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2005.08.24

東洋人と西洋人では物の見方が違うらしい

 東洋人と西洋人では物の見方が違うらしい。そんなのあたりまえでしょとか言わんでくれ、抽象的な話じゃない。どうも実際に物を見るときの知覚のありかが違っているという実証的な科学実験の話なのだ。
 国内の報道で話題になっているかわからないが、海外では話題になっている。BBC”Different view for East and West ”(参照)の出だしはこうだ。


Different view for East and West
Western and Eastern people look at the world in different ways, University of Michigan scientists have claimed.
【試訳】
東洋と西洋では見方が違う
西洋人と東洋人では世界の別の方法で見ているらしいとミシガン大学の科学者たちが主張している。

 実験は、二十四人の華人と二十一人の米人が対象となり、背景を伴った動物写真や非生物の写真を見せ、その際の眼の動きをミリ秒単位で追跡したものだ。
 結果は、米人は中心の被写体を観察しようとする傾向があるが、華人はより背景も含めて見ているとなった。ふーん、である。日本の常識からしてもそんな感じかな。
 なぜそう差が出るというと、華人のほうが短期記憶が弱いかららしい。ほんとかね。というわけで、BBCの記事ではこれをネタに文化論的な話に花が咲くといった趣である。
cover
生物から見た世界
  先日、「極東ブログ: ティッシュ配りについて考える」(参照)で「生物から見た世界」について触れたが、種の差を超えて文化差のようなものでも影響があるのだろうか。
 サインティフィック・アメリカンのサイトの”Americans and Chinese Differ in Their World View--Literally ”(参照)を見ると、実験の一例の写真と視点のようすが写真で掲載されている。森の中にたたずむ虎の写真が提示されると、米人は背景より虎の眼あたりを見ている。が、華人はその全体を見ているようではある。
 武道だとどっちの視線がグッドかなとちょっと思う。相手の目は次の攻撃に備えるためだが、防御だと全体配置が重要になる。いや、見るんじゃない、フォースを使うんだ。
 ワシントンポストに掲載されたAP”Asians, Americans Show Perceptual Divide”(参照)の記事では、前回の実験での日本人についての言及もあった。

Nisbett illustrated this with a test asking Japanese and Americans to look at pictures of underwater scenes and report what they saw.

The Americans would go straight for the brightest or most rapidly moving object, he said, such as three trout swimming. The Japanese were more likely to say they saw a stream, the water was green, there were rocks on the bottom and then mention the fish.

The Japanese gave 60 percent more information on the background and twice as much about the relationship between background and foreground objects as Americans, Nisbett said.


 日本人も全体を見る傾向があると言えるだろう。なので、今回の研究とも違和感がなく、日本人も華人同様東洋人ということになる。
 引用中、米人は明るさに反応しているというくだりがあるが、近世の西洋絵画を見ると、光と物体のありかたについて、日本人にしてみるとちょっと違和感があるくらい感じられるものだ。そういえば、外人の写真のポートレートもポイントは影、つまり、光なんじゃないかと思う。ヌード写真なんかもそういう光と影の造詣性が重視されている…ような気がする。

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「雑記」カテゴリの記事

コメント

>武道だとどっちの視線がグッドかなとちょっと思う。

日本の武道では武蔵の『兵法三十五箇条』で示されているように
「目付」というのが大切な要素です。

(以下引用)
目を付ると云う所、昔は色々在ることなれ共、今伝る処の目付は、大体顔に付
るなり。目の治め様は、常の目よりもすこし細き様にして、うらやかに見る也。
目の玉を不動、敵合近く共、いか程も、遠く見る目也。其目にて見れば、敵の
わざは不及申、左右両脇迄も見ゆる也。観見二ツの見様、観の目つよく、見の
目よはく見るべし。若又敵に知らすると云う目在り。意は目に付、心は不付物
也。能々吟味有べし。(『兵法三十五箇条』(岩波文庫「五輪書」・渡辺一郎
校注より )
(引用終わり)

