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2005.03.17

釜山港、そして津軽海峡春景色

 反日嫌韓が不必要に喧しいのだが政治的な裏でもあるのだろうか。ソープオペラ(メロドラマ)の親密さはどうでもいいが、普通の国と国とのつき合い程度にはならないものか。双方に困ったなと思う人も多いだろうが、そうした声はネットなどからはあまり聞こえない。不思議な感じがする。ライブドア関連のマスメディアの素っ頓興(誤字)もだが、先日の人権擁護法案反対コピペ運動のように、なんか情報の流通が変だ。

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 この日韓の反目でメリットでも得ている勢力があるのか、といえば……全然思い当たらないでもないが、と、つらつら考えながら、そういえば釜山港ってどうなっているのだろうかと、この数日気になっている。日本と距離的に近いということもあるが、歴史の視点からも日本にとってもっとも身近な韓国の港である。が、歴史の話は今日は書かない。
 釜山港はアジア有数のハブ港というだけでなく、日本海事広報協会の2002年のコンテナ取扱量の順位をみると世界第三位である(参照)。が、この資料はすでに古くて、現在は上海とシンセンに抜かれて5位。なので、挽回策に必死中。いずれにせよ、この10位以内のリストに日本の港は一つもない。15位以内にもない。19位に東京港がちょこっと顔を出す程度だ。その後、17位にちょいとアップ。港町横浜は見る影もない(28位)。名古屋は自動車産業の活性もあって24位。
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コンテナ取扱量
 日本の港の衰退は、こうした物流の最終地点が日本だからということなのか。そうした観点で見るなら、石狩湾新港のサイトに、2003年の話として、韓国、中国、東南アジアを結ぶ石狩湾新港への新定期コンテナ航路の話が興味深い(参照)。

このたび開設された新コンテナ航路は石狩湾新港/新潟/釜山/蔚山/光陽/上海/寧波/塩田/香港/ホーチミン/バンコク/レムチャバン/香港/塩田/寧波/上海/釜山/蔚山/苫小牧/室蘭/石狩湾新港のルートを5隻で運航し、当港には毎週木曜日に寄港します。当港の平成14年のコンテナ取扱量は、約26,000TEU(対前年比約14%増)で、平成9年の韓国・釜山港との定期コンテナ航路開設以来、着実に伸長しており、今回新たに韓国・中国・東南アジア航路が加わったことにより、さらに取扱量の増大が期待されます。
 また、これまでの韓国・釜山港に加え、上海や香港などでの積み替えが可能となったことにより物流ルートが多様化し、荷主企業の利便性がさらに向上します。

 同ページにあるその地図でそのルートをぼんやり見ていると、やはり日本への物流の最重要地点は釜山港のようにも思える。
 こうした物流の釜山港へのシフトは阪神大震災による神戸港への打撃の影響もあったらしい。震災前世界ランキングで4位くらいだったのが、最新データでは29位。余談だが、アテネでツヤのいい年寄りから自分は神戸のことはよく知っているぞとかよく話かけられた。昔は神戸港が栄えていたのだからね。
 釜山港が盛況なのは、当然釜山の地の利というものあるのだろうとは思っていたが、そうでもない話も聞く。曰く、日本国内メーカーが日本国内向けに作った製品の配送のために、いったん釜山港に運び、そこから日本の地方港に運んでいるというのだ。つまり、日本国内を陸路でトラック便を使うよりも安いらしい。実態がよくわからないが、それもありなんだろうなと思う。宅配のような急ぎでなければ、海路のほうが安くなる。それにしても、国内配送を迂回するために韓国の釜山港を使うのも、ちょっと奇妙な話ではある。
 いずれにせよ、釜山港側でも今のところは日本はいいお客さんではあるのだろうし、なにより中国と日本を結ぶ中継地としては、高雄よりも利便性の点でよいのかもしれない。逆にそれだけ日韓にメリットがあるなら、もっと反日感情などを抑えてもいいのではないかとも思うが、そのあたりの韓国の事情がわからない。地図をざっと見ると、釜山とソウルの距離の差というものなのかなとも思う。ソウルは北朝鮮に向き合っているが、釜山は日本に向き合っている。
 釜山のデメリットは? ニュースを見ると、先日の釜山には例年にない積雪が話題だったようだ。雪の弊害で各種社会サービスにも問題を起こしたようだ。とはいえ、そうした雪が潜在的な釜山港のデメリットではないだろう。むしろ、韓国お得意の労使紛争(これで釜山港の業務が停止したことがあるらしい)や、社会治安などが日本が側からするとリスクだろうか。
 あるいは…と思うのだが、釜山港の未来は、日本など意識せず、単に韓国が国際的なビジネスを展開する上でアジアや太平洋に開かれている良港ということかもしれない。日本がこのまま人口とともに経済も縮小化していけば、釜山港の対日的なメリットは相対的に低くなるだろう。
 というあたりで、ぼんやりと地図を見ていると、つい歴史に思いが向かう。「これって、不凍港じゃん」とふいに思う。これって不凍港だよな…この港が一番欲しい国って…と連想が進む。いやいやそれは連想じゃなくて、妄想なのだろうか。
 ……と書いたあとで、ちょっと調べ直した。ありゃりゃ。文章の全体をまとめ直すほうがいいのだが、手間が惜しいので、だらっと書き足す。
 「ありゃりゃ」は、釜山から津軽海峡を越えて北米に至るコンテナ輸送の日本海ルートのほうが、太平洋側をまわるよりも2日も早いのだね。ラジオでの話などで津軽海峡は今物流の重要地点だとか、なんどか聞いたが、そういうことか。っていうことは、釜山港というのは、日本国内へをマーケットにしているというより、明らかに津軽海峡を通過して北米ルートに乗ることが想定されている港なんじゃないか。っていうことは、津軽海峡がキモでしょ。
 ひびきなだのサイトにある物流の地図(参照)を見ると、目出度く釜山がシカトされているけど、こりゃどう見ても、米中交易の拠点は釜山と津軽海峡じゃないか。いや、この地図が実に含蓄が深いのだけど、釜山と高雄は、日本の太平洋側といわゆる裏日本との対応になっているわけだ。ネットなどを見ると、反韓親台みたいな意見が目につくけど、もしそうなら、こうした経済の根幹部分を考えないといけないのではないか。
 あるいは、別に反韓ということではないが、日本海側にもっと重要な物流の拠点を作り、さらにロシアを視野に入れたら日本の新しいビジョンが描けるかも。言うまでもないけど、石油の産出量はロシアがサウジアラビアを抜いているのだし、そうした輸送路も…重要でしょうね。

