なまこが大ブーム
雑記。なまこと私。深い関係はない。多少、縁はある。沖縄の海辺で八年ほど暮らしたが、海辺によくいた。黒いぶにょっとした、なんというか、つまり、なまこだ。食うのかと現地の人に訊くと食わないと言う。食うわけないだろという顔をしている。でもこんなにいるのだから、なんか関わりというものはないのかというと、さらに怪訝な顔をして、そう言えばと言う、なまこを置いて、石を持ち上げて、その上に落とすと、ぶちゅっと白いソーメンのようなものを吐くというのだ。あれはソーメンだねと言う。楽しげに語る。訊くんじゃなかった。
なまこというのは上質な中華料理の素材である。明朝や清朝の文化の影響を受け、那覇には媽祖、つまり天妃を祀るくらいの沖縄・琉球なのに、なまこ料理はないのだろうか。なまこと沖縄で検索すると「にらいかない」というブログに”♪なまこ・ナマコ・海鼠~~~♪”(参照)というエントリが、あれれ、沖縄でも食うのかと思って読むと、そうではない。
気がついたら、クリスマスが終わって、お正月がもう目前!!
買い物に行ったら、いました!ナマコが!!
沖縄の海にはごろごろしている黒い物体、ナマコ。これはどうも、毎年お正月に食べるナマコとは違うなあ・・・と思っていたら、『ナマコを食べるなんて、信じられない!?!?!』言われました。
言うじゃな~~い!?
でも、いるんですから!食べるんですから!輪切りにして!お腹のコノワタの塩辛は絶品ですから!!
九州のかたらしい。九州では食うのか。というか、生食に近い。中華素材とも違うようだ。韓国ではたしか、乾しなまこなのでこれは中国の影響だろう。
中華料理のなまこは一時期よく食べたものだった。理由がある。仕事の同僚がとある大手企業の社長の息子なのだが、その父というのが食い道楽で、息子もその趣味を継いでいた。それで、なまこを食いましょうというのだ。そうか。というわけで、食い歩いたのだが、彼もイマイチ満足しない。そのころ仕事場は新宿近くだったのだが、そういえば近くに随園別館(参照)がある。当時はなんか屋台っぽい雰囲気もあったが、そうだそこにもあるんじゃないかというわけで、食った。彼に言わせると合格点らしい。私はというと、あまり好まない。
中国人がこの手のものを好むのは、うまさというより健康効果なのだろう。フカヒレもそうだが、あれ自体別段うまいものでもない。なまこも中国語で海參というがどうも人蔘に模しているようだ。人蔘というのは、もちろんあれだ、高麗人蔘の人蔘である。キャロットではない。Wikiのナマコの項目に面白い説明があった(参照)。
海参は漢方薬として古くから滋養強壮薬、皮膚病薬として使われてきた。
また、ナマコがもつサポニンの一種(ホロトキシン)は、強い防カビ作用をもち、白癬菌を原因とする水虫の治療薬「ホロクリンS」として実用化されている。ホロトキシンを発見したのは京都大学薬学部の島田恵年。
サポニンは通常、植物に含まれる成分で、動物でサポニンを含むものはナマコとヒトデだけである。 海参とはナマコの強壮作用から「海の人参(朝鮮人参)」との意味でつけられた名前である。ちなみに朝鮮人参の主成分もサポニンである。
ふーんといった感じのトリビアである。さらにこのふーん感は続く。
全国的に漁獲されるが、中国においては、北海道の日本海産、青森県陸奥湾産が、品質で世界一の評価を受けている。
そうらしい。今朝NHKラジオを聞いていたら、その話題をやっていた。中国の富裕層に厚みが出るにつれ、なまこの人気が高まっているのだそうだ。毎日一つは食べたいほどらしい。
中国国内での養殖化も進んでいるが(んなもの養殖するのか)価格はうなぎのぼり。そのうち、なまこのぼりなんて言葉ができるかもしれない。お値段は?というと、五〇〇グラムで五万円もあるとのこと。余談だが、ちょっと私みたいに古風な人間には戸惑うのだが、大陸では一斤が五〇〇グラムである。いや私みたいな華人も多いのだろう。なので、公斤とも言い分けることもある。
そんななまこブームがインターネットから伺えるものかと、グーグル・ニュースで検索してみると、けっこうあるようだ。「成報」というサイトの先月二十一日の記事に”爽滑甘香 海參極品 北海道遼參蝦籽米子吊鮮香”(参照)というのがある。エキサイトで翻訳するとこんな感じ。
1位の経営の海産物店の友達は私に教えて、今年日本のナマコは失って収めて、また比較的に港の日本のナマコの価格を売って去年35%上昇したことを招いて、その中の日本のナマコは2800元の1斤を必要とする。聞くのは思わずやかましく騒ぎたてて、肉がいっぱい生えていて、顔立ちのとても醜いナマコを刺して、意外にもこの値段を売ることができる。もとは、ナマコを海産の食物の天王の中で才能がすべて現れさせることができて、すべてそれが曇ることを噴いて血を養うため、多く筋肉と皮膚をきめ細かくてつやつやしていさせることができることを食べて、きわめて級のが顔の絶品に駐在するのだ。いつも大きい時の大いな節操を責められないで、いっぱいな机の大きい魚の大きい肉、ただコレステロールのナマコをくわえないのが最も人受けがいくて、大人の細い道も多く食べるとよい。
