« [書評]郵政省解体論(小泉純一郎・梶原一明) | トップページ | ヨガ雑感 »

2006.09.22

安倍ジャパンになんとなく思う

 ネットから眺めている限り、あまり安倍晋三新総理の支持者というのは見かけないように思うがどうなんだろうか。朝日新聞社の世論調査では約六割が好感を持ったということのようだし、自民党内の支持などを眺めても、だいたいそんなところだろう。気になるのは男女差が目立つことだ。その朝日新聞記事”安倍新総裁「よかった」57% 本社世論調査”(参照)より。


 安倍氏の選出を「よかった」と思う人は男性52%、女性62%。自民支持層では85%に達するが、公明支持層では44%と与党支持者でも落差がある。安倍氏に親しみを「感じる」は男性51%、女性66%だった。

 単純に女性受けするという以上の意味がありそうに思うのだがよくわからない。こうした支持は何かのきっかけで逆転しそうでもあるし。
 安倍総理で今後の自民党がどうなるかということについては、この世論調査ではあまり変わらないとする人が多いようだ。「変わらないさ」という投げやりな思いと、「変わって欲しくない」という願望も多少あるのだろう。

 一方、安倍氏が総裁になって自民党が「よくなる」と思う人は17%、「悪くなる」は3%で、「変わらない」が70%と最も多かった。安倍氏のもとで、自民党改革はそれほど期待されていないようだ。

 小泉時代に自民党は変わってないと言えないこともないだろうが、単純に考えれば変わった。なので、この朝日新聞の問いかけと答えをどう受け止めていいのかは難しい。
 日本の外側からはどう見えているか?
 二一日付けのフィナンシャルタイムズ”Japan after Koizumi”(参照)ではこう評価していた。

Mr Koizumi's greatest achievements were not in foreign policy or in economic reform, but inside the LDP, where he undermined the influence of the old political factions and modernised the party to make it more fit to govern Japan. Mr Abe will be judged on his ability to build on this legacy. If he succeeds in accelerating economic reform and in restoring good relations with China, he will be a worthy successor to Mr Koizumi.

 小泉総理の業績は外交にも経済にもなく、自民党旧勢力の影響力を弱体化させた党内改革であったとしている。そして、安倍新総理がその遺産(自民党改革)を継ぎ、経済構造改革を進め中国友好に努めるなら、小泉時代を継いだと言いうるだろうというのだ。ほぉ。
 フィナンシャルタイムズが期待するように、安倍新総理の下で自民党改革が進むかどうかについては私は期待薄だが、期待したい思いもある。
 経済政策面では、フィナンシャルタイムズは小泉時代をそれほど評価しないふうでもあるが、安倍新総理にこんな提言もしているのが面白い。

Rather, Mr Abe should learn from Mr Koizumi's premiership that Japanese voters are better disposed to reforms than many LDP leaders and their friends in business and the bureaucracy. If Mr Abe is wise, he will follow the example of his predecessor - whose favourite economic troubleshooter was Heizo Takenaka, an academic and an outsider - by choosing his economic policymakers on the basis of talent rather than their standing in the LDP.

 小泉総理の流儀に習って経済政策には竹中平蔵氏のような専門家を自民党外部から登用せよというのだ。誰を選ぶかというのはいろいろ議論もあるだろうが、確かに日本の経済政策では専門家を選ぶほうがいいし、専門家となると学術面だけではなく米国との繋がりも求められるだろう。
 他、外交面では、フィナンシャルタイムズは米国メディアとは異なり、安倍新総裁をそれほど鷹派だとは見ていない。それどころか中国との関係修復に動く示唆もある。
 まあ、フィナンシャルタイムズの記事をぼんやり読みながら、概ね、参院選まで政策を日和っているようなら安倍政権の未来はたいしたことはないだろうと思う。では、実際どうなるのかと再考する。意外と小泉流とは違っていても、早々に衆目を驚かす手を出してくるのかもしれないな、経済政策面とかで。

|

« [書評]郵政省解体論(小泉純一郎・梶原一明) | トップページ | ヨガ雑感 »

「時事」カテゴリの記事

コメント

>ネットから眺めている限り、あまり安倍晋三新総理の支持者というのは見かけない

確かに。いわゆるネット右翼という方々も麻生支持が多かったですし。ただ産経新聞のizaには安倍支持ブログでいメ尽くされていますね。
 あとは普段政治にそれ程関心のない層で、安倍支持が高いのではないですか?

