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2006.01.13

イラン核問題メモ

 まあ英独仏がんばってくれということだろうか。ざっと振り返ると(認識違いもあるかもしれないが)、二〇〇三年七月米国の調査でイラン中部ナタンツの施設で濃縮ウランが検出されてイランの核開発疑惑が発覚。同十月英仏独の調停でウラン濃縮を一時停止したがこれもその後反故。翌二〇〇四年九月米国はイラクの安保理付託をめざしその期限を「十月末」と主張したが、英独仏はイランを追い込みたくないとして前面に出てきた。G8で三国は、イランがウラン濃縮活動を停止し保障措置義務を履行するなら、その見返りに経済支援を与えるという妥協案を示したが……という流れなので、米国としては英独仏のお手並み拝見ということだろうか。自分のケツは自分で拭いてごらんか。しかし、日本はというと書くに情けない事態でもある。
 この間三国に加え、ロシアがウラン転換作業を認めつつ、濃縮作業はロシア国内で実施する妥協案とか出して云々。今回の騒ぎもロシアが納めるのかと思って眺めているととりあえずそうでもない。
 日本の平和勢力っていうかよくわかんないが、ロシアに期待したりするのだろうか。あるいは、国際原子力機関(IAEA)に期待か。なんだかなあ。
 英独仏がどの面さげてかわからないが、安保理付託ということになっても、どうせ中国が握りつぶすだろう。ということでまた中国かでもあるのだが、この問題については、アフリカの石油利権とかとは違って中国独断ということもなく、インドも中国に同調するだろう。っていうか、印パが核兵器を保有した時点で、事実上、IAEA終了、でもあった。
 で、どうなるか。パキスタンみたいに核を持たせても是認ということで、核の平和利用という看板でお茶を濁すなんていうのもエレガントだし、米国を抜けばそんな落としどころしかないだろうが、ようするに米国はどう動くか。
 と考えると、米国がイラクみたいに……と考える向きも多いだろうけど、それはないんじゃないか。米国が恐れているのはむしろイスラエルだろう。一九八一年、イスラエルはフランスがイラクに提供したオシラク原子力施設をある日突然二人黙るのぉ♪じゃないけど空爆した。あんなのありかよと私は衝撃を受けたことを覚えている。それでも当時はまだのんきな時代だったわけで、現在でそれをやるとろくでもない副作用が出る。
 でもイスラエルという国はそういう事態になればやる。というか、イスラエルと米国の一部をどう暴発させないかという問題でもあるのだろう。
 現状の米政権はブッシュのレイムダック化もありかなり微妙な位置にある。が、IQ二〇〇だったかのライス女史とかの外交はそれなりに絶妙でもあり、なにか思いがけない手が出てくるのだろうか。
 中長期的に見るまでもなく、アハマディネジャド政権はそれほどイラン国民に支持されているわけでもない。制裁が仮に通ってもむしろイラン内のバックラッシュを誘うくらいだろう。とすると……というふうに思いが進み気が付くと日暮れて道遠くどこやら陰謀論のチャルメラが……。

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コメント

イランの核問題は、本当にやっかいですね。私は、アサディガン石油の行方が気になります。ミケ

投稿: 屋根の上のミケ | 2006.01.13 13:28

次の新月って、いつでしたっけ?

投稿: KU | 2006.01.13 19:38

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