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2006.11.01

フリー・ハグ(FREE HUGS)

 フリー・ハグ(FREE HUGS)。直訳すると「無料の抱擁」だろうか。「ただで抱いてあげる」という感じもある。フリーという言葉には自由の意味合いがあるので、「ご自由に私を抱いてくれ」という感じもあるか。街中で、二行で書いたこのプラカードみたいのを掲げて、見知らぬ人が同意したら、そのまま(もちろん着衣のまま)抱き合う、という社会運動だ。言葉でうまく説明できないのだが、ユーチューブの映像を見ると誰でもすぐにわかると思うので、このエントリの末につけておく。
 なぜ見知らぬ人が抱き合わなければならないのか。それ以前に社会運動? いやそれはちょっと違ったかもしれない。ウィキペディアを見ると、Free Hugs Campaign (参照)としている。英語の「キャンペーン」という言葉だとちょっと軍事行動的な意味合いもあるかもしれない。ウィキペディアの解説だと、なぜ?の理由は、Random act of kindness(親切を示す無作為の行動)(参照)というのの一例だそうだ。昔あったダイインみたいな政治性もなく、昔あったストリーキングのような反体制的なものでもない。
 フリー・ハグについてのウィキペディアの解説を読むと、始まったのは二〇〇四年ということだが、特記してあるように、この広がりはユーチューブの影響が大きい。たしかに、街中で抱き合うというのは、そう言葉で言われているのと、映像として見るのとでは印象がかなり違う。というか、この映像は見る人にある種の感動を与えると思うし、そのように意図されているふうでもある。そう悪い作りの映像ではないが意図的な操作を感じないものでもない。
 実際にはこの映像がオーストラリア発であったようで、フリー・ハグもオーストラリア発と受け止められているようだ。映像の主人公は自称ホワン・マーン(Juan Mann)という人らしい。”Free hugs priceless in a culture of violence”(参照)に記事がある。米国では先月一五日の人気番組「シックスティ・ミニッツ」で有名になったようだ。
 これを中国で実践しようとしたグループがあったというニュースを今日見かけた。ロイター”見知らぬ人との抱擁キャペーン、中国では冷ややかな反応”(参照)より。


中国では、街で見知らぬ人と抱擁(ほうよう)するオーストラリア発祥の「フリー・ハグス」運動に対し、冷ややかな受け止め方が一般的なようだ。この運動への参加者が警察の質問を受けるなど、一部では混乱も出ている。現地メディアが30日に報じた。

 中国に対するなんらかの政治的な意図があるのかもしれないが、他にも、韓国(参照)やイスラエル(参照)でもフリー・ハグの活動のようすがユーチューブにあるので、それほどどういうことでもないのかもしれない。たぶん、日本でも一部ではすでに実践しているのではないか。もっともブログを見渡した限りでは、話題はあるが実践はまだのようだが。
cover
The Art of Hugging
William Cane
 ところで、抱擁というと日本語では重たい言葉だが、英語のハグは子供でもよく使う。ハグ・ミー。日本の子供の「だっこー」に近いのかもしれない。ただ、このあたりの、アイ・ミス・ユー、ハグ・ミーというあたりの感覚は中国人と限らず、日本人にはついてけないものがある。
 東洋人一般がそうかというとそうでもないようだ。以前岡田英弘先生の講義でモンゴルの人々の話を聞いたが、人の出会いでは熱烈に抱き合うらしい。考えてみたら、隣の国のキムさんと隣の国のプーチンさんも、どちらもよろしいオッサーンだが、熱烈に抱き合っていたのを以前テレビで見た。っていうか、社会主義にはありがちな光景でもあったな。
 そういえば現在ではどうか知らないのだが、八〇年代にはエンカウンターグループというのが流行っていたことがあった。この中には統制された状況下で見知らぬ人とハグするというレッスンが含まれていることが多い。関連書籍を読むにこれは日本人にはけっこう衝撃的な体験でもあるようだが、もともとは米国発のもので、米人にとっても強い印象をもたらすようだ。偏見的な言い方だが、フリー・ハグとか見ていてもそれがいわゆる外人同士なら文化的にそんなものでしょというふうに見る日本人も多いだろうが、あながちそうでもなさそうだ。

