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2005.12.28

ローソンが二十四時間営業を一部廃止へ

 コンビニのローソンが二十四時間営業を一部廃止するというニュースが朝日新聞系で報道された。他紙系などにもあるのかもしれない。
 話は”コンビニ、後継者確保に懸命 24時間営業見直し”(参照)の冒頭がわかりやすいだろう。


 コンビニエンスストア2位のローソンの新浪剛史社長は、一部の店舗で、24時間営業を2年後にもとりやめる方針を明らかにした。高齢化が進む加盟店オーナーに「体力的につらい」との声が強まっていることが背景にある。「24時間営業」はコンビニ業界の大きな特色だけに、業界初のこの動きは、競合他社にも波紋を広げそうだ。

 ああ、やっぱりな、という印象を私もった。コンビニのオーナーの高齢化は避けがたい。それと率直な印象を言うのだが、このビジネスにはシステム的に無理があり、その崩壊というのも大げさだが変動の始まりのように思えた。無理の部分は、人件費が実際にはオーナーの過重労働になっているのではないかということだ。それ以上はちょっとブログで明からさまに言いづらい。
 朝日新聞が次のようにいうオーナーの高齢化というだけではないとは思う。

75年設立の同社では、加盟店のオーナー年齢は当初、30~40代が中心だったが、最近は50歳前後が主体になった。年齢層が上がるにつれ「24時間開けている必要はないのではないか」との意見が寄せられるようになった。このため、ローソンでは今春から24時間営業の見直しを検討していた。

 もちろんそうした側面もある。三〇代の仕事量を五〇代がこなせるわけもない。しかし、このシステムの一面ではそれを強いることになる。自営業というのはそういうものだとも言えるが、かつての八百屋・魚屋というわけにもいかない。
 この話はコンビニの後継者という話にもつながる。関連記事がもう一つある。”ローソン、24時間営業を一部廃止へ オーナー高齢化で”(参照)より。

 ローソンが11月中旬、東京都内のホテルで開いた「後継者研修」には加盟店オーナーの子息20人が集まった。1泊2日で新浪剛史社長らが店舗運営や経営者の心構えを説いた。次世代に継いでもらいたい、という発想で昨年から始めた催しだ。参加者は「後継者と言われても、いままでピンとこなかったが、自分の勉強不足だった」と話していた。

 話が飛躍するし粗くなるのだが、後継者に継がせるということはそのコンビニが地域社会の欠かせぬ機能と化していることが前提になるのだが、それは無理に近いだろう。ひどい言い方になるが、五〇歳をすぎて自分が「具」になっているというのが経営的に見れば無理がある。むしろ次のようにファミマの発想のほうが経営的には一見すると正攻法だろう。

 ファミリーマートは「複数店」経営を奨励する。03年春、2店目以降について、本部に支払う毎月の手数料の一部を払い戻す奨励制度を導入。今年8月末までに約500人の複数店オーナーが生まれた。

 「一見」と留保したのは、その経営リスクをやはりオーナーに分散させるというのは無理かもしれないなと思うからだ。五〇〇名というと多いように見えるが、いずれ頭打ちだろう。この他、記事では、セブンイレブンは若い脱サラ組を狙ったといったスジの話に流し込んでいた。
 あまり不謹慎な話はしたくないのでさくさくと書くのだが、いずれにせよ、コンビニ全体はいろいろ小さな惨事を起こしつつ、システムというものがそうあるような仕方で統合されることにはなるだろう。ある意味で、できる経営だけができるということだ。朝日新聞の記者も不思議に思わなかったのか思っていて書かなかったのか、深夜の客がペイしなければ深夜営業は閉じるというだけの話でもあり、そうした経営が店舗経営として成立しなければ消えるということだ。
 コンビニは都市生活者にはさらに便利な店舗に進化していくだろう。むしろ、現状ではその可能性がうまく経営に反映されていないきらいすらある。コンビニ活用マニュアルでも書くと面白いくらいだ。が、いずれにせよ、それも都市が求めるものに落ち着いていく。
 では、地方は? 地方で長く暮らしたのでわかるのだが、意外と地方生活者ほどコンビニが便利なものだ。当然自動車で行くことになるのだが。そのあたりがどうなるのだろうかとは思う。沖縄だと、昔ながらの小さななんでも売る雑貨店が「まちやぐゎー」として存在し、おばーたー(老婦人)が消費税なんててーげーで営業している。仕入れはと見ていると、巡回の小型トラックが来ていた。ネットワークがあるようだ。ああいうビジネスが日本の各地方に展開されれるようになるといいのではないか。すでにそうなっているのかもしれないのだが。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

コンビニのあり方を見つめ直す際には、
1980年代に結構盛り上がった『都市論』等を
前提にする人と、初めて読む人とに
分かれるのでしょうね。
コンビニが田舎に進出しだした頃、その土地の人が
「夜7時を過ぎたら誰も外に出なくなるよ。深夜営業なんか、ペイしないよ」と忠告したら、コンビニ側が
「じゃぁ夜の7時を過ぎたら、みなさん寝てしまうのですか?」と聞き返し、
結局深夜営業は成功した、という話しを読んだことがあります。

投稿: てんてけ | 2005.12.28 18:07

我が家の近くのローソンも、深夜はオーナーらしき50台半ばのオジサンが店番をしていて、何か物悲しいものがあります。もう一軒の方のローソンは、女の子の店員しかいなくて、とても危険そうな感じだし。
まちやーぐゎーも、後継者不足とおばぁの更なる高齢化のために、あちらこちらで消えてなくなってます。
子どもの頃、50円握り締めてお菓子を買いに言った近所のまちやーぐゎーも、おばぁが亡くなってしまい、建物ごと取り壊されてしまいました。
思い出が1つ消えてしまったようで、寂しいものがあります。

投稿: くれふ | 2005.12.28 21:19

民営化された郵便局に次々吸収されて行くんじゃないの? 30年もしたら、独占事業になってたりして。
携帯各社が事業提携関係を強めたりしてるし、短期的にはそうはとても思えないけれど、長期的にはむしろ競争原理が働かない方向へ国の制度は動いているようにも…。

投稿: 妙訝 | 2005.12.31 06:41

以前コンビニ店主に元日営業アンケートをとったことがあります。
深夜営業は各店がペイするからやっている訳ではありません。深夜に営業するのは物流コストを引き下げるためです。会社の利益にはなっても、店の利益にはなりません。
深夜は何時間でもよいからお客が来ない時間は閉めたいのが店主の本音です。しかし売れないからと言って勝手に店を閉めると莫大な違約金を取られます。

投稿: くれちゃんマン | 2005.12.31 09:46

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