投稿: kechack | 2006.09.22 19:29

>他、外交面では、フィナンシャルタイムズは米国メディアとは異なり、安倍新総裁をそれほど鷹派だとは見ていない。それどころか中国との関係修復に動く示唆もある。

日本も北への制裁を始めたり、安部が訪中したりするのは金王朝崩壊に備えたものだとか言う人もいますね。

>意外と小泉流とは違っていても、早々に衆目を驚かす手を出してくるのかもしれないな、経済政策面とかで。

中川次期幹事長の動きを見るとインタゲやっちゃうんでしょうかね。本気でリフレするなら早々に福井を切るはずだと思いますが。

投稿: 妄言太郎 | 2006.09.22 21:42

ネットでは文章や面白発言の方が重視されるから、出番が多くても発言に面白みの無い人より面白みのある人の方が話題として残りやすいのでは?

と最近思う次第。

テレビは露出回数で稼ぐメディアに対し、ネットは話題性で伝播させるメディアだからこそ麻生支持の逆転現象が起こっているのかも?

投稿: リーマン29歳 | 2006.09.23 08:53

安倍か麻生のどちらかでってのが
ベースにあったからじゃないですかね
自分は二枚看板でやればいいんじゃないのと思う次第

投稿: 梨 | 2006.09.23 19:01

はじめまして、InfoC管理者といいます。私のブログ記事
「安部晋三総理大臣は日本を危険にするか?」
http://infocfuture.seesaa.net/article/24328118.html
に書いてありますように、現在、この議題で皆様にコメントを述べてもらいポッドキャストにしようと考えています。そしてコメントを述べていただける方を募集しています。制作方法はSkypeなどのインターネット電話を使用する予定です。finalvent様のようなご著名な方には甚だ恐縮ですが、もし少しでもご興味がありましたらぜひぜひ参加していただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

投稿: InfoC管理者 | 2006.09.24 14:58

InfoC管理者さん、こんにちは。ネットの可能性として、podcastingについて最近考えることがあるのですが、まだこの分野は控えておこうかと思っています。

投稿: finalvent | 2006.09.24 16:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 安倍ジャパンになんとなく思う:

» 石器時代に戻る [経済まねきねこ情報局(FX・株・経済など)]
 ムシャラフ大統領(パキスタン)は訪米中の21日、米CBSテレビのインタビュー  01年9月の米中枢同時テロ後にパキスタンを訪れたアーミテージ国務副長官(当時)から  米国の対アフガニスタン戦争に協力しない場合... [続きを読む]

受信: 2006.09.24 07:57

» 安倍総理の記者会見 [シモキタ界隈フオ〜〜]
安倍総理の初の記者会見を見た。 「美しい国、日本」を作る高邁な理想を掲げての安倍丸の船出である。 少し気負った感じもするがまあそれはそれ。さてしばらくはその実行力を見ることにする。 私が総理なら「鉄腕アトム計画」を発表する。今の日本に足りないのは将来に向かっての目標であり夢である。「鉄腕アトム計画」は今日本が抱えている様々な問題解決の糸口となる。つまり日本は元々モノづくり・技術立国である。失われた10年(平成大不況)は不良資産脱却の10年でもあった。その結果として金融に目が行き過ぎてしまった。ホリ... [続きを読む]

受信: 2006.09.26 22:40

« [書評]郵政省解体論(小泉純一郎・梶原一明) | トップページ | ヨガ雑感 »