日本の小児科医療についての雑感
連休中なので軽いネタがいいと思うけど、少し重めのネタ。ただし、扱いはごく軽く。日本の小児医療のことだ。最初におことわりしておくと、こういうふうに文章にすると、どうしても医療批判になりがち。しかし、それで済むことではない。現場がそれこそ医師の献身で成り立っていることを私も知っている。
ニュース的には、「こどもの日」ということでのネタなのだろうが、NHK”1~4歳の死亡率 日本は高い”(参照)から。小児医療の現状について国立保健医療科学院の田中哲郎部長のグループが実施した比較研究の発表が元になっている。
研究グループは、アメリカやドイツ、それにフランスなど先進14か国について、WHO・世界保健機関に報告されているデータを基に、死亡率や死亡原因などを比較しました。その結果、日本のゼロ歳児の死亡率は、人口10万人当たり340人余りで、スウェーデンの337人に次いで低かったということです。ところが1歳から4歳の幼児に限ると、10万人当たり33人で、アメリカの34.7人に次いで高く、犯罪などで死亡したケースを除くと、死亡率はアメリカを抜いて14か国中、最も高くなっていました。
私の認識違いがあるかもしれないが、ゼロ歳児の死亡率は計算上は平均寿命に影響するはずで、この部分、つまり、出産の医療体制をしっかりすることがまさにその国が先進国であるかどうかを分ける。日本はこの部分で戦後大きな進展を遂げた。
問題は、引用はしなかったが、この報道の後段では、日本の一~四歳の幼児医療体制を、いわゆる先進国レベルにすれば、毎年三百五十四名の子供の命が救えるとしている。
このニュースはそれほど驚くべきことでもなく、厚労省側もある意味で熟知していることでもある。ジャーナリズム的にも小児科医療の体勢としてときおり問題となる。
私がちょっと気になるのは、以前のエントリでも少し触れたことがあるが、小児科という医学の側面だ。その分野が進展してないのがよくないという単純な話ではないのだが、こうしたニュースに接するたびに大西鐘壽氏による、16版メルクマニュアルの後書き(1994年)を思い起こす。
最後に本書の小児疾患と遺伝の訳者として率直な感想を述べたい。本書には現代小児科学の膨大で複雑かつ多岐にわたる領域について極めて高度な内容で、しかも今日的な課題が取り上げられている。改めて医療における小児科学の重要性を痛感さざるを得ない。米国の医科大学では各診療科の教授以下のスタッフの構成は内科が最も多く、次いで小児科が内科にほぼ匹敵する位置にあり、以下外科、精神科、産婦人科などと続き、本書の各診療科別のページ数の比率もそれに準じた形になっている。翻って我が国における小児科学の現状をみるに目を覆うばかりの貧弱な体勢である。小児科学の卒前教育に費やされるべき時間は最低300時間とWHOにより提唱されているが、現下の我が国では実に150時間前後に過ぎない。
この文章が起こされて10年が経過したが現状の変化はなかったと思う。
なんだかったネタ元を忘れたが、先日読んだ英文の記事だったと思うが、……米国の地域医療や小児科医療にもっと尽くしたと考えている若い医学生は多いが、その進学に借り入れた際の学資の返済を考慮して、どうしても高所得な医療現場を志向せざるを得ない、そこが改善できるシステムはないか……、というような話があった。
日本の場合、医学生と限らず、十分な奨学金は得難い。まして、出世払いで貸与する民間ローンもないように思う。小児科医を志向する医学生にどかーんと基金を打ち立てられないものかと思うが、そのあたりから夢想の領域になるのだろう。
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コメント
専門外にて論点ずれていたら失礼します。そもそも小児科医を志向する学生が少ないという現状もあるかと思います。
小児科医は労力に対する診療報酬の点数が低いので割りに合わないと敬遠されているようです(知人の談にて本当のところは知りません)。
まずは小児科医の待遇を改善し、学生にとって魅力あるようにすることが優先かなと。
投稿: はぐれバンカー | 2005.05.05 17:53
小児科医に限らず、僻地医療などいろいろ問題はありますが、結局のところ医師の絶対数そのものが足りないわけで。医師が余っていればこそインセンティブなんかも有効性が出てくるのではと思います。しかしどうやれば医師数を増やせるのでしょうか?