上記のように相手の動きに惑わされず、
相手全体を大きくとらえるように把握する目付けが
「遠山(えんざん)の目付」としてとりわけ重視されています。
熟練者のなかには「臍下丹田で相手を見る」と
表現する人もいるようで、これなども
全体性の把握が大事ということを表現しているのでしょう。

以上、初心ながら武術の稽古に励む一人として。

投稿: fur | 2005.08.24 12:38

JPEGも、暗い部分はデータがつぶれているよね。
最近は慣れたのだろうけど、
JPEGが出始めたころは、ヌード写真を、
まったく圧縮をかけないことにこだわっていたみたいだし。

テレビのハイビジョンも陰の方はつぶれているみたい。
フイルム映画はつぶれていない。

投稿: 野猫 | 2005.08.24 13:00

西洋人は瞳孔の違いから、白地のサイトを嫌うという話を聞いたことがあります。このへんの生物的な違いも影響してるのかしらん。

投稿: にせ藤沢人@藤沢生活 | 2005.08.24 13:41

農耕民族か狩猟民族かの違いかな、と。
欧米人は光と影で見る。日本人は色で見る。
日本人は蛍光灯が、欧米人は白熱灯が好きですよね。
植物を見たときの違いもテストしてみたらおもしろいかも。

投稿: Cyberbob:-) | 2005.08.24 16:57

二次資料を読んだ程度で、事実関係は怪しいかもしれませんが・・・
 日本の家電メーカーがTVの一貫生産を欧州で始めたが、一向に売れない。今までと同じ製品なのに?
試行錯誤の末、最終工程のカラー調整を日本と同じだったのを赤みを強くするようにしたら売れるようになった。
欧州の人には日本の調整は緑に偏りすぎて見えたようだ。

というのをどっかで読んだことあります。じゃぁそれまではどうしてたんだろ?と疑問に思ったのですが、それはともかくカラー調整で欧州と日本での感じ方が違うというのが新鮮で記憶に残ってます。

投稿: こいも | 2005.08.24 19:54

アメリカの映画って、映像のコントラストが強めなんですよね。照明効果が徹底的に考えられて作られている印象があります。
邦画は最近ほとんど見ていませんが、黒澤が評価されたのも、その映像が西洋人に受け入れやすいものだったからかもしれませんね。

投稿: sinesezon | 2005.08.24 19:55

元記事読んでないですが、これは文化的特性を言ってるのか人種的特性を言ってるのか、多分前者なのかな?どうせなら黒人と白人の比較をやってみればイイのにとか言うのは意地悪ですか。陸上競技の世界では黒人が圧倒的に強い。これはどう見ても黒人は人種的にアスリートとして優秀なんだろうな、と思うわけですが、アメリカじゃそういう言説はタブーとされるそうです。黒人を肉体だけの低能だと馬鹿にしてると言うことで。

投稿: nabe | 2005.08.24 20:02

リチャード・E・ニスベット「木を見る西洋人 森を見る東洋人」ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478910189/qid=1124891914/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-4187636-5885920

という本がありましたね。

投稿: | 2005.08.24 23:02

なるほど~勉強になります。
こういう研究はもっと進められるべきでしょうね。本文中に書かれている規模の実験ではまだ頑張って「有力な仮説」程度でしょうけど。

根本的な差異を無視した差別の解消や相互理解なんてないでしょうしね。

投稿: neo_central_dogma108 | 2005.08.25 01:20

動くものはエサである狩猟民族と、
動くものは敵である農耕民族の違いかな?

投稿: a | 2005.08.25 02:24

次回あたり中身を見ないで郵政民営化に賛成と勢いよく手をあげていたfinalventさんのブログ作法について解説してくれますよね??
あと「先進民主主義国」って一体何ですか?

投稿: appi | 2005.08.25 02:42

狩猟民族ってマオリ族やイヌイットの人たち?
遊牧民族ってモンゴル人やツチ族?

