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2006.06.19

カナダ大規模テロ未遂

 旧聞になるが今月三日カナダでテロ未遂犯が十七人逮捕された。日本でまったく報道がなかったわけでもないが、それほど報道がなかった。未遂犯逮捕では話題になりようもないというのもあるかもしれない。が、ニュースを追っていくとこれは実現していたらとんでもない事件となる可能性はあった。日本でのこのニュースの軽視には多少違和感をもった。
 ネットにもすでにあまりリソースは残っていないが、共同”テロ計画の17人逮捕・カナダ、爆発物材料3トン”(参照)を引用しておこう。


カナダ騎馬警察隊(RCMP)は3日、オンタリオ州で、テロを目的に爆発物の製造を計画していた男17人を逮捕したと発表した。未成年5人を含む容疑者らは、国際テロ組織アルカイダに共鳴していたとされ、RCMPはほかのテロ組織との関係を調べている。

 アルカイダとの関連はその後のニュースでもよくわかっていない。実施されていたらどれほどの被害であったかは次の部分でわかる。引用としては長めだが、この共同のニュース全体がロイターのパクリのようなものし、事実性が問われているということで引用する。

 調べによると、容疑者らは、爆発物の材料となる硝酸アンモニウム3トンを注文し、入手した。これは、168人が犠牲となった1995年の米オクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件で使われた硝酸アンモニウムの3倍の量に相当する。

 ふと思うのだが米国で日本のオウム事件に意外に関心が持たれたのはこの事件の関連もあったのかもしれない。
 逮捕については確とした根拠があったと言ってもいいだろう。
 未遂のテロについてはその後の朝日新聞”国会襲撃、首相人質を計画 カナダのテロ”(参照)がわかりやすいだろう。

 カナダで今月3日、大量の爆発物を準備してテロを計画したとして中東・南アジア系の若者ら17人が一斉に逮捕された事件で、グループが首都オタワの国会議事堂を襲撃して、政治家を人質にアフガニスタンに派遣されているカナダ部隊の撤退を要求する計画を立てていた疑いがある、と地元メディアが伝えた。

 「地元メディアが伝えた」というのに多少苦笑するが、テロ未遂犯についても日本国内ではあまり報道はなかったかと思う。五人は未成年。成人は十二人。内六人が爆発物を使ったテロを計画。残り六人を含む九人はテログループから訓練を受けていたという容疑。重要なのは、この訓練を受けていたという容疑で逮捕に踏み切ったことで、これはカナダでは今回が初めてのことのようだ。裏付けとなる法改正なりがあったのかよくわからない。
 テロ訓練については、CNN”カナダのテロ容疑者、航空機操縦訓練受けていた者も”(参照)が多少詳しい。

 容疑者らはカナダ議会襲撃や政界指導者拉致を企てていたが、アフガニスタン駐留カナダ軍の撤退を要求することが目的だった。無線操縦の玩具を利用して、トロント市内の警察署を爆破することも計画していたとされる。
 一方、AP通信はカナダ軍関係者の発言として、議会襲撃や首相を含む政界指導者の斬首を計画していた容疑者の1人、アブドゥル・シャクールことスティーブン・ビカシュ・チャンド容疑者が、武器関連訓練を受けた元予備兵であることが判明したと伝えた。チャンド容疑者はトロントの予備兵部隊であるロイヤル・カナダ連隊に所属していたという。

 日本語ソースから見えるのはこんな感じで、ネットによくあるアルカイダは幻だ陰謀論で済むレベルではない。もっともそれでアルカイダが明確になったわけでもないが。
 狙われていたハーパー首相は未遂に終わってよかったね的にそれほど大事としてないようだが、今回のように未遂に抑えた計画はほかにもあるらしい。ふかしというほどでもないだろうし、であれば米国などでも同様なのだろうとは思う。
 話は余談だが、最初に引用した共同にある「カナダ騎馬警察隊(RCMP)」にちと笑った。英辞郎をRCMPで引いてみると、ほぉである。「カナダ王立騎馬警官」だそうだ。

RCMP
【略】 =Royal Canadian Mounted Police
カナダ王立騎馬警官◆カナダ西部管轄。愛称は、マウンティ(Mountie)、Red Coats(真っ赤な制服から)、Riders of the Plains(荒野をどこまでも追跡した)。現在名=Northwest Mounted Police

 JANJAN”米国、「マリファナの王子」の身柄引き渡しをカナダに要求”(参照)だと「王室カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police:RCMP)」。
 こんなんでいいのか、カナダ。と思って大使館情報を見ると説明があった。”カナダ連邦警察(RCMP)”(参照)である。

 真っ赤な上着につば広の帽子をかぶったカナダの騎馬警官 "マウンティ" は、最も広く知られるカナダの象徴のひとつである。カラフルなロイヤル・カナディアン・マウンテッド・ポリス(RCMP=騎馬警察隊)のミュージカル・ライド(音楽に合わせた騎馬行進)は、カナダでも海外でも人気の高い呼び物だ。
 しかしRCMPは、単なる神話的存在ではなく、その活動も騎馬ショーに限らない。RCMPはカナダの国家警察であり、世界的にも優れた治安維持機関として高い評価を得ている。

 で、実態を説明したあとこうまとめている。

以上のように、RCMPは小規模で暫定的な地方の警察から、国際的に通用する警察へと発展した。だがその歴史を通じて、RCMPは常に紛争の解決を平和的に行うことを心掛け、武力の使用は最終的な手段とした。「正義の維持」というそのモットーどおり、RCMPは国の内外でカナダの象徴的存在となっている。

 というわけで、定訳語も「カナダ連邦警察(RCMP)」と変えたほうがいいぞ、共同とか。
cover
Dance hall girls & mountie
by Ranger Gord

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コメント

カナダのロイヤル・カナディアン・マウンテッド・ポリスは『マウンティ』の愛称で親しまれており、ロッキーボーウィンクルという漫画にもマウンティがダドリードゥーライトというキャラクターで登場していました。

ミュージカルではクラッシックですが、ネルソン·エディ主演のローズマリーがマウンティを主役としているもので有名です。

http://imdb.com/title/tt0028207/

投稿: 苺畑カカシ | 2006.06.19 16:06

騎馬警官というと、マイケル・スレイドの小説を思い出しますな。まぁ、それだけですわ。
あー、これがレッドサージなのかー、とか。>>写真

お暇じゃないでしょうし、お口に合うかどうかは知りませんが、私は好きな小説ですよ。

投稿: きんげいと | 2006.06.19 22:09

TBが通らないのでこちらに置かせてください。今更で恐縮です。
 http://harmoniker.seesaa.net/article/19666981.html

投稿: harmoniker | 2006.06.22 15:23

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先日私はカナダのテロ事件未遂事件を考えるで、私はイラク戦争に参加していなかったカナダがなぜテロの標的になったのだろうと書いたが、、極東ブログにことの詳細が載っているのでちょっと拝借したい。 どうやらテロリストたちは、カナダ軍をアフガニスタンから撤退させるのが直接の目的だったようだ。 カナダで今月3日、大量の爆発物を準備してテロを計画したとして中東・南アジア系の若者ら17人が一斉に逮捕された事件で、グループが首都オタワの国会議事堂を襲撃して、政治家を人質にアフガニスタンに派遣されているカナダ部隊の撤退... [続きを読む]

受信: 2006.06.19 15:50

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受信: 2006.06.19 20:14

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