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コメント

すでに、中国北部から米国へ向かう航路は、津軽海峡通過です。船籍はほとんどパナマでしょうが、オリジナルの国籍は、日韓中台などが、大手3アライアンスが中心。

プサンもそうですが、ハブ港になる最低条件は365日24H稼動。日本にはまったくありません。稼働時間は1/2以下かな・・原因は、ある組織でしょうけど。

投稿: おおた葉一郎 | 2005.03.17 13:06

えーと、物流がらみ側から見ても、海運が使えるととてもすばらしいことなんですが、国内の港湾が使える状況かというと大きな声では言えないがもごもご……。という状況ですね。原因はやはりおおたさんの言われるある団体かと……。

ま、「どこそこの社長が生意気言ったんで土下座させてやったわい」なんて話が出るような状態ですと、企業の物流担当者なんてものはひっそりと口を閉ざすしかないんです。くわばら、くわばら。

投稿: べにらぼうなまる | 2005.03.17 13:43

日本にハブ港がないのは

(1)博多港を除き日本の主要コンテナ港は他の東アジア主要港が行っている24時間365日同一条件でのフル稼働体制をとっていない。
これは日本が不況に落ち込む前には、アメリカが貿易障壁として執拗に問題にしていた。

 既にコメントついてますが、荷役労務はヤクザ利権なので、行政がなかなか口だせない。もしかしたら、だからこそ国内港湾の緩やかな死を狙ってるのかもしれませんが(嘘

(2)国土交通省(の前身)が、バラまきで港湾整備やったために施設面では日本の主要港は他の東アジア主要港と比べて優位性を持っていない。その結果、大型コンテナ船が接岸できる大深水バースが不足している。今の時点でも、主要港が大深度バースを整備しようとしても認められない一方、いまだに需要の無い地方港湾にコンテナ揚陸設備などを整備してます。


国内企業が国内港湾を忌避してるというより、経済原理を無視して利権がはびこった国内港湾が勝手に衰退しただけです。デフレで日本の港湾のような不経済なシフテムに依存するわけにはゆかなくなった、と。

投稿: ■□ Neon □■ | 2005.03.17 14:26

>Neonさん
何故博多港だけ24時間365日同一条件でのフル稼働体制を取れているんでしょう?
そこのヤクザ組織だけ理解があるのかな?

あと、津軽海峡がそれほど重要な物流のルートなら、函館をハブ港にするといいかもしれませんね。
ここならロシアも視野に入れられそうだし。

投稿: Baatarism | 2005.03.17 14:52

私が書いた、「ある組織」は右のほうではなく左のほうだったのですけど、あまり違わないのかな・・

投稿: おおた葉一郎 | 2005.03.17 15:32

>Baatarism 氏

博多が24時間にできたのは、(博多港の浚渫土砂の処理を兼ねて)近年埋め立て整備したため利権が無かったからではないでしょーか。

>おおた葉一郎氏

神戸港と言えば山口組。

投稿: ■□ Neon □■ | 2005.03.17 15:57

素人ですが、航路を見ると津軽海峡周辺の日本のコンテナ港は苫小牧と八戸なのでしょうか。
日本の港湾事情ってかなり複雑そうですが、どこかにいい解説サイトないですかねー

投稿: Lou | 2005.03.17 21:27

日本列島の構造上、アジア大陸の構造上、どうしても日本海側は、太平洋側よりも閑散としやすい。この周辺地域の人口密集地帯は、気温が温暖な太平洋・東シナ海・南シナ海の沿岸部に広がり、気候が寒冷で規模が小さい日本海沿岸部は、人口の多い湾岸都市は、韓国の釜山くらいしかないわけで。日本海沿岸部の日本やロシアの都市は、いずれも人口規模は百万人以下の小都市ばかりである。

投稿: (anonymous) | 2005.03.17 22:27

>おおた葉一郎

貴方がおっしゃってる左のほうの組織って言うのが、怪童の事を言ってるなら、貴方は間違ってませんよ。怪童は山口組の下部組織です。
山口組四代目竹中正久が暗殺された愛人のマンションの借主は、部落解放同盟(解同)大阪府連合会飛鳥支部の小西邦彦、先ほど逮捕された、ハンナンの浅田の息子は山口組幹部


投稿: eternalwind | 2005.03.18 04:08

eternalwindさん、応答願います。

投稿: 何卒 | 2005.03.18 20:47

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