« ディエゴ・ガルシア(Diego Garcia)の津波 | トップページ | 雑談というか「汚い爆弾」のことというか »

2005.01.06

今年の日本はどうなる、もちろん冗談配合

 今年の日本はどうなるのかなと正月もあけて少し考えた。結論もないのだが、そのあたりのことをちょっとお笑いで書いておこう。
 今年はどういう年かといえば、端的に増税の年でしょう。もちろん、一気にどかんと来るわけでもないが、今年から増税に明確にシフトしたよということだ。目立つのは定率減税の廃止(段階的)だが、これとても極東ブログ「増税すると労働時間が減り生産力が落ちる」(参照)で触れたように平均的な世帯で年間三万円くらいの増税ではないだろうか。それ自体はたいしたことはないとは言えるのだろう。
 話を蒸し返すようだが、平均的な世帯というのは実はよくわからないものだ。現代でいうと年収500万円から700万円くらいだろうか。子供は小学生・高校生の二人といった感じだろうか。もちろんモデル世帯の設定はどっかにあったとは思うが、世間の風で考えみたい。
 そこでこうした平均的な世帯の妻なのだが、なにかしら小銭稼ぎのパートをしていると言っていいように思う。ので、考えるのだが、昨年に決まっていたことだが、今年から「配偶者特別控除の一部廃止」が家計に影響を与えるだろう。あれだ、従来、パートなどの給与収入が103万円未満の配偶者がいると、配偶者控除に合わせて配偶者特別控除も受けられていた。が、配偶者特別控除は廃止。配偶者特別控除が受けられるのは、給与収入が103万円を超え、141万円未満の配偶者がある者となる。
 簡単に言えば、奥さんがパートに出ればそれだけ、税金がかかるよということでもあり、また、普通のサラリーマンならなんとなく控除してもらえた38万円の枠がなくなったということだ。つまり、結果的に増税と言っていい。これが平均的な世帯に与える実際の増税額としてはどのくらいか、なのだが、だいたい五万円くらいのようだ。
 これに社会保険関係の細々とした値上げがあるので、総じて、来年は普通の世帯で年間十万程度の増税となると見てよいのではないか。年収に比せばたいした額でもないともなるが、これって、可処分所得だから、いわゆるお小遣いに直撃するわけで、夫婦それぞれで、月額でだいたい五千円ほどお小遣いが減るということになる。
 そう考えると、うっぷす!、痛いな、ということか。独自なエンタイメント世界のフロンティア雑誌「素敵な奥さん」などを見ると、節約主婦の家計でも、けっこう自動車の維持費や酒・タバコの出費があるようなので、そのあたりを含めると案外、旦那は月額で一万円小遣い減だろうか。しかし、現状でも旦那の小遣いは二万円程度なので、して考えるに、塗炭の苦しみ、というか、今年も「我が妻との闘争」(参照)は楽しめる展開となるのだろう。
 こうして世間の風でブレークダウンして見ていくと、ニューズウィーク日本語版"世界があきれた「ケチ大国」"(2004.12.29-2005.1.5)なんてくそ記事だとわかる。不景気に対してこう切り出す。


 04年は、それが逆転してもいいはずだった。消費拡大を期待する楽観論を後押しする根拠も山ほどあった。

 おう、山ほど聞いたろうじゃんか。

 05年3月期の企業利益は2期連続で過去最高となる見通しで、就業者数も確実に増加している。


 強気に生まれ変わった消費者が、今度こそ世界第2の経済大国をデフレの闇から救い出してくれるにちがいない。そう期待して楽観主義者たちは待ち続けた。
 だが、彼らはいまだに待ちぼうけを食らわされている。04年7~9月の個人消費は前期比で0.9%増(年率)。7月に内閣府が予測した2.6%を大幅に下回った。7~9月の実質GDP(国内総生産)の成長率が年率0.2%に留まったのも、消費の低迷が大きな要因だ。


