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2005.06.07

ダイエットの最新の話題

 極東ブログがお届けする最新ダイエットの話題(言うまでもなく洒落)。
 まず、英国で流行のデトックス・ダイエット(Detox diet)の効果から。と、この手のダイエットっていうのは日本でのリネーミングがポイント。だけど、ローカーボ・ダイエットが「低インシュリンダエット」なんて名前でヒットするなんて予想できなかったので、どうリネーミングしたらいいのかわからない。ゾーン・ダイエットもリネーミングで転けているみたいだし、デトックス・ダイエットもなんて訳しますかね。「体内解毒ダイエット」…だめそ。
 デトックス・ダイエットは、英語のDetoxですぐにわかるように、detoxification(解毒)ということ。なんだかなの理屈は、人間の食べ物には毒物が多いのでそれを解毒すると痩せる、というのだ。化学的に考えると毒物の中和とか考えがちだけど、それはもうもうこの分野は化学なんかじゃないわけで、毒物を排出とかわけのわかんない理屈。
 身体内の毒物って言うのだから、ダイオキシン問題で高熱処理施設がばんばん大気に放出している重金属をなんとかするにはキーレーション(chelation)が重要になるのではないかと推論したアナタ、化学知識が邪魔してますよ。そんなんじゃダイエットは理解できません。環境問題だって理解できないかも。
 日本国内でデトックス・ダイエットがすでに流行っているかな、とちょっくらネットを覗いてみると、あまりない。というか、そうかそうきたかの専用サプリメントみたいなのが売っているのだが、そんなのありかよはスルーさせていただいて、英国流はというと、Eikokutabi.comというサイトのDetox dietのあたり(参照)が簡素にまとめている。


このダイエット方式は、昔からある健康療法である「detoxification(解毒)」という考えから来ている。もともとは体内に蓄積された様々な毒素を排除して身体の調子を整えるために食事療法を行なうというものだが、イギリスの芸能人であるキャロル・ボードマンが、この方式で見事に体重を減少、洋服のサイズを2つもダウンさせて本を出版したことから、近年体重減少のためのダイエット方式としての注目を浴びるようになった。

 同ページにはやりかたも簡単に書いてあるわけだが、情報が足りないので勝手に実践なんかしないように。
 このデトックス・ダイエットなのだが、六日付けのロイター”Benefits of 'detox' diets doubted”(参照)で標題からもわかるように、効果ねーんでねーの?という疑問が医学的に出てきた。ネタにマジレス、といった趣向でもあるが。

An array of short-term "detox" diets promise to flush toxins from the body, but some critics say these regimens are more likely to only purge people's wallets.
【意訳】
昨今、短期のデトックス・ダイエットは身体から有毒物質を排出するとうたっているが、こうした製品はお財布の中身を排出する以上の効果はないらしいとも批判されている。

 うまいね、座布団二枚の書き出しである。
 ソースは? なのだが、ロイターの記事は識者のコメントでお茶を濁している。

There is "absolutely no evidence" that detox diets eliminate toxins from the body, Dr. Peter Pressman of Cedars-Sinai Medical Center in Los Angeles told Reuters Health.

 お偉い先生が、まったく実証性がないと太鼓判を押しているだけ。でも偉そうだから話を聞いておくのもよいかも。

According to Pressman, a short-term detox is unlikely to harm a young, healthy person, and may indeed leave them feeling better. But, he said, good health ultimately boils down to the often-repeated advice to exercise regularly and eat a balanced diet rich in fruits, vegetables, whole grains and low-fat dairy.

 短期間のデトックス・ダイエットで気分がよくなるかもしれないし、若い人健康なら問題ないかもしれないが、できたら、運動して野菜や果物を摂り、パンは全粒粉にして、脂を減らすように、と小一時間。
 私も小言を付け加えておこう。よく代謝をよくするために大量のミネラルウォーターを飲めという人がいるが、これについては先月ニューヨーク・タイムズに掲載された”Don't drink too much water, doctors warn athletes”という記事が示唆的。ちなみに現在はHerald Tribuneで読める(参照)。こちらのソースはNEJなんで医学的。

NEW YORK After years of telling athletes to drink as much liquid as possible to avoid dehydration, some doctors are now saying that drinking too much during intense exercise poses a far greater health risk, according to a report published Thursday in The New England Journal of Medicine.

 スポーツする人は大量の水を飲めと言われているが、あまり飲み過ぎると身体によくないという話。ま、スポーツ指導の人は読んでおくといいと思う。
 次行ってみよう。
 日本ではなぜか低インシュリンダエットとかされているローカーボ、低GIダイエットだが、これって、低脂肪ダイエットより効果的というニュースが同じく六日のロイターで流れた。”Low-glycemic may be better than low-fat diet”(参照)。

Foods with a low-glycemic index, which are digested relatively slowly and cause smaller increases in blood sugar, may protect the heart and blood vessels better than low-fat fare, according to the findings of a small study.

