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2005.06.11

ハイゼンベルクの新しい不確定性原理

 またネタですか的な話でもあるかもしれないのだが、先日のBBCのニュースがなんとなく気になっていて、これは日本ではどう報道されるのか、ブログとかではどうネタになるのかと思っていたが、私はあまりブログ界を熱心に眺めないせいもあり見かけなかった。ベタ記事で読み落としただけかもしれないし、このネタはグーグル様が嫌うのでみなさん避けたのかもしれない。いや、東京新聞三月二六日のベルリン・熊倉逸男名による、サブリード”独歴史家が新説”の外信ですでに話題になっているので、それで折り込み済みということでもあるのだろう。
 先日BBCのニュースはというと、東京新聞の該当記事とは少し趣が違う。話は今月一日付けのBBC”Drawing uncovered of 'Nazi nuke' ”(参照)である。BBC以外でも報道はあったので、外信を原語でなんとなく聞いている人なら、ふーんというくらいのリアクションはあったことだろう。ニュース的には、該当のBBCのページを見ればわかるように、ナチが書いた原爆の設計図(参照)が発見されたというものだ。発見したと吹いているのは、レイナー・カールシュ(Rainer Karlsch)という歴史学者。これがネタの本も出たことは日本でもベタ記事になった。今回のBBCニュースの元ネタは該当記事にあるように、"Physics World magazine"という雑誌。オリジナルの概要などはネットにあるだろうか、ちょっとめんどいので調べていない。
 今回の設計図の発見をどう受け止めるかというのが当然ネタとしての醍醐味である。結論を先に言えば、概ね、やっぱネタでしょ、マジレスはまずいでしょ、「広島原爆はナチス製だった」ですかぁ(同書はウラン説なので今回の話とは矛盾する)、という雰囲気でもある。私なども、作成日時すらわからない文書から歴史のIFを想像するほどタフでもない。
 それでも、BBCなどが報道するように、今回の「発見」に関連していろいろ考えることはある。やや滑稽なのは、この設計図を見るとわかるように、当初から隣の金さんみたいにロケットに組み入れることが前提になっていることだ。そのあたりは逆に当時を思うとSFチックでもある。
 問題は搭載性よりも搭載された当のシロモノだ。筒井康隆「アフリカの爆弾」といったものでもない。カールシュによれば、戦争終結前日には試験段階としては完成したということだ。それがマジなら歴史というものの色合いはだいぶ変わりはするだろう。
 BBCの記事を読んで私が関心をもったのは、ネタ的なそういう面白い話題ではなく、ハゼンベルク(Werner Heisenberg)への言及だった。そういえば、この問題を考えることを心のどこかで忌避していたことに気が付いたからだ。もしかして、ハゼンベルクと聞いてピント来ない世代もいるかもしれないので、Wikiの「ヴェルナー・ハイゼンベルク」(参照)をリンクしておくけど、日本語の解説は薄いものだなと思う。英語の解説はそれよりはましだが、やはり薄い印象はある。
 BBCの記事にもあるように、当時ドイツでこの研究の筆頭にあったのは、ハゼンベルクだが、現状の史学では、彼は核分裂の連鎖反応については当時十分に理解していなかったとされている。それは今回の「発見」でも見直しされるふうではないが、彼以外はどうだっただろうか。そのあたりを、BBCは"Heisenberg's uncertainty "と洒落で表現している。
 カールシュによれば、ハイゼンベルクとライバルにあったカート・ディーブナー(Kurt Diebner)はプルトニウム型の実験に成功すらしていたのだいうのだ。いずれハゼンベルクは無罪ということに変わりはない。そして、BBCの記事は、やはり、そこを締めで強調していた。そういうものなのだ。

