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2006.03.24

ローンボール(Lawn Bowls)

 外信を眺めていると、WBCよりコモンウェルス・ゲーム(英連邦大会)の話題をちらほら見かけたように思う。日本には関係ない話なので国内報道はあるかと検索すると、”エリザベス英女王、英連邦スポーツ大会の開会を宣言”(参照)など多少ある。


英連邦国からアスリートが集結して4年に1度開催されるスポーツイベント、第18回コモンウェルス・ゲーム(英連邦大会)が15日、オーストラリアのメルボルンで開幕した。

 簡単にいうと、英国の旧植民地など七十一の国や領土の人が集まってオリンピックのサブセットみたいなことをする。いつからやってのかと調べると、一九三〇年、カナダのハミルトンらしい。第二次大戦で中断したが、一九五〇年に再開したらしい(参照)。
 「コモンウェルス・ゲーム Commonwealth Games」(参照)というページでは、一九九四年の大会の話だがこうある。

 コモンウェルス・ゲームと言っても日本では馴染みが薄いですが、英連邦に属する国や植民地が参加して4年毎に行われるアジア大会みたいなものです。日本で報道されたかどうかは知りませんが、それが1994年8月中旬にカナダで開催されました。60近いチームが参加しましたが、オーストラリアももちろんその中の一つです(オーストラリアはアジア大会のメンパーではない)。今時エリザベス女王がカナダまで出かけて開会宣言をするあたり、いささか時代錯誤の感もありぎすが、まあ今では同窓会のようなものと言った方がいいでしょう。南アフリカが久方振りに出場を認められたり、香港にとっては最後の大会だったりと、良し悪しは別にして過去にイギリスが何処で何をして来たかを見るにはいい機会とも言えます。参加チームの内独立国で旗の中に未だにユニオンジャックを残しているのは3ヶ国だけだったそうで、植民地などの旗と並んでたてられただけに、恥ずかしく感じたオーストラリア人も多かったようです。

 大東亜共栄圏があれば似たようなことになっただろうかというのは言うまでもなく悪い洒落なので無用なご批判はなしと。引用したのは、香港はこの時が最後の参加だったらしいというのでへぇと思ったからだ。確かインドは現在でも大会に参加しているはずだし、参加の単位は国・領土とあるがスコットランド、ウェールズといった区分なので、香港も参加したらいいのにというのも言うまでもなく以下略。
 いろいろ思うことはあるのだが、コモンウェルス・ゲームに私がかそけき関心を持つのは、実施されるスポーツが大変によろしいからだ。で、ローンボール。
 ローンボール(Lawn Bowls)とはなにか。Google様にずばり見せてもらうといい(参照)。ああ、あれかと思う人もいるだろう。芝生(lawn)の上でやるボーリング(Bowl)だが、ピンを倒すのではなく、チームで分けて複数のボールを使い、相手のボールをはじき出す。これってなんかに似ているでしょ。そうカーリングだ。実際カーリングのように転がる玉の前で一生懸命熊手で芝生を掻きむしりさわやかな汗を流すのが醍醐味らしい。
 ローンボールって変なスポーツだなと思う人も当然いるだろうが、これが氷に閉ざされた国に移ってカーリングの起源となり、室内ゲーム用で玉をでかくしてできたがいわゆるボーリングだ。意外に知られてないのだが、ボールを転がすなんてめんどくさいから投げちゃえ、投げるなら鉄の玉がいいやということで古代ギリシアに伝わってできたスポーツが砲丸投げだ。フットボール(サッカー)からラグビーが出来たようにスポーツというのはこういう歴史的な起源を持つものなのだ。ま、若干説明が大雑把だったかもしれないが。
 Australian History Databaseのローン・ボーリング(ローンボール)(参照)の説明によるとローンボールはオーストラリアで特に盛んなようだ。オーストラリアでのローンボールの歴史の話が面白い。

 19世紀初頭に、オーストラリアのローンボールは発展した。その担い手は、商人、政治家、上級公務員など、主に男性の植民地エリートであった。イギリスと同じく、オーストラリアでも「公衆用」のグリーン(競技場)は、ホテルや宿屋の近くにつくられた。こういった場所は、素手によるボクシング(bare-knuckle pugilism)、闘鶏(cock-fihgts)、猟犬によるウサギ追いレース(greyhound-coursing)、ハト撃ち(pigion-shooting)、徒競争(foot-races)などの「荒っぽい」活動の開催地と近かったため、初期オーストラリアのローンボール主催者は、わざわざその格式高さを強調していた。「公衆用」グリーンは、ホテルの用地に作られ、成功していったが、荒っぽい連中を締め出すために会費制が導入された。一方、「私有」のグリーンの設立者たちも、オーストラリアの初期のローンボールの特徴の1つである。もっとも有名なものは、おそらく1878年にジョン・ヤング卿によってつくられたものである。

 いやその、面白いのは、正直に言おう、次の種目だ。

  • 素手によるボクシング(bare-knuckle pugilism)
  • 闘鶏(cock-fihgts)
  • 猟犬によるウサギ追いレース(greyhound-coursing)
  • ハト撃ち(pigion-shooting)
  • 徒競争(foot-races)

 スポーツにまるで関心のない私なのに、なんかこういうスポーツはとても関心が向く。素手によるボクシングとか徒競争とか、なんか、わくわくする。

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コメント

香港でも方々に専用グラウンドがあって
真っ白なお召しものでやられてますね皆さん
名前はBowlingだと思っていました
Lawn Bowls なるほど

ところで重量投げ→砲丸投げ?

投稿: csun | 2006.03.24 15:13

csunさん、こんにちは。ご指摘ありがとうございます。直しました(直さないと洒落が生きません)。コメントをもって修正歴に変えます。

投稿: finalvent | 2006.03.24 16:41

初めまして。いつも楽しく読ませていただいています。
その砲丸投げとは南仏などで見られるペタンクとは違うのですか?陸上の砲丸投げなんでしょうか?
そういえば昔会社の運動場にローンボウルスのコートがありました。

投稿: コイッチ | 2006.03.25 02:15

私は愛知でローンボウルズをやっています。先月ニュージーランドで行われたアジア太平洋大会に、日本代表として参加しました。結果は・・・残念でした。それはそうとなぜこのスポーツを日本人はやろうとしないのか、私には不思議で仕方ありません。カーリングにも似ていて、さらに奥深いスポーツで高齢者や車椅子の人でも同じルールで楽しむことができるスポーツなのに・・・。今私たちは日本の技術向上と普及活動に力を注いでいます。興味のある方はぜひやってもらいたいです。

投稿: LOTTER | 2007.02.08 17:52

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