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2005.08.10

公明党と共産党に関連して

 最初に誤解なきようお断りなのだが、私にとって、公明党と共産党はどっちが嫌いか甲乙つけがたいほど嫌いな政党なのだが、このエントリは政治的な意図をもって貶めるという趣旨ではない。もっとも、こんな弱小ブログにそんな影響力もないだろう。この二つの政党に関連してなんとなく気になることがあるので書いておきたい、というだけだ。

cover
創価学会
 公明党だが、先日の都議会選でもそうだし、今回の衆院選挙でも結果的にキャスティング・ヴォートの位置になるだろう。つまり、その政策が国政に強い影響力を持つことになる。
 背景に創価学会という宗教団体を持つ公明党なので、政教分離なり、その宗教団体の利害が国政に反映するのは好ましくないなどといった視点で批判されがちだ。が、私は、概ね公明党は無害な政党なのではないかというか、世相の流れに流されている政党なのだろうと考えつつある。流れとは、昨日の「極東ブログ: [書評]自民党の研究(栗本慎一郎)」(参照)で自民党について触れた点と関連する。つまり、権力の主体が、農漁村ベースの旧保守か都市民の新保守かということが問題で、公明党は後者の都市化の流れから大枠で逸れることはできないだろうということだ。
 新潮新書の島田裕巳著「創価学会」のまとめが穏当だろうと思うが、創価学会というのは地方から都会に流れた人たちの互助組織に近い。言い方はよくないのだが、完全なマイノリティでもなくそれほど逼迫した状況でもない非都市民が都市に適応するための政治運動と見てよいように思う。イデオロギー的には無色に近いのだろう。
 その意味で、公明党からは、国政を左右するという点で突飛な政策が出てくるわけもなく、突飛という点では地域振興券といったお笑いが出てくるくらいだろう。もちろん、背景の宗教団体やその支持層を結果的に保護する政策色は強いだろうが、その点では新保守の自民党側で薄めることは可能ではないかと考えたい。むしろ、そうした新保守のなかに公明党を解体する受け皿のようなものをそろそろ用意したほうがいいのではないかとも思うが、この点についてはそれ以上言及しない。
 共産党については、中国共産党が内実をすっかり入れ替えたように、日本共産党も内容を入れ替えなければ、そろそろ歴史的にお役目を終えた政党でもあるし、社民党と同様に実質的な政策はゼロ、というか、およそ政策実施に伴う責任性を完璧に回避したので、その発言はもはやエンタテイメントの領域に近い。むしろ、より過激な政治運動を緩和する緩衝になるのかもしれないのがメリットかもしれない。
 が、国政から離れると、都市部や農漁村部でパッチワークのように共産党は強かったりする。その強さについては、地べたに立ってみるといろいろ思い当たることはあるが、それらが国政的なレベルに持ち上がるかというのが、強いて言えば、問題になる。
 大筋で言えば、持ち上がるためには、公明党同様に都市部の新保守層の利害を包括しなければいけないのだが、そういう芽は現状ではあまりなさそうだ。
 関連して、共産党については、それほどは世間で話題になっていないようだが、先月二十一日筆坂秀世元政策委員長が離党していた(参照)。筆坂は一昨年六月にセクハラ問題の責任を取り参院議員を辞職していたが、さらに共産党からも離れることになった。ベタ記事に近いニュースからは執行部の党運営に反発とある。
 政策委員長という要職からもわかるが、いうまでもなく筆坂は不破哲三議長、志位和夫委員長、市田忠義書記局長に次ぐ共産党の実力者だった。日本共産党史を見れば、野坂参三の例もあるように幹部が更迭されるのは別段珍しくもないが、それらは明白な除名処分だった。が、筆坂の場合は、自らの意志による離党であったというのが気になる。どのような思いだったのだろうか。
 この話は、政局ネタとしては前回の衆院選で終わったことなので、呑気にこんなブログに書ける面もあるのだが、あらためて過去記事を見なおすとやはり気にはなる。”筆坂議員辞職 身内の不祥事は真相あいまい 共産、一貫性欠く”(読売新聞2003.06.25)ではこう伝えていた。