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2005.06.10

新薬と世界のこと

 昨日の国家の適正サイズの話と少し関連するのだが、このところの医薬品業界まわりと国家の関係でぼんやり思っていたことをちょっと放談ふうだけどまとめたい。放談というのは本当はソースとかきちんと参照させつつ書くべきなんだけどそこを記憶に頼るよということ。間違っていることも多いかも。
 新薬の開発が非常に難しい時代になりつつある。その理由は、単純に言うと、安全性や効果調査を含めて開発費用があまりに莫大になるためだ。今後は巨大製薬会社しか生き残れないという様相でもある。こうしたこともあり、国際的には製薬会社の再編成がどんどん進み、少し遅れていたかに見えた日本国内でもそうした大きな潮流に呑まれつつある。
 新薬開発費用が増大になるということは、それだけの資本と市場が重要になるので、小さい国家に閉じては行なえない。するとどのレベルの国家のサイズが背景に必要となるか、とも思うのだが、すでにツッコミの声を聞きそうだが、医薬品業界と限らず大企業はすでに国家に閉じてはいないし、その資本も国家にまたがって存在する。一般論で言えば、ドイツなどは国内経済という面でみれば破綻かもの状態だがそこに根を持つ国際企業はいけいけの状態である。このあたりの、超国家(スーパー)企業と国家の関わりというのはよく言われていることではあるが、私などはすっきりと腑に落ちているものでもない。
 国内の医薬品産業をざっと見ると収益に占める市販薬(OTC)の比率がそう高いようにも思えないし、もともと日本は医療についてはそういうコングロマリットでもあるのだろう。いい悪いといことではなく実態の歴史として。国際的にはどうかというとちょっとよくわからない。きちんと調べとけでもあるが、それでも、海外先進国では意外なほど大衆薬の比率が高いように思える。
 こうした大衆薬の市場で最近までニュースの連発だったのはCOX-2選択的阻害というジャンルのもので、安全な鎮痛剤として、米国では発表時期がバイアグラと同じだったこともあり、それと同じくらい人気だったが、日本国内では規制もありしょぼく、大衆薬市場には影響を与えなかった。COX-2選択的阻害は大腸癌などの抑制にも関わっていると見られておりそうした研究が進められているなかで、副作用が発見された。副作用、つまり利用者にとってもナイマス要因がどれほど高いのかは、冷静にリスク判断してもよさそうなものだが、私の見た印象だが、製薬会社の情報隠蔽などと相まって米国などでは社会ヒステリー的な様相にもなった。別の言い方をすれば、ヒドロコドンなどの鎮痛剤の悪用とともに米国というのはそこまで鎮痛社会なのかとも思うし、日本ではそうした側面がただ隠蔽されているだけかもしれない。

cover
クスリ社会を生きる
エッセンシャル・ドラッグ
の時代
 大衆薬の話題としてはぼそっと現れては消えるというのを繰り返しているのがスタチン系の薬だ。これを英国では大衆薬化するかという話題はいろいろもめたが実施になる。米国ではまだそこまで進みそうでもないがどうだろうか。スタチン系の薬は日本では総コレステロール抑制の処方薬として、言い方は悪いがこれほど効く薬はなかったというくらいシャープなため、あっという間にン兆円の市場になった。これと昨今週刊朝日が頼みの綱としているコレステロールは高くてもいいのだネタと搦めて一部で騒いでいたが、あらかた国際的な常識に落ち着いたふうでもある。スタチン系の薬は他分野でもいろいろ重要な効果をもたらすようで、このあたりの身体代謝と人間の生存にはもう少し深い問題があるのかもしれない。が、極言すれば、スタチン系の薬はそれほど重要な薬とも私などには思えない。
 COX-2選択的阻害薬もそれほど人類に重要なのかというと、低容量アスピリンで足りるのではないかとも思える。ということだったが、昨日心臓発作抑制と血液凝固阻害のリスクバランスの点では低容量アスピリンにはそれほどメリットがないというニュースもあった。事態を総合的に見ればそうでもあるのだろうが、各事例と処方ではやはり有効なのではないか。そういえば米国では癌発生を促進するとして大騒ぎした女性のホルモン補充療法も結局は落ち着くところに落ち着きつつある。要はリスク・テークのバランスの問題でもあるし、やや不可解なのだが、日本人はある種の健康リスクから免れている不思議な国民のようでもある(特に乳癌の率が低い)。
 話が個々に移りそうなので大筋に戻すと、新薬開発は市場的には意味を持つだろうが、依然飢餓レベルの大量の人口を抱える現代世界にとってそれほど意味のあることなのか、そのあたりをどう考えていいのかよくわからない。WHOでは、基本的な医療に用いる基本薬をエッセンシャル・ドラッグとして三百種程度にまとめている。これにビタミンA投与の体勢があれば、世界の人々のかなり数が救済できる。
 反面、エイズなどは、おそらくエッセンシャル・ドラッグでは対応できないだろうし、まさに巨大製薬企業が作り出した新薬に希望を繋ぐことになる。その場合の、新薬の市場メリットであるライセンスがどうなるかということは、インドのコピー薬との関連もあって、けっこう国際的には話題になった。このあたりの話題は日本にはないとは言わないが、あまり見かけないし、通時的に追跡しているジャーナリズムも存在していないような印象も受ける。
 エイズは現状では国際的には恐ろしい広がりを見せているのだが、私は今でも覚えているのだが、大学生の時、Newsweek(当然英語版)の、金魚鉢を眺めている写真が表紙の号で、エイズという奇病があるよ、という、なんというかネタかぁみたいな話だった。四半世紀前か。それでも昨日のように思うのだが、奇病かと思っていたものが人類の危機にもなった。
cover
世界の
エッセンシャルドラッグ
必須医薬品
 気になるのは、エッセンシャル・ドラッグや栄養を充実させることで多数の人が救われるとして、少数の難病の人々を救済するにはやはり新薬が必要だろうし、そしてその手の新薬は大きな市場ではないと難病者の市場にならないという意味でグローバル化が必要になる。
 こんなことを言うと電波系のようだが、難病というのは将来の人類の問題を先駆しているかある種の本質に関わるのだろうとも思うので、やはりその研究は進めてもらいたい。それを世界全体のありかたのなかでどうバランスしていくのか。
 話のオチとしては、新薬開発はグルーバル市場の原理だけではうまくいかないだろうが、国家・国際市場の補助というわけでもなかろう。むずかしいものだが、それでも、先進国での大衆薬のあり方にはある種の抑制的な制御は必要かもしれないな、と思う。

