フロリダのハリケーンが残していったもの
また、くだらない話。いや、考えようによっては重要な話。フロリダで時ならぬベイビー・ブームが起きている。短期で見ると出生率が倍増ということもあるというのだ。
なにが起きたのか。時は十月十日(とつきとおか)前に遡る、というのは旧暦的な月齢換算。実際には280日くらい。米国ではナイン・マンス(九か月)と言われる。そ、そのベビーたちが受胎した時期だ。
ハリケーンがフロリダを襲っていた。停電した。することがなくなった。いや。することは…あった(田口トモロヲ風)。FOX”Hurricanes Behind Florida Baby Boom”(参照)はあまりに端的に伝えている。
The couple says it, too, was stuck at home with no electricity and ended up getting pregnant.
【意訳】
「停電しちゃって家に籠もっていてさ、結局、妊娠しちゃったわけよ」とご夫妻は語る。
あれだ、よくある話じゃないか。停電で妊娠が増えるというあれだ。切込隊長さんも政策として”日本政府は少子化対策のために早期の停電を実現するべきである”(参照)でこう提言していた
なぜ政府は強い指導力を持って停電を実施しないのだろうか。
ニューヨークを襲った大停電のときに出来たベイビーが山ほどいるという報道にずっと強い関心を持っていたのだが、同じく少子化に悩む台湾でも電力の安定していない地域の出生率が高いというデータを今日聞いて表題の通りの思いを強くしたのである。
つまり、少子化の決定的な要因とは、性行為をして子どもを儲ける幸せも相対化されて、ほかの娯楽と比べて「つまんない投資先」となっているからだ。我々の周りには多種多様な娯楽があり、しかも刺激的であろうとし、先鋭化の一途を辿るが、性行為、妊娠というイベンツは鎌倉時代の夜這いのころからたいして進化していない。
それはさておき。というか、ネタはそれだけということなのだが、ネットを見ていると、Newsday.comが一番この小ネタをひっぱっていた。”9 months after storms ...”(参照)がそれ。よく取材もしているじゃんか。
"My husband and I even said afterwards, 'Wouldn't that be funny if we got pregnant during the hurricane?'" Mills-Benat said. "It's probably going to turn out to be a wild child."
【意訳】
若妻ミルズ・ビナットは言う。「それからダンナと話したのよ、なんかバカみたいじゃない、ハリケーンの最中に妊娠するなんて。それに、生まれてくる子供はきっと暴れん坊になるわ」
大丈夫大丈夫、「渦状言論: 娘が産まれました」おめでとうございますです的世界である。というわけで、このあたり(参照)でフロリダのお写真など観賞するもよし。
そういえば日本で一番出生率の高い沖縄も台風の影響はあるのだろうか。現地で八年くらしてみた私がよくわからない。東京に戻ってみてわかることはある。沖縄の台風っていうのは通過速度が非常に遅くて、何日間も沖縄本島上に居座っていることがある。台風の目に本島全部がすぽっと収まって数時間なんていうときは、みんなそろってサンエーに繰り出してしまうというくらいなものだ。
この数年本土ではかなり台風被害が出たがより強い台風慣れしている沖縄では比較的被害は少ない。のだが、それでも台風が近くなるとフリーターならぬフラーターがドライブをするので困る。
そういえば、台風の翌日の朝、どういういきさつだったかただの物見遊山だったか、那覇空港を見に行ったことがある。飛行機に乗れない若者がところ狭しと雑魚寝しているのだが、あれだな、ちょっとついたてとかあれとかこれとか気をきかせて用意してやると濃い出会いの場になったかもしれない。
最近では、こうした際には臨時の民宿もできるそうだから、ヒージャーを出す宿でも広めてはどうだろうと、沖縄専門用語が多くなったので引っ張った小ネタは終わり。
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コメント
くだらねーw
沖縄の場合だと、台風の頃なんかは気温の高さと湿度の高さでダレてしまって、とてもSEXする気にはなれないと個人的には感じます。
台風慣れしているというのもあるし、台風の度に停電を繰り返すので、家じゃ蒸し暑いし、かといって他に行く所も無いとくれば、クーラーをガンガンに効かせてドライブという風になってしまうのかなーと。
去年も台風なのに、逆に交通量が増えてましたし。
むしろ沖縄県民は日頃にSEXしているだけなんじゃないのでしょうか。
投稿: くれふ | 2005.06.08 12:01
[hoge]
ですね。
投稿: 左近 | 2005.06.08 12:52
「赤ちゃん列車が行く」のジャン・ハロルド・ブルンヴァンにコメントを求めたいところです。
投稿: cerberus | 2005.06.08 13:12
堕胎が増えるだけではないかと思われます。
投稿: ■□ Neon □■ | 2005.06.08 14:09
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/7300.html
によれば、沖縄県の高出生率は戦後(本土復帰後)に「本土比で相対的に高くなってしまった」だけであり、戦前はむしろ本土と比較すると低出生率だったようです。
つまり、米軍占領の間に発生した「本土の出生率の激減」に巻き込まれなかった、というのが正しい分析のようです。
投稿: スルッとKANTO | 2005.06.08 14:09
そもそも、深夜まで夫が会社にいるようでは、何もならないでしょう。
停電で電車が動かなければ、そのまま職場に留め置かれたりして。
日本の残業を一律禁止するところから、出生率や失業率の改善を図るのが近道ではないかと考えます。
投稿: それでも地球は回る | 2005.06.08 17:18
ふらーたーにざぶとん一枚。
ハリケーンは怖そうだけど、沖縄県人の台風にとって台風は怖いものではないよね。
暑くてHしたくないに賛成。
残業を減らすというのはいいアイディアじゃん。
あと出産を病気扱いにして、健康保険がきくようにしてほしい。
投稿: (anonymous) | 2005.06.08 23:47
体験から言うと
恐怖感は生殖本能を刺激しますね。
死ぬかも知れない・・・
と思った翌日あたりは女の子がトロける程可愛く見える。
そう考えると、台風の恐怖感が生殖本能を刺激した面もあるんじゃないかな。
9.11の後もそうだったし、戦争の後はベビーブームと相場が決まっているし。
停電したからって生で中田氏しようとは思わないでしょ普通。それとも、暗くて「ゴムはどこ?」状態になったのかな?
投稿: rr@g | 2005.06.09 22:45