« 今年の日本はどうなる、もちろん冗談配合 | トップページ | 緋寒桜とタンカン »

2005.01.07

雑談というか「汚い爆弾」のことというか

 話は多少錯綜する。というか雑談に近い。
 国際ニュースは現在、スマトラ沖地震津波に覆われているような形だが人的な被害を考えれば当然のことでもあるだろう。ただ、情報にはノイズともつかないのだが各種の要素が絡み合う。それもしかたのないことではあるのだが、その割に今回の津波被害の報道では、アチェ問題やマラッカ海峡問題なども関連しているのだろうに、そのあたりの考察はあまり見かけないように思う。
 またそれとも違うが興味深い指摘としてはニューズウィーク"The Twists Of Fate(日本版「意外に小さい経済損失」)"(参照)があった。


The imbalance between death and economic destruction is striking. In a new list of the 10 costliest earthquakes ever, reinsurer Munich Re puts the Sumatran tsunami at No. 8, based on a conservative early damage estimate of $10 billion, while the death toll has surpassed 140,000.

 死者は残念なことに今後も増えるのだが、それでも、同記事によれば40人の死者を出した新潟県中越地震の被害想定額が440億ドルであるのに対して、今回の津波被害は100億ドル程度。その倍に膨れたとしても、新潟県中越地震の被害想定額に及ばない。不謹慎な話ではあるし、"The Twists Of Fate"とは言いたくもないが、そういう側面の事実がある。
 津波以前の国際問題の話題の軸とも言えたイラク状勢やテロとの戦いについてだが、やはり津波報道にやや隠れたかに見える。
 イラク状勢については目前に迫る選挙が当然問題であり、それが可能か延期かという話題になりがちだ。治安が不安定なら可能ではないだろうというあたりの話がNHKからよく出てくるようだ。国連の意向なのだろうか。選挙の問題は治安というより、実施されればシーア派が優勢になることのイラク国内の政治権力のバランスだろう。だが、この問題の考察もあまり見かけないように思う。
 テロ戦については、第二期ブッシュJr政権を前にしてということか、さらにわかりづらくなっている。そうした中、テロ戦の文脈として、5日付BBCに"'Loose nukes' fear spurs US-Russia action"(参照)として、「汚い爆弾(dirty bomb)」のエッセイが掲載された。見出しがさえている。

Just days before Christmas, a secret flight took off from the Czech Republic heading for Russia.

 チェコから極秘の飛行機がロシアに向かったとのこと。そしてこう切り出す。

Until it touched down amid tight security, the details of the flight were kept highly classified for fear of terrorists intercepting the cargo - four specialised transport canisters containing 6kg of highly enriched uranium which could be used for nuclear weapons.

 ようは、ソ連下、冷戦時代の核兵器用の核物質の管理をロシアと米国がやっきになって行っているという話だ。

So far, as well as the 22 December Czech flight, there have also been deals with Serbia, Bulgaria, Romania, Libya and Uzbekistan to return materials from reactors back to either the US or Russia where the technology was developed.

 こうした核物質管理はいわゆる東欧で現状進められているのだが、BBCの話では、テロリスト組織アルカイダの手に渡らないようにということになっている。
 この手の話はBBCのお得意とも言えるもので二年前、2003年にもこうした話題を振りまいていた。例えば、"アル・カーイダが「汚い爆弾」開発か 英BBC放送が報道"(読売新聞2003.2.1)ではこうだ。

英BBC放送は三十一日、国際テロ組織アル・カーイダが、爆発時に放射性物質を周囲にまき散らす「汚い爆弾」の開発を進めていたことを示す情報を英政府が入手していると報じた。

 この話は、英政府当局のリークらしく、アフガニスタンのアルカイダが「汚い爆弾」のマニュアルを持っていたとのことだ。
 当時の話の流れを追うと、前年2002年5月にシカゴ空港でホセ・パディヤ容疑者が「汚い爆弾」などによるテロを米国内で企てたとして逮捕された事件との関連ではあるのだろう。
 こうした話を思い出すのも、このところ、ホセ・パディヤ容疑者への援護の活動が米国取り上げられるようになってきているからでもある。例えばCNN"Attorneys for accused enemy combatant demand U.S. prove its case"(参照)などがある。彼は米国市民権を持つ米国人だが、パキスタンでアルカイダと接触し、その地でテロを計画して、米国に戻ったとされている。
 話が少しごちゃごちゃしてしまったので単純な疑問に戻すと、現在「汚い爆弾」の危機は迫っているのだろうか? そしてそれはテロ戦と関わりがあるのだろうか?
 「汚い爆弾」だが、これは潜在的な問題であって早急の問題ではないと見るべきなのかもしれない。それでもその潜在的な危機故に米国とロシアは強調しなければならなくなっている。そしてそれらの協調はテロリスト集団がそれぞれの思惑の仮想であるとしても、両政府に都合のよいものである。
 陰謀論に立ちたくはないが、ご都合によってテロリスト集団なるものが立ち現れたとき、それがどれほど仮想であるかは、逆に潜在的な脅威である「汚い爆弾」の関与によって推定できるかもしれない。

|

« 今年の日本はどうなる、もちろん冗談配合 | トップページ | 緋寒桜とタンカン »

「時事」カテゴリの記事

コメント

目から鱗です。人命はお金に変えられるものではないんですね。

投稿: | 2005.01.08 03:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/657/2497038

この記事へのトラックバック一覧です: 雑談というか「汚い爆弾」のことというか:

» 孤児3万5千人、人身売買組織の動きも インドネシア [Battle Online]
孤児3万5千人、人身売買組織の動きも インドネシア 【朝日新聞】 さっきTVでタイのカメラマンの映像で、津波らしい波も来ずにあっという間に水位が上がってい... [続きを読む]

受信: 2005.01.07 13:50

» チベット人僧侶がダライ・ラマの写真を所持していたとの容疑で逮捕される(グチュスムの会 05.01.04) [北朝鮮・チベット・中国人権ウォッチ−東北アジアの全ての民衆に<人権>の光を!]
チベット人僧侶がダライ・ラマの写真を所持していたとの容疑で逮捕される(グチュスムの会 05.01.04) <翻訳:まこと>  グチュスムの会は、Magar ... [続きを読む]

受信: 2005.01.07 15:54

» スマトラ沖地震の津波画像 [音楽仕事生活]
津波の画像が家族から届いた。外国のジャーナリストである知人から送ってもらったものだそうで、偶然ビルから津波を撮影したものらしい。巨大な津波が街に襲いかかる瞬間を... [続きを読む]

受信: 2005.01.08 00:13

« 今年の日本はどうなる、もちろん冗談配合 | トップページ | 緋寒桜とタンカン »