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2005.05.25

橋梁談合って何が問題

 昨日の新聞社説のネタではあるが、大手紙はすべて橋梁談合事件を扱っていた。巨額な公金が投入される大型鋼橋建築に関わる橋梁メーカーに談合の疑いがあり、すでに公正取引委員会から検察庁に告発されている。検事らによる関係各社の家宅捜索も始まっている。
 なぜ談合がいけないかというあたりは朝日新聞社説”橋梁談合 ペナルティーが軽すぎる”(参照)が啓蒙的だ。


 公取委の資料によると、過去に入札談合で立ち入り検査に入った後、落札価格は平均で18%下がった。
 鋼橋の売上高3500億円を当てはめると、1年間に600億円もの不当な利益を業界は手にしていることになる。これはすべて税金だ。談合は数十年も続いていたという。罪はきわめて重い。

 朝日新聞は、このように「罪はきわめて重い」としているのだが、そのあたりに私は違和感を持った。業界はまるで罪の認識などしていない。ふてぶてしいと朝日新聞などは考えているようなのだが、傍から見ていると、実際には、それってたいしたことないよね的な業界内の空気があったのだろう。
 というのも、朝日新聞社説でも指摘されているが、談合の場合、受注額の6%の課徴金(来年施行の改正では10%)、また関わった個人には3年以下の懲役や罰金、会社には5億円以下の罰金が科される、となることがわかっていながら、業界は特に変わりもしなかった。
 読売新聞社説”橋梁談合事件 『官』とのなれ合いはなかったか”(参照)では一歩踏み込み、これって官民の癒着はなかったかと問いつめている。

 橋梁工事の大半は、国土交通省や日本道路公団などが発注する公共工事だ。本社の調べでは国交省が2003、04年度に発注した5億円以上の橋梁工事の落札率は予定価格の平均95%にも達する。こうした問題は、橋梁業界だけなのかどうか、という疑念が指摘されている。
 問題は、長期間、談合が繰り返された背景だ。発注側の国などが知らなかったとは常識的には考えにくい。談合を事実上見過ごしコスト削減の意識を欠く、予定価格の設定をしてはこなかったか。

 この業界は裾野が広いので、これが秘密裏に行われていたとは、読売新聞の言葉を借りれば、「常識的には考えにくい」。
 実際は、多くの人が知っていたでしょう。当然、新聞社の記者さんでも知っていたでしょ。つまり、知っていて、朝日新聞などは正義面して厳罰がとかほざいてみせている、というのが実態でしょ。いや、知らなかったというなら、それはそれで記者失格じゃないですか。
 新聞記者はプロでブロガーはアマチュアとだというけったいな議論が散見されることもあるが、こうした問題でちゃんとプロを通してこない新聞記者になんの意味があるのかわからないし、職業ブログが求められるとかの雰囲気で「実は今回の談合では…」とさらっと書ける人もいるわけもない。
 と、いうのがみーんなわかっていて、この手の議論をしているというのが、ジャーナリズムもブログも交えて仲良しの現状だし、私とてもやばげなネタは書かない。書くとどうなるかは腹をくくった人でもそれなりのダメージは受けているのも、なんかなぁ、こういう世界かと思うくらいだ。
 話を橋梁談合事件に戻す。端的にこの問題のなにがいけないかといえば、国民の税金をくすねていた企業は許せんということのようだが、それもこうした構図で見ると、国側や、独禁法改正をゆるくしたい日本経団連も、一種のコスト認識だったのではないか。あるいは、富の再配分という意味合いがあっただろう。
 そういうコスト認識と富の再配分という一種の暗黙の国策をこれから止めますよというディスプレイが今回の「事件」ということなのだろう。と、書くとそれだけで陰謀論扱いされますか。
 問題は、国の内部でどこがどう権力のシフトあって方針決定が変わったのか、また、その方針をこうして見せしめにするだけの背景的な意味はなにか、ということだろう。
 そこがブログとかで追及できるのかわからないし、ブログにはブログなりの社会認識と変革の意識が目覚めて別の道を開くのかもしれない。
 新聞記者さんたちがこの問題をどう考えているのかわからないといえばわからないが、先に、記者さんだって知っていたでしょと問いつめたものの、知ってて書かないという世間を知っていたからこそプロの記者さんだったかもしれないし、そこの甘い酸っぱいのわからない記者さんとか出てくると変な光景が見られるのかもしれない。