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2005.06.09

国家の適正サイズ

 英語のニュースの標題をざっと見てたら、おっ、またネタがあるよ、と思えた話があったが、エキサイト・ビックリとかに明日出てくるかもしれないし、「あのなぁ二日続けてネタ書くからマジレス・マジトラバもらうんじゃん」とご示唆もいただいたので、少しマジな話に戻す、といって、ダルフール問題をマジにやるには鬱になるほど重過ぎる。そこでつまんない話でソースなしだが、このところぼんやり考えていることを書く。
 考えているのは、「国家の適正サイズ」ということだ。国家というものには適正なサイズというものがあるのではないか。各種の外交上の問題や国際問題はこの適正サイズの不都合から発生しているのではないか、とそんな感じが以前からしている。
 サイズといっても単純に領土の広さということではない。むしろ、その国の総人口が一番目安になるだろう。いったい国家というのはどの程度の人口が運営に最適なのだろうか。そういう問いは成り立つだろうか。

cover
台湾の命運
最も親日的な隣国
 「国家の適正サイズ」という発想は、私は歴史学者岡田英弘の「台湾の命運―最も親日的な隣国」で知った。この本は台湾を知る上では重要な本だがすでに現状とはズレが大きく、また表層的には岡田の予想は外れたかのようにも読める。特にこの本では、台湾というのは国家の適正サイズという条件で優れているので前途は明るい、というトーンで書かれている部分があるが実態はそうではない。それでも、国家の適正サイズにあるという指摘は正しいように私には思える。
 台湾の人口は二千二百万人。だいたい、二千万人と見ていいだろうか。統計上の領域には大きな違いがあるが、オーストラリアもその程度だ。
 これに一千万人ほど多いのがカナダで、三千万人弱。韓国が四千万人を越える。スペインが四千万人を割る。逆に、一千万人代くらいの国家というとギリシアがそうだ。スウェーデンが一千万人を割る。キューバが一千万人程度。チリが一千万人強。国民文化の色が濃い印象を受ける。
 二千万人の線で見ていくと、先の台湾、カナダの他に、マレーシアがある。オランダはやや欠ける。
 大雑把に五千万人クラスだとイギリス、フランス、イタリア、タイと軍事面や国際的なプレザンスが強くなる。
 こうして見ると国家の適正サイズというものがありそうにも思える。一つの国民文化なりが維持できるのが一千万人程度であり、二千万人程度で取り敢えず意義のある軍備がもてるようになる。国土や歴史の問題もあるのだろうが、二千万人から四千万人というのが近代民族国家の適正サイズだろう。
 そこを越えてくるあたりから、いわゆる対外的に国民国家的な主張が強くなり、米国やロシア、中国といったスーパー国家との対立も出てくる。韓国や統一朝鮮といったものの昨今のどたばた騒ぎも、そうした国家の適正サイズのある臨界の現象なのではないか。
 政治的な統合はできずとも、経済が優先される現代世界ではEUなども実質スーパーパワーになりうるし、おそらくその陰にある二千万以下の国家は事実上吸収されてしまう可能性もあるだろう。台湾は、岡田の指摘とは逆に、国家の適正サイズのもっともウィークな位置にあるかもしれない。
 日本はといえば、これから将来的には八千万人くらいに縮退するとしても、依然スーパー・パワーに近い国家なので、その意味では、いわゆる国家のお付き合い的な外交からは優位にズレる性質があり、それゆえ近隣のスーパー・パワーである中国や、軍志向の国民国家の朝鮮などは日本をできるだけ叩けるときに叩いておきたいところだろう。逆に言えば、日本は少し離れた同等のインドネシアなどと組み、また台湾、マレーシアレベルの国と連携して、中国や朝鮮を押さえ込むようにしていけばよいようにも思える。ただし、それでもスーパー・パワーの力学のほうが大きいから、中国のプレザンスに対しては日本も親米と親露の政策が重要になるだろう。
 スーパー・パワーとしての日本の内側という点では、国家の適正サイズを越えているため国民国家的な統合から外れる力学がもっと働いてよさそうなものだが、現状ではまだそれほどひどくはない。日本の都市部と地方は分離し、都市部は、他のスパー・パワーが内在しているスーパー都市(上海・北京など)と並ぶ形になっているが、そうしたかたちでもいまだ地方を分離しきってはいない。スーパー・パワーというものは、スーパー都市を機能とする超国家的な存在で、地方を効果的に従属させるものではあるのだろうが。
 もう一点、国家の適正サイズというとき、市民・社会(コミュニティ)・国家という三項がどう関連するかも気になる。ちょっと話がぞんざいになるが、国家の適正サイズを決定しているのは、内在的には、社会(コミュニティ)の限界でもあるのだろう。心理的には同国民が同胞に感じられるサイズがその限界だ。これには、現代のIT技術やメディアも関連してはいるだろうがいずれにせよ、社会(コミュニティ)がどれだけ内在的に意識されるかということになる。
 ところが国家の適正サイズを越えるあたりから軍事の色合いが濃くなるように、対外的な戦争なり暴力装置の様相が強くなる。レーニン流で言えば、国家とは暴力装置なのだろうが、現代世界では国家が内向きに暴力装置となるのは中国を含めた独裁国家の特徴であり、それ以外では、(シモーヌ・)ヴェイユ=吉本(隆明)の定理とでも言うべきか、軍の存在は相互に他国民を使って自国民を殺害可能にするためシステムとなる。愛国たれ=死ね、というシステムがこうした国家の臨界を決めている。
 ただし、そういう一方的なモデルでもない。国家の適正サイズは、おそらく市民を封殺する社会(コミュニティ)からその市民を国家が保護するという機能にも依存している。社会(コミュニティ)というのは公義(としての正義と法)を持ち得ないので、その調停として国家が必要になるし、おそらく福祉サービスもこの側面の国家の機能でもあるだろう。一見すると社会(コミュニティ)が福祉の原点であるかのように日本人は思いがちだが、公義の原則性を持ち得ない社会(コミュニティ)はその市民社会に内在する暴力性を制圧することはできない。
 杜撰な話に杜撰な話を重ねるのだが、現代は、国家の適正サイズを越えて国軍を含んだいわゆる民族国家とスーパー国家の経済、民族移動(労働者移動)という点で、まさに国家の適正サイズのバランスが崩れたために、さまざまな問題を引き起こしているように思う。

