« 2006年6月11日 - 2006年6月17日 | トップページ | 2006年6月25日 - 2006年7月1日 »

2006.06.24

石けんはインド

 一年くらい前だが石けんの話を書いた。「極東ブログ: マイブームは石けん」(参照)である。その後もこのマイブームは続いているので、そんな話。この一年間のインド石けんレポートといったところ。

photo
マイソール
 インド石けんは国内ではあまり見かけないか妥当な価格とも思えないのが多いので、海外から取り寄せた。まず懐かしのサンダルウッド(白檀)だが、マイソールはメジャーらしく簡単に入手できた。もっともマイソールというのはサンダウッドの生産地名なので正確にはなんだろうか。サンダルウッドは白檀なのだが日本人の白檀イメージとは違う。でもありがちなケバイ感じでもなく、最初はインドきっつぅとか思う人もいるだろうが、はまる人ははまると思う。サンダウッドはアロマテラピーオイルなんかもそうだが、ちょっとみには弱そうなのだがけっこう強い香りだし、意外とセクシーな香りでもある。むふふ。マイソールは泡立ちもよくけっこうクリーミーな泡ができる。肌への刺激も少ない。石けんとしてもかなり質がいいので、満足。
photo
ナグチャンパ
 そこでやめておけばいいものをそうもいかないのがマイブームである。他にも手を出した。ってか、よりによってナグチャンパ。ここでどっと引いたあなたはすっかりな人でしょう。でもないのかな。ま、一部ですごーく有名な香りですよ。私にはちときっつい。ってか、バスがすっかりアレゲでした。石けんの品質はよくて泡立ちもいい。マイソールよりちょっといいかもというくらい。肌へのきつさも同じくらいかな。この匂いが好きな人はいいのでしょうね。で、ババブランド以外にもナグチャンパがあって、当然というか、マイルドなのはある。
photo
チャンドリカ
 海外のショップを見まわしていると、おっ、あるじゃないか。チャンドリカ。あるのかぁである。ピュアヴェジテリアンだぜ。ということもあって、これは世界中に愛好家がいるすげー有名な石けんなのだが、最初匂いを嗅ぐと普通の日本人だとまずドンビキだと思う。漢方薬ですかこれ、みたいな感じなのだが(なので使ってなかったが)、使っていみると、これがすげーグッドな石けんでした。香りも慣れてくると、サンダルウッドやニームの香りがわかってくるし、なんか説得力あるんですよ、この香りは。泡立ちはマイソールとかに比べるとちょい劣る。肌にはきつくない、というか、使っていて、唖然とするほど肌に良い(突っ張り感は多少ある)。一週間も使っていると肌質が変わってくるのがわかった。すげーっす。するっとセレブな感じのお肌じゃないですか。ほいで肌質が変わるということは、皮膚の感受性が変わってくるので、風の感触とかむふふな方面の感触まで変わってくるインドですてば。
photo
メディミックス
 チャンドリカにずっぽりはまってしまったので、こりゃ薬草効果かもと思って、この方向をぐいと進めて一部に愛好家の多いメディミックスも使ってみましたよ。くせー。泡立ちもいまいち。なんかこれ効くんかいなと思って使っていくと、なんなんでしょ、奇妙なリラックス感がありますよ。肌にもよいです。チャンドリカよりもよいかも。これで泡立ちがクリーミーならいいのになというところで、この香りにも慣れて、いい感じぃになりつつある。
 この他、インド人なら誰もが知っている(たぶん)、ニームとかも使ってみたけど、悪くないけどそれほど私はニームの必要はなさげ。デオドラントっていうのでしょうかね、効果は。他に印象深いのはクローブとツルシの石けん。なんじゃこれ、バスタブがクリスマスティみたいな風情でもあるけどクローブの香りというのはちょっとはまるものがある。
 総じてインドの石けんはすごいというのがこの一年間の結論。なんでこんなに上質な石けんなんだろと思うのだけど、薬草成分よりも油脂の問題ではないかと思えてきた。基本はパーム油なんだろと思うけど、とにかく人間の肌によくなじむ。
 というわけで、私、石けんはインドです、なのだが、普通の日本人がこういうのを広く使うようになるかなというと香りがネックでしょうかね。ナチュラルでそれほど残らないんですけどね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.06.23