ナマコの生存の歴史は原始の魚類より更に早くて、6億年前にあるカンブリア紀はすでに存在した。ナマコは「海の貴重品」と称されて、その食療の作用は十分に匹敵して上の朝鮮人参のだため、だからまた「海の中の参」と称される。
日本語が達者という香港の茶商からお茶を買うときの熱弁みたいだが、言わんとすることはわかる。
ひさしぶりに随園別館に言ってみるかな。
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コメント
最近、中国向けナマコの輸出急成長を受けて日本のとある漁村でも養殖しようと画策しているらしいです。
まあ中国で日本の海産物は、ナマコ以外にも昔から宮城の鱶鰭や岩手の乾鮑が高級品扱いです。
あと意外な海外向け輸出品では、ホヤが韓国向けに出るそうです何でもかの国では滋養強壮とか…
つうか中華圏の人って本当にこればっか(w
因みに、ナマコの養殖技術を教えて貰おうと中国へ行ったら断られたそうで、俺達は鮑やワカメなどの
養殖技術を懇切丁寧に教えてやったのに…と呆れているとか
投稿: きんぎんすなご | 2005.08.04 20:38
>九州では食うのか。
えっ、九州しか食べてないのですか。
みんな食べていると思ってました。
実は自分がナチュラルにゲテモノ食いだと知って軽くショック。
しかし火を通して食うなんてちょっと気持ち悪いです。
当然生でしょ。あのコリコリした感じが良いのに。
投稿: うおずみ | 2005.08.04 21:36
ご心配なく。
日本全国どこでも冬になったら熱燗には欠かせないものの一つです。これをゲテモノ扱いするやつなどには(おまえは人生の最大の楽しみの一つを無駄にしている)と言いかえしてやりましょう。
ちなみに我が家では薄切りにしたあと2・3日ポン酢で瓶詰めにします。一度お試しください。
但し、日本で生で食えるのはナマナコ(赤とか青とかは餌の違いによる変化)だけで沖縄に住んでいるのは生では食えないそうです。(干物にしたら食えるようにはなる)。
しかし、大阪や神戸では干し鮑やふかひれをコース料理では出しますが干しなまこのスープは見たことがありません。それほど貴重なものなのでしょうか?
投稿: F.Nakajima | 2005.08.04 23:31
初めて書き込みさせていただきます。当方エクアドルはGalapagos National Parkにて環境保全マネージメントのインターンを行っている大学生です。ナマコの話題とのことでコメントさせてください。今この自然遺産指定海域でナマコ漁解禁の時期なのですが、ほとんどがアメリカ(の中華料理レストラン)・中国・そして最近は精力剤としてのマーケットに流れています。おかげで、このGalapagos Marin Reserveでのナマコ密度(そういう指標があるんです)が2.4からもう0.4まで下がってしまって、ほぼ絶滅状態。ナマコ回復、または漁業インパクトを減らすための様々な試みが行われているのですが、ナマコ減少への歯止めにはなっていません。
今年はこっちでのなぜか一個あたりの取引価格が下がったようです。しかしこれからますます需要が増えるとの記述があり、自然遺産指定区のGalapagos Marin Reserveの海洋保全的な立場から言って予断を許さないといったところでしょうか。それ以外にもPoliticalな問題も多発してまして・・・
とりあえずナマコつながりということでコメントさせていただきました。
投稿: 南米ボーイ | 2005.08.05 04:07
南米ボーイさん、こんにちは。ナマコ密度ということも面白いなと思いましたが、事態は面白いということではすまないのでしょう。また中国が原因で乱獲がいけないと短絡する話でもないように思います。それでも、一定数のなまこがそれまで果たしていた自然界の位置というものがあるわけで、そのバランスの崩れが思わぬ結果にならなければいいと願います。
投稿: finalvent | 2005.08.05 07:31
沖縄の中部には(しっくりソバ)という粉末海鼠を沖縄ソバに練りこんだものが存在します。
食べてみましたが普通のソバに比べるとツルツル感がかなりありました。
又、内地の方が夫婦で移住され潜水ナマコ漁をしているのをTVで見ましたヨ。
ちなみにビーチによくいる黒くて長いのは食べないです。
以上、4年程前の事なので、現在は不明です。
投稿: そばじょーぐ | 2007.10.20 19:27