同日追記

 談合内部で大きな諍いがあった模様。
 日本経済新聞”橋梁談合、専業と兼業で対立”(参照


 国発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)建設工事を巡る入札談合事件で、大手メーカー17社で構成する談合組織「K会」で激しい内部対立があり、受注調整の仕切り役が2001年度に三菱重工業から横河ブリッジに交代していたことが25日、関係者の話でわかった。個別工事の受注を巡る橋梁専業の10社と兼業7社の対立が根底にあったとされる。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

道路公団「改革」、地方自治体「改革」、財政「改革」、その他諸々の流れで見れば・・・なんでしょうが、なんか意志決定過程が見えないし、あいもかわらずのウオルフレン状態てなところ?財務省(とどこか)の陰謀とかの方が分かりやすい?

投稿: Sundaland | 2005.05.25 10:32

まーねぇ。暗黙の了解、わかっていても誰も書かない、けれども今回の査察はわかちゃったから仕方がない。ですよね。だって検察うごかないもん、わかっててもなーなーだから。これがパチンコとかになるともろ国益に関連してくるから困るんだが、まあそれはともかく、もうパイは無いんだから出来るだけ失業者をださないように、縮小していって欲しいものですね。

投稿: a | 2005.05.25 15:57

談合も 言葉変えれば、ワークシェア
おそまつ。。。。

投稿: おまけ | 2005.05.25 19:13

マスコミは常に談合=悪です。公共工事ではどこでも談合はあります。談合があくなら日本中の建設業者は逮捕されるでしょう。金額が大きい談合だから悪いのでしょうか?いくらなら談合として逮捕されるのでしょうか?談合でで逮捕されないのは談合に良い談合と悪い談合があるからではないでしょうか?談合で一番悪いのは価格と吊り上げる事です。1万円で出来るものを、2万円でならするということなら糾弾されるべきです。しかし今回は何が問題なのでしょうか?多くの会社が出来るだけ公平に仕事を分けるために考えた良く出来たシステムだと私は感じました。今回の談合で話し合い、決め事が問題なら、記者クラブもれっきとした談合組織でみな逮捕されるべきです。公共工事の事を知らない人が、あたかも金額を吊り上げたと考えているのでしょうが、公共工事は役所で積算した指値で施工し、それ以上は認めてくれない事も知っていてほしいです。もしこの単価が問題なら役所が糾弾されるべきです。公共土木工事は現地生産で、不確定要素(天気、地質など)も多く工場みたいに単価がきちんと設定できない特殊なものと言うことも知ってほしいです。今回の談合で政治家や同和団体、ヤクザなどが公共工事を仕切ることは業界やマスコミは知っていても、マスコミは問題にしないのは不公平です。

投稿: すみ | 2005.05.25 20:25

「内側の人」たちは、そういうものだと思っているわけですね。公共事業は金をばら撒いてゼネコンを通じて失業者を救済する政策だと。したがって、罪の意識はまったくない。また、発注側はどれだけ世の中に貢献したかでなく、どれだけの金を使ったかが業績の指標ですから、価格を下げようという動機付けがまったく利かない。
 「公正」とか「遵法」を徹底させるよりも、公共事業の成果の評価方法を改めないと、談合はなくならないでしょうね。

