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2005.06.09

国家の適正サイズ

 英語のニュースの標題をざっと見てたら、おっ、またネタがあるよ、と思えた話があったが、エキサイト・ビックリとかに明日出てくるかもしれないし、「あのなぁ二日続けてネタ書くからマジレス・マジトラバもらうんじゃん」とご示唆もいただいたので、少しマジな話に戻す、といって、ダルフール問題をマジにやるには鬱になるほど重過ぎる。そこでつまんない話でソースなしだが、このところぼんやり考えていることを書く。
 考えているのは、「国家の適正サイズ」ということだ。国家というものには適正なサイズというものがあるのではないか。各種の外交上の問題や国際問題はこの適正サイズの不都合から発生しているのではないか、とそんな感じが以前からしている。
 サイズといっても単純に領土の広さということではない。むしろ、その国の総人口が一番目安になるだろう。いったい国家というのはどの程度の人口が運営に最適なのだろうか。そういう問いは成り立つだろうか。

cover
台湾の命運
最も親日的な隣国
 「国家の適正サイズ」という発想は、私は歴史学者岡田英弘の「台湾の命運―最も親日的な隣国」で知った。この本は台湾を知る上では重要な本だがすでに現状とはズレが大きく、また表層的には岡田の予想は外れたかのようにも読める。特にこの本では、台湾というのは国家の適正サイズという条件で優れているので前途は明るい、というトーンで書かれている部分があるが実態はそうではない。それでも、国家の適正サイズにあるという指摘は正しいように私には思える。
 台湾の人口は二千二百万人。だいたい、二千万人と見ていいだろうか。統計上の領域には大きな違いがあるが、オーストラリアもその程度だ。
 これに一千万人ほど多いのがカナダで、三千万人弱。韓国が四千万人を越える。スペインが四千万人を割る。逆に、一千万人代くらいの国家というとギリシアがそうだ。スウェーデンが一千万人を割る。キューバが一千万人程度。チリが一千万人強。国民文化の色が濃い印象を受ける。
 二千万人の線で見ていくと、先の台湾、カナダの他に、マレーシアがある。オランダはやや欠ける。
 大雑把に五千万人クラスだとイギリス、フランス、イタリア、タイと軍事面や国際的なプレザンスが強くなる。
 こうして見ると国家の適正サイズというものがありそうにも思える。一つの国民文化なりが維持できるのが一千万人程度であり、二千万人程度で取り敢えず意義のある軍備がもてるようになる。国土や歴史の問題もあるのだろうが、二千万人から四千万人というのが近代民族国家の適正サイズだろう。
 そこを越えてくるあたりから、いわゆる対外的に国民国家的な主張が強くなり、米国やロシア、中国といったスーパー国家との対立も出てくる。韓国や統一朝鮮といったものの昨今のどたばた騒ぎも、そうした国家の適正サイズのある臨界の現象なのではないか。
 政治的な統合はできずとも、経済が優先される現代世界ではEUなども実質スーパーパワーになりうるし、おそらくその陰にある二千万以下の国家は事実上吸収されてしまう可能性もあるだろう。台湾は、岡田の指摘とは逆に、国家の適正サイズのもっともウィークな位置にあるかもしれない。
 日本はといえば、これから将来的には八千万人くらいに縮退するとしても、依然スーパー・パワーに近い国家なので、その意味では、いわゆる国家のお付き合い的な外交からは優位にズレる性質があり、それゆえ近隣のスーパー・パワーである中国や、軍志向の国民国家の朝鮮などは日本をできるだけ叩けるときに叩いておきたいところだろう。逆に言えば、日本は少し離れた同等のインドネシアなどと組み、また台湾、マレーシアレベルの国と連携して、中国や朝鮮を押さえ込むようにしていけばよいようにも思える。ただし、それでもスーパー・パワーの力学のほうが大きいから、中国のプレザンスに対しては日本も親米と親露の政策が重要になるだろう。
 スーパー・パワーとしての日本の内側という点では、国家の適正サイズを越えているため国民国家的な統合から外れる力学がもっと働いてよさそうなものだが、現状ではまだそれほどひどくはない。日本の都市部と地方は分離し、都市部は、他のスパー・パワーが内在しているスーパー都市(上海・北京など)と並ぶ形になっているが、そうしたかたちでもいまだ地方を分離しきってはいない。スーパー・パワーというものは、スーパー都市を機能とする超国家的な存在で、地方を効果的に従属させるものではあるのだろうが。
 もう一点、国家の適正サイズというとき、市民・社会(コミュニティ)・国家という三項がどう関連するかも気になる。ちょっと話がぞんざいになるが、国家の適正サイズを決定しているのは、内在的には、社会(コミュニティ)の限界でもあるのだろう。心理的には同国民が同胞に感じられるサイズがその限界だ。これには、現代のIT技術やメディアも関連してはいるだろうがいずれにせよ、社会(コミュニティ)がどれだけ内在的に意識されるかということになる。
 ところが国家の適正サイズを越えるあたりから軍事の色合いが濃くなるように、対外的な戦争なり暴力装置の様相が強くなる。レーニン流で言えば、国家とは暴力装置なのだろうが、現代世界では国家が内向きに暴力装置となるのは中国を含めた独裁国家の特徴であり、それ以外では、(シモーヌ・)ヴェイユ=吉本(隆明)の定理とでも言うべきか、軍の存在は相互に他国民を使って自国民を殺害可能にするためシステムとなる。愛国たれ=死ね、というシステムがこうした国家の臨界を決めている。
 ただし、そういう一方的なモデルでもない。国家の適正サイズは、おそらく市民を封殺する社会(コミュニティ)からその市民を国家が保護するという機能にも依存している。社会(コミュニティ)というのは公義(としての正義と法)を持ち得ないので、その調停として国家が必要になるし、おそらく福祉サービスもこの側面の国家の機能でもあるだろう。一見すると社会(コミュニティ)が福祉の原点であるかのように日本人は思いがちだが、公義の原則性を持ち得ない社会(コミュニティ)はその市民社会に内在する暴力性を制圧することはできない。
 杜撰な話に杜撰な話を重ねるのだが、現代は、国家の適正サイズを越えて国軍を含んだいわゆる民族国家とスーパー国家の経済、民族移動(労働者移動)という点で、まさに国家の適正サイズのバランスが崩れたために、さまざまな問題を引き起こしているように思う。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