 日本のケチな消費者は、世界経済にとっても困った存在だ。

 う、うるせー。
 とはいえ、外国はそう日本を見ているだろうし、今回の津波支援で日本がドイツとタメ張って不気味な見栄を切っているのも、支出の回転を回したいからではないかと邪推したくなるほどだが、さて、こうした外人の視点は正しいのか。われわれはケチか。月額小遣い一万円の身では鼻でせせら笑って終わりだが、ちょっと考えると、こうした外人視点は嘘だ。
 確かに企業利益は上がった。大規模製造業だと二倍ほどにもなっている。だが、それ比して売上げはほぼ横這い。業態によってはウハウハ(死語)しているところもあるだろうが、総じて見れば、売上げは増加してないのに企業利益が増加している…で、どこで利益を出しているかというと、あれでしょ、社員首切りというか、パート労働者とかにしているからだ。つまり、雇用リストラがテッテ的に進んだということ。
 雇用リストラはもう限界だからこれ以上は進まないという話もあるにはあるが、ま、最大の雇用リストラ対象である公的部門がマダマダだし、それにぶら下がっているところはもっと刈り込めるというか、実質、それが非都市部を襲いだしている。だいたい、日本の社会は経済活動において民間部門と公的部門が分離していないし、その融合というかは非都市部のほうが深刻だ。なので、いろいろ、マダマダ、社会変動があり、それは社会事件に反映してはくるだろう。
 話を先の増税に結びつければ、日本社会の労働者のかなりがパート的な労働者となり、そこでは実質的に賃金は低下していくし、そしてかつての大企業の年功序列の逆で、歳を取るにつれパート的な賃金は低下する。
 そうした労働者の社会を保護するには欧州並みに国家のセクターを巨大化するしかないのだが、欧州のような小国家のモデルが大国日本に当てはまるわけもないだろうし、国家の肥大はまず雇用調整を必要としているはずの公的部門の劣化を招くだろう。
 と、金子勝的なおちゃらけ話で図に乗るのはこのくらいにしても、全体の構図自体は、雇用リストラと消費の縮退ということで、今年はいちだんと世相が暗くなるのではないかなと思う。なにも、暗いニュースなんてことさらに暴き立てなくても、今年は、十分、日本は暗いのではないか。一連の増税が軌道に乗れば、今度は消費税が欧州並み目指して上がるだろうし。

|

« ディエゴ・ガルシア(Diego Garcia)の津波 | トップページ | 雑談というか「汚い爆弾」のことというか »

「生活」カテゴリの記事

コメント

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20041121AT2D1903N19112004.html

申し訳ありませんが、売上は今回の景気回復では「増加」しています。
わずか2~5%ではないか。と思われるかもしれません。しかしながら企業会計を少し勉強したものならわかりますが、総売上は5%増加→仕入れを差し引いた総利益も5%増加→しかし固定経費を横ばいにできれば→(今回の決算のように)経常利益は数十%増加します。
つまり、最大の固定費である人件費を削らなくとも横ばいにできれば売上の伸びがほんの数%でも経常利益はどんどん増えていきます。
但し、逆も又同じです。売上がほんの数%でも縮めば経常利益は爆発的に減少します。それを固定費の削減で対応するには一挙に数十%削らなければつりあいません。
すなわち、これが売上の減少につながるデフレ経済の怖ろしいところです。

投稿: F. | 2005.01.06 22:58

こういう話を読むと、リフレ派に賛同する私としては、インフレターゲットを設定して、それを達成するために政府通貨発行か日銀国債引き受けをして、それで得た通貨発行益を増税の代わりの財源にすればいいのにと考えてしまいます。
増税で景気を冷やすよりはよほど良い政策だと思うんですけどねえ。

投稿: Baatarism | 2005.01.07 00:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今年の日本はどうなる、もちろん冗談配合:

» 男と女の日本経済。 [Espresso Diary]
国の借金は多くても、個人には資産がある。だから日本は悲観しなくても大丈夫だ。本当に、そうでしょうか?少し前までは、「国の借金は夫婦の間の借金みたいなもの」と言う... [続きを読む]

受信: 2005.01.23 23:01

« ディエゴ・ガルシア(Diego Garcia)の津波 | トップページ | 雑談というか「汚い爆弾」のことというか »