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2006.10.24

おフランスのパリ症候群ですか

 パリ症候群なんてネタは内田樹先生の合気道的ブログエントリ「内田樹の研究室: パリ症候群」(参照)が出てしまった昨年二月二日時点でブログ的にはもうペンペン草も生えないネタかなと思っていたが、ABCを見てたらこの話題が出てきて驚いた。ロイターのネタだった。十月四日の朝日新聞社説的にいうと「荒川選手のイナバウアーではないが、思わずのけぞりたくなるようなこと」って感じだろうか。まあ、つまり、国際ニュースっていうことだ。
 それにしてもパリ症候群かぁと思って、まさかと思ってウィキペディアを引いたら、ちゃんと載っていてこれも若干朝日新聞的イナバウアーだった(参照)。簡単な概説にはいいので引用する。


パリ症候群(ぱりしょうこうぐん)とは、「パリは流行の発信地」であるという日本におけるイメージに憧れてパリで暮らし始めた者が、現地の習慣や文化などにうまく適応できずに精神的なバランスを崩し、鬱病に近い精神状態になることを指す新語・流行語である。精神科医の太田博昭が創った言葉とされ、彼は同名の著書も出版している。

 太田博昭の「パリ症候群」(参照)は一九九一年の刊行なんで随分と古い。あのころ私もパリではないが海外旅行にうろうろした時期でもあり、あの頃と今のパリ症候群はだいぶ違うようにも思うのだがどうなのだろうか。ロイターの記事でもパリ症候群がフランスで最初に紹介されたのは二〇〇四年だとある。
 ウィキペディアの同項目をざっと見ていくと、女性への言及が多いが事実を元にしているのだろう。例えば、「発症者は、20~30代の日本女性に多いといわれている」「日本の若年女性の社会が、他の社会に比べて他罰主義的な社会であるために、発症者が20~30代女性に集中しているとの指摘もある」といった感じ。極めつけはこれか。

外的な要因としては、表層的な情報を過剰に収集することによって生じる、西洋への過剰な憧憬と自国への極端な卑下、日本で自分が認められないのは日本社会の男尊女卑のためであると思い込み、パリで自己実現ができない原因を、「日本人男性によって自分が妨害されている」と責任を転嫁せざるを得ず、その結果、上記のような精神疾患に近い症状を発症するとも言われる。

 なんか変な話だなと思いつつ、読み直してみるに、これはあれかな、と過去エントリ「極東ブログ: あの時代、サリン事件の頃」(参照)を思い出した。この話に突っ込むのはやめてロイターに戻ろう。

Around a dozen Japanese tourists a year need psychological treatment after visiting Paris as the reality of unfriendly locals and scruffy streets clashes with their expectations, a newspaper reported Sunday.

"A third of patients get better immediately, a third suffer relapses and the rest have psychoses," Yousef Mahmoudia, a psychologist at the Hotel-Dieu hospital, next to Notre Dame cathedral, told the newspaper Journal du Dimanche.

(フランスの日曜新聞「ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ」によれば、パリを訪れた日本人のうち年間十数名が精神科の治療が必要になっている。日本人の期待に反して現地は不親切で市街も汚い。ホテル・デュ病院の精神科医師ユセフ・マフムデァによると、患者の三分の一は早期に回復するが、残り三分の一は後遺症が残り、さらに残りは精神病になる。)


 かなり深刻なケースが年間四、五人ということだろう。基本的には無視してもいいような少数でもあるし、記事もそれほど深刻に受け止めていない。ちょっとネタに釣られたか。

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コメント

ロイターの日本語版でも出てました。
http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=entertainmentNews&storyID=2006-10-23T130513Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-233173-1.xml

投稿: ういうい。♪ | 2006.10.24 11:09

こんばんは。
パリには去年行ったんですけど、地下鉄の切符の買い方がわからず、親切じみた様子で近づいてきた人にお金を騙し取られました。
その人はとりあえずいいんですが、ガイドブックの最新版を買ったのに
チケット代が違ったり(値上がりしていた)、自動券売機が新しくなっていたりで役に立たず、なにより空港に出張している日本の旅行会社のブースに人がいないわパンフも置かれていないわ、それでいてパリの中心部に日本人観光客向けの事務所があり、そこに「詐欺師には気をつけましょう」だの大量のパンフが置かれているだの、意味がよくわからないことばかりでした。
他にもいろいろあったのですが、そもそも旅行会社が旅行者に出している注意がアリバイ作りというか、真剣に考えていないというか、よくわからないものでした。

投稿: てんてけ | 2006.10.24 18:04

 女の子に限ったこっちゃないけど、頭でっかちで知識が先行しがちな人ほど知識と現場のギャップに苦しむよね。

 5月病も大まかに言えば似たようなモンでしょ。基本的には無視してもいいような少数でもあるし、大した問題じゃない。成るヤツが阿呆。

投稿: ハナ毛 | 2006.10.24 20:18

 総体との比較で言えば無視していいほどの少数だろうけど、そもそも女でわざわざおフランスに憧れるノータリンが何人居るの? とか、そのうちわざわざ現地まで飛んでしまうパープリンが何人居るの? とか、その中でならんでもええのにわざわざノイローゼになっちゃうトンチキは何人なの? と。そのへんから考えて年間十数人てのは、どうなんでしょね。意外と高確率だったりしてね。
 「夢見る阿呆が馬鹿を見る確率90%以上!」とか、誰かそういうデータぶち上げて馬鹿姉ちゃんの目を覚ましてほしいよね。