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2005.06.08

フロリダのハリケーンが残していったもの

 また、くだらない話。いや、考えようによっては重要な話。フロリダで時ならぬベイビー・ブームが起きている。短期で見ると出生率が倍増ということもあるというのだ。
 なにが起きたのか。時は十月十日(とつきとおか)前に遡る、というのは旧暦的な月齢換算。実際には280日くらい。米国ではナイン・マンス(九か月)と言われる。そ、そのベビーたちが受胎した時期だ。
 ハリケーンがフロリダを襲っていた。停電した。することがなくなった。いや。することは…あった(田口トモロヲ風)。FOX”Hurricanes Behind Florida Baby Boom”(参照)はあまりに端的に伝えている。


The couple says it, too, was stuck at home with no electricity and ended up getting pregnant.
【意訳】
「停電しちゃって家に籠もっていてさ、結局、妊娠しちゃったわけよ」とご夫妻は語る。

 あれだ、よくある話じゃないか。停電で妊娠が増えるというあれだ。切込隊長さんも政策として”日本政府は少子化対策のために早期の停電を実現するべきである”(参照)でこう提言していた

 なぜ政府は強い指導力を持って停電を実施しないのだろうか。
 ニューヨークを襲った大停電のときに出来たベイビーが山ほどいるという報道にずっと強い関心を持っていたのだが、同じく少子化に悩む台湾でも電力の安定していない地域の出生率が高いというデータを今日聞いて表題の通りの思いを強くしたのである。
 つまり、少子化の決定的な要因とは、性行為をして子どもを儲ける幸せも相対化されて、ほかの娯楽と比べて「つまんない投資先」となっているからだ。我々の周りには多種多様な娯楽があり、しかも刺激的であろうとし、先鋭化の一途を辿るが、性行為、妊娠というイベンツは鎌倉時代の夜這いのころからたいして進化していない。

 それはさておき。というか、ネタはそれだけということなのだが、ネットを見ていると、Newsday.comが一番この小ネタをひっぱっていた。”9 months after storms ...”(参照)がそれ。よく取材もしているじゃんか。

"My husband and I even said afterwards, 'Wouldn't that be funny if we got pregnant during the hurricane?'" Mills-Benat said. "It's probably going to turn out to be a wild child."
【意訳】
若妻ミルズ・ビナットは言う。「それからダンナと話したのよ、なんかバカみたいじゃない、ハリケーンの最中に妊娠するなんて。それに、生まれてくる子供はきっと暴れん坊になるわ」