投稿: nq | 2005.05.25 20:37

すみさん
>多くの会社が出来るだけ公平に仕事を分けるために考えた良く出来たシステムだと私は感じました。

税金を横取りするシステムですよ。

談合がなければ、日本の財政はもっと健全だったかもしれませんね。

投稿: むにゅう! | 2005.05.25 20:41

公共事業の談合をいつも問題にしますが、法律のどの部分に違反しているのでしょうか?談合罪があるのでしょうか?裁判では不当な競争など言いますが、談合自体が裁かれたわけではないです。入札妨害や談合以外の事で裁かれています。談合が悪いのならなざ談合罪など罪がないのか?1984年の公正取引委員会のガイドラインでは、建設談合は許されると書いてありました。談合を犯罪にしたのはマスコミです。談合の定義やどの場合が談合として違法かは現在もはっきりしていないことも知っておいてください。談合がなくなり、建設協会などなくなった地域では、ダンピングが横行し、災害時の協定がなくなり(建設業は災害の時に建設機械など一番初めに出動できます)、災害の時の対策が立てられない町もある事も事実です。談合で建設業者をたたけばたたくほど、将来韓国のように橋が落ち、ビルが倒壊という自体が来るかもしれないです。談合を必要であると認め、今みたいに影で談合するのではなく、公開談合でもすれば分かってもらえると思います。業界を知らない人が、マスコミの流す談合=悪だけで判断してほしくないです。

投稿: すみ | 2005.05.25 20:59

npさんへ

談合で税金を横取りしていたと言いますが、業者は役所が決めた単価で仕事をしているだけです。業者が単価を決めているわけではないです。もし単価がおかしいなら役所を非難すべきで、業者を批判する必要はないはずです。公共工事が果たした農村部での土木建設会社と公務員、農協以外しかない地域で立派に役割を果たしてきました。税金を横取りとはひどい言いがかりです。この公共工事で地方は豊かになり、日本全体で豊かになりました。一部の例外はあるにせよすべてを決め付けるような事はやめてほしいものです。

投稿: すみ | 2005.05.25 21:17

>公共事業の談合をいつも問題にしますが、法律のどの部分に違反しているのでしょうか?談合罪があるのでしょうか?

談合罪は存在します。刑法96条の3第2項を参照願います。
確かに、談合イコール犯罪とはいえないかもしれません。
ただ、今回問題となっている談合が犯罪でないのなら、東京高検が強制捜査に乗り出すこともないでしょう。

投稿: hajime | 2005.05.25 21:28

これで談合がなくなる(実際にはなくならないでしょうが)→大小無数の建設会社が落札に参加→イマイチ信頼性にかける弱小建設会社が落札→韓国のように橋が崩壊→マスコミ「利益追求で安全性に問題が無かったのだろうか?昔ならこんなことは起こらなかったはずだ」→ちゃんちゃん。

なんてなったら洒落で済まないのである程度の節度がないととは思いますが、なんでもかんでも悪というわけでもないような。

投稿: 通りすがり | 2005.05.25 21:59

建設業界の入札が談合無しになるととんでもないことになるのではないか?と思います。日本の建築技術は地震が多い事もあり技術の向上、欠陥など絶対に許されません。それなのに価格競争に陥ってしまったら、悲惨な結末がいずれ訪れるのでは?お金は全体として見れば日本国内日本人の間で流通しており、それで利益を得た人物が積極的に消費活動をすればお金は流通しますし、中国に対するODAと比べればそこまで非難する必要などないのではないか?と思います。まあずぶずぶと費用が際限なく膨らんではこまりますが

投稿: jun | 2005.05.25 22:01

記者クラブとか取材協定とかは談合じゃないのかな。

投稿: ■□ Neon □■ | 2005.05.25 22:07

>建設業界の入札が談合無しになるととんでもないことになるのではないか?と思います。日本の建築技術は地震が多い事もあり技術の向上、欠陥など絶対に許されません。それなのに価格競争に陥ってしまったら、悲惨な結末がいずれ訪れるのでは?

談合と安全性は別の問題でしょう。その証拠に談合があったから安全なものが作れたなんて話は聞いたことがありません。
安全性は建設中、後にしっかりとつくられているか検査すれば回避できる問題です。

公共事業にまつわる、いらぬハコ物、工事と談合&事業者はリンクする問題なのに、なぜか前者にはきつく後者には甘い世の中なのですね(あと票と政治家)

投稿: ゆーき | 2005.05.25 22:37

「橋梁談合って何が問題」って疑問が成り立つあたりが、ルールの説明も無く、現実への整合性も考えることなく、ただ規則だけがいいかげんに適用されてることがよくわかります。

投稿: bywordeth | 2005.05.26 00:58

価格競争と安全性は関係あると思います。
談合があったから安全なものが作れたなんて話は聞いたことがありませんが、価格競争になり、どこかで経費を削減しなくては成り立たたなくなった時に。

投稿: 亜魂 | 2005.05.26 01:21

亜魂
>どこかで経費を削減しなくては成り立たたなくなった時に。

基本的に検査でしっかり作られているか調査すれば問題ないのでは?

