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2004.11.27

ようやくiPodを買った

 ブラックフライデー! いやいや、iPodを買ったのは先日のこと。でも、今頃iPodを使っているというわけだ。SE30を買い、IIciを買い、キューブを買ったMacマニアの自分だったが、この数年、なーんかAppleには引いてしまっていた。それでも、G4と電気スタンドiMacはある。けど、特定の作業以外には使っていない。Windowsがいいとも思わないけど…うだうだ。

cover
Apple iPod 20GB
Click Wheel Mac&PC
 要するにiPodはちょっと出遅れてしまって、なんかバツが悪いような感じで、使ってなかったのだ。Rioもあるし、MP3対応オリンパスのICレコーダーもあるし、MDも2台使い回しているし、ま、いいかぁと。iPodなくても困んないよね、と。違いました。iPodで生活行動が全面的に変わりました。古いやつ、ぜんぶ、お払い箱。
 iPodもそろそろ買うしかないかなと思ったのは、4世代目のを見て、Newsweekのカバー(参照)を見たときだ。こりゃ、Appleがどうこうっていう時代じゃないなと。20GBのを買った。音楽だけなら5GBでいいので身近なものにはminiを勧めた。で、Newsweekの記事だが、英語でよければ以下にある。

 なるほどね的な話は言い尽くされている。しいていうと、意外に音が悪くない。オートパワーオフが自然なのも便利。
 iPod買って私はどうしたかと言えば、ま、例外ではない。マシンに溜まっているMP3を吐き出す。それから手持ちのCDをがんがんエンコードしなおした。いろいろ考えたけど、マシン側と同期はとらないことにした。どうせ、CDで持っているのだし。
 転居後の家にある目ぼしいものはiPodに入れた。それでも2GBにはなってないようだ。
 そして聞く。Newsweekの記事にもあったけど、げ、懐メロばっかじゃん。っていうか、オリビアニュートンジョンとかきいていると自分が高校生のころを思い出す。って、無意味にちんこが立つ歳でもないが…。キングクリムゾンはやっぱりREDが最高とか…。クリントン・オヤジじゃないけどジョニミッチェルはどれもいいよなぁとか…歳をとるっていうのはこういうことだね。
 やべーな。これって、懐メロ機じゃん。と思いなおして、最近の曲も…ってわからん。ブリトニーとかアブリルとかそんなに聞くもんじゃないし。そうだそういえばとサロン・コムのオーディオで毎週無料のMP3コーナーがあったよなと、それを入れる。これが、けっこうよい。Lonesome Touch(参照)とか知らなかったです(恥)。
 で、入れても入れても20GBには遙かに及ばない。ええいと思って、コーラン朗詠(んなものを持っているのだった)とかグレゴリアンチャントなんかも入れた。意外に歌を聴いていると疲れるので、アンビュエントなのがいいのだね。
 なんかなんでも入るような気がして、入れる入れる。好きなラベルの「夜のギャスパール」なんか、ミケランジェリ、アルゲリッチ、ボゴレリチなど何バージョンもあるぞ。ちなみに、誰の演奏が一番いいかというと、野島稔(参照)です。ポゴレリチの演奏は興奮するけど外道です、はい。ラフマニノフのピアノ協奏曲なんか、最近、ご本人の録音とかCDで出ているので(参照)、キーシン(参照)だのアルゲリッチだとのつい比べてしまう。
 ついでにラジオのシステムも変えて結局ラジオ深夜便までMP3化してiPodに入れるようになった。あー、便利。ついで、VOAのrmファイルをMP3に変換して聞いたり…。
 これで「ビジネス英会話」が杉田敏先生だったらいいのになと思ってNHKの番組欄を見たら、あれれ、杉田敏先生(参照)、いつのまにか復活ですね。いやぁ、ファンの力ってすごいものです。極東ブログが明日消えたら消えっぱなしですよね(僻)。
 技術的に見ればiPodなんてどってことないんだけどねと言い訳してきたけど、これは美しさの点でCubeに劣らないし、操作インタフェースもこれ以上ってないんじゃないか。
 実はこれまで米国AOL経由で懐メロを落としてきたけど、プロテクトのかかったRealMedia対応なのでめんどくせーったらないので、さっさとiTuneのオンライン販売が始まるとよいなと思う。
 それにしてもこうなると業界もあれだな、負け。日本だとこの装置のプロテクトの甘さなんかが四の五のうるせー議論になって沈没だけど、ジョッブズ様だとなんでもやってしまうものだ。もっとも、これが普及すれば、デジタル万引きなんて今の規模ではなくなるのだろうけど。