 大丈夫大丈夫、「渦状言論: 娘が産まれました」おめでとうございますです的世界である。というわけで、このあたり(参照)でフロリダのお写真など観賞するもよし。
 そういえば日本で一番出生率の高い沖縄も台風の影響はあるのだろうか。現地で八年くらしてみた私がよくわからない。東京に戻ってみてわかることはある。沖縄の台風っていうのは通過速度が非常に遅くて、何日間も沖縄本島上に居座っていることがある。台風の目に本島全部がすぽっと収まって数時間なんていうときは、みんなそろってサンエーに繰り出してしまうというくらいなものだ。
 この数年本土ではかなり台風被害が出たがより強い台風慣れしている沖縄では比較的被害は少ない。のだが、それでも台風が近くなるとフリーターならぬフラーターがドライブをするので困る。
 そういえば、台風の翌日の朝、どういういきさつだったかただの物見遊山だったか、那覇空港を見に行ったことがある。飛行機に乗れない若者がところ狭しと雑魚寝しているのだが、あれだな、ちょっとついたてとかあれとかこれとか気をきかせて用意してやると濃い出会いの場になったかもしれない。
 最近では、こうした際には臨時の民宿もできるそうだから、ヒージャーを出す宿でも広めてはどうだろうと、沖縄専門用語が多くなったので引っ張った小ネタは終わり。

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2005.06.07

ダイエットの最新の話題

 極東ブログがお届けする最新ダイエットの話題(言うまでもなく洒落)。
 まず、英国で流行のデトックス・ダイエット(Detox diet)の効果から。と、この手のダイエットっていうのは日本でのリネーミングがポイント。だけど、ローカーボ・ダイエットが「低インシュリンダエット」なんて名前でヒットするなんて予想できなかったので、どうリネーミングしたらいいのかわからない。ゾーン・ダイエットもリネーミングで転けているみたいだし、デトックス・ダイエットもなんて訳しますかね。「体内解毒ダイエット」…だめそ。
 デトックス・ダイエットは、英語のDetoxですぐにわかるように、detoxification(解毒)ということ。なんだかなの理屈は、人間の食べ物には毒物が多いのでそれを解毒すると痩せる、というのだ。化学的に考えると毒物の中和とか考えがちだけど、それはもうもうこの分野は化学なんかじゃないわけで、毒物を排出とかわけのわかんない理屈。
 身体内の毒物って言うのだから、ダイオキシン問題で高熱処理施設がばんばん大気に放出している重金属をなんとかするにはキーレーション(chelation)が重要になるのではないかと推論したアナタ、化学知識が邪魔してますよ。そんなんじゃダイエットは理解できません。環境問題だって理解できないかも。
 日本国内でデトックス・ダイエットがすでに流行っているかな、とちょっくらネットを覗いてみると、あまりない。というか、そうかそうきたかの専用サプリメントみたいなのが売っているのだが、そんなのありかよはスルーさせていただいて、英国流はというと、Eikokutabi.comというサイトのDetox dietのあたり(参照)が簡素にまとめている。


このダイエット方式は、昔からある健康療法である「detoxification(解毒)」という考えから来ている。もともとは体内に蓄積された様々な毒素を排除して身体の調子を整えるために食事療法を行なうというものだが、イギリスの芸能人であるキャロル・ボードマンが、この方式で見事に体重を減少、洋服のサイズを2つもダウンさせて本を出版したことから、近年体重減少のためのダイエット方式としての注目を浴びるようになった。

 同ページにはやりかたも簡単に書いてあるわけだが、情報が足りないので勝手に実践なんかしないように。
 このデトックス・ダイエットなのだが、六日付けのロイター”Benefits of 'detox' diets doubted”(参照)で標題からもわかるように、効果ねーんでねーの?という疑問が医学的に出てきた。ネタにマジレス、といった趣向でもあるが。

An array of short-term "detox" diets promise to flush toxins from the body, but some critics say these regimens are more likely to only purge people's wallets.
【意訳】
昨今、短期のデトックス・ダイエットは身体から有毒物質を排出するとうたっているが、こうした製品はお財布の中身を排出する以上の効果はないらしいとも批判されている。

 うまいね、座布団二枚の書き出しである。
 ソースは? なのだが、ロイターの記事は識者のコメントでお茶を濁している。

There is "absolutely no evidence" that detox diets eliminate toxins from the body, Dr. Peter Pressman of Cedars-Sinai Medical Center in Los Angeles told Reuters Health.

 お偉い先生が、まったく実証性がないと太鼓判を押しているだけ。でも偉そうだから話を聞いておくのもよいかも。

According to Pressman, a short-term detox is unlikely to harm a young, healthy person, and may indeed leave them feeling better. But, he said, good health ultimately boils down to the often-repeated advice to exercise regularly and eat a balanced diet rich in fruits, vegetables, whole grains and low-fat dairy.

 短期間のデトックス・ダイエットで気分がよくなるかもしれないし、若い人健康なら問題ないかもしれないが、できたら、運動して野菜や果物を摂り、パンは全粒粉にして、脂を減らすように、と小一時間。
 私も小言を付け加えておこう。よく代謝をよくするために大量のミネラルウォーターを飲めという人がいるが、これについては先月ニューヨーク・タイムズに掲載された”Don't drink too much water, doctors warn athletes”という記事が示唆的。ちなみに現在はHerald Tribuneで読める(参照)。こちらのソースはNEJなんで医学的。

NEW YORK After years of telling athletes to drink as much liquid as possible to avoid dehydration, some doctors are now saying that drinking too much during intense exercise poses a far greater health risk, according to a report published Thursday in The New England Journal of Medicine.