調査を通らないほどの経費削減は無理でしょう。


投稿: ほるほる | 2005.05.26 07:06

談合擁護論も聞かれるのは、現在の競争入札の制度に問題があることの裏返しなのではないかと感じました。

一案ですが、こんなのはどうでしょう。
・価格競争を改め、公示価格は最初から公開。
・工事に盛り込む成果物やサービス内容の計画書を提出させ、競わせる

投稿: それでも地球は回る | 2005.05.26 07:11

談合なし=弱小企業のダンピング=安全性に不安
ってのはどうでしょうか?
プロジェクトの規模によって、入札条件は違うし
過去の実績や会社の規模などで参加できる企業はある程度絞られるでしょ
地方では、大手と地元企業でJVなどの形態あるし

健全な市場競争を働かせる事に意味があるのではないでしょうか

投稿: ダメ大学生 | 2005.05.26 12:41

一応、内情を知っている者の一人として弁明をしたいと思います。

談合がまかり通るそもそもの原因というのが、建設業界がかなりいい加減だからです。

例えば、工事にかかる資材、例えば鋼材・セメントなどは市場性の高いものであり、工事期間中に平気で2倍化、あるいは1/2まで暴落する場合があります。それに対する付帯条件がついた契約など私は日本で見たことがありません。
その他・チェックシステムの全くない現場(安全性の検査は労働局によって行われるが図面どおりに建てられているかはまず行われない)・ゼネコンの下請けに対する口約束による追加契約(支払条件も決まってないので必ず後でもめる)日雇い労働者に対する劣悪な労働条件etc. まあここは本当に日本かい?というのがまかり通っているのがこの業界です。

その上で、確かに酷いものなんですが、今の状態があるから現在の日本が曲りなりにも現状の姿を保っているのも事実です。もし、工事現場を完全に綱紀粛正し、契約内容も例えば機械産業のように完璧にしてしまったら。。。。
おそらく建設業者の数は今の数分の一に下がり、失業者数は今の数倍に膨れ上がるでしょう。状態はバブル崩壊後一応落ち着きを取り戻しているとはいえ、まだ楽観視できるレベルではないですね。

finalventさん「だけ」は見通されているようですが(他の方のコメントを拝見する限りではちょっとここまで見えていない)この問題、談合(あるいは公共事業)の部分だけを「最適化」しても実は日本全体にとっては「最適解」とは言いかねます。(その意味では「すみさん」の言い分にも一理はあるのです。)

投稿: F.Nakajima | 2005.05.26 15:25

>国の内部でどこがどう権力のシフトあって方針決定が変わったのか

権力のシフトに付いてはよく分かりませんが、方針が変わった理由は「財政難」でしょう。無い袖は振れない。淡々としたものです。

>その方針をこうして見せしめにするだけの背景的な意味はなにか

無い袖は振れない=労働集約的な産業は縮小せざるを得ない。そろそろ業界としてソフトランディングを考えなさい。くれぐれも失業率は上げないでね。って事かも。

投稿: よろぴく | 2005.05.26 17:50

良いか悪いか、0かすべてかなんて、娑婆の世界はなまやさしいもんじゃない。笑っちまったぜ。談合はもっと大人の世界だ。お前らが見てるのは、ごくオモテ面に過ぎない。

談合組織ほど変わらないものはない。オレの知る限り半世紀以上基本的なルールは変わってない。落札者を決めるのは、会社の技術力でも、安全対策の手厚さでも、品質管理でもない。談合は組織が決める。組織とはプロたちを指す。プロたちは決めるためならなんでもやる。彼らが決めた落札があれば、一定の率で金が入る。これが実はかなりの金額だ。プロたちはかなりの資産形成をしている。ビルやマンションをいくつも持っているやつなんてざらだし、数十億という資産をもって死んだやつを知っている。組織にはむかえば、建設会社の社長でも首がとびかねない。うそだというのなら、ほとんど誰も記憶の外だろうが、「談合のドン」というやつがしばらく前に雑誌に発表した手記でもさがせばいい。ただ、プロたちの多くはすでに老いているのは事実だ。次の世代は育っていない。