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2004.11.26

パニックを避けつつマーガリンとショートニングを日本社会から減らそう

 ネタとしてエントリを書くと誤解が広まる可能性があるので、できるだけすっきりと書くことにしたい。要点は、日本社会の加工食品から漸次マーガリンとショートニングを減らすようにしたほうがいいという提言である。
 これらがもたらしうる健康への害は日本の場合、メディアを通じて社会ヒステリーになる可能性があるのではないかと思う。現状では、食品会社がこの情報をできるだけ抑えているようにも見受けられるので、そのことが逆に作用しないように、少しずつ現実を改善したほうがいいだろう。
 マーガリンとショートニングは製造的には水素添加によって液状の油をバターやラードのように低温では固まる硬化油に改造した油脂分だ。このため、かつてはマーガリンは人造バター、ショートニングは人造ラードとも見なされていた。
 マーガリンとショートニングの脂肪を構成する脂肪酸は、トランス脂肪酸(trans fat)と通称されることが多い(厳密にいうとトランス脂肪酸を含まないマーガリンも可能)。この脂肪酸が健康によくないとする研究が欧米で高まり、すでにデンマークでは使用禁止となった。これに加えて、一昨日カナダの下院(衆議院)で使用禁止の議決が多数を占めた。これから法制化に向かうのか、加工食品産業に与える影響が大きすぎるので暫時禁止となるのか社会問題になっている。
 米国ではすでに昨年の時点で話題にはなったが、米国の場合は、禁止ではなく表示義務化の方向であり、つまり、消費者が加工食品において、トランス脂肪酸の食品かそれ以外を選択できるという方向になった。ただし、トランス脂肪酸は自然界にも存在しているので表示義務については技術的な問題も残されてはいる。
 日本ではこの問題は事実上社会的に隠蔽されているように見受けられる(たとえば、健康によいとされているエコナは通常の油よりトランス脂肪酸がやや多い)。あきれたことにと言っていいと思うが、「買ってはいけない」などに見られる消費者運動は1970年代の知見のまま反資本主義的な運動に終始しているので、どうでもいいようなグルタミン酸などを敵視しているが、トランス脂肪酸の問題は重視していない。それどころか、これらの運動に連携した食品会社はトランス脂肪酸を含む食品を製造している。
 日本語で読める記事はないかとサーチすると、韓国東亜日報の日本語記事"果たして、ファーストフードはすべてが有害なのか"(参照)が出てきた。ここでいう国内は韓国を指している。


トランス脂肪酸は血管の細胞膜を堅くしてコレステロール濃度を高める。たくさん摂取した場合には、心血関係の疾患を起こす。米国食品医薬局(FDA)は2006年から、すべての食品にトランス脂肪酸の含量を表示するようにした。現在、国内ファーストフード会社にはトランス脂肪酸含量の分析資料がない。

 健康への問題は現状では循環器系への悪影響が注目されているが、他にも、"マーガリンのトランス脂肪酸が痴呆の引き金に"(参照)といったその他の面での問題が今後も指摘されるだろう。というのは、各種の脂肪酸は人体でホルモンの合成に関わっているのだが、トランス脂肪酸はこの代謝に問題を引き起こす可能性もある。
 時事的な問題に話を移すと、ニュースはカナダCBC"MP's trans fat comments no small deal"(参照)などで読むことができる。

The NDP introduced the motion to address concerns over the connection between trans fat and heart disease. The House of Commons voted 193 to 73 in favour of Winnipeg-Centre Pat Martin's private member's bill.

 下院での投票はトランス脂肪酸の禁止の法制化に大差を付けたかたちになった。なお、報道面では同じくCBC"Banning bad fats"(参照)が詳しい。
 こうしたニュースからもう一つの背景が見えてくるのだが、それは子供の健康という側面だ。つまり、次世代の子供たちに危険な可能性のある食品を作る社会を改善しようとする動きが見て取れる。
 日本の場合、こうした食の問題は、時代倒錯的な「自然食」に収斂されるか、奇怪な健保食品に収斂されるかという状況にある。率直に言って、日本の加工食品の現状からトランス脂肪酸を除くことは不可能に近い。だからこそ、少しずつ理性的に除去していくほうがいいだろう。