この問題で「日本特殊論」をぶつ意志はありませんが、nation stateとして一度は1億2千万にまで到達してしまったわけで、事実として異常なんでしょう。

この人口にして愛国教育の必要がない、それだけで周辺国は恐怖せざるをえません。でもってその要諦はと考えてみて天皇制に思い至り、靖国をその祭祀と見ての現状なんでしょうか。

以前、finalventさんもちらりと仄めかされていましたが、歴史に根拠を持つ立憲君主制というのは理想的な国家体制であり、かつ、ほとんど成立し得ない奇跡のようなものなのかもとか思います。

投稿: Sundaland | 2005.06.09 16:22

親米はともかく、親露ですか。ロシアはこれから共産中国なんかより遥かに危険な国家になっていきますよ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050605i315.htm
現在の政治体制の中国や、北という民族的ウィークポイントを抱えた韓国と、今のままで仲良くしていけるかどうかはともかく、今度こそきちんと東アジア人が団結して、「米露列強」に対抗し得る本当の大東亜共栄圏を作るべきではないでしょうか?
そのためにはやはり米国の軍事・政治支配からどうにかして独立してゆくことが必要で、日本の保守政治家も今懸命にその道を模索している。
現在の小泉VS反小泉の争いも、結局その命題を巡る、米の傀儡と戦前からの日本の保守勢力との連綿と続いてきた争いの最終章だと言えるわけで。
そういった視点についてはどう思われますか?