フランス新移民法案、雑感

 結局それが政治ってもんかなと考えてもみるのだが、フランスの新移民法案は十六日上院でも可決した。下院では先月十七日に可決していた。話が少し古くなったせいかネットのリソースは少ない。共同で残っていたのが”仏・新移民法が成立”(参照)である。新移民法案の問題点が簡素に描かれている。一言で言えば、フランス社会から移民を排除していこうとするものだ。


 新移民法は、移民が家族を呼び寄せる条件などを厳しくする一方、優秀な外国人は積極的に受け入れるとする内容。
 また、不法移民が10年間住めば滞在許可証を取得できる従来の手続きを廃止。これまでフランス人と結婚した外国人は2年後に滞在許可証を取得できたが、3年後に変更した。このほか、移民を仏社会に融合させるため、10年間の滞在許可証を取る際にフランス語習得を義務づけた。

 記事はこれに続き、野党からの批判などが多少加わっている。問題の波及というか深刻さは朝日新聞”不法移民の子の「里親運動」 フランスで拡大”(参照)がわかりやすい。移民の子供まで社会から排除することになりかねない危機感を感じる人々が多い。

 フランスで、滞在資格がない移民家庭の子供の里親になる運動が急速に広がっている。ナチス占領時代に多くの市民がユダヤ人の子供たちをかくまったように、強制送還から守るのが狙い。教え子やわが子の仲良しが送還されるかもしれない現実に危機感を抱いた教師や親たちが、続々と里親登録している。

 現地の状況は、先見日記”代父母縁組”(参照)がさらに詳しい。このエントリで興味深いのは、「市民の不服従」が考えの中心になることだ。

 法律に背いた行為によって市民権を主張することを「市民の不服従」という。良心的兵役拒否などもそうだが、その法律がより普遍的な倫理(人権の尊重など)に反するという立場からの抵抗行為だ。サン・パピエの子どもたちの庇護の場合、子どもの権利条約にも明記されているが、すべての子どもが教育を受けられ、人間らしい暮らしができるようにという基本的人権からみると、現在の移民規制法は非人間的で、共和国の精神にも反している。

 「市民の不服従」については、英語のウィキペディア"Civil disobedience"(参照)に簡素な解説がある。日本の歴史における「市民の不服従」については興味深い歴史があるが、いわゆる歴史書としてまとめらているか知らない。いわゆる社会主義運動史のようなものに混在させられているのではないか。
 この新移民法によってフランスはどうなるのか。フランス市民たちは強く結束して移民の子供たちを守るだろうか。
 とそれ以前に新法を推進していたサルコジ内相はどうなるのか、といった政治臭い匂いがする。「極東ブログ: おフランスの学生さん大暴れ」(参照)でふれた学生暴動のオチがヴィルパン失墜であったように、また大騒ぎして今度はサルコジを潰すか。そうなると、一年半前のエントリ「極東ブログ: シラク大統領の次はサルコジ大統領」(参照)とは違ったことになるか。
 日本語の最近のリソースとしては朝日新聞”仏与野党、大統領選へ党員数競う”(参照)があり、現状ではサルコジの強さも伺える。まあ、この間いろいろあったのだが。

 02年、シラク大統領の支持母体として発足したUMPだが、04年に党首になったサルコジ内相を慕う若い世代が大量に入党し、すっかり大統領を目指す同氏の選挙マシンとなった。07年初めの党大会では「党員の意思」で同氏を候補者に指名する段取りだ。