 自ら発表し、議員辞職という措置をとり、党の自浄能力を示した格好だが、実は、共産党は綱領を改定し、現実・柔軟路線をアピールした二十三日の中央委員会総会で、常任幹部会委員でもある筆坂氏の解任を決めていた。にもかかわらず、発表を二十四日まで伏せていた。同党の閉鎖性の一端も明らかになった格好だ。筆坂氏自身、談話の紙を出しただけで、記者団の前に姿を見せなかった。
 こうした共産党の対応ぶりに、「事実関係が何も分からないというのは国民に理解できない。比例代表選出議員として選んだ人に説明が必要ではないか」(上野官房副長官)と、有権者に十分説明する必要があるとの指摘が出ている。

 さらにネットを調べていく真偽のわからない怪情報などもあり、途方に暮れる。
 とはいえ、こうした問題で共産党を批判したいというのがこのエントリの趣旨ではないので、その真相の推察はしない。
 広義に見れば、筆坂秀世元政策委員長は、自民党の旧保守に対応するような農漁村的な代表の位置にあり、結果的には共産党内部の都市派との権力闘争ではなかったかというふうにも思える。
 共産党の内部についてはそれほど関心もないのだが、大枠で各種の政治動向を決定しているのは、ここでも農村部と都市部の利害の対立ということかもしれないなという思いがする。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

>私は、概ね公明党は無害な政党なのではないかというか、

どうですかね。
「国家という存在そのものが悪」が党是な訳で、愛国心教育まかり
ならぬと頑張ってますね(笑

例の国立戒壇とやらもあきらめていない様子。
外から見るに宗教には見え無いのですが、今や日本では信仰や信心
というやつはすっかり、それも各教団からも無くなっているので、仕方が
無い話かもしれませんが・・・

投稿: ペパロニ | 2005.08.10 16:05

共産党も地方政治ではそこそこの仕事してたりすると思いますが。
せっかく全国で動ける組織があるのだから、まず名前を変えて(コミュニティ党とか)、地域密着を宣言して、国政はこれを妨げない監視役に徹する、というようなスタンスにすれば、復活の可能性もあると思います。
イデオロギーにこだわるトップがいなくなる頃にはそうした流れもありそうな気はします。

投稿: yakumo | 2005.08.10 16:23

公明党はキャスティングボードに寄生し自民に協力する代わりに、危険な法案をバーター取引しようとしているように思えるのですが。ペパロニさんが言っている事も然り、在日外国人参政権やら人権擁護法案やら諸々と。

一方共産党の逢坂氏は国会で「解同利権」を追求する急先鋒でしたね。突然のセクハラ辞任は謎が多いと感じでいます。この時代に「自己批判」なんて言葉を愛用しているようでは。

投稿: lonsome carboy | 2005.08.10 21:08

> 完全なマイノリティでもなくそれほど逼迫した状況でもない非都市民が
> 都市に適応するための政治運動と見てよいように思う。
> イデオロギー的には無色に近いのだろう。

 これは身の回りにいるそのへんの関係者を見てもなんとなくうなずけるような気がしています。「心理的」マイノリティといってもよい層が確実に存在し、その集団性を再生産しているようにも見えます。学会と党の来歴、およびこうした層を存立基盤とすることを併せて考えれば、かつて革新政党からまったく予期せず首相になってしまった眉毛の爺さん程度には「無害」なのだろう、と。もちろん眉毛の爺さんの例を見るまでもなく、人畜無害さゆえの有害性というのは時として甚だしいものがあるのですが・・・。

 しかし、無害という名の理念の空洞性に比して、選挙の時に発揮される類い希な戦術性はやはり空恐ろしいものを感じています。票の振り分けがあそこまで可視的に出来る、ということは、細胞組織までの統率性を示すものなのか、さらに進んで、「心理的」マイノリティの層とマジョリティっぽい人々との間の絶縁性(浮動層からほとんど票が流入しない)を示すと考えていいのか、そのあたりに興味があります。

