白木みのる
先日郊外の駅のホームに立ってぼんやりと春日のなか電車を待っていると、子どもが一人、線路近い端の白線のほうにつっと歩いていくので思わず駆け寄った。が、近づいて、彼が子どもではないのに気が付いた。小人症(この表現が現在使えるか自信はないが)の老人であった。ああ、大人か。大人であれば大丈夫かと思い、ふと白木みのるのことを思い出した。
最近、白木みのるをテレビで見かけないな。引退したのだろうか、それともああいう芸そのものがいろんな理由で好まれなくなったのか。ぼんやり電車に乗りながら考えて、そうだ私は最近テレビを見てないじゃないか。わかるわけないじゃないか。そんなこと当たり前だのクラッカーである。
ネットで白木みのるをざっと見渡すと、そうでもないようだ。そうでもないというのは、昨今リバイバルしているふうでもある。ウィッキペディアの該当項目(参照)を見るとこうある。
その後も舞台、テレビなどで活躍しており、近年ではキングジム「テプラ」やミスター・チルドレンのアルバムのコマーシャルなどにも出演した。
現在では、北島三郎の歌謡公演には欠かせない俳優として活躍している。
そりゃよかった。私は彼の芸が好きだ。彼が現れるいやいなや、これから面白いことが起きるぞ、大人たちがギャフン(死語)とする場面が現れるぞをわくわくしたものだった。子どもの心性である。
ウィッキペディアの項目を見ていて、気になったのだが、そこに「小人症」ないしいずれかの障害名の記載がないことだった。ふと、私が勝手に小人症と思い込んでいたのかという気になって、ネットを見渡したがあまり情報がない。印象としてはその話題を避けているふうでもある。
が、白木本人と関係ありそうな「白木みのるの解説」(参照)にはこうユーモラスに描かれていた(引用に際し対話者をAとBに編集した)。
A:そもそも白木さんって、どういう方なの?
B:昭和三十年代後半に一世を風靡した国民的人気番組「てなもんや三度笠」で超人気者になったんだよ。
A:この写真のかわいいらしい小坊主ちゃんが白木さんね。子役スターってわけネ。
B:子役?資料によると白木さんは1934年生まれだろ。「てなもんや」のオンエアが1962年~1968年だから、どう若く見積もってもこの写真の頃は・・・
A:えっ?28歳っ?!
B:お若く見えますなぁ。
A:そう考えると「ミスターチルドレン」ってバンド名も微妙ねぇ・・・直訳すると・・・。
B:「大人こども」?
実際にリアルで「てなもんや三度笠」を見ていた世代の端っこである私などでも、白木は大人なんだけどということは知っていた。フェリーニ的な世界でもあったのかもしれない。正確にはわからないので私は意図せず差別的な発言をしているのかもしれないのだが、小人症の芸人というのはそれほど違和感のないある時代の空気があった。
![]() てなもんや三度笠 爆笑傑作集 Vol.1 |
下垂体性小人症は成長ホルモン分泌不全性低身長症と呼ぶらしい。成長ホルモン分泌不全以外に軟骨無形成症のケースもある。昭和五十四年八月三十日という日付の「小人症への国の対策強化に関する質問主意書」(参照)というリソースがあるが、それからかなり年月も経ちこの時点の問題は解決しているふうには思える。また社会の声の一例として「成長ホルモン分泌不全症のページ」(参照)が興味深かった。
米国での事例をつきあわせて考えるといろいろな思いが沸くがうまくまとまらない。
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コメント
いや、極東板で慰安婦問題絡みでブロガーがさらされて、閉鎖に追い込まれてさ。ちょっと気に入らなくてね。
ふわふわした文章書くね、お前。人気の秘訣か?w
投稿: 名無し仔猫 | 2006.03.27 14:54
ずいぶん前、なんかドキュメンタリー系の番組で見た白木みのるさんは、バブルでババを引かなかったっつうか、儲けちゃったつうか、それなりの資産家として悠々自適の風でしたが。
投稿: ふな | 2006.03.28 01:38
私のブログ『銀座のうぐいすから』で今日2010-4-22日に小人症の女性に出会ったことを書きます。その前に、小人症でよいのかな? と思って、WIKIPDIA をさぐり、あなたのブログへ出会いました。良かったら、私のブログも読んでください。http://blog.goo.ne.jp/amesyun-go/
投稿: 雨宮舜 | 2010.04.22 08:24
私は本日、小人症のことを自分のブログ『銀座のうぐいすから』で書きます。それで、小人症という言葉を確認したくて、お宅のブログへ出会いました。その言葉に対する控えめ感というか、躊躇する感じについては私も共通します。よかったら、私の方もよんでください。http://blog.goo.ne.jp/amesyun-goo/
投稿: 雨宮舜 | 2010.04.22 08:29
あなたの小人症に関する控えめな感覚に同調というか、共感をしました。
投稿: 川崎千恵子 | 2010.04.22 08:32