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2004.11.25

ウクライナ大統領選挙雑感

 ウクライナ大統領選のごたごたは、国際的には大きな問題だということは頭でわかるものの、私はあまり関心が向かない。単純な話をすると、どちらに心情的荷担するかという部分で宙に浮いた感じがする。しいていうと、ウクライナは親ロシアでやっていくしかないようにも思う。
 対立の国際的な構図としては、EU+米国 vs ロシア、ということなのかと思う。米国はすでに、ヤヌコビッチ首相当選という中央選管発表を正当な結果として受け入れないと、態度を明らかにしている。ただ、米国はここでロシアと対立する気もないだろうから、仕切り直しの時間稼ぎだろう。ロシアとしてもこの地域ではそう明からさまな軍事行動に出るわけにもいかない。
 今朝の朝日新聞社説「ウクライナ――ロシアか欧州かの危機」(参照)でも標題は勇ましいものの、話は腰折れになっていた。


 だが、ここは考えてもらいたい。混乱が長引き、流血の事態になれば、ウクライナ自身が傷を負う。欧州全体の安定や米ロ関係にも悪い影響を与える。
 それを避けるには、誰もが納得できるように集計をやり直すことと、選挙の実態がどういうものであったかを公正な機関に調べさせることから始めなければならない。国民の声に耳を傾け、対話で局面を打開することだ。

 政治というものを敢えて見ぬ振りし、国民という幻想に依存する朝日新聞らしさに苦笑したものの、日本の左翼としては親露も親米も困ったということなのだろう。
 もう一段下の構図には、EU vs 米国があって、これも端的なところ、ウクライナがEU軍に入るのかNATO軍に入るのかということだ。が、そのNATOがややこしい。米国は中長期的にはEUに敵対していくと思われるが、その際、NATOをどう使うのか現状では見えてこない。
 少し話を戻すと、仮に正統な選挙が再実施されても、どちらかよほど優勢ということにならないとウクライナは落ち着かない。台湾総統選でも米国大統領選でも誤差のような僅差だったが、国としての体をなしつつあるのでなんとかなったが、ウクライナはそうはならないのだろうと思う。
 ウクライナの基本的な対立は東西の分裂とも見える。つまりジオポリティカルな要因が強い。これを宥和させるのは難しいだろうと思うのはそのあたりの印象からだが、そのあたり感覚をうまく表現している情報はないかとネットを見ていたら、「GPSの森」というサイトの"ウクライナ"(参照)が面白かった。

 ウクライナは日本とはあまり縁のない国です。多くの日本人はウクライナのことをよく知らないと思います。チェルノブイリ原発事故では有名ですが、被害が大きかったのはウクライナよりもお隣のベラルーシです。ウクライナにはチェルノーゼムで有名な肥沃な国土はあるものの人材や技術が十分にありません。外貨を獲得できる基幹産業もなく経済的にはとても貧しい国です。また、ウクライナは長年ソビエトの支配下にあったために、そのアイデンティティも希薄になっています。この希薄なアイデンティティを象徴するものがウクライナの言語事情だと言えます。ウクライナの公用語はウクライナ語ですが多くのウクライナ人はロシア語を使うことができます。実際、ロシア語とウクライナ語はかなり類似しています。しかし、言語事情はウクライナの東部と西部で全く異なっています。東部にはロシア語はわかるがウクライナ語はわからないという人が多くいます。例えば、首都のキエフという町ではロシア語のテレビ番組、新聞、音楽があふれかえり、ウクライナ語はほとんど理解されません。西部ではその逆です。例えば、ポーランド国境に近いリヴィウの人々はウクライナ語に高い誇りを持っています。リヴィウではロシア語は完全に「外国語」なので、「スパシーバ」(ロシア語)なんて言わない方がいいです。