ところで、人手不足の産業の話はよく聞きますが、人手が余っているのはどういったところなんでしょう?
投稿: r-ib | 2005.05.05 18:06
僻地医療に将来従事することや、県内で不足している診療科に進むことを条件とした奨学金制度は、すでに複数の県で導入されているようです。もっとも大規模なのは自治医科大学で、学費全額と、さらに希望する場合には一定の生活費相当額まで貸与しています。
しかし問題として、第一にどの診療科に進むかはあまり早い時期に決められない。第二に、これは関係者からも聞いたのですが、金銭インセンティブの効果は高くないそうです。つまり貸与条件に違反する場合には貸与額プラス利子を即刻返還するという制度でも、医者になってからならいくらでも返せる(その分を貸してくれるところが他にいくらでもある)そうで、足止めにはならない。学部時代の教育が重要なんだという話でした。
そういう精神論以外には、すでに指摘されていますが、待遇改善を通じて将来の展望を持てるようにすることが重要なのだと思います。
投稿: おおや | 2005.05.05 18:21
僻地医療や地方勤務のための奨学制度は、実際には成果をあげていません。
全ては医局制の崩壊が原因です。新設の医師研修制度では、若い医師は大都市部の大病院を志向せざるを得ないようになっているからです。
地方では、最近のわずか2~3年で医師不足に陥り、特に産婦人科と小児科はほとんど壊滅状態になってしまいました。
我が県では、国内医大からの新規の人材派遣を待つ余裕はなく、先週、中国医科大学から医師派遣の約束を取り付けました。
中国人医師たちは、ことしの秋から我が県の公立病院で勤務をはじめます。
私のブログをご覧下さい。
↓
「医局制の崩壊がもたらす深刻な岩手の医師不足」
http://gold.ap.teacup.com/vodka/17.html
「岩手の医師不足と中国の反日デモに思ったこと」
http://gold.ap.teacup.com/vodka/20.html
あ、それから医師そのものは余っています。
医師を自由経済的に配分すれば、結局国民の福祉を守ることは出来ないのです。
投稿: vodka | 2005.05.05 19:27
なにかアホな意見が出ていますので、もうしあげます。
なぜ医者が田舎のほうに行かないか?
そして、小児科や産科などに行かないか?
教育の問題ではないのです。また、報酬の問題でもありません。下のリンクを読めば医者がどう思っているかがわかると思います。そして、その意見は恐らく正しいでしょう。
結局は、①その地方の若者さえ残らないところによそ者がくるわけはない②訴訟リスクが高く労働法無視の科には行きたくない、ということに他なりません。これは恐らく医者が今の2倍に増えても変わらないでしょう。医者を無理やり配分するって?別にいいですよ。医者やめて他の仕事(弁護士・役所など)に行けばいいだけのことですから。
http://www.tochigi-med.or.jp/~shioya/m_watch/m_watch.cgi?action=html2&key=990801151628
http://www.tochigi-med.or.jp/~shioya/m_watch/m_watch.cgi?action=html2&key=990922194340
投稿: ほげら~ | 2005.05.05 21:33
医師として働いている方々のご意見はいろいろ参考になりました。思っていたよりマスコミ情報に頼っているようで反省ですね。
しかし、医者が足りているというのは実感として疑問に思います。
投稿: r-ib | 2005.05.05 22:15
ちょっと違う側面から。
日本の周産期死亡率は人口1000に対して5.3です。
これは先進国中トップクラスであり、産科医とともに小児科医の能力が高いことを示しています。つまりこの時点で、かなりの重症例が救命されていることになりますが、これらすべての生命予後が良いとは限りません。
結果、1〜4歳の死亡率が高いという可能性も考慮した方が良いでしょう。
元の研究結果を読んでいないので申し訳ないのですが、これを検討するには日本と同等の周産期死亡率の国との比較が必要ではないかと思いました。
投稿: guri | 2005.05.05 22:52
関係あるようなないような話を
ちょっと上げておきますね
http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2005/04/post_185.html
http://d.hatena.ne.jp/hibigen/20050501
投稿: (anonymous) | 2005.05.05 23:15