 朝日記事を読んでいただくとわかるように、主眼は社会党ロワイヤル元環境相(参照)に置かれている。

 社会党の党員増やしはサルコジ流の草の根戦略に対抗したもの。にわか党員が増えるほど、世論調査の人気で他を引き離すロワイヤル元環境相に有利とみられる。

 そうかねという感じもするが、ロワイヤルの人気が高いのは確か。このあたりは今週のニューズウィーク(6・28)”フランス救う「中道」の女神”が簡素にまとめている。簡単にいえば、ロワイヤルは第二のサルコジと称されているように社会党でありながら保守強行的な側面が強く支持されている。全体としては、フランスの政治の空気は右派傾向といった感じするが、そうした空気を取り込まないことにはまたルペンのようなものが出てきてしまうというある種、庶民のバランス感覚のようなものではないか。
 とはいえ、先のニューズウィーク記事にもあるように、ロワイヤルの人気の裏で社会党は旧来の社会主義的な傾向の維持にもつとめている。というか、そのあたりが先日のおフランスの学生さん大暴れみたいになにか胡散臭い印象がある。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.06.22

秋田小一男児殺害事件、妄想かもの印象

 秋田小一男児殺害事件についてあまり関心はなくなんとなく耳にする程度の情報しかないのだが、世相としてみると話題は依然続いており、世相のログとしてちょっとだけ印象を書いておいてもいいかもしれない。もっとも一部で馬鹿呼ばわりされている当ブログにさらにこんなことを書くのもなとも思うが。いずれにせよ、今回のエントリはあまり考えたものではなく素直に自分の印象だけだ。なお、この話題について週刊誌的な記事は事件発生前後に少し目を通したが、その後は関心がなくほとんど読んでもいない。基本的なところで私は事件を勘違いしているかもしれない。
 まず目下の秋田小一男児殺害事件だが、米山豪憲君(七)の死体遺棄容疑で逮捕された畠山鈴香容疑者(三十三)が犯人だという印象は私の心の中では少しぼんやりとしている。が、犯罪に関わっていたことはほぼ間違いないのではないかとは思うし、死体遺棄については確かだろう。
 犯罪に関わった畠山容疑者の動機だが、そこがわからないと言えばわからないのだが、なんとなく印象として思うことはある。それを言うには、畠山容疑者の長女彩香ちゃん(九)の死についての印象が先立つ。この事件は彩香ちゃんの死との関連があるだろう、どのような関連かは明確にはなっていないとしても。
 昨年の彩香ちゃんの死は警察の扱いでは事故死ということになっている。この点について、畠山容疑者は事故死ではなくなんらかの犯罪があったのではと疑念を抱き、警察に違和感をもっていたようだ。また彼女自身もそうした意図の背景からビラなどを作っていたらしい。このあたりの話は私はなんとくメディアで知った。
 畠山容疑者が、娘彩香ちゃんの死が事故死ではないと疑念を持ち、表明していたのはなぜだろうか。
 事故にしては不自然だからという思いがあったと考えるのが一番素直な推論だが、考えようによっては、それが事故死ではないことを彼女が知っており、またそれを警察に明らかにして欲しいという意図があったのかもしれない。
 彩香ちゃんについては保険がかけられていたという話がある。噂として聞く程度で報道を通して事実の確認はできない。そうした噂が出るのは、彩香ちゃんの死からの一連の事件が保険金目当ての殺人というストーリーを付けたいからだろう。私はその発想はあながち違うとも思えない。ただわからないのは、彩香ちゃんに保険金がかけられていたかという事実性もだが、仮にそうであるとして事故であることと事件であることの差で、保険金に差があったのだろうかということだ。あるとすると事件であることへのインセンティブが働くかもしれないとは思う。
 話を端折る。彩香ちゃんの死について目下世間の関心は畠山容疑者が関わっていたかということだろう。私は、特になんの根拠もない印象なのだが、関わりがあるだろうが、殺人ということはないだろうと思う。母は子供を殺さないものだという信念から思うのではない。そんな信念はない。畠山容疑者は非情な親であるかのように報道されているが、私がなんとなく見聞きした印象ではこの人は自分の子供を殺す人ではないと思う。
 という前提に立ち、彩香ちゃんの死が事故死でないなら、そしてそれが事件性を持つなら別のストーリーが要求される。
 豪憲君の死に戻る。私は、畠山容疑者が殺人犯であるとしても、豪憲君に対する直接的な関係性はなかったのではないかと思う。つまり、豪憲君への憎しみとかなんらかの口封じとかいうことではないだろうと。では、なぜ? 
 私は怒りではないかと思う。あるいは理不尽な状況に対する心理的な補償、バランスを求めたのではないか。自分の娘が理不尽に殺されたのに、なぜこの子は生きているのかといったものではないか。殺意というより、理不尽な状況に対する自己憐憫からの反抗なり、あるいはそれ自体が誰かへ憎しみのメッセージといったものではないかと思う。
 と、そこまで書いて、別になんか真相をほのめかすというわけでもないが、これ以上書くことができないし、その必要もないだろう。なにより、以上の話はただの妄想と言われてもしかたがないものだ。ただ、もしこの妄想が真相の一部であるなら、畠山容疑者が娘の死の事件性を問うていたとき、警察は答えるべきだったということになるだろうし、警察に悲劇の責任の一端があることになる。
 私の心象のなかでは、畠山容疑者はとても哀れな、そして愚かな人間に見える。悪人には、現状では、見えない。

