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2006.07.03

ベトナムで期待されている新しいバイオ・エネルギー

 ベトナムで期待されている新しいバイオ・エネルギー、それは、ナ・マ・ズ、らしい。ナマズというのは、アレだ、ブログなんかの検索によく使われるやつ……じゃなくて、漢字で「鮎」と書くやつ……でもなく、「鯰」である。英語でいうと、catfrogである。学名は、Silurus asotus。伝統的な捕獲法では瓢箪を使う。だが、昨今では養殖しているらしい。

cover
世界のナマズ
 メコン川流域で養殖し、その近在で加工し、ヨーロッパやアメリカに送る。アメリカでは鯰といったら有名な御馳走である。英語のことわざに、There are no eyes in a catfish but barbs(ナマズには目がないが、ひげがある)と言われるほどだ。この南部の伝統料理は明治維新の志士たちが伝えたものらしい。
 で、話は、ナマズ・バイオ・エナジーだが、今日付のロイター”Firm to make biofuel from catfish fat”(参照)に詳しい。

HANOI (Reuters) - Vietnamese catfish processor and exporter Agifish plans to turn catfish fat into fuel to run diesel engines, a company official said on Monday.
(ハノイ・ロイター ベトナムのナマズ加工輸出会社アジフィッシュは、ナマズ脂をディーゼル・エンジンを駆動する燃料に転用する計画をもっていると、同社役員は月曜日に語った。)

 二〇〇七年には年間一万トンものマナズ・オイルをベトナム国内向けに生成するとのこと。自国で石油が産出するのにもかかわらず、地球に優しいナマズ・オイルに着目している先見性は世界各国から注目を浴びている。
 中近東産油国で支持を受けるアルジャジーラも今日、”Catfish power for diesels
”(参照)として報道。その試みに強い関心を持っているようだ。背景には、現在の石油産油国といえどもナマズ・オイルに人類の環境に優しいエネルギーへの期待を抱いているからなのであろう。
 ナマズ・オイル開発の経緯については、コラコラコラム: ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第62号(参照)が詳しい。

植物性オイルは既に世界各地で古くからバイオ燃料として使われてきているが、Thienさんはイギリス・オックスフォード大学大学院で学ぶ子息から、ナマズの脂肪で転用できないかと勧められ、研究に入ったそうだ。「元々、製品に関する膨大な知識と、それに息子が提供してくれた資料によって今回のナマズ脂肪の軽油への転化が成功したのです」とThienさん。

しかしながら、研究初期段階では思いもよらぬハプニングの連続で複雑な仕組みであった為、実験道具を自らいくつもこさえ実験に実験を重ねたのだという。又、彼の下で働く開発チームの技術者Vu Tran Quocさん、An Giang大学の農学博士Vo Thi Dao Chiさん、そしてChi博士の愛弟子Nguyen Quynh Nhuさんなどから開発協力を得、産学連携チームとなって研究を追い求めた。


 プロジェクトXベトナム編があれば、感動を呼ぶことは間違いない。こんな感じだろうか。

 カンボジア国境近くのメコン川のほとり。
 チエンさんはじっと夕日の沈む西を見つめた。
 私の人生はナマズに始まり、ナマズに終わる。
 一日一六〇トンのナマズの加工中に出る一〇トンの油は
 家畜肥料に売っていた。
 最近は売れ行きが悪い。
 「とうちゃん、これをバイオ燃料として売るんだ」
 オックスフォード大学に学ぶチエンさんの息子は言った。

 うーん、続かない。

追記(翌日)
翻訳ニュースが出てました。
ナマズの脂肪を生物燃料に ベトナム | Excite エキサイト : ニュース
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081151942797.html

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コメント

catfrog?catfish?

投稿: | 2006.07.03 20:51

何時も楽しみにしています。
コメントしようと思って書き始めたのですが、長くなりそうなので、自分のブログにしてTBさせて頂きました。

投稿: 橘 江里夫 | 2006.07.03 22:07

猫蛙?
鰻犬も?ニャロメ。

投稿: 不二夫 | 2006.07.04 02:50

ベジタリアンが怒りそうなオイルですね。

投稿: 売れるのかなあ | 2006.07.04 09:52

そのうち鯨油も復活するのかね。

投稿: K | 2006.07.04 22:08

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