http://worldwalker.ameblo.jp/day-20050505.html
ホリエモンの坊主頭の写真を入手! ↑
このページの一番下にUPされている
三木谷オーナーよりも 坊主頭が似合う ホリエモン
http://worldwalker.ameblo.jp/day-20050505.html
投稿: ブログ読者 | 2005.05.06 01:22
昨年度からの新医師臨床研修制度で、小児科での研修が必修になっています。
それで少しは小児科医が増えるのではないか、というのは楽観的にすぎるでしょうか。
とはいえ、日本の医療費が年々右肩上がりになっている今、
単純に小児科医の数を増やせば解決する問題ではないと私は思っています。
話がズレますが、数字的に医師の数が余っているというのは事実です。
ただ、実感として足りない、というのも当たっていると思います。
僻地に関してはそれが顕著でしょう。
やはり研究もしやすく、症例も豊富な都市部に医師が集まりやすい傾向にあるのは否めません。
高給で僻地に医師を呼ぼうとしている取り組みもあると聞きますが、
それを蹴ってでも都市部で修行を積みたいというのが、
多くの若手敏腕医師に共通する感情なのではないでしょうか。
投稿: 通りすがり | 2005.05.06 06:56
点数少なすぎです。開業前も、開業後も儲かりません。
投稿: 通りすがり | 2005.05.06 08:19
知人に小児科医がいますが、労働条件面でも経営面でも本当に苦労しています。ほとんど本人たちの使命感のような意思に支えられて続けているだけのような感じがします。制度的な面からもっと改善されてもいいような気がします。
彼らを見るにつけ、小児科医ってのは報われない仕事だなと思いますが、彼らの働きなしには私の子どもも、今まで生き延びることはできなかったわけで。感謝の念が絶えません。
投稿: tomo | 2005.05.06 12:47
ほげら〜さんのご意見は多分に真実だと思いますが、まさか弁護士や役所が労働法を守っているとお考えではないでしょうね。
で、この中ではキャリアシステムで言うことを聞かせられる官僚は地域格差が少なく、以前から完全に自由だった弁護士は分布の偏りが医師以上に深刻です(鳥取・島根はともに全県で30人以下。なお全国総数は約21000人)。コントロール強化が案として出てくる背景の一つでしょう。
しかし官僚にも辞職の自由はあり、かつ基本的には辞めた方が短期的な待遇は上がります。それでもなぜ彼らが地方に行くかといえば、一つは使命感であり、もう一つは将来展望(数年我慢すれば必ず戻れる)があるからでしょう。教育は前者に、vodkaさんご指摘の医局システムは後者に関わります。
逆に言うと、十分な魅力があれば労働条件が悪かろうが訴訟リスクが高かろうが人は来ます。前者はアニメ業界でも見ればわかること。問題は多様な要素によって参入人数が決まっているという状況の下で、どれをいじるのが楽か・本筋かを考えることにあります。
投稿: おおや | 2005.05.06 13:41
>それでもなぜ彼らが地方に行くかといえば、
>一つは使命感であり、もう一つは将来展望
>(数年我慢すれば必ず戻れる)があるからで
>しょう。
それだ。
医師にも地方で数年間勤務することを義務付ければ。誰もが通る道なら苦行でも納得する日本人のM的性格を活かして。
投稿: hide | 2005.05.07 03:15
地方での医師不足の解消は、過疎化をもっと進めて、都市部に人口を集中させるしかないと思います。
山奥でも大都市と同じサービスを提供するのはどうしても無理な部分があるわけで、
医師を田舎に行かせるよりも、田舎の人に移住してもらう方がいいのでは?
そのほうが医療だけでなく、法曹や教育などあらゆる分野で人材がそろっていて、よりよい生活ができるわけだし。
実際地方でも、人口は町村部から県庁などの都市部に集中し始めているわけで、
平等で低コスト高水準な日本の医療を維持するには、この流れを徹底的に推し進めるのがいいはず。
日本の医療は地域や貧困度による格差が小さく平等
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1650.html
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1800.html
日本の医療費は高齢化率が高いのに安い。
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1900.html
投稿: おのぼりさん | 2005.05.07 05:09
疑問に思いますので書きますが、年齢階級別の死亡原因の統計を参照されたのでしょうか?