また、地方では首長の横暴が21世紀の今日に逆に進んでいる。普通だったらあっというまに後ろに手が回っているだろう不公正など、へっちゃらだ。役所の幹部に協力させて、自分に金をもってくる業者だけを指名して、落札させるなんて朝飯前だ。これはオレの業界の話しだけではない。役所というのは、地方経済にとって大きな消費者なのだが、その発注、購入するもののすべての面にわたって不公正が広がっている。地方には、民主主義も法治主義もないのかもしれない。ニュースバリューがないから、マスコミも全く「第四の権力」の役割を果たしていない。とほほな地方ニュースがいくつもあったのは、まだ去年のことだ。

当然、プロと不正な首長は仲がいい。こういうやつらに微々た額でもオレらの税金がわたっていると思うと、吐き気がする。

まあ、でも今回は誰かはしらないが行政にも本気のやつがいるらしい。告発を促進するような独占禁止法の改正も通した。調査もできるようになった。橋梁の課徴金合計は、1000億を超えるという試算もある。オレもびっくりしている。だが、まだ鉄壁の体制を崩すにはいかないだろう。ほんとは、談合なんて役所が本気になれば制度なんて変えなくたってあっというまになくなる。談合は罪でないなんて、とぼけたことをいうやつがでるくらいこの国はネジがゆるみきっている。

余談だが、組織と役所と政治家の体制は本当に強い。さすがのオレ様もここで書いたことがばれたら、どうなるか想像するだけでチビリそうだ。

投稿: | 2005.05.26 21:51

今回の橋梁事件はどういう罪で裁くのでしょうか?談合罪はありますが、談合の定義がはっきりしていないと思います。私が一番知りたいのは、この談合組織が適正価格以上で落札していたかだけです。マスコミは談合の仕組みなど報道しますが、このシステム自体が犯罪なのでしょうか?談合罪はこのシステムが犯罪となっているのでしょうか?たとえば今回のシステムで、そして適正価格で落札していたのなら誰が不利益をこうむったのでしょうか?不利益のない状態で犯罪は成立するのでしょうか?一番不利益をこうむるのは、業界内部の会社でしょう。仕事がないので順番なんか守っていたら倒産してしますので。

 談合についてですが、役所でも談合マニュアルなど作成し、談合をしないように、談合が通報されたらどうするなどあります。しかし、談合の定義は示していないです。談合の定義がはっきりしないから、役所に談合情報が来ても、指名業者に談合していないか聞いて、していないと言うなら談合していないとなります。談合がどこから犯罪になるのか定義があれば良いのですが。

 業界から入札制度について思うのは、出来れば談合して初めから落札業者を決めるほうが楽な面もあります。きちんとした積算をし、利益を上げる積算をして真の競走をすればとマスコミはいいますが、積算業務は多大な経費がかかります。ビルを建てるにしても、材料から労務、機械、工程的なものなどを考え最適な積算をする場合に、大きな工事ほど労力と経費がかかります。日本ではこの積算業務が無料であり、落札できるか分からないもののために無料の積算ばかりしていては赤字になります。諸外国では積算にかかる費用を出して、入札をさせています。ゼネコンなど大企業ならともかく、中小零細企業が多い土木建設業界に、積算業務の出来る有能な人材を養うにはあまりに負担が多いです。落札できる仕事だけ積算すれば良いなら、会社の負担も少なく、積算費用を業者に払わなくても良いなど発注者側にもメリットはあります。積算に関わるものとして、工場とは違い現地生産のため、現地調査をし、施主の希望など聞いたりして、さまざまな条件で最適な価格を考えるのは大変です。50万円の仕事でも、打ち合わせが多ければ数日拘束されます。数億円大工事の積算など、本気で積算するにはスタッフは5人は必要です。測量、材料、労務、機械など情報を集め決める事になると、1ヶ月以上はかかるのではないでしょう?落札できなければみな持ち出しで、うちみたいに小さい会社は倒産しますね。
 
