連側のジャーナリズムの扱いを自動翻訳などを使って見ていたのだが十分な情報はなかった。この事件は現状ではビザールな事件ということになっているのだが、老眼風薄目で見ると、まったく違った陰謀論的な図柄が見えてこないでもない。
 日本では右派左派ともに中国に対してあまりに過剰な関心を持っているようだが、北朝鮮とロシア関連の部分に奇妙な盲点があるかもしれない。

| | コメント (8) | トラックバック (2)

« 2006年7月2日 - 2006年7月8日 | トップページ | 2006年7月16日 - 2006年7月22日 »