投稿: dwella | 2005.06.09 17:16

dwellaさん、こんにちは。

私は、日本の命運は親露にかかっていると考えます。

これまで筆禍を避けるために明言してこなかったのですが、各エントリの配列からそれを読み取っていただけたかたもあるかと思います。

なぜ親露かについては、さらにエントリを重ねていくことで回答に代えさせてください。簡単には説明が難しいと思っています。

参考:
極東ブログ:日韓の友好は冷静に考えればありえないだろう
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/03/post_10.html

投稿: finalvent | 2005.06.09 18:10

学問や技術や文化などの多くの分野を自国内で一セット揃えるためには、
現代では先進国でも最低 5000万人程度必要と思うのですが、どうでしょうか。
自国内で揃えられない分野を多く外国に依存すると、外交的に自主性が損なわれ、
また文化的なアイデンティティに危機を感じるのではないでしょうか。
欧州で小国が成り立つのは周りの同族的な国家との間で補間しあっているからで、
韓国が四千万人を越えながら不安でいっぱいなのは北朝鮮以外に同族国家がない
(そして日米中に多くを依存している)からだと思います。
そして、社会が細分化複雑化する中で、この閾値が段々と高くなってきており、
フランスあたりでも危機を感じているのではないのでしょうか。

投稿: motton | 2005.06.09 18:41

はじめまして。
 国家の適正サイズ、これはその国を構成する国民の文化的性質にも寄るでしょうね。
 インドと中国はどちらも人口十億を越える巨大な国家ですが、一党独裁の共産党による強権的支配でなければ
分裂の恐れのある中国に対してインドは安定した民主主義国家です。
 しかし、その安定に寄与しているカースト制の目を覆わんばかりの酷さを考えると、平和時の暴力というものを考えます。
むしろ身分制が無く(農村戸籍・都市戸籍の区別があるようですが中国人は基本的に実力主義だと思います)、今後、
分裂・民主化の可能性のある中国のほうが救いがあるような気もします。

投稿: majnun | 2005.06.09 19:39

>中国のプレザンスに対しては日本も親米と親露の政策が重要になるだろう
そうッすかね。そう長期的ではない政策としては有効かも、ですが。

おいら、中国よりロシアの方が恐いっす。どうしたら、親米と親露のバランスがとれるんですかね。

投稿: 匿名クン | 2005.06.09 19:47

我々が中国よりロシアが怖いっていうのは、戦後のプロパガンダによるものだと思います。
彼らは、膨張主義をとる条件は限られてますし、基本的に国際常識がある程度通じる相手です。

中国は世界で最も危険な国ですよ。だって、国じゃないんだもん。

投稿: Apple | 2005.06.09 20:06

>finalvent様
お返事ありがとうございます。
なるほど、将来の同盟先として、ロシアにそこまでの期待をかけておられること、またその根拠についても、リンク先を辿っていって、合点はいきました。なかなか考えさせられることもありました。
それでも、現在のロシアの政治体制が、その根本的な性質として周辺諸国にとって危険極まるものを持っているという私の考えは変わりません。その危険度は、旧ソ連時代とは比べものにならないでしょう。
私は、現在の日本が置かれている状況は、ちょうど幕末〜日露戦争前夜の極東地域の状況と非常に似ていると思います。(朝鮮半島を除いて、ですが。)
歴史的な局面としてはもちろん同じではありませんが、非アジア圏の列強諸国のパワーバランスが変動して軋轢を増し、またいくつかのアジア諸国が政治的・経済的激変に直面し、あるいは内外に社会の後進性や硬直性に根ざした不安定要因を抱えることで、この地域のパワーバランス自体が非常に流動的になっているという点では共通するものがあると思います。
私は日本が明治以降、周辺諸国に対して行ってきた帝国主義的・植民地主義的な政策それ自体を支持するものでは一切ありませんが、明治日本の国家戦略は、基本的なコンセプトとしては間違っていなかったと思っています。
つまり、アジア諸国の力をひとつに統合して、後進国は先進国が助けてそのレベルを引き上げ、総体として欧米列強に対抗するということです。
ただそれを結局、アジア諸国を政治的に直接統合・支配することでしか行おうとしなかったために、民衆の支持を得られず挫折し、また米欧に対しても無謀な戦争を挑む失策を犯し、共栄圏の夢は水泡に帰しました。
しかし現在の極東情勢を見据えた時に、このビジョンは再び有効になりつつあると私は思っています。
アメリカとの同盟は、冷戦体制の元では、確かに重要な国策であったと思います。しかし冷戦終結後のアメリカは、自国の利権のため、あるいは軍需産業を延命させるために、同盟国を巻き添えにしながら多くの無意味な軍事行動を行い、結果、財政的に破綻を生じて、その負担を日本に振り向けようとしています。
90年代以降、正確には冷戦時代からですが、日本の政治家は、そうした日米同盟からの脱却の道を模索し、半ば利権漁りの魂胆からとは言え、積極的に近隣諸国とのネットワークを結ぼうとしてきました。(その中にはロシアや北朝鮮といった危険な国もありましたが。)そうした動きを、アメリカは自国の影響力を維持するためにことごとく封じてきました。
先のコメントでは「親米はともかく親露は…」と書きましたが、そういった意味では、このままさらに長期間に渡ってアメリカと同盟を維持し、運命を共にするのは、例えば短期的視点でとりあえず中国の覇権主義を牽制するためにロシアの力を借りる、というような政策よりも、さらに危険だと思います。
つまり「長期的親米の危険度>ロシアの潜在的危険度>短期的な中国の危険度」
というのが私の捉え方です。
いずれにせよ、これから日本は否応なく中国の経済圏に入っていきます。そうした時代にあって、盲目的にアメリカ追従を続け、中韓への挑発行為を続ける小泉政権の政策は、短期的に見ても、長期的に見ても危険なものだと思っています。
以上、人様のブログのコメント欄で長々と失礼しました。

