マレーシアのスモッグ(ヘイズ)
昨日からGoogle NewsがRSSを配信をはじめたので、RSSリーダーから同種のTopixを外して入れ替えてみた。かくしてぼんやりと世界のニュースのヘッドラインなどを眺めていると、マレーシアのスモッグの話がひっかかった。読みやすいのはBBC”Malaysia haze triggers emergency”(参照)だろうか。標題を見てもわかるように、このスモッグだが、ヘイズと呼ばれている。
スモッグというと日本では自動車の排気ガスなどが連想されるが、ヘイズの場合は森林火災や焼き畑農業などが主な原因である。
というわけで、ヘイズの話はマレーシアやインドネシアから毎年のように聞くのだが、どうも今年はかなり深刻になっているようだ。
Malaysia has declared a state of emergency after air pollution in parts of the country reached danger levels.
「危険レベル」というのは、PL法との知識のある人ならドンビキのレベルでもある。注意、警告といった段階ではなく人命に関係してくる。
邦文のニュースはないかと検索すると、「アジア・欧州経済情報/NNA: Global Communities」(参照)の十一日付のマレーシアのニュース(参照)で”ヘイズ収まらず、首都圏「危険レベル」[社会]”という記事があった。gooのサイトにも同記事がある(参照)。
インドネシア・スマトラ島の森林火災などによる煙害(ヘイズ)が10日、クアラルンプールを中心に拡大した。首都圏、スランゴール州などで視界が1キロメートル以下に悪化。スランゴール州政府はクラン、シャアラム、スバンジャヤ、プタリンジャヤの大気汚染が「非常に危険な状態」に達したと発表。環境局(DOE)は「大気汚染はモンスーン(偏西風)・シーズンに入る10月まで続く」とみて注意を呼び掛けている。
gooでは四日付の関連で”【マレーシア】 首都圏でヘイズ拡大、森林火災が原因[社会]”(参照)もあった。
インドネシア・スマトラ島の森林火災や、クアラルンプール郊外のサイバージャヤ周辺の泥炭層(ピート)火災によるヘイズ(煙害)が2日、首都圏はじめ国内各地に拡大した。午前中から視界は徐々に悪くなり、午後4時ごろから急激に悪化。屋外を歩くと煙の臭いが感じられるようになり、ハンカチで口と鼻をふさぐ通行人も多く見られた。環境局は「南西季節風(モンスーン)の影響により、今後数日間はヘイズが続くだろう」とみている。
基本的には森林火災なのだろう。
被害から考えると大変な問題なのだが、私は、この手の森林火災は基本的には自然な状態ではなかったかと理解している。ソースは忘れたが、オーストラリアの森林火災についてなにかの記事を読んだとき、そういう説明があった。
ぐぐってみると、”オーストラリアの火災”(参照)が一番にヒットした。
火災は生態系における自然現象の一つです。それはこの風光明媚な海浜公園の多様な生息環境にとっても同様です。しかし、火災が動物の個体群に及ぼす複雑な影響については、よくわかっていません。最近オーストラリア東部で発生した大規模な森林火災は、生物多様性の損失に対する防火対策の役割について人々の関心を高める結果となりました。例えば、近年ではお粗末な防火体制のせいでオーストラリア固有の鳥類2種が絶滅し、今も50種以上の鳥類に計り知れない脅威を与え続けています。デビッド・リンデンマイヤー博士は、予め計画された火災に加え、記録に残っている歴史上の火災に対して動物がどのように反応したのかを調べています。過去のデータと実験データを結びつけることによって、資源管理者は防火対策と保全対策の両方を併せて立案できるでしょう。
基本認識としては森林火災というのは自然現象なのだろう。そして、オーストラリアの場合は、人間以外の視点になるが、マレーシアではそうもいかない。
こういう問題もあまり単純なものではないなとは思う。ということで、さしてエントリのオチもない。ただ、スモッグというと、これから一週間の東京はよいなと思う。帰省者ラッシュの後東京の人口や活動が激減する。私はこの時期の東京がけっこう好きだ。富士山もよく見えるし。
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コメント
自然発火の火災だけじゃなくて、インドネシアでの焼き畑農業も原因みたいですよ。なので、自然・・・だけではないのかな?と思います。
投稿: ジャスミン | 2005.09.02 13:29
ヘイズの問題はマレーシア政府、インドネシア政府が真剣に考えないと解決しません。
オイルパームの再植林の際に幹の焼却による煙
オイル精製時に出る廃油の垂れ流し、その油田の蒸発による大気汚染
その空気を吸って身体に害がないわけ無いじゃないですか。
最近では日本の企業でパーム廃材を再利用して合板を作っている会社も有るようですが、その一社だけではとても解決できる筈がないです。
自由貿易国のシンガポールに行きたくてもヘイズが怖くて行けないと思っている人も多いと聞きます。
マレーシア・インドネシア政府が動いてくれることを望みます。
投稿: オイルパームプランテーションの今後を考えると不安です | 2010.06.23 16:00