| | コメント (9) | トラックバック (1)

2006.06.21

台湾陳水扁総統の親族不正疑惑、流れは変わったか

 台湾陳水扁総統の親族不正疑惑の動向だが、どうもこれは国民党のフカシではないかと思えてきた。日本でも先日民主党永田議員が偽メール問題でフカシしていたのを連想する。
 このニュース、国内ソース、英語圏ソース、中国語ソースである程度ワッチしてきたのだが、しみじみ思ったのは情報戦ということだ。私の誤解でなければ台湾の報道は歴史・資本の関係から国民党ベースだし、これにどうしても大陸の中国様もノリノリにしてくださるわけで、しかも私のように「極東ブログ: 陳水扁が勝つと信じ」(参照)みたいにベタな陳水扁支持では偏見も多いので、情報を見極めるのが困難だったが、面白くもあった。
 ほおと思ったのが日本国内での扱いで、奇妙に腫れ物をさわるふうでもある。意外にすら思えたのは、台湾では呉淑珍夫人へのバッシングが大きいのにそこをそっと避けている雰囲気がある。日本人ジャーナリズムの大半は北京官話系のソースしか見ていないとしてもある程度現地の、毎度の国民党の派手な嘘臭さを感じていたのではないか。
 昨日夜の陳水扁総統のテレビ演説についてだが、ニュースで見るだけでもかなり攻勢に出てきたように思えた。中国様の覚えめでたく瀋陽に支局を置かせていたいている朝日新聞”台湾・陳総統、罷免案に「不当」と反論”(参照)でも、そうしたトーンがある。


 台湾の陳水扁(チェン・ショイピエン)総統は20日夜、野党陣営の提案を受けて立法院(国会)で審議が始まった総統罷免案に対し、テレビ演説で反論した。株式インサイダー取引容疑で娘婿が強制捜査を受けるなど劣勢に立たされていた総統だが、罷免案成立の見通しが低いことから強気の姿勢に転じた。

 さらにフィナンシャルタイムズ”Taiwan’s Chen defends himself on live TV”(参照)は陳水扁の主張を多く伝えている点で流れの変化を強く暗示させているように読める。
 政治的に見れば、罷免案がコケたのが大きい(馬英九は当初からそう読んでいただろうが)。
 当然と言えば当然で指摘するも野暮だが、朝日記事ではとても重要な点を見落としている。産経新聞”不正疑惑 台湾・陳総統、TVで釈明”(参照)が手短だが伝えている。