投稿: dwella | 2005.06.09 20:14

ジップの法則でしたか、都市間では人口の流動があるので対数的な人口比率に自然と収まっていくようですが、国家間となると難しいですね。あまり根拠はないですが民主国家ならアメリカあたりが限界かなと思います。アメリカですらイデオロギーなしでは治まらないというかけっこうつらそうですけど。

>>Appleさん
戦後のプロパガンダもそうでしょうが、江戸後期からずっと続く領土問題が大きいと思います。海国兵談の昔から脅威論はありますし。

投稿: 自由の敵 | 2005.06.09 21:02

横槍すいません

>しかし冷戦終結後のアメリカは、自国の利
>権のため、あるいは軍需産業を延命させる
>ために、同盟国を巻き添えにしながら多くの
>無意味な軍事行動を行い、結果、財政的に
>破綻を生じて、その負担を日本に振り向けよ
>うとしています。

このあたりは端的に、dwellaさんの情報不足による誤解だと思います。
東アジア情勢、エネルギー等、アメリカが本当に自国本位になったとき、つまりアイソレーショニズムにシフトしていったときが世界とりわけ日本の最後です。現状はまだそうではありません。

>いずれにせよ、これから日本は否応なく中
>国の経済圏に入っていきます。

僕はないと思います。
今も近未来も圧倒的な最終消費地は、アメリカです。
中国経済は、資本を外国に、消費地をアメリカにぶらさがったものでしかありません。

投稿: Apple | 2005.06.09 21:06

個人的には、中長期的にみれば、ロシア連邦はソ連のように解体する可能性もあると思うんですが、中国やアメリカの覇権に対抗する同盟先(?)として頼りになるんでしょうかね。
冷戦終結で東欧は親米国になり、
991後は中央アジアに米軍が駐留し、
グルジアからもロシア軍が撤退する予定も決まり、
最近は旧ソ連諸国が次々民主化し、親米政権ができているなど、
明らかにロシアの影響力は落ち続けています。
出生率も日本よりも低く、平均寿命も短いので、人口も急速に減少していて、資源以外にはほとんど産業がないのに、チェチェンなどの油田地帯のカフカスの国々も連邦から独立する可能性もあり、将来も強くなることはなさそうに見えます。

ソビエト連邦は国家の適正規模を超えていたから解体したんだろうし、
ロシア連邦も人口や面積はまだ適正規模を超えてるんじゃないかなと思います。

投稿: (anonymous) | 2005.06.09 22:26

以前どこかで聞いた話なのですが、近代国家が様々な産業をフルセットで持てるための人口というのがあり、それが時代を下るにつれ一方的に増加しているという説があります。まず欧州諸国が要件を満たせなくなってEUを結成し、次いで日本が満たせなくなってバブル崩壊と。複合的要因なのでしょうが、一定の示唆はあるように思います。経済の規模と社会的安定のコミニティのサイズとの乖離から来る現象と理解するのがいいのかもしれません。
また日本は地理、言語、文化など様々な側面で他国との異質度が周辺国に対して高く、かなり自然的に形成された国民国家ですから、世界的に見ても比較可能なのが米国くらいしか無いようにも思います。内政面で見るなら米国やドイツは地方分権型なので最大の集団が日本、次いでフランスあたりと見れなくもありません。