 この先も興味深いのだが引用はここまでとして、それでも、私の実感としては、ウクライナというものを簡素にうまく表現していると思う。
 いずれにせよ、言葉までが違っているなら国家としての宥和は難しいだろう。もともとかつてのウクライナ独立運動は弾圧されたウクライナ語の解放がその民族的な情念の焦点だった。余談だが、ゴーゴリはウクライナ人だがロシア語を使っていた。
 言語と民族性は必ずしも一致しているものではないが、民族幻想は往々にして言語にアイデンティティを抱きやすい。余談が多くなるが、私が以前台南に旅行したとき現地の老人が極めて流暢な日本語を話している際、どうしても私には彼らが日本人しか見えなかった。言葉というのはそういう幻想を生み出しやすいものだ。
 そういえば、ウクライナ語と米国ということで、なにか無意識にひっかかるなと思って、しばし物思いにふけったのだが、突然VOAだ!と声をついてしまった。VOA(Voce of America)ではソ連崩壊前からロシア語とは別にウクライナ語の放送をやっている。ソ連はそれにむかっ腹をたてて妨害電波すら出していた。面白いことにソ連が崩壊しても、VOAのウクライナ放送は続いている。VOAを通じた米国の情報戦略は、先の「GPSの森」のページにも言及がある、ウクライナ人の北米移民が多いことなどにも関係しているのかもしれない。
 話が散漫になったついでに、文化的な背景の話として、個人的に関心を持っているウクライナ・カトリックのことを少し書いて終わりにしたい。
 まず考察のベースとなるウクライナの総人口だが、2004年時点で4,773万人(参照)。日本の外務省が世界銀行によって前年の統計では4,836万人。誤差というには大きな差があるようにも思える。民族的には73%ほどがウクライナ人。宗教者の多くは正教だが、人口比で見ると、モスクワ教区が26.5%、ウクライナ正教が20%、ウクライナ・カトリックが13%。なので、ウクライナには620万人のカトリック信者がいる。ソ連下では350万人と言われていたから、倍増しているのかこのあたりの状況はよくわからない。ウクライナ・カトリックは1946年、スターリンのロシア化政策によって強制的にロシア正教会に組み込まれた。その後、独立までに数千人の司祭や一般信者などが殺されたり逮捕されたりした。もっとも、1930年代にスターリンが行った強制的農業集団化で起きた飢餓の惨事に比べるとそれほどでもない、というのが悲劇的過ぎる話なのだが。

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2004.11.24

米国ドル安をもってEUと中国を撃沈

 ちょっとスジの悪い話を書く。最初から冗談・洒落を狙っているわけでもないし、ましてそうまじこいているわけでもない、と最初に弁解。が、失笑を買うのを承知の上で、四の五の言わず、書いてみることにする。話は昨今の円高というかドル安と米国の世界戦略だ、いや、ユーロ高問題とも言える、とキーワードを並べただけでスジの悪さが際立つ。
 まずファクツからだが、23日のニューヨーク外国為替市場でユーロ買いが先行し、一時1ユーロが1.3108ドルと、ユーロ導入以来市場最高値が付いた。ユーロ高はドル安ということでもあり、円も対ドル102.87円と板子一枚下は地獄かというか、黙示録のように介入喇叭が鳴り渡るか…というところ。でも、冷静に見れば、たいした話ではないとも言えるのだが…。
 今朝になってドル安傾向は少し持ち直しているようだが、大筋での流れは変わらないし変わるわけもない。ドル安原因についてはあらためて言うまでもなく、米国の財政・経常収支の巨額赤字がドル売り圧力になっている。これに先日のグリーンスパンFRB議長やスノー財務長官の発言への思惑がいろいろ絡む、というか、悪いスジの読みが炸裂する。
 先日のG20(20カ国・地域の財務相・中央銀行総裁会議)でもドル安阻止連携の話題はない。米国は無意味な強さを吹いているだけでドル安協調をとる気はない。ということはそれ自体が一つの米国の対外的な政策でもある。なので、これを一つの国際戦略として読むことも可能だろうという悪魔の囁きは絶えない。
 てなことを思いつつ、別の関心でサロン・コムを見ていたら、変な話"Unilateralism in a different guise"があった。サロンのオリジナルではなくガーディアンがオリジナルらしいので、ガーディアンを見ると、ある。標題はサロンとは違って"US risks a downhill dollar disaster"(参照)と単純だが内容は同じ。ふざけた書き出しで始まる。


George Bush's foreign policy is simple: don't mess with America. The same, it appears, applies to economic policy as well. On Friday, the dollar fell sharply against the euro. That was unsurprising, since the downward lurch followed comments from Alan Greenspan which - by his own cryptic standards - were unambiguous.

 曰く、アメリカって国がどうなっているのか複雑でわからないものだが、ブッシュの国際戦略は単純極まるし、経済戦略でも同様、とくる。対ユーロでドル安が進行しているが、さして驚くべきことでもないのは、まいど言語明瞭意味不明のグリースンパンも曖昧には言ってなかったじゃん、と。つまり、グリーンスパン彦左衛門もブッシュへのご奉公をしているのだろというわけだ。スジ悪な前奏である。
 日本でそろそろ介入ですかの空気だが、EUもそうなりつつある。このままでは輸出が息絶え、各国の国内経済が干上がるからだ。

Joaquin Almunia, Europe's monetary affairs commissioner, said last week: "The more the euro rises, the more voices will start asking for intervention. It has to be a coordinated effort but it seems that our friends across the Atlantic aren't interested."

