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2005.09.06

カトリーナ被害を経済面からのみ見ると

 先ほど朝日新聞記事”排水作業が本格化、死者1万人説も 米ハリケーン被害”(参照)を読んだ。標題からも想像以上の被害が伺われ、痛ましく思う。すでに各所から批判されているように人災といった側面もあっただろう。
 今回の災害の全貌はまだわからないが、その経済への波及についてはある程度推測されつつあり、四日付のワシントンポスト”Disaster Economics(災害の経済学)”(参照)が扱っていた。一読して、やや意外な印象を受けた。印象的なのは最初の段落の最後にある次の一文である。


The truth is that natural disasters disrupt economies surprisingly little.

 米経済への波及は少ないというのだ。これは今回の災害へのコメントというより、巨大な経済を抱える国家の一般論的な認識らしい。

In a huge economy, the destruction of even an entire city's worth of capital stock represents only a modest financial blow, however great the loss of communities and memories.

 人的な被害については回復できないことがあるが、経済の側面に限定して見るなら、一都市の壊滅も国家経済にはそれほどの影響はもたらしえない。記事にもあるが、ニューヨーク証券取引所の時価総額(昨年九月)は十七兆八千億ドル(約千九百六十兆円)であり、現在推定されているハリケーン被害額をこの株式相場に相当させれば、〇・六パーセントの降下である。
 それはそうなのかもしれない。が、私の印象としては少し奇妙な感じがしないでもない。また、いろいろ想起されることもある。逆に株価の変動というのは米国の数都市を吹っ飛ばすほどかなとも思うが、よくない連想ではある。
 いずれにせよ、ワシントンポストが指摘しているように、今回の災害の経済面での波及は一年程度で吸収されるうるものとみてよさそうだ。つまり、これによって米経済の凋落が始まるといったことはない。
 これに続く話では、むしろ、災害を契機に経済は強化される面が指摘されている。今回のケースでは米社会は石油の浪費を減らす方向に進むべきだったのかもしれないが、この点については冷静に考えるとややがっかりするような対策も出ている。いずれにしても、規模の面からすれば限定的ではあるのだろうが。
 現段階での最悪の事態とはなにかという点についてワシントンポストは、米国民が経済の自信を失い、消費にためらいが生じ、それが引き金となって景気後退するという点をあげている。が、それはないだろうともしている。

The worst case is that Americans lose confidence in the economy and sharply rein in their spending, triggering a recession.

 理由は米経済は失業率も低く健全であるからだというのだ。それもまたそうなのかもしれない。
cover
大きな森の小さな家
インガルス一家の物語(1)
 私は子供のころ「大草原の小さな家」というテレビ番組を好んで見た。ハリケーンによって被害を被る話もあった。あの話の元気づけと、今日のワシントンポストの記事のトーンはあまり変わらないような印象も受ける。これが米国という国なのかなとも思う。

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コメント

やはり
文字通りちょっとでかい台風が1つやってきた
ぐらいのもんなんでしょうかね。
経済的にも政治的にも。
別にさしたる根拠はないのだけど、
日本で言えば
周南とか尾鷲とか八戸ぐらいの都市が
グチャグチャになった程度か。

投稿: 無粋な人 | 2005.09.07 12:40

無粋な人さん、言いたいことは分かりますが、せめて「地方の中堅都市」くらいの表現にしてもらえないでしょうか?
八戸に住んで、この都市をそれなりに好いている身からすると腹が立ちます。
それらの都市に住んでいる人の事もほんの少しは考えてください。

投稿: 八戸人 | 2005.09.07 21:37

経済が回復してしまえばニュースになることもなくなって、露呈したはずの階級社会や銃社会の弊害が忘れ去られてしまうのでしょうか。

投稿: | 2005.09.08 20:14

失礼。
ワシントン・ポストがその程度の議論をしている限り、アメリカの脆弱性はなくならないような気がしますが。

投稿: さぬきうどん | 2005.09.08 22:51

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