 スポーツする人は大量の水を飲めと言われているが、あまり飲み過ぎると身体によくないという話。ま、スポーツ指導の人は読んでおくといいと思う。
 次行ってみよう。
 日本ではなぜか低インシュリンダエットとかされているローカーボ、低GIダイエットだが、これって、低脂肪ダイエットより効果的というニュースが同じく六日のロイターで流れた。”Low-glycemic may be better than low-fat diet”(参照)。

Foods with a low-glycemic index, which are digested relatively slowly and cause smaller increases in blood sugar, may protect the heart and blood vessels better than low-fat fare, according to the findings of a small study.

 ネタバレしておくと、ダイエットといっても、痩せるというのではなくて、糖尿病や心臓病の改善によい食事療法といったところか。ただ、急速なインシュリン放出は身体に脂肪を溜め込むことにもなるので、低GIは痩せるという意味でのダイエットにも多少はなる。
 余談だが、私は低GI食になるように心がけてますよと、某所で某専門のかたに話したことがあるが、せせら笑われた。GIなんて非科学ですよとぬかされた。だめだな日本の専門家とか思ったが言わない言わない。
 ちなみに、低GIだが、つい表に合わせてあれがこう、これがあーだとか言われるが、こんなもの酢の物を一品足せば、全体で下がるのである。そんだけのこととも言える。
 次行ってみよう。
 米国などでは牛乳を飲んで痩せようとかいうのがあるらしい。その理屈はカルシウムの効果的な摂取とからしい。よく知らないのだが、そんなわけでその反対の話題がニュースになる。六日のワシントンポスト”Study: More Milk Means More Weight Gain”(参照)が面白い。

"There's been a lot of talk recently that somehow calcium in dairy products improves your ability to lose weight. There's certainly no evidence of that in this study," said F. Xavier Pi-Sunyer, a Columbia University obesity researcher.

 ちなみに、ローファット(スキムミルク、脱脂粉乳)ならいいかというとそうでもないようだ。医学的には同ソースだろうと思うが、六日のロイター”Milk may make for heavier kids, study finds”(参照)では明快に伝えている。

Children are urged to drink plenty of milk but a study published on Monday suggests that the more milk that kids drink, the fatter they grow -- and skim milk is a worse culprit than whole milk.

 ついでに、ローファットミルクは女の子にはニキビの元という話は、”Skim milk linked to acne among teen girls”(参照)にあるが、ま、ローファット・ミルクだから健康にいいというものでもなさげ。ついでに、「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」の”アメリカの女子高生に巨乳が多いのは病気か?”(参照)は言うまでもなくネタなんでマジレスとか泣ける(日本の規制はきびしいし)。もっとも牛乳はIGF-Iが高いので背が伸びるというのはそうガセでもない(参照)。
 次行ってみよう…って疲れた? なんだかダイエットとかの話っていかがわしいのか医学的にわけわかんないのかどっちか…。いえいえ、笑えちゃえばいい。
cover
ゲバゲバ90分!
ミュージックファイル
 笑うことがダイエットになる。AP系”A Good Laugh May Help Shed Extra Weight”(参照)によると、けっこうマジだ。効果的に痩せるには、一日十五分笑う必要がありそうだが、それって、ギャグの拷問か。ネタ一発で二十秒笑えるとしても、ネタが四十五発必要。ゲバゲバ90分とかの時代、日本人が痩せていたのは、たぶん、でも、そういう理由じゃないでしょけど。

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2005.06.06

ダルフール危機報道について最近のメモ

 ダルフール危機についてこのブログで過去にもなんどか扱ってきた。が、昨今の状況についてはなんとなく語りづらくなった。マスメディアが語らないことを語るのがブログの務めとか以前は思っていたが、最近はしょせんヘタレの私などそうした慣習に従ってもいいのじゃないかという気分にもなる。なので、最初に断っておくが、以下、誰かを非難するがために書くという意図はまるでない。真相や実態がよくわからないからだ。簡単にメモ書き程度に留めたい。
 まず、気になのはダルフール危機の被害の全貌だ。日本人ではユニセフ大使としてタレントのアグネスチャン、また民主党岡田党首が現地を視察しているようだが、詳細な報告を私は見ていない。この問題に関心を持つ人には見えないところで発表されているのかもしれない。
 被害全貌で重要になるのは、端的に言えば、死者の数だ。これがわからない。私だけがわからないのかとも思ったが、四月二三日のワシントンポストでもこのこと自体を問題視していた。”Darfur's Real Death Toll”(参照)を引用する。


THE BUSH administration's challenge on Darfur is to persuade the world to wake up to the severity of the crisis. On his recent visit to Sudan, Deputy Secretary of State Robert B. Zoellick took a step in the opposite direction. He said that the State Department's estimate of deaths in Darfur was 60,000 to 160,000, a range that dramatically understates the true scale of the killing. If Mr. Zoellick wants to galvanize action on Darfur, he must take a fresh look at the numbers.