投稿: i-330 | 2005.08.11 11:53

また土曜日、日焼けサロンイコウゼ。

投稿: sitto | 2005.08.11 16:32

生活圏で考えると、創価学会の関わってる団体や企業群はイメージの悪いものがやはり多いですが、共産党は案外と(?)そうでもないものが多いですね。
各地方の活動の足を引っ張らない程度に国政参加できていればそれで共産党は満足なんじゃないかなという印象です。
逆に言えばだからなかなか変革しづらいのかも。

投稿: スープ | 2005.08.11 17:36

池田教祖が成仏なされる(笑)のは時間の問題なので、その後の教団及び党分裂吸収などの可能性も含めて、方向性は目が離せない面白さがありますね。

今回は反創価の浮動票が選挙率アップで共産に流れやすいと思いますよ。

投稿: トリル | 2005.08.11 18:13

>また土曜日
土曜日ごとに集まり、「勉強会」と称するものに参加し、政治運動を熱心に行う事が推奨されている創価学会に対する嫌悪感を表現しました。
>、
句読点です。”ここらへんで創価学会も共産党もひと息いれ、現在の日本における状況にフィットしたものに変容していくべきではないかという問いかけです。
>日焼けサロンイコウゼ。
共産党がいままで訴えてきた政策は、まるで日焼けサロンで焼いた肌のようにフェイク、ただ黒ければいい、アンチのためのアンチのような、書いていてよく分からなくなるぐらいの混乱に満ちたものであるという示唆であります。

以上、sittoという人間がコメントスパムを行ったのではないと訴えるために、まことに勝手で、ご迷惑だとは思いますがここでコメントいたしました。お目汚し失礼いたします。

投稿: sitto補足 | 2005.08.11 21:07

共産党については、コミンテルンの日本支部として誕生した出自と、過去行ってきた非合法活動について全て明らかにし、それに対する現時点での評価(反省)を明らかにしてくれないととても投票する気になれませんねえ。

投稿: masa | 2005.08.11 22:07

masaさん
>共産党については
>投票する気になれませんねえ

確かにまったくその通りなんですけどね。

うちの選挙区、どうも自民がいないし出ないみたいなんですよ。
同じカルト系の出自で近親憎悪を感じてるんでしょうか?
共産は公明に良く噛み付くんで、咬ませ犬的には票が延びるんじゃないかと思ったんです。
消えて無くなりそうなほど席も少ないですし。

投稿: トリル | 2005.08.12 01:44

>共産党がいままで訴えてきた政策は、まるで日焼けサロンで焼いた肌のようにフェイク、ただ黒ければいい、アンチのためのアンチのような、書いていてよく分からなくなるぐらいの混乱に満ちたものであるという示唆であります。

どこがどう混乱に満ちてるんだろう?

>コミンテルンの日本支部として誕生した出自と

反ファシズムの国際連合でしょう。

>過去行ってきた非合法活動について全て明らかにし

なんのことですか?

>投票する気になれませんねえ。

じゃあどこに投票するの? 自分はどういう立場なのかしら?

投稿: yoshi | 2005.09.03 23:38

共産主義による悲惨な犠牲者について書かれている本が出ています。
「共産主義黒書(コミンテルン・アジア篇)—犯罪・テロル・抑圧—』
ステファヌ・クルトワ/ジャン=ルイ・パネ/ジャン=ルイ・マルゴラン著
●ロシア革命の世界革命化を狙ったコミンテルンと、中国6500万人、ベトナム100万、北朝鮮200万、カンボジア200万人など人類未曾有の犠牲者を生み出したアジア共産主義の現実。
●戦争と革命の世紀であった二十世紀、共産主義による犠牲者は全世界で約一億人を数え、ナチズムの犠牲者2500万人を上まわる。なぜナチズムが断罪され、共産主義はされないのか? 民族・人種によるジェノサイドと階級・思想によるジェノサイドはどこが違うのか。ついに開けられたパンドラの箱。
●(コミンテルン・アジア篇)は原著の「第2部 世界革命・内戦・テロル」、「第4部 アジアの共産主義」中国(チベット含む)、北朝鮮、ベトナム、ラオス、カンボジアを、そして「結論」に相当する「なぜだったのか?」を翻訳。暴力・抑圧・テロルを軸に豊富な資料により、農民・知識人・共産党員・軍人などが、いつ・どこで・何人犠牲になったかを丹念克明に記録した本です。

