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2006.04.25

ソロモン諸島の暴動

 ソロモン諸島での暴動について背景がよくわからないのだが、なんとなく心にひっかかるニュースだった。
 事の発端は、昨日付読売新聞”新首相選出巡るソロモン諸島の暴動、緊張状態続”(参照)によれば、首相選挙への不満ではあったようだ。


 暴動は国会が今月18日、リニ前副首相を首相に選出したことが引き金。下馬評で有利とされていた対立候補のジョブ・タウシンガ氏が選出されなかったため同氏支持者らが怒り、怒りの矛先は島の小売業をほぼ独占する中国系住民に向かい、数十軒の商店や飲食店、商業ビルが立ち並ぶ中華街のほぼ全体が略奪され、放火された。

 とりあえずそういうことなのだし、元記事をリンクで読んでもそれほど詳細な話はない。つまり、なぜ首相選挙への不満が中華街が略奪・放火の対象となったかについてはまるでといってもいいほど触れられていない。人民日報ではたまたま国会に中国人街があるからみたいな雰囲気を漂わせてはいる(参照)。
 他の国内ソースもそんな感じで、なにか書けないことなんだろうかなとは思う。華人の歴史を多少なり知っている人ならいろいろ思うことはあるだろうに。
 今回の暴動もだがもう一つ、あれれ?という感じがしたのは、中国政府の対応である。中国政府が華人を救うのは当たり前ではないかとか突っ込まれても困惑するのだが、要は、この華人たちの国籍は中華人民共和国てやつ、つまりピープルズの付くほうの中華民国なのだろうか。人民日報のお仲間朝日新聞昨日の記事”政府、ソロモン諸島の華僑・華人249人を特別機で避難”(参照)ではこう伝えている。

 華僑・華人159人が23日、チャーター機2機に分乗して、騒乱の影響を受けたソロモン諸島を離れ、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーに到着した。中国政府が同諸島から24時間以内に避難させた華僑・華人はこれで249人になった。

 なぜ中共がこの話に出てくるのだろうか。また、どのように華僑・華人とやらを判別したのだろうか。つまり、パスポート?
 もちろん、被害に遭った人間の救済は先決問題なのだが、それにしても、華人認定や国外退出という選択はどういうロジックなのだうか。
 中国情報局”ソロモン暴動で華僑など249人避難、大陸移送も”(参照)によれば、「249人の中には香港籍の20人も含まれている」とのことなので、してみると概ね今回救済の対象となったのは中共市民権が判別の理由だったと見てもよさそうだ。が、同記事には「ソロモンには1000人の中国系住民が住んでいるとされる」との興味深い話もある。残りの住民はチャイナタウン外にいたということだろうか。チャイナタウンというものを知っている人間には常識的にはそうは考えにくい。
 ニュースと全体の様相は例えばVOA”Hundreds of Ethnic Chinese Flee Troubled Solomon Islands”(参照)のほうがわかりやすい面がある。もともとソロモン諸島は英連邦でありエリザベス二世を元首として仰いでいる(参照)。ということから、以前の暴動のときも豪州軍が治安にあたった。今回もそれの類似のようだ。
 確認ついでウィッキペディアを見ていたら人種構成の話もあった。

人種構成は、メラネシアン 93%、ポリネシアン 4%、ミクロネシアン 1.5%、ヨーロッパ人 0.8%、華人 0.3%、その他 0.4%。

 華人は少ない。九六%がクリスチャンでもあるそうだ。
 VOAのニュースに戻ると暴動の背景についてはこう言及がある。

Opponents of the recently appointed Prime Minister Snyder Rini have claimed he used money from wealthy Chinese businessmen to bribe his way into power.

 よくある話であり、歴史は繰り返すの話でもあるし、華人にとってはそういうものだということかもしれない。
 同ニュースを読み進めて、なんとなく引っかかっていたことについて、ほぉ、これかぁと思ったことがあった。

Many political and regional analysts say the allegation of Chinese attempt to influence local politics is rooted in the rivalry between mainland China and Taiwan, a self-ruled island that China considers its own.

For years, Beijing has tried to isolate the Taipei government, and now only a handful of small countries, including the Solomon Islands, recognize Taiwan diplomatically. The Beijing government has tried to woo many of these countries to switch recognition to the mainland.


 というわけで、チャーター機だのというパフォーマンスには対台湾対策という背景もありそうだ。もっともそのあたりの読みは各地域の華人社会によっていろいろ違いはあるだろう。そういえば、アラブ圏にもアフリカ圏にも華人社会ができつつあるのだがと……といろいろ思う。

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コメント

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060425-00000008-scn-cn

すばらしい読み?

投稿: イブ | 2006.04.25 19:44

台湾当局は中華民国パスポートの住民の安全はちゃんと把握していて、中共はパフォーマンスに徹した、ということじゃないかな?
定期便で退避した人がどれくらいいたか、と、いうのも知りたいところ。

投稿: BING DONG | 2006.04.25 21:08

ソロモン諸島といえばブーゲンビル島の独立問題ですが、
何処とも同じの民族・経済紛争のような。

投稿: テンペ | 2006.04.25 23:22

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