1~4才の死亡原因は、不慮の事故やその他原因が多いのです。
つまり溺水や交通事故、虐待に、SIDS(乳幼児突然死症候群)が加わってきて、その下に悪性新生物(ガン)や肺炎、心疾患が出てきます。
この場合の心疾患は、心臓の先天奇形の終末状況ですし、肺炎は重度脳性麻痺児の合併症と思われます。
つまるところ、1~4才児が死ぬ原因を小児救急態勢だけに求める元記事にもバイアスがかかっているのです。
本当は医療技術の向上と経済的な補助の充実で数年生き延びる重症患児が増えたのです。
かつて脳血管疾患と心疾患が死亡原因のトップでしたが、医療技術の進歩でそれら疾患で死ななくなり、ガンがトップになったのと同じ現象です
それからもう一つ大きなことですが、日本の親が我が子に対して無駄に死のリスクに晒している面も多いのです。
煙草を誤飲させる親は日本が一番多いですし、児童虐待もこの数年でやっと刑事事件になるようになりましたが、周囲の理解はまだまだです。車内に幼児を放置する親は後を絶ちません。
私が常々疑問に思うのは、「幼児医療体制を先進国並にすれば」の先進国とはどこの国のことでしょうか?
アメリカでは、小児癌以外はまともな経済的な補助はありません。医療技術は世界一かも知れませんが、0歳児も1~4才児も死亡率は酷いものです。破産するほど金は取られるは、命は助からないはで散々です。
英国の救急態勢はもっと酷いです。最初は必ず小児科医ではなく、地域で指定されたGP(家庭医)という何でも屋が診療し、そこから紹介です。紹介まで数ヶ月かかり、しかもGPが見落とせばおしまいですし、気に入ろうが入るまいが必ず指定のGPに受診することが決められています。
GPが患者を200人以上殺していた事件もあったほどです。
待ちきれず救急にかかったら、冗談でなく受診まで12時間待ちは当たり前で、酷い例では80時間ほども待ったそうです。
フランスは日本に近く、比較的マシなのでドーバー海峡を渡って、英国の金持ちが受診しにくるそうです。
カナダもGP制です。ドイツも救急では小児科はタッチしてません。
詰まるところ、先進国態勢とは、小児科医が救急患者を診ない態勢であると私は理解しており、そういう意味ならば、当直も減り、救急特有のトラブルからも手を引けるので嬉しいのですが。
結論めいたことを書くと、お金の問題だけではなく、リソースの問題であり、JRでの大事故と同じく、限られたリソースを改善無しに利用者の論理のみに従って酷使していくと、破綻してくるという事例であり、今の日本国の随所で観られる病気の一つだと思います。
小児医療でいうなら小児科医を増やしたら、産科や外科が足りなくなり(今でも足りないけど)子供は元気だけど妊婦が命がけで出産するようになったとかでは困るわけです。
一番良いのは、小児救急で最初から小児科医が出てくることを要求しないことですね。
新制度の臨床研修システムが始まってるんで遅かれ早かれそういう覚悟を政府が国民に要求してくるとは思いますが、それが先進国クオリティだと思います。
投稿: 小児科医 | 2005.05.07 08:33
>地方での医師不足の解消は、過疎化をもっと進めて、都市部に人口を集中させるしかないと思います。
医師不足を「田舎」だけの現象だと思っておられるようですが、それは事実誤認です。
人口数千人の山間部には既に医師はおりません。
今問題となっている医師不足は人口数万から10万人単位の都市部でおきているのです。
辺鄙な山村が滅んでしまえば解決する問題ではないのです。
ついでに言うと、大都市部の個人開業医の経営危機まで含めると、医師不足は、そう遠くない将来、大都市の市井の人々にまで及びます。(既に大都市部は医師以外の医療系職種を自給できていませんね。)
>教育などあらゆる分野で人材がそろっていて
いや? あれ?