 ネタバレしておくと、ダイエットといっても、痩せるというのではなくて、糖尿病や心臓病の改善によい食事療法といったところか。ただ、急速なインシュリン放出は身体に脂肪を溜め込むことにもなるので、低GIは痩せるという意味でのダイエットにも多少はなる。
 余談だが、私は低GI食になるように心がけてますよと、某所で某専門のかたに話したことがあるが、せせら笑われた。GIなんて非科学ですよとぬかされた。だめだな日本の専門家とか思ったが言わない言わない。
 ちなみに、低GIだが、つい表に合わせてあれがこう、これがあーだとか言われるが、こんなもの酢の物を一品足せば、全体で下がるのである。そんだけのこととも言える。
 次行ってみよう。
 米国などでは牛乳を飲んで痩せようとかいうのがあるらしい。その理屈はカルシウムの効果的な摂取とからしい。よく知らないのだが、そんなわけでその反対の話題がニュースになる。六日のワシントンポスト”Study: More Milk Means More Weight Gain”(参照)が面白い。

"There's been a lot of talk recently that somehow calcium in dairy products improves your ability to lose weight. There's certainly no evidence of that in this study," said F. Xavier Pi-Sunyer, a Columbia University obesity researcher.

 ちなみに、ローファット(スキムミルク、脱脂粉乳)ならいいかというとそうでもないようだ。医学的には同ソースだろうと思うが、六日のロイター”Milk may make for heavier kids, study finds”(参照)では明快に伝えている。

Children are urged to drink plenty of milk but a study published on Monday suggests that the more milk that kids drink, the fatter they grow -- and skim milk is a worse culprit than whole milk.

 ついでに、ローファットミルクは女の子にはニキビの元という話は、”Skim milk linked to acne among teen girls”(参照)にあるが、ま、ローファット・ミルクだから健康にいいというものでもなさげ。ついでに、「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」の”アメリカの女子高生に巨乳が多いのは病気か?”(参照)は言うまでもなくネタなんでマジレスとか泣ける(日本の規制はきびしいし)。もっとも牛乳はIGF-Iが高いので背が伸びるというのはそうガセでもない(参照)。
 次行ってみよう…って疲れた? なんだかダイエットとかの話っていかがわしいのか医学的にわけわかんないのかどっちか…。いえいえ、笑えちゃえばいい。
cover
ゲバゲバ90分!
ミュージックファイル
 笑うことがダイエットになる。AP系”A Good Laugh May Help Shed Extra Weight”(参照)によると、けっこうマジだ。効果的に痩せるには、一日十五分笑う必要がありそうだが、それって、ギャグの拷問か。ネタ一発で二十秒笑えるとしても、ネタが四十五発必要。ゲバゲバ90分とかの時代、日本人が痩せていたのは、たぶん、でも、そういう理由じゃないでしょけど。

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コメント

オジャマシテイマス。

一日15分は笑えませんよ…、マジで。笑いたいですけどね、オナカかかえて。

投稿: Nagarazoku | 2005.06.07 11:03

>short-term detox is unlikely to harm a young, healthy person
なので、害にはならないだろうけど、結局健康のためには・・・という話では。
重箱の隅をつつくコメントで失礼。

投稿: lalt | 2005.06.07 12:27

laltさん、こんにちは。ご指摘ありがとうとざいます。修正しました。読みづらいので修正タグは加えてませんが、このコメントで修正ログに代えさせてください。

投稿: finalvent | 2005.06.07 13:15

「ゲバゲバ 90分」 好きで毎週見ていました。懐かしいです。今見ても楽しめるのでないでしょうか。かなりナンセンスギャグもあったように思いますが・・・。

投稿: 卯の花 | 2005.06.07 18:04

今日(6月8日)の朝日新聞夕刊の三谷幸喜『ありふれた生活』でまさに三谷さんは1日に6リットルのミネラルウォーターを飲むダイエットを開始したとかいていました!

タイミング良すぎですよ!

投稿: mori | 2005.06.08 23:44

通常水中毒というと基礎疾患として精神病を考えますが、これからはダイエット法である可能性も考えなければいけないのですね。勉強になります。

ちなみに、low GI dietを知らない医者が、さりとて能力が無いわけではないというところに日本の医者世界の閉鎖性の深刻さが見えると思います。

投稿: Aspirin | 2005.06.09 23:15

>デトックス・ダイエットもなんて訳しますかね。

 リネーミングは結局「毒抜き」ダイエットで定着しつつあるようですね。

発掘!あるある大事典2 第69回『あなたの身体は損だらけ2 毒抜きで体質改善』
http://www.ktv.co.jp/ARUARU/search2/aru69/69_1.html

 さあこれがドカンと来るかどうか。マーケティング的にはそろそろ見えてきてるのかな。

投稿: 左近 | 2005.08.17 10:47

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