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2005.04.09

米州開発銀行(IDB)総会はよくわからないのだが海外送金の実態は少しわかった

 米州開発銀行(IDB:The Inter American Development Bank)の年次総会がこの六日から沖縄県宜野湾市で開催されている(一二日まで)。IDBは南米諸国の経済支援を目的とした国際開発金融機関で、規模で見ると昨日のエントリで触れた世界銀行に次ぐ。なのでということもあってか皇太子もご臨席される。ま、そういうことだ。
 日本での総会開催は1991年の名古屋市以来一四年ぶり。でもなぜ沖縄で? 六日の朝日新聞記事”米州開発銀行年次総会、6日に沖縄で開幕”(参照)はこう説明している。


 IDBは、中南米諸国向けの融資や技術協力をする国際機関として59年に設立。日本は76年に加盟し、域外国ではトップの5%を出資する。中南米には沖縄からの移民や子孫が20万人を超える縁で、開催が決まった。

 とってつけたような理屈にも聞こえるが、私も沖縄で八年暮らしてそのつながりの深さはいろいろ実感することがあった。ペルーから来た、見るからにうちなーんちゅといった三世の女の子がたどたどしく沖縄アクセントの日本語を学んでいたを思い出す。ディアマンテスのアルベルト城間(参照)のバイト時代の話なども酒の席でよく聞いた。そうした経験はうまくまだ整理できない。
 なにかと「県では」と沖縄県の人は言うが、他の県でもそう言うのだろうか、よくわからないが、県では、今回の総会をサミット以来のお祭りに盛り上げたいのだろう。新報(琉球新報)の記事”IDB総裁が来県 きょうから公式セミナー 10日総会開幕”(参照)からもそんな感じが伝わる。が、県主催の金融特区セミナーは盛り下がっているようでもある。沖縄タイムス”IDB海外参加者 県想定下回る”(参照)のこの記事のトーンがとても懐かしい。

 県関係者は「もっと来ると期待していたが…。(特区セミナーの告知が)IDB側のホームページで遅れるなど、広報も十分ではなかった」と困惑。県幹部はセミナーで使ったレジュメを総会期間中、配布することも検討する。
 金融特区の活性化策を検討する沖縄金融専門家会議の関係者は、海外参加者が少ない要因について(1)海外の経済ジャーナリストの参加が少ない(2)主議題とする中南米の地域開発とセミナーのテーマが合わない―などの背景を指摘。「今後は証券化構想やプライベートバンキングに関心の高い欧米人をピンポイントで狙い、紹介する方法。今回のセミナーを第一歩に次にどうつなげるかが重要」と指摘している。

 非難ではないが、沖縄県ってまいどこんな感じでなんくるないさなか。いずれにせよ、今回のIDB総会の意義が私にはよくわからない。報道も十分に伝えてないようにも思える。
 私にわかったことは一つある。IDBと直接関係ないかもしれないが、この機に発表された中南米向け個人送金の実態だ。これまで明確にはわかっていなかった。共同”出稼ぎ送金、2900億円 対中南米、日本2位に”(参照)から引用する。

日本に暮らす中南米の出稼ぎ移民が昨年、本国の親族らに総額26億6500万ドル(約2900億円)を送金したと推計され、米国に次ぐ第2位の中南米向け個人送金大国になった。


2003年の日本の中南米に対する政府開発援助(ODA)総額約4億6390万ドルの約5・7倍に当たる巨大な額。米国でも中南米への送金額は320億ドルとODAを上回っており、身内の送金が本国の経済を支える実態がより鮮明になった。

 なんなんだろそれ、という感じがする。
 このあたりの話をもっとディープに知りたいなと思うが、よくわからない。
 それでもNHKで聞いた関連の話も面白かった。面白かったというのと違うかもしれないが、備忘のメモをしておく。
 まず、中南米から世界に出ている労働者の総数二千五百万人。その送金総額は五兆円。ほんとかというくらいでかい。うち、日本へは三十万人。大半は当然日系人。送金内訳は、ブラジルが二千四百億円、ペルーが四百億円。足してみるとわかるが、つまり、日本ではこの二国に絞られている。これを、約三千億円として見て、そして送金手数料が三パーセントとすると、その手数料業務だけで九十億円の市場。ま、そういう話。
 メモしてみて思うのだが、すでに都市銀とかはそういう実態を知っているわけだな。そして、ブラジルとペルーの国家にしてもここから外貨をもっと吸い上げたいのでいろいろ工夫もするだろう。というか、その工夫っていうか、規制を含めて、そのあたりが、IDBのメインの話し合いなのではないか。報道からはよく見えないのだが。
 ついでに、他の国から日本への出稼ぎの実態はどうなっているのだろうとも気になる。その送金の業務はどうなっているのだろうかとも。カネの流れているところになにかと社会の真実というもがあるが、でも、その情報というのはダークというかミスティというかそんな感じなのだろう。首を突っ込むと危険だろうなという印象はある。

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コメント

いつも楽しみに読ませていただいております。

〆のセンテンスにある「カネの流れ」「社会の真実」はかなりインパクトがあって良いですね。アタシも同感です。本当に掘り下げるのは広瀬隆氏あたりに任すにしても、こうやって草の根で発言してゆけば、やがて世の中の視線が、少しずつでもコトの真実に向けられてゆくと思います。

投稿: Nagarazoku | 2005.04.09 11:39

おひさしぶりです。
このあたりはfinalventさん詳しいかと確信してたんですが…。
沖縄移民は南米以外にも大量に散ってます。
プラス、モアイの制度で親族内を領収書なしにカネが流れていきます。
で、琉球銀行の大株主は旧王家の尚家。
…まあヤマトから見れば推測でしかないですが、経済の二重統治構造はあると思ってます。

日本基準だと貧乏に思われがちですけど、案外したたかだと思いますよ(あくまで外部からの想像でしかないですが)。

投稿: エスねこ | 2005.04.09 14:30

始めまして
楽しみにみておりますハマラージャといいます。
この話題で少し木にかかっていたのですが、外国への銀行
送金手数料平均3%っていのは、ゴルァ!
とり過ぎだろが!って言いたくなりません?

1ヶ月の稼ぎのまるまる1日分を、ただ電子的にデータを
付け替えるだけで、とりあげるなんて、税務署より悪辣。
ひどすぎますね。30日には休日があるけど、休日も
働くための安息日と、強引に、考えます。

それで地下銀行・・・向こうの人とこちらの人で
相殺しあう、ノミ行為みたいなのがあるとすぐに摘発されますね。
インターネットが発達したんだから、もうすこし何とか
ならないものでしょうかね。小口を大口にまとめるとか。

投稿: ハマラージャ | 2005.04.09 20:17

エスねこさん
>琉球銀行の大株主は旧王家の尚家
どこの情報ですか?
尚家にはそんな財力は無いどころか、現実として大株主ですら無いハズですが。
琉球銀行の設立経緯からしても、尚家が関与する余地なんて微塵もありませんし。

投稿: くれふ | 2005.04.11 01:54

くれふさん
>どこの情報ですか?
>尚家にはそんな財力は無いどころか、現実として大株主ですら無いハズですが。

在沖時代に地元の人から何度も聞かされてた話なんで、特に調べてはいませんでした。ガセなんですかねえ…だいたいは「琉球新報・琉球放送の大株主」という話もセットになってます。
あと、モアイ崩れの補填のてっぺんにいるとか…。

投稿: エスねこ | 2005.04.12 09:30

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