 談合=悪で片付け、談合をなくせば公共工事は安くなるというのはあまりに短絡的な考えだと思います。入札制度や契約制度などさまざまな問題があります。狭い日本で必要以上にもめたりすることなく、お互いに助けあってきた面も否定は出来ないとおもいます。マスコミの言う談合たたきは一面でしかないので、もっと多くの事を知ってください。

投稿: すみ | 2005.05.27 00:03

>狭い日本で必要以上にもめたりすることなく、お互いに助けあってきた面も否定は出来ないとおもいます。マスコミの言う談合たたきは一面でしかないので、もっと多くの事を知ってください。

土木産業はつぶれまくってください。
国民の多くにとって見れば、無駄な税金を吸い取られていただけです。

失業対策?嘘付け。

お前らがやってきたのはただの詐欺。

投稿: ほるほる | 2005.05.27 00:46

>すみ

見積もりに金がかかるのは建設業界だけのことではない。自分の現場だけを見て経営努力の怠慢を正当化しないでくださいよ。
IT,システム業界などは、すでに詳しい積算のための予算など社内のどこからも出ないのは当たり前です。発注金額はえいやです。
どんぶり勘定で出すことなど日常茶飯事です。工期が長くなって予算がオーバーしたらどうなるか?現場を泣かせるのですよ。プログラマという名前のIT土方が、ただですら少ない賃金なのに、サービス残業という名の奴隷労働をするのです。
(私は今の職場は、出版系でしかも見積もりをもらう側の人間ですが、昔は官公庁相手で開発の経験もあります。)

投稿: eternalwind | 2005.05.27 01:00

>eternalwindさま
>発注金額はえいやです。どんぶり勘定で出すことなど日常茶飯事です。
昔システム開発の株(確かクレスコとかいったか)を買ったときに業績の下方修正の原因にこれを理由にされたときには唖然としましたがね。
>自分の現場だけを見て経営努力の怠慢を正当化しないでくださいよ。
すまないが、では今をときめくIT企業はいかなる経営努力をして経費を節減しているのか述べていただきたい。
さぞかしすぐれた方策があるのであろう?そうすれば、建設業界も談合などせずとも利益を上げることができるし、税金の無駄づかいなどといらぬ後ろ指をさされずともすむ。

投稿: F.Nakajima | 2005.05.27 10:10

経営努力=「賃金カット、各種手当てカット、残業代カット、違法派遣、労働基準法違反の長期労働」ですがなにか?
すでに書いていることですけど理解いただけませんでした?

「高い労働生産性」なるものの内実はどこの企業でもこれですよ。(世界に冠たるトヨタ様も下請けいじめと期間工いじめが大好きですしね。)」
日本の大多数の人間が、そのように呻吟して
生み出された、剰余価値の一部が橋梁建設に使われるわけですYO!なぜ建設業に従事される方々だけが特権階級となって、低い労働生産性と、良好な労働環境を「わ れ わ れ の 払 っ た 税 金」 で維持することが正当化されるのか理解できませんが?

投稿: eternalwind | 2005.05.27 11:20

一部の大企業の建設業に従事される方々だけが特権階級ですね。むかしはこれでもよかったんだろうけど、もうパイはないことを建設業者はりかいしてないんですよね。

投稿: a | 2005.05.27 11:50

>eternalwindさま
お怒りはごもっとも。但しだからと言ってまるで建設業=特権階級的までは言いすぎだと考えますが。
日本の建設業にたずさわる人の99%は「賃金カット、各種手当てカット、残業代カット、違法派遣、労働基準法違反の長期労働」に従事しています。不正利得を得られるのはごく一部(例えばジャンルが違いますが今日判決があったハンナンなどが好例でしょう)にすぎません。

残りの大多数はいわば彼らが廻してくれる仕事にありついてやっと生活の術を得ているというのが正直な状況です。
建設業界の中の心ある人もこのままではだめだ。というのはわかっています。しかし、改革するとなると、前に書いたように一部を「最適化」することがシステム全体にとって「最適化」するとは限らない。のが最大の問題なのです。


