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2005.10.31

天高くマラリアなどを思う秋

 今朝の読売新聞社説”[新型流感]「備えは大丈夫か再点検しよう」”(参照)をざっと読んだあと、変な感じがした。なんか、なんにも伝わってこないのである。もちろん表面的には危機感が表明されている。


 日本は大丈夫か。政府は、対策を再点検しておく必要がある。
 現在、最も心配されているのは「H5N1」という型の鳥インフルエンザウイルスだ。鳥同士だけでなく、人に感染することもある。病原性も強い。これまでに、ベトナムやタイ、インドネシアなどで60人以上が犠牲になっている。
 犠牲者の一部では、人同士の感染も確認されている。これが人から人に容易に感染する新型に変異すれば、数週間で世界に拡大する、と懸念されている。

 間違いではないのだけど、「日本は大丈夫か」の次に「政府は」と続くのか。政府の対応は必要だが、どうにも他人事感が漂う。
 読後しばしぼうっと窓の向こうの秋空を見ながら、そういえばこのところ卵かけご飯の話題をよく見かけるが、欧州では生卵を食べるのは禁止というニュースが日本に流れてこないようにも思う。例えばロイターだが”EU agency to advise against eating raw eggs”(参照)はこう伝えている。

The European Union's food safety agency will on Wednesday advise consumers to avoid raw eggs and raw poultry in order to prevent the spread of bird flu, an official at the watchdog said, confirming a newspaper report.

 鳥インフルエンザ予防というなら生卵が一番危険だ。もっとも、と私はまたぼけっと窓の向こうの空を見て、そんなこと日本で言う必要もないかと思う。確かに日本の状況では実際は問題ないと言っていい。むしろサルモネラ菌が問題なのだがそれとてもそれほど大きな問題でもない。
 そういえば、鳥インフルエンザ予防と限らないが、風邪の季節一番重要な予防は手を洗えということで、ざっと見たらUPI”Law would require students to wash hands”(参照)だがイリノイでは学生に手洗いをせよと規制するそうだ。余談だが日本人は手を洗うというと掌を洗うが、米人は甲を熱心に洗っている。皿洗いでもそうだが物を洗うときは裏面が重要ではある。
 とまたぼんやり空をうつろな気分で見ながら、日本にはマラリアはないなと思った。先日結核の話を「極東ブログ: 結核というトトロ」(参照)に書いたが、日本ではもうマラリアというのは聞かなくなった。よいことではあるのだろう。金鳥のサイトの”蚊を侮ることなかれ”(参照)を見ると、日本では一九五九年に消滅とある。沖縄も含めての日本だろうか。五七年生まれの私は復員兵がマラリアに苦しんでいた光景を思い出す。
 同サイトには現代世界のマラリアについてこう触れている。

マラリアという蚊が媒介する病気はご存じでしょうか? 21世紀になった現在も、熱帯を中心とした約100カ国(人口が約20億2000万人)で3~5億人が感染し、毎年、子供や妊婦等を中心とした150~270万人もの尊い命を奪っている恐ろしい病気です。しかし、感染者の大半は免疫を持っているため、全ての人が重い症状をあらわす訳ではありません。これらの国の栄養状態や、住居環境の改善が図られれば、死者も大きく減ると言われています。

 そういうことではある、というか、看過できないほどの死者数である。たしかに蚊はなぁというのとそういえばDEETの問題もあるんだが、ま、それは今日は触れない。
 今日の中国新聞には”マラリア対策に300億円 ゲイツ基金が寄付”(参照)の記事があった。

ソフトウエア世界最大手、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」は30日、マラリアのワクチンや新薬の研究などのため、計2億5830万ドル(約300億円)を欧米の研究機関などに寄付すると発表した。

 寄付は今回が初めてではない。米国のマラリア撲滅への取り組みは外信を読んでいるとけっこう目立つ。日本も蚊遣などを多数アフリカに寄付している。ネットを見ていたら「蚊帳と安眠の あんみんドットコム 菊屋」(参照)という専門店に”あんみんハンカチ運動”(参照)というのがあった。もうちょっと詳細がわかるといいなとは思った。
 立ち入るといろいろ難しいのだが、マラリア撲滅には薬剤の問題もある。ざっとみたら、「熱帯病治療薬研究班」(参照)のサイトにクロロキン耐性の話があった(参照)。

 熱帯熱マラリア以外の急性期治療薬としては殆どの場合有効性を示すが、三日熱マラリアでは再燃による治療不成功例がパプアニューギニア、スマトラ、イリアンジャヤ、ミャンマー、バヌアツ、インド、ブラジルのアマゾン地域などで生じている。

 他に、「国境なき医師団」の「必須医薬品キャンペーン ~対象疾患~」(参照)にはけっこう詳しい解説がある。つまり、そういうことなんだよな、とちょっとお茶を濁す。

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コメント

統計などの数字を出すことはできないんで恐縮ですが、マラリアは昭和期までけっこう北まで分布していました。
「蚊が越冬しなければ大丈夫」というのはウソです。卵になれば寒さなんてへでもないですから。滋賀など水溜りの多いところで、マラリア蚊が卵の形で越冬したために感染環が成立していました。昭和に入るまで、畿内や山梨では患者が増えていたはずです。
ですから、マラリアは熱帯病と言うほど地域固有のものではなく、患者がいれば充分伝染が保たれる普通の病気です。

投稿: thyle | 2005.10.31 18:23

アルファブロガー買いました。で、写真みました。
・・・!
finalventさん、イメージ違う・・・なんか太った松本人志みたい。
すいません。つまらない書き込みで・・・

投稿: ななし | 2005.10.31 18:48

こんばんは。
蚊も、DDT耐性を持ってしまったとかです。
先進国の食糧援助、余剰穀類への偏りすぎが問題ではないしょうか。
TB、送らせて頂きます。

投稿: U-2 | 2005.12.09 16:54

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