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2005.09.15

「英豪によるサマワ撤退打診」ニュースはどこから出たか?

 英国軍とオーストラリア軍が、イラク、サマワからの撤退を日本政府に非公式に打診しているというニュースが、十三日朝日新聞、十二日TBS、十四日時事で流れた。
 だが、関連ニュースやその後の経緯を見ていると、誤報とまで断定できないものの、奇妙な印象を受けるので、検証とまではいかないが、ブログに留めておきたい。
 朝日新聞”英豪、サマワ撤退を打診 日本の派遣延長に影響か”(参照)のニュースの重要部分は次のとおりである。


 陸上自衛隊が派遣されているイラク南部・サマワで、治安維持にあたっている英国軍とオーストラリア軍が、サマワからの撤退を日本政府に非公式に打診していることが13日、明らかになった。12月に期限を迎える自衛隊派遣について小泉政権内では延長論が強いが、英、豪軍の撤退時期によっては、派遣継続が困難となる可能性もある。
 複数の政府関係者によると、日本も含めた3者の意見交換の場などで打診されたという。日本側は撤退しないよう求めたとみられる。撤退時期に関しては「決まっていない」としている。イラクの治安状況の悪化などもあり、各国とも派遣部隊の撤退時期を模索しているのが現状だ。この中で、サマワからの撤退案も浮上していると見られる。

 一読して5W1Hが曖昧であることがわかる。
 TBS”英・豪軍、日本政府にイラク撤退を打診”(参照)は次のとおり。

 厳しい治安情勢が続くイラク派遣をめぐって、自衛隊と同じイラク南部に駐留するイギリス軍とオーストラリア軍が、日本政府に対し、来年夏頃の撤退を打診している事が明らかになりました。日本政府は対米関係をにらみ、対応に苦慮しています。
 イラク南部の治安を統括するイギリス軍、そして自衛隊のいるサマワ周辺に駐留するオーストラリア軍からの相次ぐ撤退の打診は日本政府内に波紋を広げています。
 関係筋によりますと、両国とも、イラクでの任務が今後、終了するメドが立たないことから、新憲法下で国民投票が行われるこの10月に撤退を判断し、来年夏頃部隊を撤収させたい、という意向を水面下で日本側に打診してきたという事です。

 内容は朝日新聞記事とほぼ同じで、5W1Hが曖昧な点も同じだ。
 これに対して、十三日付読売新聞”英・豪軍、サマワ撤収を検討…自衛隊駐留に影響”(参照)はこの打診の日時をより明確にしている。

 外務省幹部は13日朝、「1、2か月前に英豪両国がサマワからの撤収を検討していると伝えてきた。撤退の時期については、明示はなかった」と語った。
 また、「英軍はイラクからすべて撤退するのではなく、比較的、治安の安定しているサマワの駐留をやめるかどうかという話だ」と指摘した。サマワで活動する自衛隊は今年12月14日に派遣期限が切れる。

 重要点は二点。まず、英軍はサマワ地域からの一部撤退を日本に打診してきたということで、朝日新聞・TBSのように全面的と言明していないもののそうしたニュアンスのある撤退ではない。もう一点は、この打診は一、二か月前のできごとだ。それをなぜ、朝日新聞・TBSはぼかしているのか。なお、時事”英豪軍、サマワ撤退を打診=自衛隊派遣延長に影響も”(参照)も読売に近い。
 ニュースのリーク元も読売新聞では外務省幹部と特定がやや狭い。また、このリーク日時が読売新聞によると十三日の朝ということで、TBSはそれ以前の時点になり、同型のニュースであるならTBSから朝日新聞に流れたのかもしれない。
 読売新聞に加えて、十四日付時事”サマワからの撤退打診を否定=任務は1年を強調-豪国防相”(参照)がさらに疑問を深める。豪州側からはそんな打診はしてないというのだ。

 【シドニー14日時事】オーストラリアのヒル国防相は14日、自衛隊が駐留するイラク南部サマワの治安維持に当たっている豪軍が非公式に日本側に撤退を打診したとの報道について、「豪軍のサマワへの派遣は(今年4月から)1年間の任務となっている。それ以外は日本側に伝えていない」と述べ、否定した。キャンベラで記者団に語った。

 こちらはソースもはっきりとしており、英軍については現状わからないようだが、豪軍についてのサマワ撤退打診については虚報と断言してもよさそうだ。
 ニュースの日付から考えると、朝日新聞とTBSのニュース・ソースはその後の読売新聞や時事とは違うようだ。いったいどこから朝日新聞とTBSはニュースを得たのだろうか?

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「時事」カテゴリの記事

コメント

JDW では「縮小する」とは書いてますが、具体的にどこから手を引くとか、あるいは全面撤退するとかいう言及はなかったです。
トラバを送ろうとして失敗したので、%URL% に。

投稿: 井上@kojii.net | 2005.09.15 21:39

すみません、URL 貼り間違えました…

投稿: 井上@kojii.net | 2005.09.15 21:40

>いったいどこから朝日新聞とTBSはニュースを得たのだろうか?

自分で作ったんじゃネーノ?

投稿: うんこ | 2005.09.15 22:23

>イラクの治安状況の悪化などもあり、各国とも派遣部隊の撤退時期を模索しているのが現状だ。この中で、サマワからの撤退案も浮上していると見られる。(朝日新聞)

>…比較的、治安の安定しているサマワの駐留をやめるかどうかという話だ」と指摘した。(読売新聞)

この二つでは同じ「サマワからの撤退の可能性」にしても全然違いますよね。朝日の方は理由について、記者自身の勝手な解釈でしかないですし。「イラク駐留は上手く行っていない」と主張したいかのような論調に感じられます。

投稿: 暇人28号 | 2005.09.16 01:55

捏造アカ日新聞
歪曲在日新聞かぁ
眉につばつけとこっと

投稿: 産経 | 2005.09.16 14:55

英国も豪国もイラクからは手を引きたいわけで、これは誰にも分かる現地の“空気”。欧州英字新聞でも読みました。沈む船から逃げる体制でしょう。日本もそろそろ出口を探した方がいいとおもうけど。

投稿: 仏ねこ少年 | 2005.09.16 21:36

 逃げるなら英豪の後でしょうな。
 基本的にギリギリまで居残ったほうが有効だけど、引き際を誤ると貢献度低しと判定される。
 その具体的な基準となるのが、英豪の先か、後か。
 そんなところじゃないかと。

投稿: うんこ | 2005.09.17 02:22

>「イラク駐留英軍、大規模撤退取りやめ」英紙報道
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20050918DXKA008818.html

日本で話題になったことがきっかけで、あちらでも記事になったんでしょうかね?

投稿: ■□ Neon / himorogi □■ | 2005.09.18 17:43

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» イギリス・オーストラリア軍のサマワ撤退が確定した.イラク派遣自衛隊は丸腰で取り残されることになる. [エクソダス2005《脱米救国》国民運動]
英豪軍のサマワ撤退が確定した.自衛隊がサマワに残ることはすでに(日米の間で)確定していると推定される.その結果――自衛隊はついに1950年にGHQの指令によって警察予備隊として創設されて以来始めての「実戦」に巻き込まれることになるのである. 2転・3転していた英豪軍のサマワ撤退がいよいよ確定したようだ.日米英豪の4ヶ国が29日からロンドンで英豪軍のサマワ撤退後の体制について協議することになった.撤退は来年5月と見られているが,いよいよイラク派遣自衛隊が丸腰でサマワに取り残されることになる.(実... [続きを読む]

受信: 2005.09.30 02:37

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