子供の停学(不登校)はコレステロール不足が原因のひとつかも
訂正(2005.4.22) 当初のエントリでは"School Suspension"実態としては日本の場合「不登校」にしていいかと思って訳しましたが、やはり正確ではありません。訂正しました。不正確なエントリになってしまったことをお詫びします。
海外のビザールは日本のブログのネタになりやすくなったので、このブログで取り上げるほどでもないかなとは思うが、20日付けのロイター”Low Cholesterol in Kids Linked to School Trouble(子供の低コレステロールが学校で問題行動に関連している)”(参照)が面白かったので、最近この手の話をしてなかったこともあり、さらっとネタにしてみたい。
標題からもわかるように、子供の場合、血中コレステロール濃度が低いことで不登校停学など学校でのトラブルが発生しやすいという研究報告が出た。ガセだかわけのわかんないトリビア系の話ではなく、話の元はしっかりしている。American Journal of Epidemiology(April 1, 2005)”Association of Serum Cholesterol and History of School Suspension among School-age Children and Adolescents in the United States(米国就学児童青少年における不登校停学履歴と血中コレステロール濃度の関係) ”(参照)である。概容もそれほど医学的な用語で書かれているわけでもないので読みやすいし、ロイターもこれをけっこうベタに引用しているのだが、それでニュースのほうを引用しておく。
Children and teens with low cholesterol levels seem to be more likely to be suspended from school, according to researchers. They suggest that "low total cholesterol may be a risk factor for aggression or a risk marker for other biologic variables that predispose to aggression."
【試訳】
就学時期の子供で血中コレステロールの低い子の場合、不登校停学になりやすいとこの分野の研究者が指摘している。曰く、「血中総コレステロール値が低いと攻撃性のリスクが高まる。つまり、生物学的に見て攻撃性を誘発しやすくする指標にもなる。
調査は米国で行われたもので、現代日本人のイメージだと、米国人の子供ってコレステロール高そう、と思われがちだ。が、それはそれとして、六歳から一六歳の4千852人を調査したところ、低コレステロール児童に学校でのトラブルが多いという傾向が見られた。人種間でも違いがあるとのことなので日本にそのまま適用できないかもしれないが、概ね日本の子どもにも当てはまるだろう。
なぜそういうことになるのかという点については、ロイターの記事でも元となる調査でも踏み込んでいない。
こうした問題に素人推測はよくないのだが、それでも、これまで、大人を対象にした各種の研究で、低コレステロールが自殺や事故死を増加させていることが明らかになってきているので、そうした関連と見ていいだろう。
また、少し古いがランセットに掲載された"Low serum cholesterol and suicide"(1992 Mar 21;339(8795):727-9.)では、血中コレステロールの低下が脳のセロトニン低下を招き、その結果攻撃性抑制が難しくなっていると指摘しているが、おそらくそのあたりの影響なのではないか。成長期の子供だとそれがさらに強く影響を出すと考えてもよいように思える。
とま、話はそれだけなのだが、だからというわけではないが、子どもヘルシーな朝食は和食だみたいなしょーもない話を昨今聞くが、和食か洋食はどうでもいいとしても、アレルギーの問題がなければ、子どの朝食には卵一個はつけておけと思う。それと若い女性も同じだと思うけど、言っても無駄か。
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コメント
コレステロールが低い子供デスカ…。
American Heart Associationの今月のニューズレターでは子供の肥満のハナシばかりだったので、少し以外な気もします。それでも血中コレステロールが低いなんていわれると、食べ物のせいで甲状腺ホルモンが出すぎてしまってるのかなんて思っちゃいますねぇ。
投稿: Nagarazoku | 2005.04.21 11:58
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4907725612/qid=1114067653/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-7446036-9298632
最新の診断機器ではなんと脳内の血流測定によって過剰活発や機能低下部分の測定が可能となり、うつや分離症・てんかんの際どこがほんとうに異常かわかるようになったそうです。
でこの本によると脳の健康のためには朝食にはパン・コメ・シリアル・グラノラ(wなどの炭水化物摂取を制限し、ハム・卵・サラダなどで摂取することが望ましいそうなんです。
ご飯と味噌汁のない朝飯ってなんて味気ない。。。
投稿: F.Nakajima | 2005.04.21 16:23
リスカ傾向のある子供らにも効きますかね?
まあそう簡単な問題でもないかも知れませんが。
投稿: kaze | 2005.04.21 20:08
F.Nakajima さん
>パン・コメ・シリアル・グラノラ
無粋な突込みかもしれませんが、コメというのは御飯ではないのでしょうか。
投稿: むにゅう! | 2005.04.21 21:37
>コメというのは御飯
そうなんですけど、原文だとそうなってるんです。。。(グラノラは書いてませんけど(w
投稿: F.Nakajima | 2005.04.21 21:47
> 朝食にはパン・コメ・シリアル・グラノラ(wなどの炭水化物摂取を制限し、
これって、炭水化物は摂取するな。ってことですよね。ブドウ糖が脳のエネルギー源だとすると、信じ難い気がしますけど。
投稿: 粘着電脳研究家 | 2005.04.21 23:10
finalventさん、不登校ではなくて停学?
投稿: むぎ | 2005.04.22 01:21
むぎさん、こんにちは。ご指摘ありがとうございます。暴力性が問われているので、やはり素直に「停学」とすべきでした。訂正しました。
投稿: finalvent | 2005.04.22 07:43
低所得者家族で朝食・夕食をちゃんと食べていない可能性もあります。
投稿: ねこ仏少年 | 2005.04.23 10:48