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2006.03.07

農村問題鋭意尽力中全人代はまだ半ば

 第十期全国人民代表大会(全人代)は十四日まで続くので現在途中というところ。だが、農村問題が主要課題となっていることはすでに明白であり、このあたりでメモをしておいてもいいかもしれないという気になる。
 朝日新聞は昨日の社説”中国全人代 農民も病院に行きたい”(参照)でその標題からもわかるがパセティックに飛ばしていた。


 伸び盛りの中国。外見は元気はつらつだが、体内に多くの不安を抱える。思い切った手術を必要としているのが、農民、農業問題である。
 農民が一昨年、手にした現金は平均で800余元だった。日本円で1万数千円でしかない。一方、大学生1人には4年間で3万元以上もかかる。農民の30~40年分の年収にあたる。
 これで農民が子供を大学にやれようか。義務教育の小中学校さえ重荷だ。

 うぅぅ貧乏は惨めじゃという口上でもあるのだが、よく読め。「義務教育の小中学校さえ重荷だ」って何? いやね、義務教育は無料じゃないってことだ。朝日新聞もこの先で「すでに農産物にかかる税の減免がはかられてきたが、義務教育費の免除や医療システムづくりも進められる」とか触れているけど、今回の全人代でようやく「義務教育費の無料化」が打ち出せた。日本みたいにdisguised communismな世界ではないのだ、中国は。

 人口約13億人の中国で、戸籍の上では9億4千万が農民に数えられる。出稼ぎも増えたが、7億5千万は農村で暮らす。膨大な人々が発展から取り残され、都市住民との収入や生活水準の差は開くばかりだ。

 農民が出稼ぎもできない貧しさか、つらそうだ……おっと待ったぁ、ちょっと違う。中国では生まれたときから農村籍か都市籍かに分かれていて選択の余地はない。それは欧米でいう人権問題状態。日本でいうとなんだかよくわからないが。Welcome To 農村というサイト(参照)「大連の農村」の、これは写真のキャプションということで洒落も入っているのだけど……。

 好きでここに生まれたわけではない、何がどうなったのか僕は農村に生まれてしまったのだ。農村籍が付いてしまった以上都市では住めないのだ。一生百姓をやるしかないのだろうか?。
 都市で生まれた人は都市籍、農村で生まれた人は農村籍と決まってしまって都市籍の人は農村に住めるのに農村籍の人は都市には住めない。大連市籍を買うのに10万元以上掛かるそうだ。一生掛かってもそんな大金見る事も出来ない。

 とはいえ昨今多少籍の問題は緩和もある。なにより、実際の問題として、都市が農村籍の安賃金の労働者を必要としていたのでお目こぼし状態だった。
 さらに朝日新聞は……。

 高い医療費が社会全体の問題になっているが、ここでも農民は苦しい。「救急車に乗れば豚1頭がむだになる。入院したら1年の稼ぎがむだになる」。農村ではこんな言葉を耳にする。

 絶妙なフェイント、それは「農村では」だ。正確には「農村でも」。サンケイ・ビジネスi”全人代政府活動報告 農民の生活改善が主眼 医療体制も課題”(参照)より。

 九億の農民のうち、約一億五千万人が余剰労働力となっている。貧しい農村から都市に出稼ぎに流入した「民工」と呼ばれる労働者は最底辺の生活を強いられている。
 改革開放路線で先行発展した沿海部の都市でも低所得層は生活に困窮している。医療費が高額なため、病院に行けない都市住民が大勢いるのは農村と共通した問題だ。

 たしか、「民工」は「盲流」の言い換えだったと記憶する。
 ぼんやり飯食いながら流れてくるNHKのニュースを聞いていたら、二千年続いた農業税が廃止になったといっていた(それって史学的に正しいのかよ)。これは以前からその必要性が言われていた。で、このあたりよくわからないのだが、ではそれまで必要とされていた農業税の部分はどうなるのか。というか、ぶっちゃけ、農業税を誰が必要としてんだうりうりでもある。私の憶測だけど農業税の廃止ではそのうりうりあたりが当面の目的なのではないか。
 産経新聞もここぞと”中国、失地農民4000万人 突然の略奪、揚げ句…犯罪者扱い ”(参照)で悲惨な話をてんこ盛りにしていたが、もうちょっとおなか一杯状態。
 中国様も大変だなぁと思う。軍拡とか宇宙ロケットとかの費用を回したらいいんじゃないか。そういう足がかりが今回の全人代といいのだけど、ま、たぶん、違うでしょ。と言った手前、放言ぽくなるけど、中国人は基本的に政治闘争しかしない人たちだから、これもそういう流れなのではないのか。

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コメント

民工は工人の言い換えです。
日常生活では盲流は使わないですね。
少なくとも北京の一般の城市人はそうでした。

投稿: | 2006.03.08 09:04

中国も先進国の仲間入りに必死なようですねぇ。
なんだか昔の日本に似ている気もします。

投稿: | 2006.03.16 00:57

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 中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が、5日から10日間、開かれています。焦点は今年から5年間、国内総生産(GDP)成長率を毎年の10%近いものから年平均で7・5%に抑え、都市と農村の「調和のとれた社会」をめざすという内容です。  この政策転換の背景には、農業・農村・農民の「三農問題」があります。人口約13億人の6割近くを占める中国の農村社会は改革・開放政策以降、発展から取り残されてきました。農村からの�... [続きを読む]

受信: 2006.03.08 18:10

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