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2006.01.20

国際連帯税とかトービン税とか

 ライブドア錬金術の要の一つに海外ファンドがあるのだが、この海外ってなんだろねと疑問に思いつつも、この手の話題には深く関心はもたないこととして、と、他になにか心にひっかるなとぼんやりしているとトービン税を思い出し、ついでに昨日だったかラジオで聞いた国際連帯税を思い出した。
 話はちょっと古いのだが昨年十一月二十三日フランスが国際連帯税を決め、今年の七月から実施ということになった。ネットを見るとあまりニュースは残ってないというか、元々それほど国内では報道もされていなかったように思う。が、ロイターぱくりの共同記事”航空券に「国際連帯税」 フランス、来年導入へ”(参照)が残っていた。概要がてらに引用しておく。


フランス政府は23日の閣議で、貧困国のエイズ治療などへの支援資金に充てるため、航空券に「国際連帯税」を課税する方針を了承した。ロイター通信によると、今後、法案を議会に提出、来年7月からの新税導入を目指す。

 税額は同記事では、欧州内のエコノミーで1ユーロ(約一四〇円)ということ。ラジオではフランス国外について、約五六〇円としていた。クラスでも違うのだが、ビジネスクラスやファーストクラスではその十倍になるらしい。つまり、フランスからビジネスクラスで国外に出ると五千円は上澄みで取られて、貧困国援助に寄与できるというわけだ。
 日本国内で国際連帯税を扱っているオルタモンドもこのフランスの決定を受けてであろう、昨年十一月二十九日からブログ「航空券税アップデイト~ほっとけない国際連帯税ブログ」(参照)を開始している。が、それほどたいしたエントリもないし、現状トップに引用という明示もなく産経新聞の記事がベタと貼ってあるが産経新聞と提携しているのだろうか。
 その産経記事にもあるが、今回のフランスの国際連帯税導入で見込まれる収入は日本円にして約三百億円ほど。ちなみに、日本政府が昨年のサミットでエイズなど感染対策として五年間で支援すると約束した額は五千億円。日本は国際連帯税導入に乗り気ではないと言われることもあるが、実際には年間一千億円の支援をすると約束している。国際連帯税導入を日本にもという場合は、全体像のバランスも考慮すべきではあるのだろう。
 で、この国際連帯税だが、昨年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でまだまだEU憲法が行けると思いこんでいたシラクがぶち上げたものだった。過去記事”エイズ対策の財源 「外為取引・航空券に課徴金」シラク仏大統領が大胆提案”(読売2005.01.28)ではこう。

 講演の中でシラク大統領は、エイズ対策費として「少なくとも年間100億ドル(約1兆300億円)が必要なのに、現状では60億ドルしか集まっていない」と指摘。その上で、必要な財源確保のため、〈1〉外国為替取引に最大0.01%の課徴金を義務付ける〈2〉航空券一枚当たり1ドルを徴収する〈3〉飛行機や船舶の燃料費に一定の課徴金を課す――などの案を示した。

 それなりに約束は果たしたということはあるだろう。
 話を冒頭のぼんやりに戻すと、国際連帯税は昨今トービン税の文脈で語られている。トービン税とは……、とウィッキ先生を見たら、あれ、ない。ないのか、ほんとに。じゃ。これは、ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・トービン教授が一九七一年に提唱した国際的な税のありかたの提言。国際為替税とも言われていたのは、為替の取引に一パーセント未満の税金をかけることで投機マネーを抑制しようとしたため。
 検索しなおすと、オルタモンドに関連記事があった。なんか道に迷って同じところに出てきた感じでもある。とにかく、”altermonde いま、なぜトービン税!?”(参照)が詳しい。個人的には”altermonde トービン税にまつわる10の神話”(参照)に書かれている理屈がネットのリフレ派さんみたいな感じでおもしろい。
 このトービン税(国際為替税)だが、日本では元の主旨どおり九〇年代に投機の加熱をさますために検討されていたことがあったはずだ。十年前になるが、”円高対策 “奇手”続々、実現性は「?」 政府与党、意気込むが…”(読売1995.04.13)より。

 〈トービン税導入〉 ジェームズ・トービン米エール大学名誉教授らが提唱している外国為替取引税の導入構想を支持する声も出始めている。外為取引をするたびに取引高に応じた税金を課せば、短期売買を繰り返すほど負担が大きくなるから投機的な動きを抑制できるというものだ。
 ただ、世界中が同時に実施しなければ、効果が薄いのも事実で、「日本が検討を宣言するだけでは即効性が薄い」(大蔵省)。

 この間、この話はどうなっていたのか知らない。勘違いかもしれないが、導入しておいたら、貧困対策は別としてもそれなりに現在の日本にとって意味があったんじゃないか……とお茶を濁してみる。

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コメント

最近主張されている「トービン税」はフランスが旧植民地のアフリカ救済のために主張しているもので、最初の提案とは縁もゆかりもなく、トービン教授は、なくなるまえ「他人の提案を名前ごと乗っ取るとは世も末だ」と嘆いていていました。実際に、税を負担するのは為替の上下がある国々と言うことなので、日本と米国と言うことです。ヨーロッパの植民地主義の後始末を他人の金で、まかなおうという欧州独特のちゃっかり提案ですね。

投稿: pop | 2006.01.20 16:58

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