総統は2時間の演説の大部分を台湾語で話し、言論の自由がなかった国民党独裁時代と対比させ、危機克服のために「個人を捨てて自ら十字架を背負う」と、団結を呼びかけた。

 私はよく知らないのだが、総統(大統領)自らが台湾語でテレビ演説をしたなどということがあっただろうか。それだけでも、革命的だと思える。
 もっともそれだけで台湾民衆の心を掴むといったものでもないし、いわゆる本省人民進党対外省人国民党という対立でもないだろう。
 ただ、朝日記事にある国民党の攻撃はさらに国民党側の傷手を深めるのではないか。

 最大野党・国民党は陳総統の演説を「疑惑に明確に答えていない」と批判。総統罷免案が不成立の場合は、行政院(内閣)不信任に向けた動きを直ちに進め、攻撃の手を休めない方針だ

 中国様の動きがよくわからないが、このとばっちりで馬英九沈没ということになると、けっこう青ざめるだろうし、ある意味でさらに日本を含め関連者ご一同混迷を深めていくだろう。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2006.06.20

ソマリア南部情勢

 ソマリア情勢に大きな動きがあるので、とりあえず現時点でのメモを書いておこう。比較的最新のところでは日経”ソマリアのイスラム武装勢力、南部を支配”(参照)がわかりやすい。


アフリカ東部ソマリアで首都モガディシオを制圧したイスラム原理主義勢力「イスラム法廷」の武装勢力は14日、首都北90キロのジョワルにある敵対勢力「反テロ連合」の拠点も押さえ、同国南部をほぼ支配下に置いた。「反テロ連合」は米国の支持を得ていたとされるが、幹部の暫定政府元閣僚らは逃走したもよう。イスラム勢力はイスラム法に基づく支配を強めるとみられている。

photo
ソマリア
 ソマリア南部はイスラム原理主義勢力下に置かれた。もっとも、このイスラム原理主義勢力が何を意味するかは、とりあえず留保しておいたほうがいい。原理主義といっても「極東ブログ: 国連がハマスに資金供与の疑惑?」(参照)といった面もある。
 ここに至る近況はCNN”イスラム武装勢力、ソマリア首都掌握”(参照)が詳しい。現時点の国際情勢で関連するのは次の部分だろう。

 米国と国連は今のところ、首都を掌握したとする同連盟の主張を確認していない。マコーマック米国務省報道官は、ソマリアが「外国人テロリストの避難場所」になることを望まないとする米政府の意向を表明。アナン国連事務総長は声明を発表し、ソマリア各勢力に停戦と交渉開始を呼びかけた。
 また、アフリカ連合(AU)は米政府に対し、ソマリア政権樹立に向けた支援強化などを要請する一方、ソマリア国内の世俗派部族勢力への支援を打ち切るよう求めた。

 米国が「ソマリア国内の世俗派部族勢力」を支援していたのだが失敗したということだが、端的に言えば、テロとの戦いと称して現地の軍閥に肩入れしたが失敗に終わったということ。
 現在の南部ソマリアの状況は比較的安定しているとも言えるようだ。CNNと同時期の記事だが、朝日”イスラム勢力が首都掌握 秩序回復に期待 ソマリア”(参照)が伝えるのはあながち反米に偏っているわけでもない。

 「法廷」の代表は数百人の群衆を前に、「イスラム国家が成立するまで戦い続ける」と宣言した。一方で、英BBCに「我々は政治組織ではない。今後のことはソマリアの人々自身が決める」とも語った。
 「法廷」は、厳格なイスラム法の施行を求める聖職者らでつくる組織。無政府状態のソマリアで、イスラム法に基づいて地域社会の秩序を守ってきた。イスラム教徒が全人口の9割を占める国民には反米感情が強く、「法廷」への支持は厚いとされる。

