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2006.09.24

菊花紋章、雑談

 ブログなんで世間の話題は拾っておこうと思うのだが、昨今の国旗国歌問題は食傷気味。っていうかすでに「極東ブログ: 些細なことには首をすくめておけばいい」(参照)に書いた以上はない。でも昨今の騒ぎで三十年近く前の成人式のことを思い出した。日章旗を飾った壇上から「国歌斉唱ご起立」とか言われて一人立たなかったのは私です。でも萎えて立てなかっただけ。かったりぃとか思うふざけたただの若者でした。今は後悔している。
 このブログでは過去日章旗については「極東ブログ: 正しい日章旗の色について」(参照)、日の丸については「極東ブログ: 野國總管甘藷伝来四〇〇年」(参照)などで少し触れた。「君が代」についてはあまり触れていない。
 日本にはつい最近まで国歌も国旗もなかった。なくてもどってことなかったのだが、小渕総理ががんばって法制化した。とはいえそれほど関連して厳しい規制はないので、日本人が日本の国旗に対して侮辱的とも見えるかものパフォーマンスとかしても思想信条の表現ということになるのだろう。自由は大切だな、と。ただ多少変に思うのは、やっていいのは日本人が日本国旗に対してであって、他国の国旗にそれをすると外国国章損壊罪(参照)になる。


外国国章損壊罪(がいこくこくしょうそんかいざい)とは、日本の刑法92条に規定されている、外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他国章を損壊し、除去し、または汚損することによって成立する犯罪。法定刑は2年以下の懲役または20万円以下の罰金。親告罪。

 もっとも「侮辱を加える目的」というのがビミョー。もともとこれは「外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない」ので、洒落のわからない国には気をつけましょうということで、「なーんだ、日本国が一番、洒落が通じてるんじゃん」ってことかも。
photo
菊花紋
 それより話は菊花紋章。日本には国旗・国歌ができたのだが、国章というのがない。別になくてもいいし、広義に国旗が国章に含まれることもあるだろう。だが、単純に言えばない。じゃ、パスポートについてるアレはどうよ、と。ウィキペディアの国章の項目(参照)に説明があるとおり。

 日本では、法令上明確な国章は定められていない。その為、慣例的に天皇家の家紋であり、天皇の紋である十六弁八重表菊紋(菊花紋章)が、国章に準じた扱いを受けている。
 また、首相・政府(内閣)の慣例的な紋章である五七桐花紋も、国章に準じた扱いを受ける。
 なお、日本の旅券(パスポート)の表紙に用いられる「十六弁一重表菊紋」は、菊花紋章に似ているが、八重と一重の違いがある。

 というわけで、いわゆる桜の大門、ちがった、菊の御紋のデザインはパスポートのそれとは微妙に違っているのだが、どっちが本物というような国章規定もない。
 デザイン的には、パスポートの十六弁一重表菊紋が先にあるような気がするが、この菊花紋章(参照)が天皇家に入ったのはそう昔のことではない。

 鎌倉時代、後鳥羽上皇がことのほか菊を好み、自らの印として愛用したのが始まり。その後後深草天皇・亀山天皇・後宇多天皇が自らの印として継承し、慣例のうちに皇室の「紋」として定着した。

 というわけで鎌倉時代。それ以前にはない。宋学などと一緒に伝来したものなのだろうか、いずれ中国趣味ではあるのだろう。というところで図案の元になっている菊は御紋章菊こと一文字菊である。ネットを見ると「新宿御苑の菊花壇」(参照)に写真と解説がある。重要なのはこの花弁がフラットに十六ということ。
 この一文字菊の菊花紋章なのだが、私はサロニカの考古学博物館の展示物で見たことがあり、びっくらこいて一緒に見ていたギリシア人に「これって、日本の天皇家の紋章(エンブレム)ですよ、ほれ」とかパスポート見せたことがあった。ギリシア人は怪訝そうな顔していた。わけわかめ風。
 あれがネットにあるか探したのだがめっからない。「テッサロニキ/ギリシア - よしこのインターネット・ワールド・トリップ」(参照)に近いのがある。

 左がアレクサンダー大王の父、フィリッポス2世の骨が入っていたという黄金の小箱。蓋にはマケドニア王家の象徴、太陽の紋章(光線が16本)が刻印されています。王妃と見られる女性の骨が入っていた小箱も展示されていましたが(向かって右)こちらの太陽は光線が12。天皇家の菊のご紋章が16弁というところを見ると「16」という数字には何か意味がありそうですが、どなたかご存知?