投稿: F.Nakajima | 2005.05.27 23:11

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050529-00000007-mai-soci

宮仕えは腹ふくるるものなりぞ。

こんな連中のおべっかを使わなければならぬみのつらさよ。

投稿: F.Nakajima | 2005.05.29 12:24

 建設業における談合問題の最大の問題は予算の決め方にあると思う。というのも、この業界の場合食品や家電、コンピュータソフトを売るような予算の立て方が絶対に出来ないというところにあるのではないか。
 食品、家電、コンピュータソフトなどの小型商品の場合、試作品を作り、どれだけのお金がかかったかを計算しそれを基にして値段を決めることが出来るが、建設業の場合はそれが絶対に出来ないのが痛いところです。
 要するにこれらの小型製品の場合は○○をいくらで売るよというやり方ですが、建設物の場合、○○を○○円の範囲で建設してくれ。という予算の立て方しか出来ないのです。もっと簡単に言うと建設物の本当の値段は造ってはじめてわかるというところでしょうか。
 ということは、談合で99%の価格で落札したとしても赤字になる可能性もあるということになります。建設業者も税金を払っているのですから、払っていないと思われる発言はやめてほしいです。

投稿: この問題は | 2005.05.30 15:16

談合はなくならないし、原則は「あく」としておくのがマスコミには都合がいいはず。
 実は簡単になくす方法があり、もし談合をやってもそれほど害がなくなる、事には触れないのか、それともそんなことをしたら書く記事に困るようになることを恐れているのか。
 先日ラジオで某大学の教授がその方法を発言していた。
  工事をすることが決まったら、役人に工事の方法、やり方、デザイン、使う道具、使う資材等を決めさせないで、入札する業者にプレゼンさせて決定すればよい。
  公共事業の一番悪いのは、役人が最高値の資材を使って、地元の意見を無視して自分に都合のいいデザインで、自分が考えた工法で、自分が考えた要領で、決めた工期でやらせてやるから問題がおきるのだそうです。
  それをさせないようにすれば、発注する役人にメリットはなくなり、責任は明確になり、談合してもすぐわかり、してもしなくても工事を受ける業者はメリットは変わらない。
  私は思わず納得した。

投稿: 心象仙人 | 2005.06.02 00:33

あまいな。そんなのは現場を知らない学者のたわごとだ。

そんな力のある業者が全国に何社ある?仮に設計から、仕様、資材、などを決定する力がある業者が集まったとして、仮に10社提案なら10社の提案で10社別々に提案を作ることがどれだけ無駄か。現在の仕様、設計図、工法が徹底的に決まっている状況ですら、見積もりのコストがかかりすぎるというのが談合の原因だというのに。

天下りなども原因のひとつだが、官製談合の原因のひとつが形だけでも入札会社の頭数をそろえなければならないという行政のくるしさがある。もし、提案方式や指名のランダムカット方式が実現されたら、入札辞退があいついで形式的な競争入札が今度は成立しなくなるだろう。

ついこの間まで官庁の入札単価が民間を下回っていた入札辞退が相次いでいた時代があったことを忘れてはならない...

と、談合バリバリの連中なら言うだろうね(笑)。

投稿: 奈々氏 | 2005.06.02 06:37

建設における積算、というイミがワカラナイ人が何か言っても無駄な気がしますが。

投稿: m | 2005.06.02 08:46

談合に関係した会社名はわかりますか

投稿: | 2008.07.04 12:11

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本日の日経産業に橋梁談合事件の特集記事が出てまして、見出しが「いつまで続くのか 愛社無罪」。 座布団1枚ですね。 「無罪」であれば、いつまでも続きます。社内的にも「有罪」にしないと。 もうひとつ、同紙では日米の談合についての違いを識者コメントを引き合いにしてこう表していました。 いわく、「米国は虫、日本はカビ」だと。 個人の判断で談合が行われる米国の「虫」なら殺虫剤(刑事罰など)で駆除すればよいが、日本の「カビ」�... [続きを読む]

受信: 2005.05.31 00:10

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