 EUから見て大西洋対岸のお友だちは介入の気配はない。というわけで、プラザ合意のようなことはないし、そもそも歴史状況が違うのでというか日本がダメダメなので国際的な協調はハナから無理。
 ここで、面白い二つの仮説が提示される。一つはそれほど悪くはない。単に経常収支の改善でしょ、と。

There are two reasons why the Bush administration is not willing to play ball with the Europeans. The first is that it sees a lower dollar as inevitable given that the US current account deficit is running at $50bn-plus a month. A lower dollar makes US exports cheaper and imports dearer.

 山場は第二の理由だ。米国がイラク戦争がらみでEUに報復戦を始めたというのだ。わくわく。

The second reason is that the Bush administration has neither forgotten nor forgiven France and Germany for the stance they adopted over Iraq. Jacques Chirac and Gerhard Schroder weren't interested in helping the US to topple Saddam, and now it's payback time. If the European economies are suffering as a result of the weak dollar, why should the US care? What's happening in the currency markets is simply American unilateralism in a different guise.

 ドル安をもってEU撃沈が真相。爆笑な陰謀論か。陰謀論というのは一度スジが通るとあとはネタは集めやすい、お話も作りやすい。そりゃね。
 かくして二つの理由にさらにもう一個理由が追加される。中国撃沈だ!、というのだ。まじかよ。

Washington may have another reason - apart from getting its own back - for allowing the Europeans to suffer. The US is desperate for the Chinese to revalue the yuan, but has so far utterly failed to get Beijing to agree to abandon its dollar peg. The Chinese, for political as well as economic reasons, are determined to resist American pressure.

 元の調整をする気がないなら、無理矢理やってやるぜというのがドル安だと言うのだ。もちろん笑うっきゃないのだが…と、ここあたりで、我ながらいかんなとも思うのは、スノーはその気かもという疑いは拭えない。
 いずれ、中国経済のバブルはソフトランディングするかハードランディングするしかない。で、エコノミストたちはソフトランディングでしょ、でなきゃ困るでしょ、ハードランディングするメリットはないでしょ…という蛙の歌が聞こえるような輪唱となるのだが、が、そこがわからない。
 ガーディアンの記事でも、ハナからおふざけではなく、ソフトランディングでしょとはしている。が、歴史を見れば、経済はそう統制できないよとも言う。実際のところ、エコノミストも経済学者もその二つのシナリオがあるといい、可能性の提示はするが、現実の政策と結果の見通しだとも言えない。
 誰か私の身代わりにハードランディング説を言っている蛮勇はいかないかと思ったら、思わぬ所にあり。朝鮮日報"SCBチーフ研究員「中国はハードランディングの可能性高い」"(参照)だ。

 ライアン博士は「米国は大統領選以降、再び下降曲線を描いている」とし、「中国政府も現在の過剰投資に対し適切に対処できず、ハードランディングする可能性が高い」と悲観的な見通しを示した。

 へぇ。
 いや、へぇ、で済まされることなのか、よくわからないのだが、ちょっと気になるのは、こうした話のなかですでに日本は存在していないということ。関係ないのか。では、お茶でも一服。

