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2005.06.29

ブラジル政府が抗エイズ薬のコピーを推進

 ざっと見たところ国内では話題になっていないようなのでふれておきたい。話は特許で守られているはずの抗エイズ薬のコピー薬製造をブラジル政府が堂々と認可したということ。もっとも、現実を追認するという意味でもあるのでそれほど話題なってないのかもしれない。ニュース的には、世界貿易機関(WTO)ドーハ宣言に基づくという点だろう。
 事実確認がてらにというわけで、ブラジルからソースとしてAgencia Brasilのサイトの記事(二七日付)”Brazil requests breaking anti-AIDS drug patent”(参照)を引用する。


The Brazilian government filed a request to break the patent of the drug, Kaletra, used in the treatment of AIDS and currently imported from the American pharmaceutical company, Abbott Laboratories. The drug, which is composed of the active ingredients, "ritonavir" and "lopinavir," is used in all phases of AIDS treatment. With this decision, the Brazilian government laboratory, Farmanguinhos, part of the Oswaldo Cruz Foundation, will produce the generic equivalent composed of the two active ingredients.

 記事にもあるように抗エイズ薬カレトラは米国から輸入していた。となると米国の反応が気になるが、この点はワシントンポストに掲載された二八日付けのロイター”US monitoring Brazil plan to break AIDS drug patent”(参照)が参考になるだろう。

The United States is keenly following Brazil's plan to break a patent held by a U.S. drug company to cut treatment costs for the country's tens of thousands of AIDS sufferers, a U.S. official said on Tuesday.

"We are monitoring this latest development closely through our embassy in Brasilia and here in Washington," a U.S. trade official said, without commenting on whether the United States would challenge Brazil on the issue.


 というわけで事実上は黙認ということになる。
 先に今回の件は現状の追認と書いたがそのあたりは、2001年の日本版ワイアード”米国の特許無視で効果をあげるブラジルのエイズ対策”(参照)が参考になる。ドーハ宣言については”世界貿易機関(WTO)モニター”というサイトの”ドーハからヨハネスブルグまでの道のり”(参照)が参考になる。これを読めば、今回のブラジルの対応がドーハ宣言との文脈に置かれることが理解しやすいだろう。
 この問題の従来からの議論の枠組みについては、DreiRotというサイトの”エイズ治療薬と特許権”(参照)がよくまとまっているし、ブラジルの状況についても詳しく解説されている。問題点は特許というインセンティブがなくなった場合、現状の抗エイズ薬はいいとしても今後の開発はどうなるだろうかという点だ。
 特に気になるのは、エイズの場合、薬耐性ができやすいことだ。レトロウイルスは変異しやすいので、新薬開発がシステム的に行われる必要がある。
 こうした状況に、もちろん、簡単な答えはない。
 政治問題好きの私などからすると、またなんらかの闇が生まれるのだろういう予感はあるが、それがどの程度の問題規模になるのかもよくわからない。
 中国も人口規模が通常国家を越えていることやさまざまな理由から潜在的にエイズ爆発を秘めている。中国は人権意識の薄い国ではあるが、いずれ大問題になることはわかっているのだから、こうした問題になんらかの貢献を提起すべきであるようにも思うが、現実的には沈黙するのだろう。
 日本がどう対応すべきかはよくわからない。あまり話題にもならないのが現状かなとは思う。

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コメント

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後 藤真 希SェXを公開!!
もう二度と見れない映像です!!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
http://kappa8372.blogspot.com/2007/11/blog-post.html

投稿: ☆スクープ★後 藤真 希が?!★ | 2007.12.01 16:25

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