教育に関しては大都市部よりも地方の方が優れてると自負していたんですが、外の方からは逆に見えますか。
トホホ。そう思われないように頑張ります。(汗)
投稿: vodka | 2005.05.07 09:14
http://www.asahi-net.or.jp/~YQ4Y-MRMT/teigen.pdf
こういうのをみるとまさに「政治」の問題なのだな、というのを実感します。
○○科は算定上○人必要です、××科は×人必要です…というのを積み重ねた合計を考えると必要数が全体の実際の数を上回る、と。そこで「配分」するのが政治という意味で。
金のあるところから税金とって、貧乏なところに配分する「政治」と同じですね。
麻酔科の提言はまさにある種の政治運動で。
多分内科系マイナー科とか、政治運動をしていないところは困っていないんでしょうな。
困っているのに政治運動をしていないのは、何かがちょっと足りないのでしょう。
投稿: TXJ | 2005.05.07 16:36
>医師不足を「田舎」だけの現象だと思っておられるようですが、それは事実誤認です。
田舎だけの現象とは思ってません。
地方から東京に集中させろと言ってるわけではなく、「地方でも、人口は町村部から県庁などの都市部」に集中させるのがいいと書いたんですが。
しかし、あなたが言うように医師以外が自給できていない大都市部でも医師が不足するようになるなら、なおさら、地方都市や田舎に振り分ける余力はないわけでは?
医療に関する人材が足りている地域は日本には存在しないと言うことなんでしょうか?
小児科医さんが書いているように先進国でも日本よりましな国なんてほとんど存在しないわけで、
結局どこの国でも十分な医療はないわけですね。
>教育に関しては大都市部よりも地方の方が優れてると自負していたんですが、外の方からは逆に見えますか。
学力テストでも都市部のほうが高いし、図書館も塾も大学も研究機関も大都市部のほうが充実してるので、教育に関しても大都市部のほうが優れていると思います。
だからこそ若者は大都市部を目指すのでは?
それと私は地方出身で今は都市部で暮らしているので、外から見て言ってるわけではないですよ。
むしろ地方のほうが優れているというのはどういう根拠でそうなるのかわかりません。
投稿: おのぼりさん | 2005.05.08 04:47
>、「地方でも、人口は町村部から県庁などの都市部」に集中させるのがいい
ああ、そうでしたか。失礼しました。
我が県にもそう考える人はいますし、ストロー現象のために意図せずそうなりつつあります。
でも、うまく言っていません。県が大きすぎるのです。
幾つかの大きな県以外は、郡部と都市部の間はせいぜい1時間程度でしょう。そう言う小さな県なら県都集中を解決策とすることは可能かもしれません。
>学力テストでも都市部のほうが高いし、
学力テストで都市部の方が高いっつうのは、受験者を絞っているからなんで、県別の学力差の指標としては全くアテにならんのです。
>だからこそ若者は大都市部を目指すのでは?
これは、やっぱりアナウンス不足ですね。
高校生の過半数は地元志向です。そういう状態が10年以上近く続いています。
今や一部の有名大学を除けば全員入学の時代ですから、親が必要な金を揃えられるかどうかが最も重要です。
ですから、親子とも出来るだけ実家から通えることを第一の条件にしようとします。
そんな訳で(就職でも進学でも)若者が大都市部を目指すと言う状況は殆どなくなりました。
教師が親を説得して(具体的には学費ローンの返済方法を指導する)無理やり大都市部に「行かせている」のが大半じゃないでしょうか?
正直なところ、生徒が東京や大阪方面を希望してくれると、私はホッとします。
投稿: vodka | 2005.05.08 09:46
vodkaさまの、10年後ではなく、今医師が足りないのだ、という痛切な訴えが響きます。
(東アジアからの労働力補充は医療に限らない少子化全体の長期的問題でもありそうです)
と同時に10年後20年後へのうてる手を(制度に)うっておかないとますます大変になるかと思います。
国家試験の合格率が地方と都会とでどちらが高いか比べれば、地方の教育が優れているかいなかの判断の一助になるかと。(→都市部でもバカな医学部はあるが、地方も負けていない、とか)
高島俊男先生の著作だったでしょうか、水滸伝世界などでは、現代の日本とは違い、誘拐して身代金を要求するのは老人が対象で、こどもではなかったとか。老人のほうが(希少)価値があったためかもしれません。(身代金の出所となる財布の数が多かっただけかもしれませんが)
現代日本ではあまりに小児が(希少)価値を持つために、小児の数が減少しているのに相反して小児科医に要求される業務内容が過大なのかもしれません。
妄言ですみません。
投稿: ということは | 2005.05.08 09:58