 で、太陽紋章以外に菊花紋章もあったのだ。ちなみに、この骨、フィリッポス二世ではないです。
 よくトンデモ系の考古学でユダヤ教の遺跡で菊花紋章がある云々という話があるが、ヘレニズム・デザインなんじゃないかと思う。とはいえ、インド系のヘレニズム・デザインだと蓮花が原型かと思うのだが、このあたりのデザインの系譜はどうなっているのだろうか。

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コメント

 吉村作治氏が何かの本の序文に書いていました。
ローゼット文様ってのは違うのでしょうか。

投稿: ハリマオ | 2006.09.24 19:42

皇室の正紋は日月紋じゃねーの

投稿: | 2006.09.24 22:50

wikiでみると万葉集では菊は詠まれていないのに対し、古今集ではいくつも出てくると解説されているので、日本に伝わったのはその間、多分晩唐でしょう。宋じゃないですな。

で、後鳥羽帝がことのほか菊の紋を好んだというのは、帝が刀を好んで名工を方々から呼び集めて鍛えさせた刀に菊の文様を入れたのが後代、「菊一文字」と呼ばれて名刀の代名詞になったことから有名になったわけです。もっとも現存しているものはほとんどなく、本物に間違いないものは東博に一振りあっただけだったような。。。


そして、見落としている方が多いですが、この記述から考えるとこの菊の紋というのは家紋じゃなくて「お印」です。

ついでにいうなら、16と言う数字に何か意味を持たせたいなら多分起源は中東、ペルシャとの関連でしょう。ペルシャではできるだけ割れる数が多い数字を好んでいましたので。(何しろ60進法の起源ですから)

投稿: F.Nakajima | 2006.09.24 23:34

富山の有峰かどっかには天皇家のと(ほぼ?)同じ家紋を自慢にしている(た?)人々がいて、その紋は (木を伐ってきて乾燥し、塗り椀などの材料を轆轤で作る) 木地屋が伐り出した木材の断面に刻んだ、乾燥を早めるための放射状のマークが起源だとする説があるそうな。

投稿: Lambare | 2006.09.25 10:06

菊花紋はシュメール最高神アンの紋章出羽守。
ユダヤの菊花紋ではなくバビロンの16弁菊花紋として指摘されているところが多いような。
まぁユダヤはバビロンの神話をかなり剽窃してるので根は同じですけどね。

投稿: ■□ Neon / himorogi □■ | 2006.09.25 11:43

唐から伝来だとか、ユダヤから伝来だの
どこの田中一宇だ
まぁ、一度家紋一覧してるサイトでも見てこい
菊花紋なんて、日本の家紋意匠から自然に生まれた一つでしかないのが分かるから
あほくさい

投稿: | 2006.09.25 22:31

 ってゆーか「統一なんたら」の類がありそで無いのが日本のいいところなんじゃねーの?

 こんだけ狭い島国なのに、銘々勝手に我が思うままに突き進んでこそ真の日本人でしょ、みたいな。
 全員がお山の大将国家って素晴らしいじゃないですか。揃いも揃って馬鹿ばっか。それが日本でしょ。そんな感じ。

投稿: ハナ毛 | 2006.09.26 04:20

「新宿御苑の菊花壇」のURLですが、02.htmlが正しいようです。

投稿: Ks | 2006.09.26 17:47

Ksさん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。

投稿: finalvent | 2006.09.26 19:23

がっくり来ました。今時八切止男ですか?騎馬民族征服説とか、この年代の人ってそういうのほんと好きですね

投稿: bpp | 2006.09.26 19:44

首をすくめてるうちに、戦争の真っ只中ってことはないのでしょうか。
私には、ささいなことには思えません。

投稿: かめ | 2006.09.27 00:04

何故16弁なのか?というのは、これ眉唾かもしれませんが、明治天皇が即位されたのが16歳だったからという説を聞いたことがあります。

投稿: | 2009.01.22 13:43

パスポートの桐紋は、日本政府の慣例。
菊花紋章も「S34年」辺りに法制化されていますが、商標登録はナシ。

だれでも「菊花紋章をモチーフにして使用可。但し商売利用不可」。

▼三種の神器が、天皇が天皇たる所以となった文献はどこにも
存在しません。
▼2600年間一系は人類史上存在しません。

太古から、天皇なる者が暗殺されては、直ぐに、
何処からともなく『現れる天皇』。恰も『金太郎あめ』。
これも日本人が『中国の上澄みを真似た天子様信仰』。


▼犯罪を犯してもも決して罪に問われないと法制化された天皇は
事実上『権能を有す、日本の最高国家機関』です。

▼軍需産業筆頭株主の天皇は世界1の戦争資産家。

▼国事行為を行う天皇が、それを拒否する場合の法律は日本に
存在しません。


▼オバマ大統領が、たった1泊した日本、その盟主天皇へ
『90度に腰を曲げてお辞儀握手、奇妙なスタイル』でした。

▼そのアメリカは1853年から
『馬の骨による狂言的天皇の地位』を熟知し、
米国国家戦略心理戦プランに、それを日本の弱点=標的として
記しています。

*直角お辞儀は、大いなる皮肉!
首相は『対等外交、日本のリーダー』を強調しますが、
事実上『制度/法律』からは「天皇が日本に盟主」。

狂言的天皇を「天皇の地位=権能の最高機関』へ就けなければ
国政が執れない「永年の日本」、その幕府と政府。
『参内御上り』の劣等観。

日本人全員が消滅しても、必ず『天皇だけは出現する妄想の国』

投稿: | 2009.11.18 16:28

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