ロシアに関しては米国のような安定した地方分権システムを確立できるかどうかにかかっています。長期で見るなら有望かもしれませんが、現状ではリスクが多い気もします。ただ長期で見てもエイズ問題がどうなるかを考えると不安は多いですね。

結局ロシアとは冷淡な関係が続くのでそこそこの善隣友好が続けば良しと割り切り、米国との良好な同盟関係を維持しつつ、大半自前で全てケリをつけるくらいの覚悟が必要ではないでしょうか。国力は大体GNPベースで考えてあまり間違わないと思います。

投稿: カワセミ | 2005.06.09 23:50

私は地政学論者的な立場(参照:国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」佐藤優 56-57p)なのでややひいき目が入るかも知れませんが、ロシアとの有効のメリットは補完関係になるものが多い点だと思っています。
上でanonymousさんが書かれているようにロシアは衰退しているとも言える現状ですが、逆に言えば日本とバッティングする要素が少なく、かつ日本に一番不足している資源とエネルギーを供給できる相手とも言えるわけです。今後、中国が益々エネルギーを欲する国になる中、ロシアとのパイプ(主に資源・エネルギー関係)を広げる必要があるのではないでしょうか。

投稿: エフ | 2005.06.10 00:42

政治家の中にも多いのですが、日本は資源が無いせいかエネルギー供給者としての国家を過大評価する傾向があります。実際は国際市場で取引される一次産品に過ぎないのではないでしょうか。石油とてもそうで、原油よりは精製プラントのほうが大事、そして日本のように金払いの良い国なら多少のリスクを取っても石油を運び込みたがる船主は沢山あるでしょう。産業が一定以上の段階に達した国は国内に一次産業を抱えないほうが良いでしょう。米国が国内の一次資源の採掘に消極的なのはそういう事情もあるでしょうね。

投稿: カワセミ | 2005.06.10 01:47

自動車産業が国内の市場で成立するためには、西欧の主要国(代表的な会社が各国に一社ある)ぐらいの人口が必要とされると思われます。六千万ぐらいでしょうか。自動車産業が国家の存立に不可欠なわけではないでしょうが、それに代表されるような、基礎技術やインフラへの投資を考えれば、近代国家の単位としてはそのぐらいが必要なのかもしれません。(勿論、経済的には比較優位な産業に特化した方がよいわけですし、小国が経済的に不利というわけではありませんが)
日本人が思っているより、日本は孤立可能な国家なのかもしれません。(アメリカは望まないでしょう。しかしアメリカの孤立を妨げる最大の要因も日本の孤立のような気もします)

投稿: 粘着電脳研究家 | 2005.06.10 03:00

はじめまして。カワセミさんの話に反応して初書き込みです。昔、経済史の授業で、自動車産業が成り立つには2億人の市場が必要と聞きました。日本はそれに足りないので、輸出するしかない。ヨーロッパは域内でやりくりし、アメリカだけは自国内で完結するのでまあ納得です。

ロシアの話は「おぉ」という感じで納得です。日本海側出身なので、ロシアはわりと身近でした。船とかくるし。

投稿: chips | 2005.06.10 10:00

>自動車産業が国内の市場で成立するためには、西欧の主要国(代表的な会社が各国に一社ある)ぐらいの人口が必要とされると思われます。六千万ぐらいでしょうか。

今となっては、韓国車が、日本以外では
広まっているので、その規模も少なく
なった。

投稿: 名無しさん | 2005.06.10 12:26

finalventさん、こんにちわ、

ちょっと依拠しているデータが怪しいですが、世界各国の人口がzipfあるいはべき分布的なになるどうかエクセルの表を作りました。

http://homepage2.nifty.com/hhirayama/sekai_jinkou.xls

graph1というタグのところをみていただければお分かりいただけるかもしれませんが、zipfないしべき分布的には見えます。しかし、どうも近似がわるいようです。さすがに国家の人口というのは、自然科学的には決まらないということでしょうか?