 とかいって馬鹿姉ちゃんは基本的に「自分だけは絶対大丈夫」って思ってるから、何言っても何やっても効かねえのな。せいぜ夢見て霞でも食ってろ馬鹿としか言いようがござんせん。

 ってか、どうせなら最悪のパターン(現地逝って夢破れてうらぶれる自分)も想定して、それでいいって腹括ってから行動してほしいよね。

 とかいって馬鹿姉ちゃんは常に自分最高だから最悪の事態なんか絶対想定しないのな。そんな縁起でもないこと考えて実現しちゃったらどうすんだ馬鹿って言いかねない。っていうか実現しちゃったらどうすんのかを考えろよボケって感じ?

 そういう手合いはさっさとどこぞに嫁でも逝って飯風呂寝床だけバッチリキープして貰って一生ブロイラーでも家畜でもやってろ馬鹿ってところでしょうかね。世の中平和ですな。

投稿: ハナ毛 | 2006.10.24 21:01

 そもそもそんなにフランスに憧れるヤツはいねえ、てなデータが出ると旅行屋さんショック!! とも言う。誰かが夢見る世の中ってことは、誰かが傷付く世の中でもあるんですなあ。大変ですな。

投稿: ハナ毛 | 2006.10.24 21:05

言葉自体は前から知っていたものの、ホントのホントに実在するんですか。パリって、街中は臭いし不便だし、現地人が何言ってるんだかよくわからんし(って、これはオレの語学力の問題か)。

まあ、特段大きな目的も仕事の宛てもなく、外国で生活しようなんてしたら、パリに限らず一定割合で精神的に塞ぎ込む人間が発生するでしょう。しかし、パリって新しい商売のネタが発生するタイプの街でも無いので、新規参入の外国人が生きていくには少々難易度が高かろうに。

もっとも、外国に単身で行って、仕事見つけて生活していくということが、プロスポーツ選手が競争の中で生き残っていくのと同じようなものという意識もない姉ちゃんだと、難易度が高い低い以前にハナから勝ち負けにならないだろうけど。

投稿: ふみ | 2006.10.24 23:10

 私とかゲーム好きですからよく遊びますけど、スタートして一番最初に出会った敵にいきなりぶつかって即死するヤツって、むしろ神なんですよね。幾らなんでもあり得なさ過ぎるって意味で。どんだけ無知かと。
 ある程度慣れちゃったら余計そう感じるのかもしれんですけどね。
 「最初ッから死ぬ気満々」じゃないと、あり得んのですよ。確率的に。

 なんとか症候群の方も、まぁ成っちゃったもんはしょうがないので頑張ってねとしか言いようがないですけど、なんていうか存在確率超低め! 天然記念物!? って意味で、凄く価値があるかもしれない。本人にとっちゃ災難以外の何物でもないんですけど。

 人間万事塞翁が馬っていうか人参好きなヤツは細胞が馬ってな精神で、そうなっちゃった自分の不運さを逆ギレ的に書き綴っちゃったりなんかすると、それはそれで読み物として超面白いかもしれない。
 お馬鹿な庶民的に、神思考の一端に触れるチャンスとも言える。

 良くもあり悪くもあるのが世の常なんだから、ちょっとしたことでクヨクヨしてないで、それをばねにどこでもいいからはじけ飛ぶ元気さを身につけて、世の中逞しく生き延びてほしいですね。

 いろんな意味で、頑張れ。そして華々しく散れ。いっそ死ね。そんな感じ。

投稿: ハナ毛 | 2006.10.25 20:45

 世の中死んだモン勝ちですよ。いやマジで。

投稿: ハナ毛 | 2006.10.25 20:48

鼻毛うざい。自分でブログやれよ。

投稿: ヒルトン | 2006.10.25 21:02

パリ行く前に都市文化の免疫を付けていけ、現代日本人。
京都がよい。ヒトが集まっただけでは、都市とは呼べぬ。

投稿: きりかぶ | 2006.10.25 22:58

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» 『よっぱモードなのでかなり暴走気味かも』 10/25/06〆 [【THE FOOL ON THE HILL】]
後半部分に続報:バカ女どもめって言いたいだけのような気もします。 (cf.Reuters@excite:パリの現実に落胆、「パリ症候群」の日本人観光客  太田博昭さんが言うとおりの症状は確かにあるんでしょう、でもそれって別にパリの風土病じゃなくてNYでもLAでも、ソウルでだってみつかりそう。現地の言葉が判らなくてローカル・ルールや地元の倫理から切り離された人間は誰だって不安定になるだろうしさ、そこであえてパリとつけるほどパリがひどいとは思えない、長期滞在希望な異邦人への対応は京都よりマシだって聞く... [続きを読む]

受信: 2006.10.26 01:20

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