シンガポールのカジノ雑感
注視したほうがいい時事の話題もあるがよくわからないことが多い。というわけで、ずっこけ、たるい話。シンガポールのカジノ。
先月十八日シンガポール政府は自国内にカジノ設立する方針を決定した。建設地は二カ所。セントーサ島(本島と橋でつながっている)は当然として、シンガポール中心部ビジネス街近くマリーナベイ地区は意外といえば意外。
滅菌されたシンガポールになぜカジノ?だが、単純に観光産業の振興だ。アジアの観光業が昨年6.5%アップしているなか、シンガポールは17%減と取り残され、もうカジノしかないでしょということになった。投資額三千五百億円、雇用創出見込み約三万五千人、経済成長率は1.5%アップする…との試算だが、ほんまかいな。とはいえ、開業は2009年とのことなので、そう遠い未来の話でもない。
FujiSankei Business i.”シンガポールでカジノ導入に不安の声 「観光の目玉」と政府は推進”(参照)では、しかたないかも感を次のようにまとめていたのが面白い。
“建国の父”で、元首相のリー・クアンユー顧問相は「健全な国際都市というイメージがシンガポールのセールスポイントだった時代もあったが、もうそれだけでは不十分だ」とカジノ導入に理解を示している。
この決定に至るには国を挙げての議論があったようだ。建前上シンガポールは多民族多宗教国家であり、特にイスラム教はカジノの利用は宗教的に禁られている…と、そのあたり、逆にシンガポールのメリットであると考えられているのかもしれないが。
華人のカジノ好きはマカオの現状を引くまでもない。民族性なのだろうか、あるいは日本人や朝鮮人でも同じなのだろうか、そのあたりはよくわからない。
個人的な話だが、以前、台南の浜辺を本省人の人と散歩していたら、安っぽいスマートボールみたいのがあり、大人が興じていた。なんでこんなものをと思ってなんとなく見ていたら、彼が笑ってやってごらんというので、やってみた。面白くもないよと言うと、彼はさらに笑ってルールを知らないからとねと言うのである。というわけで、ディープなルールを教わったが、それに従って興じることもなかった。
そういえば、海外でホテルでぼーっとしてフロントのお姉さんにどっか暇つぶしはないと聞いたらカジノでしょやっぱりという感じで勧められた。ま、そういうものなんだろうなと思いつつ。それはいいやということで教会巡りをした。そちらのほうが性に合っている。の、だ、が、この歳こいてカジノは苦手というのも野暮なことではあった。さらに、そういえば、子供のころ祖父が賭け事についてじっくり伝授してくれたことがあった。いいか、遊ぶカネを決めておく。そのカネがなくなったら帰れ。運がないときはどんなにやってもダメだ。…よい教訓だったかわからない。
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「カジノゲーム入門事典」の著書は松田道弘と谷岡一郎つまり、これはそれだけで名著であることがわかる。学問的な雰囲気も漂っているのは、谷岡一郎大阪商業大学学長さすがの一冊でもあるからか。
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コメント
>投資額三五百億円
つまらないことだな~、とは思ったのですが。。。「千」がないとやっぱり気になるので。
投稿: むぎ | 2005.05.17 00:09
むぎさん、こんにちは。ご指摘ありがとうございます。修正しました。このコメントをもって修正履歴に代えます。
投稿: finalvent | 2005.05.17 06:52