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2005.10.28

アフリカ貧困問題に関連する人口増加と不埒な余談

 最近アフリカの貧困に関するNHKの番組を見たが番組名を忘れた。私はテレビをリアルタイムに見ることはあまりない。HDRに貯まっているのを見ることが多く、特にどの番組というのも気にしていない。クローズアップ現代ではなかったように思う。話は凶作とエイズ禍に苦しむ人々というものだった。
 そういえば、クローズアップ現代でもこの話題は見たっけ、とサーチすると、七月四日”アフリカの貧困をどう救うのか”(参照)があり、確かにこれは見た記憶がある。


グローバル化による価格競争に巻き込まれ、アフリカの貧困化は進み、サハラ砂漠以南では、2人に1人が、1日1ドル以下という生活を強いられている。都市ではスラムが拡がり、エイズで親を失った「エイズ孤児」がストリートチルドレンとなっている。今回、先進各国はアフリカに対する債権放棄や、新たな資金援助を行う方針だが、こうした援助が貧困解消につながるかどうかは未知数だ。

 ホワイトバンドとかいう変なもののおかげで、今年はこの手の話になんだかこってり付き合ったような気がする。しかし、振り返ってみるとなんか変だなという感じはしていた。重要な論点を忘れているような気がしていた。
 とそんな矢先、二十四日付けロイター”High fertility hampers African anti-poverty drive”(参照)を読み、ああ、そうだっけなとしばし物思いに沈んだ。この記事に対応しているのか対応は別なのかわからないが、二十五日付で日本語のロイターに”人口増加がアフリカの貧困撲滅の障害に=英研究者チーム”(参照)が掲載された。日本語で読みやすいので引用する。

 ボツワナや南アフリカといった一部の国では人口はほぼ横ばいか減少傾向にあるが、その一方で、マリやソマリアなどでは、人口が今世紀半ばまでに現在の3倍にあたる4000万人に到達するとみられている。
 研究者の1人、ジョン・クレランド氏は、「人口急増が、ほとんどのアフリカ諸国で、貧困削減にとってエイズよりも深刻な障害となっている」と指摘している。

 話の要点はそういうことだ。が、なぜこんな端折った記事なのだろうか。先の英語の記事では、特徴的なアフリカの国を分けてこう説明していた。

In some African countries such as Botswana, Lesotho, South Africa, Swaziland and Zimbabwe, populations are expected to remain static or fall.

But the number of people living in Burkina Faso, Mali, Niger and Somalia could treble to 40 million each by the middle of this century.

In Uganda, the population could soar from 29 million to 127 million.


 ほっとけない世界の貧しさとかだったかなんだか忘れたが貧困のアフリカなどとしてメディアで取り上げらがちな国と実際に問題(多様ではあるが)を抱える国とは奇妙なずれがあるが、ここでもそういう印象を受ける。
 総合するとこうなるらしい。

In Asia and Latin America, family planning has reduced population growth and is credited with helping to improve prosperity. But since 1960 the number of Africans has risen from 225 million to 751 million. By 2050 it could hit 1.69 billion.

 アジアやラテン・アメリカでは人口増加と貧困の問題は収束しつつあるが、アフリカの人口増加は際立っているとのことだ。が、総人口で十七億増ということなのだろうか。
 そして、この段落の先で、貧困について、エイズ問題と人口増加は深く関係していると、研究者のジョン・クレランドは言う。

"Integration of programmes for HIV prevention and family planning could produce better outcomes than either endeavour could yield alone, thus, providing a promising solution to the problems of HIV/AIDS, high birth rates, and poverty that have affected so many African countries," the researchers added.

 ちなみに詳細は、ランセント”What would Malthus say about AIDS in Africa?”(参照・要登録)。
 話は以上で、以下はちょっと不埒とも受け止められるかもの雑談だが、ジョン・クレランド(John Cleland)っていう名前はマジかよとちょっと思った。というのは、多少この手の文学を囓った人なら、「ファニー・ヒル(河出文庫)」(参照)を連想するだろう。アマゾンを見たら、「新訳ファニー・ヒル宝島社文庫」(参照)なんてものもあった。釣りが可笑しい。

1750年ロンドンで地下出版され、
2世紀以上を経た今も、
いまだに発禁処分にされている国もある
世界的ベストセラー。

 書かれたのは1750年頃のロンドン。
 以後、250年以上にわたって世界中で読み継がれてきた古典エロチカの傑作中の傑作『ファニー・ヒル』。
 「男と女がやることなんてファニー・ヒルの昔から何も変わってないよ」と日常的に使われるほどの世界的ベストセラー。いまだなお、その性表現が輝きを放ち続ける人類最初のメジャーなエロチック小説が、読みやすくスピード感のある超現代語訳でここによみがえる。


 そういえば、サミュエル・ピープスって同時代だっけと確認したら百年違ってますね。ご関心あるかたは、「ピープス氏の秘められた日記―17世紀イギリス紳士の生活(岩波新書 黄版 206)」(参照)あたりから、「サミュエル・ピープスの日記 第1巻 1660年 (1)サミュエル・ピープスの日記」(参照)へどうぞ。
 ああ、連想が止まらない。「我が秘密の生涯(田村隆一訳)」(参照または参照)は十九世紀か。ローマは一日してならずだが、大英帝国のスケベは五百年くらいのものか。いやそれなら日本だって以下略。

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コメント

ファニー・ヒルは好きです~。
「我が秘密の生涯」は大傑作ですね。
文化が洗練されてゆくと生殖を目的と
しないフェティッシュな変態プレイが
流行って、その結果、人口増加が
抑制されるというメカニズムから
人口論を見ていくと、なかなか
面白そうな感じがしますね。
私が知っている限りではこの論を
唱えていたのはマルキ・ド・サドだけで…。
サドは、人口を抑制することが、文明の
より良き発展の礎であると主張するので、
あらゆる性行為を自由に解禁することで、
生殖行為の量を減らせ、それによって、
文明は発達するという立場を取っていますね。
ゆえに、SMは勿論のこと、同性愛なども
積極的に擁護する姿勢を取っていて、
私は彼の考えに共感しますね…。

投稿: kagami | 2005.10.28 22:11

NHK教育の「ETV特集」でもアフリカ問題を放送していました。貧困の他に部族間の殺戮とか重いテーマでした。弱者への無限の負い目を担い続ける日本人のモラルには辟易するところもありますがヘンに虚無的になるよりマシなんだろう。

投稿: 東京スナメリ | 2005.10.29 11:14

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