 これも端的に言えば、「法廷」側が現地での治安維持に機能しているということだ。ちなみにイスラム法が何を意味するかは、「極東ブログ: 罪のない者と罪を犯したことのない者」(参照)でその一端に触れたことがある。
 これをもって米国の対テロ戦略が失敗に帰したというには規模が小さいにようにも思える。先の朝日記事でもこう触れられている。

 ただ、首都が掌握されても、北部では一部勢力が「ソマリランド共和国」「プントランド」などの名で独立を宣言、全土の群雄割拠状態に変わりはない。秩序回復に向かうかどうかは予断を許さない。

 今回の事態で背景に気になることがある。アルジャジーラ”米外交がソマリアでも失敗 イスラム原理主義組織が首都制圧”(参照)が触れている点だ。

 ―ソマリアでの戦闘を米国とイスラム過激派との代理戦争と表現してもいいのか。
 「それだけではない。ソマリアでの戦いはエリトリアとエチオピアとの代理戦争でもある。エリトリアはイスラム法廷を支援し、エチオピアは米政府に協力している。イスラム法廷は、シャリア(イスラム法)の施行で治安の維持を期待する地元財界から資金提供を受けている」

 問題の背景の一端にエリトリアがある。
 私が注視してきたダルフール問題に関連してエリトリアが関連していることがあった。昨年の六月十二日ロイター”ダルフール紛争の協議再開、エリトリアをめぐり暗礁に”より。

 国連、欧州連合(EU)などの支援を受け、アフリカ連合(AU)が仲介役を務めているが、エリトリアも加わる見通しとなった。
 これに対し、スーダン政府代表団は「エリトリアを仲介役、あるいは交渉役として受け入れることはできない。エリトリアが武装勢力に武器を提供していることは周知の事実だ」と述べた。
 スーダンは再三にわたりダルフール地方の武装勢力を支援しているとしてエリトリアを非難してきたが、エリトリアはこれを否定している。

 簡単な図柄を想定するとスーダン政府側がイスラム勢力なのでエリトリアに近いようにも思える。この構図はよくわからないが、気になる。
 もう一点。ロンドン同時テロ事件の容疑者の四名の一人、ムクター・サイード・イブラヒム(二十七)容疑者はエリトリア出身だった。もっとも、彼が英国に来たのは十四歳なので直接的な関連はないのかもしれない。
 ダルフール問題を紛糾させているのが中国だが、今回の事件の裏に中国の動きはあるか見ると、むしろ政府を国連寄りに支援していたふうでもある。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.06.19

カナダ大規模テロ未遂

 旧聞になるが今月三日カナダでテロ未遂犯が十七人逮捕された。日本でまったく報道がなかったわけでもないが、それほど報道がなかった。未遂犯逮捕では話題になりようもないというのもあるかもしれない。が、ニュースを追っていくとこれは実現していたらとんでもない事件となる可能性はあった。日本でのこのニュースの軽視には多少違和感をもった。
 ネットにもすでにあまりリソースは残っていないが、共同”テロ計画の17人逮捕・カナダ、爆発物材料3トン”(参照)を引用しておこう。


カナダ騎馬警察隊(RCMP)は3日、オンタリオ州で、テロを目的に爆発物の製造を計画していた男17人を逮捕したと発表した。未成年5人を含む容疑者らは、国際テロ組織アルカイダに共鳴していたとされ、RCMPはほかのテロ組織との関係を調べている。

 アルカイダとの関連はその後のニュースでもよくわかっていない。実施されていたらどれほどの被害であったかは次の部分でわかる。引用としては長めだが、この共同のニュース全体がロイターのパクリのようなものし、事実性が問われているということで引用する。

 調べによると、容疑者らは、爆発物の材料となる硝酸アンモニウム3トンを注文し、入手した。これは、168人が犠牲となった1995年の米オクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件で使われた硝酸アンモニウムの3倍の量に相当する。

