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2006.03.17

おフランスの学生さん大暴れ

 フランスの学生暴動についてあまり関心が向かないでいた。興味が今ひとつわかないのはこんなバックラッシュしても大きな流れは変わらないだろうから、バックラッシュの常としてとんでもない鬼子のようなものが出てくるのはかなわないな。ユーロに移したわずかなゼニの動きはどうしようかくらいなもの。これがある閾値を超えれば、日本でもなんか勘違いした輩が出てくるんじゃないか。ブログとかも「使える」し……うへぇ。
 といきなり飛ばしたが、今朝の朝日新聞の関連記事標題もいきなり笑いを取っているし。”仏「若者解雇しやすくなる法」 学生反発、全土でデモ”(参照)。「若者解雇しやすくなる法」ですか、はぁはぁ。


 26歳未満の若者を雇えば最初の2年間は自由に解雇できる法律に反対する学生のストやデモがフランス全土に広がり、ドゴール体制を崩壊させた68年の5月革命の「再来」を予言する声も出始めた。だがドビルパン首相は、法律を施行する姿勢を崩していない。大統領選を1年後に控えて指導力を示したい首相は、あえて危険な「かけ」に出た。

 初っぱな舞い上がっているし。フランシーヌの場合ぁ♪、ぉっとそれは文脈違うってば。
 現状はこう。

 5月革命の舞台となったパリの学生街カルチエラタンでは連日、学生と警官隊の小競り合いが続いている。ソルボンヌ大学を占拠した学生が11日に排除された後、近くのコレージュ・ド・フランスに学生が突入する騒ぎが起きた。国立大学84校のうち学生が全学や一部を封鎖しているのは59校。15日にはパリの高校で生徒が占拠を始めた。16日も全国規模で抗議デモが行われた。

 ソルボンヌ大学ソルボンヌ大学五月革命か五月革命か五月革命か以下略。その気配がまるでないわけでもないのが不気味。
 日本とは違って旧態依然たるおフランス社会でエリートな学生さんたち大暴れの理由は、「若者解雇しやすくなる法」への反発。
 なんだその法?だが、初期雇用契約(CPE)を盛り込んだ新雇用機会均等法である。初期雇用契約(CPE)? 朝日新聞の同記事にもあるように、二十六歳未満の若者と無期限の雇用契約を結ぶ際、採用から2年以内は試用期間(強化期間)として解雇証明なしに解雇できるというもの。うっぷす、ひでーな、学生さん大暴れもご納得といきたいが、背景や詳細はそう簡単なものでもない。ブログ「L'ECUME DES JOURS ~日々の泡~ 」のエントリ”Contrat premiere embauche (CPE)”(参照)などが参考になる。
 英米圏では基本的に高見の見物のようでもある。日本版ニューズウィーク3・22「欧州を脅かす保護主義の亡霊」の次のコメントもその類であろう。

 イギリスやアメリカのように労働市場の流動性が高ければ、こうした法律も受け入れられやすいだろう。だが、フランスでは終身雇用が常識だ。
 「プジョーに就職すれば、プジョー一家の一員となる」と、ジャンルイ・ボルロー雇用・社会結束・住宅相は言う。「(終身雇用を)崩すことには根強い抵抗がある」
 しかし、グローバル化が進む今、温情的な雇用形態は維持しにくくなっている。変化に対応して迅速にリストラを実施できなければ、企業は破綻するおそれがある。

 三が出たらエントリの振り出しに戻るみたいなことだが、そういうことだ。
 ジャーナリズム的にはまだきちんとしたレポートを見てないが、学生さんを焚きつけているのはまさに五月革命か五月革命か五月革命かの爺層臭い。ずばり言うと……筆禍ぴょーんっぽいし、こんな話題では火中の栗を拾いたくもない。ただ、昨年通称EU憲法を支持していた日本のインテリ様たちからはおフランスの学生さんへの支援の声はあまり見かけないように思う。
 裏のもう一つは来年六月大統領選挙と統一地方選挙がある。なーんだ、選挙運動じゃん。ということなのだが、前回の大統領選挙を思い出せる記憶力がある人だと、こんなんで左派勢力が盛り返せるわけないっていうか、またルペンルペーン♪みたいなことにならなければいいのだが。もともと民衆運動連合(UMP)もヘタレっていうか足の引っ張り合いって楽しいなぁみたいなものなんで、政治不在はよくないと思うのだけど。
 ま、状況は流動的なんでワッチ。

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コメント

11月の移民の若者の暴動との関係からCPEのことも説き起こしてもらいたいなあ。みんな気になってるはずなのに、まだどこでも見てない気がする。

投稿: blc | 2006.03.23 20:47

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