たしかに彼らは目が良さそうだ(偏見)。

投稿: うに | 2005.08.25 08:39

そいや欧米のプラモダイオラマコンテストなんかでは、日本の作品を持って行っても全然ウケないらしいです。
あっちでは光景としての明暗の表現や空気遠近法が重視されて、日本のモデラーが重視するミニチュアとしての正確さは評価されにくいんだとか。

投稿: ヨD | 2005.08.25 11:15

なんでいまさらこんな話題で騒いでいるの?
昔から言われていることなのに。
http://homepage1.nifty.com/NewSphere/EP/b/bunka_sinri.html
http://am.tea-nifty.com/ep/2004/10/eastwest.html

投稿: woa? | 2005.08.25 11:31

蓮實重彦の「反=日本語論」のあとがきで,
妻のシャンタルが同様のことをのべていたことを思い出しました。

投稿: kevat | 2005.08.25 11:45

今話題のリアプロジェクションTVが日本より欧米で先行してヒットしていたのは、白人は暗い画面でも喜んで見るからだそうです。最近日本でも売れ出したのは明るくすることに成功したからですね。でも色味の好みやこの話は虹彩の色の都合で、地に着目して注意するかどうかという本題とはまた別の話のような気がします。

投稿: amn | 2005.08.25 23:27

顔の構造(鼻が高いか低いかとか目の位置がくぼんでいるかとか)で視界の見え方が違うという話は聞いたことがあります。それで日本人には平面的にものが見えているとか。。。浮世絵やアニメが発達したのはそのせいとか。そう言われると3Dはあまり日本では活発でないような気もします。

投稿: juno | 2005.08.26 07:05

ははは、です。奈良の法隆寺横の食堂の親父は、アメリカ人は鼻が低くて、ヨーロッパ人は鼻が高いと言っていた。案外本当かもね。ついでですが、桂離宮に行ってきました。茶の本道と思ったですよ。

投稿: 帰省中仏ねこ少年 | 2005.08.30 00:24

帰省中仏ねこ少年さん、こんにちは。というかお久しぶり。いかがすごされているのかなんとなく気になっていたのですが、桂離宮とはうらやましい。恥ずかしながら訪問したのことがないのですよ。

投稿: finalvent | 2005.08.30 08:30

仏ねこです。何でもありの日本を脱出、自宅で“あの国はいったいなんなんだ”の反省独壇会やってます。私は金回りは別として、絶好調なり。極東の君はいかがですか(プライベイト・ライフのことですが)。。桂離宮・修学院とも一ヶ月前にはがきで申し込むと入れます。宮内庁管理で大変よく保存されているし、多くの寺のように入場料も取らない。紅葉の頃には“極楽”化すると思われます。一時間程度の回遊ではすべてが分かるものではないですが、そこはそれ“一瞬”が“永遠”のスペース。貴重な体験でした。ぜひ行って下さい。なお、私信にコメント欄を使って申し訳ありませんでした。

投稿: 仏ねこ少年 | 2005.09.02 21:47

華人と米人では、漢字認識とアルファベット認識の違いが出ると思います。

華人と日本人では、漢字の音読みと訓読みの認識の違いが出ると思います。

ローマ帝国時代と漢朝の時代、そしてそれ以後、ヨーロッパは、中緯度に地中海があったけれど、中国は、同じ緯度を、大河川を利用して、灌漑によりほとんど農地化できたはずです。

中国人と欧米人では、ものの見方に大きな差が出るのが当然のような気がします。文化的な差異も長い間蓄積されれば生理的な差異となっていくと考えても無理はなかろうと思います。

投稿: enneagram | 2009.05.08 10:18

ギターアンプステレオです。東洋人と西洋人の違いは経済的や文化や風習などが違うよね。また食生活食文化等とかも違います。ベースアンプモノラルです。長渕剛さんのそっくりさん等とかも東洋人版と西洋人版と違うんですね。

投稿: ギターアンプステレオ山梨小菅鈴木&ベースアンプモノラル静岡熱海鈴木 | 2010.12.27 17:41

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