 ふと思うのだが米国で日本のオウム事件に意外に関心が持たれたのはこの事件の関連もあったのかもしれない。
 逮捕については確とした根拠があったと言ってもいいだろう。
 未遂のテロについてはその後の朝日新聞”国会襲撃、首相人質を計画 カナダのテロ”(参照)がわかりやすいだろう。

 カナダで今月3日、大量の爆発物を準備してテロを計画したとして中東・南アジア系の若者ら17人が一斉に逮捕された事件で、グループが首都オタワの国会議事堂を襲撃して、政治家を人質にアフガニスタンに派遣されているカナダ部隊の撤退を要求する計画を立てていた疑いがある、と地元メディアが伝えた。

 「地元メディアが伝えた」というのに多少苦笑するが、テロ未遂犯についても日本国内ではあまり報道はなかったかと思う。五人は未成年。成人は十二人。内六人が爆発物を使ったテロを計画。残り六人を含む九人はテログループから訓練を受けていたという容疑。重要なのは、この訓練を受けていたという容疑で逮捕に踏み切ったことで、これはカナダでは今回が初めてのことのようだ。裏付けとなる法改正なりがあったのかよくわからない。
 テロ訓練については、CNN”カナダのテロ容疑者、航空機操縦訓練受けていた者も”(参照)が多少詳しい。

 容疑者らはカナダ議会襲撃や政界指導者拉致を企てていたが、アフガニスタン駐留カナダ軍の撤退を要求することが目的だった。無線操縦の玩具を利用して、トロント市内の警察署を爆破することも計画していたとされる。
 一方、AP通信はカナダ軍関係者の発言として、議会襲撃や首相を含む政界指導者の斬首を計画していた容疑者の1人、アブドゥル・シャクールことスティーブン・ビカシュ・チャンド容疑者が、武器関連訓練を受けた元予備兵であることが判明したと伝えた。チャンド容疑者はトロントの予備兵部隊であるロイヤル・カナダ連隊に所属していたという。

 日本語ソースから見えるのはこんな感じで、ネットによくあるアルカイダは幻だ陰謀論で済むレベルではない。もっともそれでアルカイダが明確になったわけでもないが。
 狙われていたハーパー首相は未遂に終わってよかったね的にそれほど大事としてないようだが、今回のように未遂に抑えた計画はほかにもあるらしい。ふかしというほどでもないだろうし、であれば米国などでも同様なのだろうとは思う。
 話は余談だが、最初に引用した共同にある「カナダ騎馬警察隊(RCMP)」にちと笑った。英辞郎をRCMPで引いてみると、ほぉである。「カナダ王立騎馬警官」だそうだ。

RCMP
【略】 =Royal Canadian Mounted Police
カナダ王立騎馬警官◆カナダ西部管轄。愛称は、マウンティ(Mountie)、Red Coats(真っ赤な制服から)、Riders of the Plains(荒野をどこまでも追跡した)。現在名=Northwest Mounted Police

 JANJAN”米国、「マリファナの王子」の身柄引き渡しをカナダに要求”(参照)だと「王室カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police:RCMP)」。
 こんなんでいいのか、カナダ。と思って大使館情報を見ると説明があった。”カナダ連邦警察(RCMP)”(参照)である。

 真っ赤な上着につば広の帽子をかぶったカナダの騎馬警官 "マウンティ" は、最も広く知られるカナダの象徴のひとつである。カラフルなロイヤル・カナディアン・マウンテッド・ポリス(RCMP=騎馬警察隊)のミュージカル・ライド(音楽に合わせた騎馬行進)は、カナダでも海外でも人気の高い呼び物だ。
 しかしRCMPは、単なる神話的存在ではなく、その活動も騎馬ショーに限らない。RCMPはカナダの国家警察であり、世界的にも優れた治安維持機関として高い評価を得ている。