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「雑記」カテゴリの記事

コメント

キリスト教の禮拜では普通の行爲だと思ひます。
(日本では握手になつてゐますが…)典禮の最後は信者間(=隣人同志)の抱擁だつたと記憶します。

ただ、都會の街頭では奇妙に見えるでせうね。
宗派(セクト)が違へば殺しあつた時代を經てるわけですから。

投稿: by-passer | 2006.11.02 02:25

私の知りあいがやってました、フリーハグ。他にもチラホラいるみたいですよ。まぁなんていうか、love&peace系のノリでしょうね。

投稿: dojin | 2006.11.02 13:25

若い子はそれほどハグに抵抗はないみたいですよ。
なんたって新生ドラえもんのOPが「ハグしちゃお」ですからね。

投稿: 大山のぶ代 | 2006.11.02 13:30

 やるかやらないかは相手による。美人なら5分くらい。ブスは抱擁後絞め殺す。

投稿: ハナ毛 | 2006.11.02 18:28

女ならどんなんでもまだマシなんだよ。
ハナ毛みたいな臭っさいオヤジなんぞに抱きつかれたらこっちが死んじゃうよw

投稿: 毛なし | 2006.11.02 18:36

 んじゃ殺してやろう

投稿: ハナ毛 | 2006.11.02 18:46

 >>最終弁当たん

 なんだったら来春東京出るんでそんときフリーは愚。死ぬほど後悔して吉。毛なしも殺すんで絶対来て吉。

投稿: ハナ毛 | 2006.11.02 18:48

気持ちよさそうです。  見知らぬ人と ハグ。 暖かい気持ちになれそうです。 

投稿: Chadのオヤジ | 2006.11.03 02:13

カート・ヴォネガットの「愛は破れても親切は勝つ」という名文句みたいな映像ですねぇ。
日本にはおっさんと躰をふれあわないで済むようにするため女性専用車両というのがあるんだよな、がははと大笑いしていたオーストラリア人の友人を思い出す。(笑)

投稿: かわうそ亭 | 2006.11.03 08:56

 日本の女の子の中には我が身の安全のためなら他人を蹴落としても構わないって感覚が結構強くあるから、フリーハグなんて芸人の一発芸くらいのニュアンスでしか受け止められんでしょ。

 こないだよそ出たら親子連れで小さいガキが抱っこ抱っこ言ってるのに周囲ガン無視とか、そういった微笑ましい光景に遭遇しましたからな。
 抱っことかそういうのは他者に対する過度の依存と受け取られて、そんな真似したら自立した大人にならない、くらいの教育が施されてるんじゃないかと。

 ちなみにうちの三姉が嫁いだ先ではフリーハグっぽい活動がやたら行われているらしく、子供がもの凄い勢いで抱っこ&高い高いを要求してきますな。私もノリノリで鴨居にゴーン! とか言ってゴリゴリぶつけて遊んでました。

 日本人一般とはかなり変わった生態系のようですね。>我が家

投稿: ハナ毛 | 2006.11.03 10:50

 家畜生まれのブロイラー育ちの考えることは、よう分かりまへん。

投稿: ハナ毛 | 2006.11.03 10:51

 私の場合は基本が一視同仁なんで、誰が相手でも同じように振る舞うけどね。親疎の情によって多少やらない行為が出てくる程度で。初対面の人にいきなりヒザカックンしない、とか。電話口で死ねボケがって言わないとか。フリーハグ程度のことなら、相手が臭いオッサンでも浮浪者でも、危害さえ及ばなければ問題ないよ。

 昔都内で働いてたときは、休憩中のヒマな時間に浮浪者のオッサンとジュースで乾杯とかやってましたな。懐かしい。

投稿: ハナ毛 | 2006.11.03 11:08

 明日から「最終弁当フリーは愚」風味で逝くと吉。活動頑張ってね。

投稿: ハナ毛 | 2006.11.03 11:10

あれ?ハグってもともと、お互いに武装していないことを確認しあうための行為から始まったんじゃなかったっけ?
中国人は知らんが、刀差してた日本人にゃ根付きにくい文化でしょう。

投稿: たあくん | 2006.11.03 17:28

 刀差して根付きにくいなら全世界で根付いとらんやろうが。

投稿: ハナ毛 | 2006.11.04 01:44

わ、詳しくかいてありますね。僕もハグのブログかいていて、、
The Art of Hugging William Caneって気になっていたんですが、面白いのかなあ?。。

投稿: poro | 2007.02.19 22:38

なんか、こう画像の威力はすごいというか…。カメラ(第三者的な目線が傍に存在すること)がないと出来ない気がする。でも、例えば初めて友人に紹介されて会った人で、2時間なりすごして、すごく気のあった人なら別れ際にハグするかも。

投稿: saeco | 2007.03.23 22:00

今日、銀座で見たよ。 FREE HUGSの看板持った人。 純日本人としては、さすがに銀座の真ん中でHUGSは、出来なかったけど… 今度見かけたら勇気?をだして挑戦してみようかな せめてFREE HUGSの話だけでも聞けばよかった!と、なぜか帰宅後思ってます。

投稿: jbass65 | 2007.03.24 14:15

丸川珠衝撃のア○ルト出演ありか!【女性誌セブン】

投稿: 丸川珠衝撃のア○ルト出演ありか!【女性誌セブン】 | 2007.09.16 17:04

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