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2006.01.28

ヨガブーム雑感

 ヨガが流行っているらしい昨今を見ているとちょっと時代に乗り遅れたような不思議な感じがする。いや不思議でもないか。十年前日本ではヨガといえばまだオウム真理教みたいに思われることもあった時代だった。が、アメリカではすでにヨガブームだった。東京在の米人たちも米国から講師を招いてワークショップを開いていた。私も著名な講師ロドニー・イーのワークショップに参加した。彼とも少し話をしたこともある。
 あのころ三年くらい私もヨガをしていた。けっこう熱心にやっていて、初級のインストラークター向けのワークショップも終えた。昨今ちまたにあふれるヨガの写真とか見ると、あ、ここが違う、とか思う。千葉麗子のヨガとかきくと、このお師匠さんはSri Swami Satchidananda(参照)でしょとか思う。で、どうよではあるのだが。
 あのころヨガを熱心に学んでいたといっても正式なヨガのインストラクターとなるわけでもなく、他のボディワークにも関心を持ちつつ、なにかと曖昧な感じでいた。
 ヨガといえば、私も最初はいわゆるインド系のヨガに関心をもっていた。カルカッタまで行き欧米で有名なパラマハンサ・ヨガナンダの関連も見て回ったりもした。いろいろ思い出すことはあるが、私はヨガに神秘的なものを求めることもなく、インドのヨガというのも実際の歴史は浅いものだろうと考えるようになっていた。
 ミルチャ・エリアーデの著作などを読むと彼も若い日にヨガの実践者でもあり、百年くらい前のことがなんとなくわかる。そういえば、日本の中村天風などの逸話でもそうだ。ヨガを指導できるヨギたちは十九世紀くらいまでいたのだろう。エリアーデのヨガ修行以前になるだろうがトマス・バーナードの修行記には、ある階梯以上の秘技はすでにインドには残されていないというくだりもある。
 私はインドのヨガにそれほど関心をもたなくなり、今はやりの米国風のヨガにシフトした。ただのワークアウトでもある。プロップ(小道具)なども使った。当時日本にはなくて船便で送ってもらった。なぜこんなプロップがあるのか疑問に思っていたが、未だによくわからない。アイアンガー自身の考案によるようではある。
 アイアンガーは誰にヨガを習ったかも私ははっきりと知らない。Sri K Patthabi Joisを介しさらにその師匠はT.Krishnamacharya(参照)でもあるようだ。そうなのかもしれない。このあたりの系譜から、アイアンガー・ヨガにも似たアシュタンガ・ヨガなどもある。現在のパワーヨガみたいなのはこの系統なのだろう。もっとも、米国では師弟の系譜はそれほど重視されず、ロドニーのヨガも必ずしもアイアンガーの系統でもないようだ。ま、そういうのもあまり関心なくなった。
 いつだったかアイアンガーの高弟らしいおばあちゃんのワークショップに参加したことがある。リラクセーション関連だった。プロップなども使った。リハビリテーションかなという印象も持つほど、のったりとしたヨガだったが、私のやっているヨガをちょこちょこと直してくれた。このとき、私はそれまでのヨガというのを抜本的に勘違いしているのではないかと思った。今でもそんな感じがしている。ヨガはたぶん、TMS(参照)などと関連した、無意識と身体の技法なのではないか。そのあたりは、同時に学んでいたフェルデンクライスからも感じるものがあった。
 そういえば昨今呼吸法みたいのも流行っているようだ。胸式ではなく腹式がいいとか、ヨガの呼吸法は腹式だとかいろんなことをいろんな人が言っている。グルジェフが「注目すべき人々との出会い」(参照)で理解していしない呼吸法訓練は長期には危険をもたらすのではないかと示唆していた。そういえば、クリシュナムルティも学校の先生としては教科でヨガを教えていたようだが、彼の指導は、対談などから想像するに、呼吸を理解させることから始まっていた。
 我々が身体に対してどういうインサイトを持つか、そのインサイトのありかたそれ自体を身体の運動に分離させないようなありかたとはなんなのか。そんなことは今でもぼんやり思うことがある。

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コメント

>胸式ではなく複式がいいとか、ヨガの呼吸法は複式だとか

タイプミスに揚げ足取りはしたくないが、2回も続けてるところを見ると

1)本当に漢字を覚え間違えている←ワロス
2)老眼←カワイソス

さて、どちらだろう?w

投稿: SST | 2006.01.28 15:58

>SST氏
finalvent氏の眼が悪いのは本人がおっしゃっていたと思いますが…。
あなたのそういう書き方は人間として品性を疑います。

投稿: m | 2006.01.28 16:43

SSTさん、mさん、こんにちは。ご指摘前に、その誤字は直したはずですが。

眼は悪いです。それより不注意はあります。アップロードしてから直しというのがあります。

他、間違いなどご指摘があれば直しますので、よろしく。

投稿: finalvent | 2006.01.28 17:08

こんばんはー。

 今、行っているヨガのDVDでは胸に息を吸うと何度もレクチャーがあります。ブログでも書いたのですが、歌をやっていたせいか、腹式呼吸に慣れていて、久しぶりに意識して胸に息を入れると上半身のそのまた上部の骨の並びがすっと伸びていい感じです。TMSの概念はなんとなくですが、わかります。心因が深く結びついていると思います。

 あとはグラウンディングの概念を体で理解し始めているようにも思います。これは私にとっては、かなり精神面に影響を与えています。今、グラウンディングしているかなと思うときには明らかに気分が違うので。

 ヨガについては膨大な情報があり、何が正しいのか正しくないのか、判断するのは難しいですね。ワークショップに行っても間違った方法でずっと続けてしまうこともあるのだろうなと思います。DVDを拝見しながら、一人でやっているので、ひたすら自分にとって良いか悪いか、自分に尋ねながらという悲しい感じでちょっと続けてみようかと・・・。

投稿: 丹@ヨガってます | 2006.01.28 23:20

ヨガの呼吸って完全呼吸じゃなかったでしたっけ?
天風さんの言葉だと、クンバカになるかな?
腹式呼吸でお腹に空気を入れた後、
胸郭を持ち上げて、肺にも完全に呼吸を入れるやつ。そして止息ですね。
最大限の呼吸だと思います。

投稿: noragrammer | 2006.01.29 02:25

>インサイトのありかたそれ自体を身体の運動に分離させないようなありかたとはなんなのか。そんなことは今でもぼんやり思うことがある。

あれ、finalventさんってアーノルド・ミンデルを紹介したこと無かったでしたっけ?私の勘違いかな?

投稿: F.Nakajima | 2006.01.30 22:48

ヨガには、独特の食に対する考え方があって、これが守られていないと、身体を痛めるだけの実感がある。

で、独特の食が色濃く残っているのが、永平寺!

で、で、一ヶ月の修行?で、かなり近づいている。前なら低血糖性のめまいが起きていたのに、今のところない。どうも、糖質と脂質の絶妙なバランスが双方の栄養力を最大限に生かし、逆に悪いと余分な栄養エネルギーがないと身体を維持できなくなる。なのか?

あと、全然関係ないけど、金曜日はブログも日記も完全なお休みにして、有料のメールマガジンを発行するというのはいかが? 場合によっては、同人誌スタイルで、誰かに寄稿してもらっても…。と、オススメしておいて、ワタシは読者にはなれないけど。とほほ。

だって、なんでもグーグルの検索に引っかかるというのは、中国で検閲されるように、グーグル自体政治的に利用される可能性はこれから大きいと思うし。

投稿: noneco | 2006.02.04 13:08

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