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2005.11.21

ハーフとかレミとか

 先日料理の話っぽい「極東ブログ: スパイスあれこれ」(参照)を書いたとき、蛇足に平野レミのことをちょっと書いてそれでも余談が過ぎるなと思って削った。彼女は…、「英語であそぼ」や新幹線のアナウンスの声で有名なクリステル・チアリも(ちがいます)、安室奈美恵もそうか…「クオーター」……と書いて、あれ?ヤバイ? 共同通信の辞書も入れているATOKは別にコーションを出さなかったが、あー、たぶん、「ハーフ」は、ダメ? と、特にコーションは出ない。使っていいのか? ちなみに「混血児」とやったら、即座に《記:注意 不快用語等》と出てきた。どうせいと?


なるべく「父が日本人で母がドイツ人という国際児童」などと具体的に書くように心がける。

 はい。ま、なるべくそう心がけるだ、イシシ。
 そういえば、と思い出して、Wikipediaの「差別用語とみなされることがある言葉一覧」(参照)を見ると微妙ではある。

ハーフ、混血、あいの子
日本人と外国人の間に生まれた子供。また、違う種類の動物の間に生まれた子供の場合はあいの子も使われるが、いずれも差別用語あるいは不快感を与える用語として、放送での使用は控えられている。

 どうやら「ペコポン侵略」と同じようだ。ついでに「ハーフ」の項目(参照)を見たら、こうある。

3 日本人と外国人など人種、国籍あるいは民族の異なる男女間に生まれた子供。著名人では岡田真澄、宮沢りえ、加藤ローサ、ダルビッシュ有など。主に日本のみで使用され、純血思想による呼称であったり、「半人前」という意味を持つことから、差別用語ではないかとの意見がある。近年では、欧米で一般的に用いられる混血という意味のミックス(mix)や、二重のルーツや文化を持つという意味のダブル(double)に変えようとする動きがある。しかし、ダブルという呼称は、在留アメリカ軍と沖縄に住む日本人との混血児が通う、創価学会の「アメラジアン・スクール」で使われていた呼称である。沖縄が抱える基地問題を背景としており、本来は、生まれてから一つの文化の中で育ったものには当てはまらない。ハーフと日本人の子供はクオーター(四分の一、1/4)と呼ばれる。

 そういえば、沖縄で暮らしているときそういう言いかえ運動がよくあったなと思い出す。当時の自分の生活圏にも何人もクオーターがいた。というか、ハーフはその母の世代になるから。彼ら彼女らは……というところで、さて、沖縄の話をするとまた嫌われるか。はてなダイアリー「perish the thought!」”[雑感]カタカナはわかりません”(参照)でも言われたしな。ってことで、パス。
 話を戻して、平野レミだが、そういえばと思ってアマゾンで彼女の父平野威馬雄の本のリストを見てみたら、「エプタメロン―ナヴァール王妃の七日物語(ちくま文庫)」(参照)がトップ。そして、威馬雄先生お得意のお化けの話が画家で平野レミの兄の平野琳人の共著で並ぶ。
 怪著「陰者の告白(ちくま文庫)」(参照)は絶版らしく古書にプレミアがついていた。
 なにより平野レミの名前の由来を暗示する「レミは生きている(ちくま文庫)」(参照)は古書でもプレミアつけても買えないみたいだ。こういう本こそ中学生くらいに読んでおかないといけないと思うのだがと、同書と威馬雄先生のことを思い出すとなんか泣けてきそ。
cover
家なき子
 レミという名前自体は、「家なき子(河出文庫)」(参照)のあのレミである。ちなみに、同文庫の訳者の一人福永武彦は池澤夏樹の父である…云々。
 英語ではハーフはなんと言うのか? まるで思いつかない。"half"とかベタでいうわけもあるまい。そういえば、この「ハーフ」という和製英語は、私の歴史的な語感が確かなら、「オンリー」と同じ地平のものだろう。こちらの言葉は消えた。消えていい。
 英語では"mixed"とでもいうのか…どうもそんな気もしない。沖縄での米兵と日本人母の子供を幾人か思い出すが、特になんと呼んでいたか思い出せない。英語では特に言わないような気がする。うちなーんちゅのおじーたーに言わせるとクオーターもみんな「あめりかー」だった。別に差別意識もなんにも感じられなかった。「たーちまちゃー」とか「がっぱやー」とか「かんぱちゃー」とか言うのとそれほど変わらない。おっと、そういう話はやめとこ。