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2004.11.23

シラク大統領の次はサルコジ大統領

 正式な発表は来週に待つことになるが、昨日予想通り、現在経済財務産業相のニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)がフランス与党国民運動連合(UMP)の党首に決まった。当然、2007年の大統領選にも出馬することになる。関心の的は、サルコジが次期フランス大統領となるか、なのだが、現状の流れではそうなる可能性が高い。そして、その意味は、現在のシラク(Jacques Chirac)大統領のアンチクライマックスだ。同じ党であるとはいえ、シラクとサルコジは対立している。
 日本では、実際の国政・経済は米国べったりなのだが、イラク戦がらみもあって、マスメディアやジャーナリズムには反米気運が高く、その対極として親フランス的な言動者が目立つことがある。なので、フランスも帝国主義剥き出しじゃないかというコートジボワール問題についても日本ではそれほど話題にもならない。そう言えば、在沖だった池澤夏樹もパリ郊外に転居した。沖縄という文脈をいまだ課題としているなら、現在のタヒチの植民地政策についてなにか言及して欲しいものだが、どうなのだろう。
 サルコジが大統領選挙候補と言われるまでにならなくても、シラク大統領にはもう後はない。政治家として最後を飾りたいところだ。といえば、ドゴールだのナポレオンだのを連想するようなフランスの栄光ってやつだ。もちろん、ボナパルト再来というわけにはいかないから看板はEUとする。そしてその主導権を握り、トルコやイスラエルなど中近東に威光を示す。かつての植民地だったアフリカ諸国は自国文化に染め上げる。トレビアン。米国なんか世界の田舎者だ。遠方の大国は味方に引きつける。まず、中国。日本も中国の末席に置いてやろう。そうだな国連で日本に無意味な名誉を与えよう。何か悪い?
 何も悪くない。国際政治に善悪なんてない。ただ、そんな夢のような話はうまく行かないだろう。内政での右傾化と外交面でのトルコのEU加盟問題からも推測がつく。
 2002年の大統領選では、シラクは決選投票では極右候補の国民戦線ジャンマリ・ルペンの台頭を許した。いくらエスプリの効いたフランス国民でもこれには泡を吹いてシラク支持の国民運動になった。それでも極右の支持者の層は社会的な影響力を持つほど厚くなっている。
 本音はトルコのEU加盟なんて冗談ですらないのに、EUのトルコ加盟問題もシラクはエレガントにこなした。しかたない。フランスなりEUなりが現在社会の資本主義世界で伍していくにはドイツというエンジンが不可欠。ということはその内部に必然的に組み込まれているトルコ人を排除できるわけもない。それでも、トルコ人を含め反イスラム色を濃くしつつあるフランスの内政に不満は高まっている。
 それでもなんとかやってのけるのが大政治家というもの。幸い、シラクはどこかの国の権力者とは違って、後継者もちゃんと用意していた、はずだった。ドビルパン(Dominique de Villepin)だ。サルコジではない。
 サルコジは90年代前半はシラクの右腕的な存在だった。が、95年の大統領選挙でシラクを裏切った。この時点で政治理念が違っていたのだろう。シラクは当選後、相応にサルコジに冷や飯を、いや冷やパンを食わせた。よいパン? ドビルパンだ。彼が取りなしてサルコジを内務・治安・地方分権相に据えた。警察の最高責任者でもある。サルコジは辣腕を振るい犯罪率を下げた。交通事故なども劇的に減ったと聞く。
 シラクとしてはちょっとスジが違うぞと思った。ので、内務・治安・地方分権相をドビルパンにすげ替えて、代わりに国民の非難が向きやすい経済・財務・産業相にサルコジを置いた。たまりませんね、このおフランス趣味。ところがここでもサルコジは辣腕を振るい、働けフランス人とやり出した。もともとサルコジはがんばるっきゃないハンガリー系の移民の子孫だ。エリートの保証ともいえる国立行政院(ENA)も出ていない。
 でも、インテリはインテリだ。どのくらいインテリかというと、日本の国技を見て、「相撲は肥満体同士の取っ組み合いで、インテリのスポーツとは思えない」とのたまうほど。東京はいかが? 「魅力的な香港に比べ、東京は息苦しい。京都もどこが刺激的なのか理解できない」と。ロランバルトが絶賛した宮廷はいかが? 「皇居の庭園だって陰気なだけ」 いや、おみごと。ところで本気? いや公式には否定するだけの知性もある。
 歯に衣を着せぬサルコジの人気はフランスで高まった。もともとサルコジはシラクなんか恐くないから野心も剥き出しにした。まずは党首から、と。シラクとしては、党首をするなら役職は降りてくれとなった。かくしてサルコジは党首となったものの、事実上、閑職。この間、サルコジ人気が冷めればシラクにとって好都合だ。
 さて、そうなるか。ならないだろうと思う。ドビルパンなどサルコジが大統領となる日を見越しているに違いない。
 現段階で予測するのはお笑いのうちだが、フランスの次期大統領選を待たず、いずれ英国はEU憲法を国民投票にかけるだろう。そして、それは、転ける。そして、それが、フランスにも伝搬して、EU憲法はおじゃんになる。そのあと、サルコジ大統領が勤勉なフランス国家を造りあげるようになるのだろう。