それにしても、こうやって縦にならべてみると本当に小国というのは多いのだなと思いました。すでに、市場経済が世界を覆っている現在では、資源がない日本というよりも、人口=市場の大きさが縮んでいく日本と、とらえるべきかな、と私は認識しています。その意味では、これだけ数多く存在する人口が数百万人レベルの国よりは活用しうるポテンシャルが日本にはまだまだ存在するな、と。

投稿: ひでき | 2005.06.11 12:11

↑でもブランドイメージに大差がついてるのでまだまだ安心なんじゃない?
自分がアメリカにいた頃はダメな製品の代名詞みたいな扱いでしたよ。

投稿: 通りすがり | 2005.06.11 12:18

あら!↑の書き込みは名無しさん にむけてのものです。

投稿: 通りすがり | 2005.06.11 12:21

>親露政策
司馬遼太郎が「坂の上の雲」の中で書いていますが、日露戦争前夜、国内では日英条約派と対露講和派との日本の針路を決定する大論争が起こっていました。
結局は日英条約を結ぶ選択がなされたのですが、その理由としてはロシアの強圧な外交政策ともうひとつ、英国が一度として約定を破ったことが無いのに対し、ロシアが「一度として条約を遵守したことがない」ためでした。

その体質は現在も変わっていないといわざるを得ません。ソビエト崩壊後にしても、チェチェンあるいはウクライナでも失策続きです。(フットボール的な見方だと審判や観客から見えないところでの削りあいは相当あったみたいですが、あれだけカードが出てしまえば汚いといわれても反論できない)
現在、ロシアのこれらの経緯からEU・アメリカおよび中央アジア諸国より「組みたくない相手」という認識を持たれています。それでも親露路線を選択するというのなら、今後わが国の外交政策は大きな制限を受けざるを得ません。それを乗り越えるメリットがロシアには果たしてあるのでしょうか?

投稿: F.Nakajima | 2005.06.11 12:21

もう一つ。
ロシアの自国の認識は「ヨーロッパ諸国の一員」であって「アジア」国家ではありません。ロシアの外交政策の一番の優先順位は「できればEUを敵に廻したくない」であってアジア政策など優先順位から考えてずっと下と考えたほうがいい。
つまり彼らは「ヨーロッパとの関係を築くためにどうシベリアを活用していくか」という思考パターンに固執しているため、アジアでプレゼンテーションを増してこの地域に積極的に関わろうという意思はそんなにないと考えたほうが良いと思います。

投稿: F.Nakajima | 2005.06.11 12:34

私の考えでは親露と言うから語弊があるのであって、現状の日本の立ち位置がアメリカ・中国などに比べるとあまりにロシアとの距離が遠いのを解消すべきだと言うとらえ方をしてもらえればいいと思っています。
つまり、これまで、共産主義に対抗する反共産主義で西側陣営が結束することが個別国家の利益に適っていたので、「イデオロギー外交」と「現実主義外交」の間に大きな開きはなかったが、ソ連崩壊にともないアジアでは日本、アメリカ、中国、ロシアの四大国によるパワーゲームの時代が始まったのであり、この中で、もっとも距離のある日本とロシアの関係を近づけることが、日本にとってもロシアにとっても、そして地域全体にとってもプラスになると言うわけです。
先に書いた中であえて「エネルギー・資源」を中心にと書いたのもそうした含みがあるわけで、すべてのチャネルをロシアに開ける必要は無いわけです。
またシベリアに関してはロシアもアジア側の優先順位が低い分、逆に日本側がプレゼンスを高めるチャンスだと見ています。

投稿: エフ | 2005.06.11 13:09

司馬遼太郎が、「国家には適正なサイズがあるのでは」という、この記事そのままのことをどこかに書いてましたね。街道を行く の、台湾編だったかなあ・・・。

投稿: トンペイ君 | 2005.12.17 13:07

ロシア;北方領土
韓国;竹島(場合によっては対馬も)
中共;尖閣諸島(場合によっては沖縄)

てな感じで日本との領土問題があるのがこれらの国と仲の悪い
理由の一つ。

投稿: | 2006.07.13 16:29

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