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コメント

英語といっても米語しか知りませんが「ハーフ」は"Half Japanese Half American"が一般的です。「ハーフ」だと「半分」になってしまいますが、米語だとhalfとhalfでwholeになるので特に問題はないと思われます。ちなみに"mixed"は米語では「雑種」にという意味になるので人間に使う事はまずありません。"Half Japanese Half American"の子供を持つ日本人の母親が「ウチの子はミックスです」などと発言して密かにびっくりされていますが、外国人だから英語を知らなくても仕方ないという感じで大目に見られているようです。

他の英語圏ではどうなんでしょうかね?

投稿: 山の音楽家 | 2005.11.23 12:46

私は英国にいましたが、同じく"mixed"は使いませんね。"I am a half"のような使い方もしません。やはり"Half English, Half Scottish"のような使い方です。もちろん"quarter Irish"とか、"eighth Welsh"とかもよくある話です。話し相手が既に自分の国籍を知っているのであれば、片方だけを言う事もあります。"I am actually half Scottish"のように。彼らとしては、例えば、まず自分は"English"であり、親や祖父母の血縁で半分"Scottish"だと言う感覚なんだと思います。
日本では「外人」の中に「ハーフ」と言う国籍があるのかなぁ、と言うイメージを私は思い浮かべましたがどうでしょうか?

投稿: toru | 2005.11.29 03:40

はじめまして

「ハーフ」と呼ばれて育った者です。「ハーフ」と呼ばれることから経験したことを書いたWebサイトやってます(http://www.kreuzungsstelle.com/ )

良かったら一度覗いてみて下さい。感想など頂けると幸いです。

投稿: Niko | 2005.12.08 01:54

はじめましてー 
大変ためになるブログですね。楽しませてもらっています。
アメリカの西海岸に17年住んでいるのですが、僕の周りのアメリカ人は大体toruさんのおっしゃってる通り+”Mixed"っていってます。たぶんアメリカだと半分半分の人たちなんてそこらじゅうにいるし、もっと複雑なバックグラウンドの人たちもたくさんいるので、ミックスドが主流になってきてるのかもしれません。

投稿: あーせんせー | 2006.04.12 23:36

こんばんは、NY在住です。ここでは、大体、Half なになにって言ってますね。mixって言葉がどこからか出て来たときに、犬や猫じゃないんだから、って露骨な顔で拒絶されてました。西海岸だと、あーせんせーさんのおっしゃるMixedが主流と知って勉強になりました。
あと、originaly どこ&どこ、や,Partlyどこどこっていってるような。Partly だと、気軽に使えるみたいで、複雑に混ざっているNY Localたちにとっては便利そうですよ。

投稿: nori | 2006.04.24 11:32

フランスで暮らしていますが、フランスでもミックスと言うと犬の雑種だとかの意味で、ハーフには使えません。フランスでも日本と同じように「アメリカとのハーフ(フランス語でモワチエと言います)」と言っています。「半分フランス人です」ともよく言うので、こっちが日本のハーフの使い方に近いかもしれません。混血に当たるメティッスという言葉までありますよ。私としてはダブルと言ったからポジティブだとも思わないので、呼び方はどうでもいいと思います。人種差別するような人が多少使い分けたからって、嫌な感じはするんじゃないでしょうか。

投稿: mio | 2007.10.23 18:47

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