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2005.08.01

シリアによる石油食糧交換プログラム不正関与

 国連によるイラク石油食糧交換プログラム不正問題だが、日本ではあまりニュースで見かけなくなった。昨年はこの問題は日本のマスコミは事実上の隠蔽のような状態だったが、国連自身によるヴォルカー報告以降、さすがにバックレ切れなくなり、ちょぼっとニュースを出した。それを皮切りにアナン親子の疑惑も少しは国内で報道されたが、その後は雲散霧消したかのようで、「極東ブログ: 朴東宣のことを淡々とブログするよ」(参照)の問題など、日本が関わっている可能性が高いのに報道は少なかった。
 そんなものかもしれないが、当ブログとしては、重要な駒が一つ進むにつれ、少しずつ触れておこうかと思う。今度の駒は、シリアだ。
 シリアが国連によるイラク石油食糧交換プログラム不正に深く関与していた。この事自体は予想されていたことでもあり、驚くほどでもないのだが、むしろ問題は関与の度合いだ。
 ニュースソースはというほどでもない米国下院国際関係委員会の報告で、ソースのオリジナルはフォックスニュース”Syria, Iraq Link May Have Fueled Insurgency”(参照)の記事中にリンクがある(参照・PDF)。話の概要はVOA”Investigators Say Syria Profited Illegally from Iraqi Oil For Food Program”(参照)がわかりやすい。


"According to estimates from Iraq's state oil marketing organization, known as SOMO, from January 2000 until July 2003, the Iraq-Syria trade protocol generated approximately $3.4 billion from the sale of illicit Iraqi crude oil and Iraqi petroleum products," said Ms. Dibble.

 つまり、シリア・チャネルで三十四億ドルが流れていたということだ。
 それ自体も問題ではあるが、下院国際関係委員会の話題は次のように、現在のイラクの武装勢力の支援金になっていたというふうに展開していることも、問題ではある。

Victor Comras, former member of the U.N. Al Qaeda monitoring group, responded by saying: "That's a fair assumption that at least part of these funds are being made available to support this insurgency and perhaps other terrorist activities."

 いかにも米国風な話の展開と見ることもできないではないが、ある程度は妥当な推論でもあるだろうし、イラク混乱についてシリアの観点から見ると、幾つかの奇怪な疑惑のピースがつながってくるようでもある。例えば、「極東ブログ: 北朝鮮竜川駅爆破とシリアの関連」(参照)なども関連して思い出す。しかし、こうしたピースをつなぎ合わせて、ある全体像を描くことは控えておこう。

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