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2004.11.22

胡錦濤のキューバ訪問

 たいした国際ニュースではないのだが、胡錦濤のキューバ訪問が気になって、ネットをうろついてみた。発端は、チリのサンティアゴで開催されたAPEC(Asia Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力会議)関連のニュースを見ながら、中国の胡錦濤国家主席の動向が気になったことだ。
 ニュース的にはAPECに関心が向くのだが、他の側面もある。胡主席は今月の11日の時点で中国を旅立ち、チリ以外にブラジル、アルゼンチン、キューバの中南米四か国も歴訪していた。当たり前だがれいの原潜騒ぎの時には北京を留守にしていたわけだ。帰国は23日ということなのでまだ北京に戻っているわけではない。重慶市の動乱なども胡主席の留守の出来事だった。
 四か国の歴訪といっても、APECのおまけではあるのだろうが、以前のアフリカ訪問などと同様に資源・エネルギー外交の一環でもある。日経系"中国が中南米外交強化・胡錦濤国家主席が4カ国歴訪"(参照)では次のように報道していた。


ブラジルやアルゼンチンの資源開発を軸とした経済交流の拡大が柱。中国は関係強化で資源の確保を図ると同時に、台湾外交の切り崩しや、米国の一国主義への対抗を視野に入れている。

 また同記事では中国が中南米との貿易に熱心だとも指摘している。

中国と中南米の経済関係は毎年緊密化の一途だ。中国海関の統計では1―9月、ブラジルの対中輸出は前年同期比52%増、中南米全体では同46%増だった。日本の中南米貿易の縮小傾向とは対照的だ。

 それはそうかもしれない。末文に日本との比較ということで話に色を付けているのだが、実際はもう少し冷静にみたほうがいいのは、フィナンシャルタイムズ"Beijing blessings"(参照)が皮肉っぽく指摘するとおりだ。

Above all, governments should not exaggerate the scale or impact of Chinese inflows. With or without Chinese investment, Latin America will still face enormous economic challenges. The region must maintain fiscal discipline in order to secure stability. And if it is to create enough jobs and address pressing social problems, it will still need both to do more to help small and medium-sized companies and to attract capital and technology from the developed world. A China windfall will help, but it will not be a panacea.

 試訳は端折るが、フィナンシャルタイムズは、こうした中国の資源・エネルギー外交をそれほど驚異に見るべきではないとしている。理由は、中南米諸国が経済問題を抱えていることに加え、中国も経済的に失速すると予想されているからだ。
 ところで、私が気になったのはそんな偉そうな経済の話ではない。資源・エネルギー外交だという点で、ブラジルとアルゼンチンはわかる。それにチリは今回のAPECの目的地でもある。で、キューバはどうよ? 資源もエネルギーもないよ、あそこ。
 ということで、キューバ? 胡錦濤がなぜキューバ? そういえば高校生の時、岩波新書「キューバ:一つの革命の解剖」だったか読んだな。そういえば中学生の時、日比谷で岡林信康が「サトウ(栄作)を刈りに行く」とか息巻いていたっけ(これは挫折した)…とか連想する。そうだ、キューバって共産主義ってことで中国のお仲間だったな、と。
 ネットをひくと、あたり。そういうことのようだ。Sun-Sentinel紙というフロリダ南部の新聞に"A show of ideological solidarity from China"(参照)という関連の記事があった。

But if the first part of Hu's Latin American tour reflected the needs of a pragmatic new China that has thrown open its doors to dynamic entrepreneurs -- even inviting capitalists to join the Chinese Communist Party -- his last stop, a visit to Havana on Monday, is a nod to China's ideological alliances and a show of solidarity with his communist brethren.

 試訳を端折るが、胡主席のキューバ訪問は投資といったビジネスの要因より、同じ冷戦時代からの共産主義国の誼みがあるようだ。同記事ではキューバのニッケル資源投資なども触れているが、むしろ援助といった意味合いなのだろう。米国のキューバ制裁への当てつけもあるかもしれない。
 記事の後半を読むとわかるが、中国とキューバには共産主義以外にも歴史の絆があった。米国と中国の歴史でも同じだが、苦力といった中国労働者の移民の歴史だ。

China's connections with Cuba date to the 1840s, when Chinese laborers arrived on the island to work on sugar cane plantations. They helped fight the Spaniards in Cuba's war of independence and established a bustling commercial center near Havana's capitol building. By the early 1900s, Havana's Chinatown, or Barrio Chino, was the largest Chinese outpost in Latin America.

Today, fewer than 400 Chinese immigrants remain in the Barrio Chino. Most are in their 70s and have seldom journeyed back to their homeland -- a country they now barely recognize for its economic boom.