投稿: kamo | 2006.07.22 12:42

 筆坂は非名誉除名です、お間違えなきよう!本人は「セクハラで除名」なんて「汚名」を着せられるより、電波芸者として生き残る道を選択したいがため、「自ら離党した」なんて、不正を犯した公務員が周り(コネと組織防衛)の温情で、懲戒免職になる前に依願退職でコトを収拾するようなもんです。この件に関する限り、電波芸者へのパイプ役を果たしたのが、あの「なんちゃってオウムウオッチャー」の有田。
 週刊朝日では「現在の日本共産党を憂慮する」なんて、日本のトロツキーを気取ってますが、ただの「スケベおやじ」。

投稿: 冠レース | 2007.04.21 10:12

日本共産党には国益は存在しない。それもそのはず、中国共産党を師として仰いでおり、中国共産党の利益を優先するからである。
志位和夫は中国共産党幹部との会談において、「日本もいずれ共産国にしたい。」と語っている。これは、中国共産党に対する賛辞である。
改憲に反対しているのも、国益を全く考えず、中国共産党に配慮するからである。

投稿: 国山 | 2007.07.10 11:14

北海道からです。北海道は民主党王国と言われていますが
私の配る新聞は、公明党系, 別に気にせず配っていますが 署名だ、募金だとわずらわしい気もしないではありません。
毎度同じパターンで身近に公明党の活動が伝わらず
仲間うちだけでの活動そんな気がします。
正教分離なんて本当は嘘!創価学会員ですが周りの
人柄がいいからいるだけ!
無党派で今の政治が嫌いな私がもう少し身近に感じられる政治がないかなと思ってます!
ついでに一言、今回の小沢辞任に至った不可解な一連の流れ。
小泉元首相は小沢秘書逮捕の前日に、麻生総理の批判を急にやめましたが、
まさに検察からのご注進があったのか。
権力争いに検察の中にも権力の力が及んで漆間巌内閣官房副長官の
発言のような事が起きていると考えると恐ろしい事態です。
小沢批判の前に 宗教団体が権力を持つ公明党を含んだ権力と情報の問題をもっと追及すべきではありませんか?

投稿: のりひこ | 2009.05.16 20:50

突然すみません。
山口県萩市の宮内欣二市会議員(共産党)のブログが気になりました。宮内欣二市会議員は自分を批判した市民に対して2月11日3時55分に「一度カウンセラーに相談されてはどうですか。精神的な病気も早く治療したほうが良いですよ」と相手を馬鹿にしながらコメントしています。明らかに精神的な病気を抱える者を蔑視、差別した発言です。市会議員という立場の者がこのような事では、社会から偏見差別が消えるわけがありません。どうか皆さんの意見を聞かせて下さい。お願いします!

投稿: 日本海 | 2011.02.15 01:31

公明党支持しています。
きちんとした方を推薦又は公認しています。(特に犯罪者等は絶対にしない。)
でも、残念ながら末端では、定数削減に反対したり、噂では票の売り買えが耳に届きます。
公明党は名のごとく、公明正大で山口代表の筋の通った発言と同じような組織でいてほしい。

投稿: みほこ | 2011.04.01 23:20

宮内欣二萩市議なる者の発言は、さすがに田舎の共産党という感じだ。すぐボロが出るのが、卑劣陰険な共産党らしいではないか!

投稿: 匿名さん | 2011.06.11 17:15

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