 ゼーリック国務副長官が現地視察に行ったのなら死者数の全容を明確にせよとワシントンポストは言うのだ。厳しいな、米国のジャーナリズムっていうのは、と少し思う。
 推定ではどのくらいかというと、Coalition for International Justiceの主張のように40万人を越えたと言ってもよさそうだ。大げさかもしれないが涙も枯れ果てた目には妥当な数字のようにも思える。二度とこの地上に虐殺が行われてはならないと誓う人は多いが無意味に近い現実がある。

Other authorities suggest that mortality is likely to be closer to 400,000 -- more than twice Mr. Zoellick's high number. The component of this estimate involving deaths by violence is based on a survey by the Coalition for International Justice, a nongovernmental organization operating under contract with the U.S. Agency for International Development, which asked 1,136 refugees on the Chad-Darfur border whether family members had died violently or gone missing.

 ところで死者数が問題にされない理由はなんなのか。ワシントンポストのこの記事の焦点はそこにある。引用が長いが重要なのでさらに引用する。

Mr. Zoellick deserves credit for visiting Sudan and declaring that "what has gone on in Darfur has to stop." He may feel that the precise mortality numbers don't matter. But his international partners will continue to drag their feet unless they are forced to confront the full horror of the killings. If they are allowed to believe that the death toll is one-third of its real level, the Russians and Chinese will pursue their commercial interests in arming Sudan's government and extracting its oil; Europe will make inadequate humanitarian gestures; the Arab world will ignore the murderous policy of a fellow Muslim government; and the African Union, which has a peace-monitoring force in Darfur, will not step up its intervention enough to stop the killing. Mr. Zoellick needs to shake everyone awake. Next time he should cite better numbers.

 ここのところだけは意訳しておくべきかと思うが、そこはへたれてやめておく。暗いニュースがお好きな翻訳ブログも本当に暗いニュースはパスっているじゃないか。
 とはいえ雑駁に言えば、ダルフール危機の実態が語られないのは、上記引用中の各利権の存在があるからだとは言えるだろう。
 そしてそれらが、端的に言えば、巧妙に情報操作をしているのだろう。いえいえ、私が言うのじゃない。またまたワシントンポストだ。
 こういう情報操作者を現代英語ではスピンドクターと言うのだが、彼らは実にグッジョブをしている、と同じくワシントンポストは六月三日の”Darfur's Real Problem”(参照)でこう切り出す。

SUDAN MAY be extremely poor, but its spin doctors are sophisticated. The suffering in Darfur is terrible, they say, but don't blame the government. The violence is a function of generalized anarchy, which is a function of underdevelopment, which is a function of the West's failure to help: To chastise Sudan's impoverished rulers is therefore hypocritical. Rather than urging punitive sanctions, outsiders such as The Post should urge engagement and assistance.

 スーダン情勢は悲惨だがスピンドクターたちは実に優秀なものだと言う。そりゃそうだろう。おかげで、スーダン政府を非難するな、ということになっているのだ。政府なんてどこもでも悪いものさとかとかいろいろ理屈を付けてみせる。たいしたものだ、とワシントンポストは言う。
 続けて、スーダン政府が「国境なき医師団」を引っ捕まえた事態はどう都合よく説明されるのかと問う。

So how do the spin doctors explain this week's news? On Monday Sudan's government showed its real feelings about Western help by bringing charges against the Sudan director of Doctors Without Borders, an intrepid medical charity that runs clinics in Darfur. The next day it detained the charity's Darfur coordinator. Over the past six months, the government has arrested or threatened more than 20 foreign aid workers in Darfur -- not exactly evidence of an appetite for Western engagement.

 ここからワシントンポストは明確に疑問に転じる。

The idea that Darfur's crisis is not really the government's fault has never fit the facts. In response to a rebellion by two local armed groups, Sudan's government attacked civilians with helicopter gunships and armed a local militia to raze villages. Then, far from soliciting international help to deal with the humani-

tarian fallout, Sudan's government actually blocked aid groups' access to Darfur. Its policy toward displaced people was to deprive them of food, sanitation and protection: in other words, to kill them. Recently, government troops and their militia allies have engaged in a systematic policy of raping civilians. Doctors Without Borders has been targeted this week because it documented these offenses.