 私はキューバには行ったことがないが、ハバナの中華街については知っている。もはや古老が残るばかりとなっているのだろうが、彼らに中国本国旅行といった夢のようなものはあるのだろうか。中国本土の縁者とかはどうなのだろうか。なんとなく歴史と人生の交錯するところに思いが引き寄せられる。
 さらにネットを見ていたら、昨年から中国からキューバへの観光が解禁されていることがわかった(参照)。今年1月には最初の観光客があったようだ。"初めての中国人観光団、キューバに到着"(参照)にこうある。

 中国国家観光局とキューバ観光省が昨年の7月24日に「中国公民の自費キューバ団体観光に関する了解覚書」に調印し、キューバはラテンアメリカで初めての中国公民の観光先となった。直航便がないため、キューバを訪れるには、フランス、ドイツ、米国でトランジットしなければならない。この3カ国のなかで、中国公民の観光先として認められているのはドイツだけで、フランスや米国を経由する場合と比べ、越境ビザを取得する必要がなく、旅費も安い

 だが、先日ラジオで聞いた話を思い出すのだが、イタリアやフランスも中国人観光客を今年から大幅に受け入れ出しているらしい。とすると、そうしたなかでキューバの観光メリットはそう多くはないだろう。マカオの取り締まりを厳しくした埋め合わせに、遠いところにコロニアルなカジノを提供する、というわけでもないだろうが。

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2004.11.21

Googleの自動翻訳に日本語が対象になっていた

 最近IT系の情報に疎くなりつつあるのでみなさんご存じのことかもしれないが、私は昨日発見したので最初は驚いた。Googleに日本語の翻訳機能が付いているのである。例えば、検索結果のページを英語から日本語に翻訳してくれるのだ。試してみると逆もできる。つまり、日本語から英語への翻訳も可能になっていた。私は英語もおぼつかないが、それでも、フランス語やドイツ語となると私はからっきし読めないので以前から英語を軸にした翻訳機能は重宝していた。日本語が使えるとなるとそれはいいぞと思ったわけだ。
 それにしても、いつのまにこんな機能が装備されいるのかと感心した。Googleもさすがだな、自動翻訳の分野にまで技術を持っていたのか。と、あんぐりを口を開けたもの、なわけねー、とか天啓なのか悪魔の弁明なのかあって、シストラン(Systran)と比べてみたら、機能は同じだった。若干シストランとバージョンが違う印象は受けるがエンジンは同じようだ。なーんだ、シストランと提携しただけなのか。
 どこと提携しても精度がよければいいのだが、ちょっと試してみるとわかるが、ベータ版の注意書きに恥じないものである。それでも、なんとか使えないわけでもないかもしれない。ちょっとやってみよう。
 翻訳用のサーバーは以下にある。


  • http://translate.google.com/translate_t

 例文はこれ。

According to a participant, Greenspan told G20 finance ministers and central bank governors meeting in Berlin that the U.S. savings rate was currently around zero and the transfer of savings to consumption was slowing.

 で結果はというとこれ。

関係者に従って, Greenspan はG20 大蔵大臣に告げ, ベルリン米国の節約率がゼロ現在だったと消費への節約の移動で 会う中央銀行ガバナーは遅れていた。

 使えませんね。ちなみにエキサイトなどが採用しているAMIKAIだとこう。

参加者によれば、グリーンスパン、米国の貯蓄率が0のまわりで現在あったとベルリンでG20大蔵大臣および中央銀行知事会に伝えました。また、消費への貯蓄の転送は遅くなっていました。

 開発に日本人が入っていると思われるAMIKAIのほうがちょっとマシかもしれない。
 今後日本でも自動翻訳のニーズが高まるので、技術も進歩していくだろうと思われるので、その意味で、現状での精度を云々するより、そうした市場ニーズがあるよということを喚起していくほうがいいだろう。ビジネス的には、Froogleがすでに日本語でも一部使えるように、通販などで採用されていくといいのかもしれない。
 ちなみに、Googleで翻訳させるには、translateサーバーにURIの引数を渡してやるだけでいいようだ。
 英和の場合はこれ。

  • http://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=en&u=

 VOAをこれを使って翻訳するとこう。

 和英ではこれ。

  • http://translate.google.com/translate?u=

 まだ機能がよくわからないのだが、日本語版のGoogleサービスからは検索の際に自動翻訳は出てこないようだ。Googleの国際版で使える。追記(同日):日本語版Google.co.jpでも装備されていました。

 そして、[このページを訳す BETA ]をクリックすればいい。
 こうしたサービスが日本主導でできるといいなとも思うし、エキサイトやOCNなどはそうした志向があるのかもしれない。自動翻訳技術の難しさは四の五の言うまでもないが、早く実用レベルになるとグローバリズムというのも政治の話題からさらに広がるだろう。

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