 で、実態を説明したあとこうまとめている。

以上のように、RCMPは小規模で暫定的な地方の警察から、国際的に通用する警察へと発展した。だがその歴史を通じて、RCMPは常に紛争の解決を平和的に行うことを心掛け、武力の使用は最終的な手段とした。「正義の維持」というそのモットーどおり、RCMPは国の内外でカナダの象徴的存在となっている。

 というわけで、定訳語も「カナダ連邦警察(RCMP)」と変えたほうがいいぞ、共同とか。
cover
Dance hall girls & mountie
by Ranger Gord

| | コメント (3) | トラックバック (3)

2006.06.18

サッカーと愛国心

 サッカーと愛国心についてあまり考えたことはないが、ネットを見たりラジオを聞いていたりして、ふーんと思うことがちょっとあるでなんとなく書く。
 米国人はほとんどサッカーに関心はないのだそうだ。お国柄というのだろうか、野球とかいわゆるアメリカン・フットボールとかバスケットとかそういうので足りているのだろう。そこまで自国に閉じてしまうのも愛国心かというと考えすぎでしょ。大衆とメディアの問題か、よくわからないけど。ただ、将来米国のサッカー人口が増えるという話も聞いたことがあるので数年後に変わるかもね。
 英国ではというかイングランドでは、サッカーはそりゃもう職場を休んでみるくらいスゴイ人気だそうだ。が、これも愛国心がどうたらということは違うみたいだ。スゴイ人気といっても大半は男性の話らしく、女性はというとあまり人気がないらしい。なので奥さんがたはフットボール・ウィドウらしい。そういえば昔、コンピューター・ウィドウっていう言葉があったな。元コーシングラフィックスの社長さんが起業した時代の話だ。で英国テンポラリ未亡人はどうすべきかというと対処方法は米国に行けという洒落もあるらしい。実際はお茶でもするかチャットでもするのでしょう。
 英国の男たちというか旦那たちのサッカー観戦に欠かせないのはビールだそうだ。自宅でビールというではなくパブとかに出かけるらしい。それって英国と限らないのではないか。昔トルコのエフェスで夕刻ビールでもとぶらっとビュッフェに入ったらおい日本人も来いとかトルコのおっさんの間に挟まれて小さなテレビでサッカーを強制的に見る羽目となったことがある。
 サッカーと愛国心といえば開催国ドイツはどう? あそこって愛国心が日本みたいにタブーっぽいんじゃいのとかちらと思ったのだが、ラジオで聞いた話だと、そういう問題は解決済みらしい。つまりスポーツの愛国心は政治やイデオロギーの愛国心じゃないじゃん、というケリがついているそうだ。もっとも実際にはそうでない輩もあるだろうが、反面ドイツ国内のトルコ系移民もドイツ応援で盛り上がる風景もあるらしい。
 先日のオーストラリア戦で日本はオーストラリアと戦ったので、相手はオーストラリア人でしょとか思っていたら、その数名はクロアチア系の移民らしい。へぇ。クロアチアの選手にもオーストラリアで選手している人がいるらしい。知らなかったが考えてみればそうだな。ドイツ選手にもいるし。ワールドカップとかいうと各国民が自国に戻ってとか考えがちだが、そういうものでもない。
 ジーコ監督もブラジル人なので日本の対ブラジル戦で監督は自国と戦うとかいうとき、まあいい意味でたかがスポーツの話である。
 日本対オーストラリア戦についてブラジル人も見ていたらしく、その感想だが、なんで日本人はゴールに向けてキックしないのか、フットボールというのは相手のゴールに玉をけり込むゲームなのということらしい。一部の意見ってやつでしょうが、あ、そうだよねとか私も思った。

| | コメント (7) | トラックバック (1)

« 2006年6月11日 - 2006年6月17日 | トップページ | 2006年6月25日 - 2006年7月1日 »