 引用中、後半に、"Recently, government troops and their militia allies have engaged in a systematic policy of raping civilians."とあるが、ここくらいは訳しておくべきだろう、曰く「最近、スーダン政府軍とその配下の民兵は、一貫性のある施策として、民間人へのレイプに関わってきた」。
 まさかと言うだろうか。それでは、六月五日のニューヨーク・タイムズ”A Policy of Rape”(参照)も参考までに引用しておこう。

All countries have rapes, of course. But here in the refugee shantytowns of Darfur, the horrific stories that young women whisper are not of random criminality but of a systematic campaign of rape to terrorize civilians and drive them from "Arab lands" - a policy of rape.

 この先に悲惨な物語がある。日本の女性団体がこれに言及したことがあるのか私は知らない。
 真偽のほどは?
 ワシントンポストやニューヨーク・タイムズの記事だからって本当だとは限らないじゃないか、お前こそデマとばしてんじゃないのか、お前が現地で見てきたのかよ……と私も批難されるのだろうか。
 そういうことかもしれない。
 物事はもっとポジティブに明るい側面を見た方がいい。たとえば、日本の民間人が関わるこんな話がある。毎日新聞六月五日”スーダン油田:日本の非政府系“小社”が採掘権を獲得”(参照)より。

 非政府組織(NGO)を母体とする東京都内の福祉機器販売会社が東アフリカ・スーダンの油田の石油・天然ガス採掘権を獲得した。19日に正式契約する。日本が海外の石油採掘権を得るのは、00年にアラビア石油がサウジアラビア・カフジ油田での採掘権を失って以来。政府系や専門会社以外の企業による油田開発は極めて珍しく、スーダンで活動を続けてきたNGOの実績が評価されたとみられる。

 画期的なことらしい。

 スーダンの資源利用を思いついたのはメンバーで、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)日本委員会委員の宮嶋ノカさん(60)。NGOの活動資金を確保するため、スーダンの豊かな資源を活用できないかと考え、2年前から、出資者集めと同国側との地道な交渉を続け、今月2日、合意に達した。宮嶋さんは「コツコツとやってきた活動が成果を生んだ。僕らのような小さな組織に任せてくれるなんて信じられない。スーダン政府に感謝したい」と話してる。

 感謝されたスーダン政府も心強いだろうなと思う。
 それ以上に何か言える?

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2005.06.05

英国がアフリカの医療従事者を吸収する

 少し気になったニュース。直接的には日本には関係ないのだが、先日、英国の医療にアフリカ系従事者が増えることで、元の本国の医療が危機に瀕しているというニュースを見かけた。メディア的には、ガーナと英国の関連について扱ったインデペンデント”Medical staff quit for the West, leaving Africa's health service in crisis”(参照同参照)が話題になっていたようだ。


A critical shortage of medical staff who have been lured away to work in hospitals in Britain and the US is crippling Ghana's health service. The rich countries of the West are systematically stripping the developing world of their doctors and nurses in one of the worst acts of global exploitation in modern times.
【意訳】
英国や米国の病院で働きたいと願うことで生じた医療従事者の危機的な不足によりガーナでは医療サービスが壊滅しつつある。裕福な西側諸国は恒常的に途上国の医師や看護婦を引き抜いているが、これらは現代のグローバル化がもたらした最悪の事態である。

 物品の貿易なら比較優位とかで普通の話になるのかもしれないが、医療従事者というのは国家が税を注いで育成補助している側面が大きいので、そうした部分の結果的な搾取にも見える。この問題は次回のG8でもテーマになるらしい。
 同種のより一般的な国際ニュースとしては南アフリカ発ロイター”SOUTH AFRICA: Remedying the medical brain drain”(参照)がある。

JOHANNESBURG, 27 May (IRIN) - The migration of doctors and nurses from Africa has taken a heavy toll of the continent's desperately overstretched health sector, according to a new study published in the British medical journal, 'The Lancet'.

 ここからわかるように話の重要な出所の一つはランセットである。詳細は、同誌 28 May 2005 Vol 365, Issue 9474(参照)にある。参考までに。

Eastwood JB et al. Loss of health professionals from sub-Saharan Africa: the pivotal role of the UK. The Lancet 365: 1893-1900, 2005.

 問題の一般的な背景だが、先進国と途上国の経済差もだが、多少変な言い方だが、英語が通じてしまうということと、英語で専門技術が習得できるということも背景にはあるのだろう。
 Newsweek日本版(2005-6・8)”ロンドン 世界最強のボーダレス都市 移民パワーを起爆剤にしてヨーロッパで唯一人口が増え続ける首都”などでは、多民族流入がもたらすロンドンの活気の、どちらかというと明るい側面に焦点を当てていたが、このような医療の問題についてはふれていなかった。
 と、そこまでは、ニュースを眺めての話なのだが、先日ラジオ深夜便でこの話題について英国からの話を聞いた。主観的な印象とのことだが、病院に行くと医療従事者のほとんどが外国人に見えるそうだ。
 その大半はアフリカ人やカリブ海の島国らしいので、見てわかるというのはまさに一目でわかるという意味なのだろう。

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