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2004.11.06

飛行機売ります的なお話

 話は飛行機マーケットについてのありがちな雑談、なのでそれほどのネタではない、と最初におことわりしておく。先日フランスのシラク大統領ご一行がセールスマンよろしく中国で商談を展開したとき(参照)、エアバスの売り込みもあった。この時の詳細は、中国国際航空が6機を購入し来年から引き渡し。残りの20機を中国東方航空が国際専用に買い入れることになっている(参照)。なお、中国のエアバス購入の累計では、1985年からすでに250機を購入しているとのこと。
 フランスと中国って、たいしたもんだと見るか、しょぼいなと見るか、視点が分かれるだろうか。あるいは、エアバスかよ、じゃパス、と見る向きもあるかもしれない。が、いずれにせよ、中国の飛行機のニーズは今後どかんと膨れるらしい。10月21日北京で発表したボーイング社の中国航空市場に関する報告書を伝える新華網"Boeing: China to demand 2,300 aircrafts in next 20 yrs"(参照)ではこうだ。


Boeing released its Current Market Outlook for China here Thursday, projecting that by 2023 the country's air carriers will require nearly 2,300 new airplanes, making China the largest commercial aviation market outside the United States over the next 20 years.

 あと20年以内に中国は2300機の航空機を購入する巨大な飛行機マーケットになるというのだ。売上額もでかい。1830億ドルになるとのことだ。
 というのはボーイング社の話。エアバス社はまた違った皮算用をしているかもしれないが、いずれにせよ、この二社が、フランスとアメリカの代理戦争よろしく、中国市場で戦うようになることは間違いない。
 現状の世界市場を見ると、私のように門外漢にして古い頭には意外なのだが、エアバス社のほうが優勢になっている。日経「米ボーイング・欧州エアバス、シェア競争し烈に」(参照)ではこう。

 ボーイングの昨年の民間機納入数は281機でエアバスに24機の差を付けられた。今年も9月までの納入数は218機とボーイングが6機負けている。エアバスが通年の見通しを年初よりも多い315―320機に増やすなか、ボーイングは巻き返しに懸命だ。

 これはもう、ボーイング必死だな、である。で、まいどながら米通商代表部(USTR)のゼーリック通商代表が出てきて、エアバスに対するEUの補助金は不平等としてWTOに提訴。これを受けて、EUも米国に向けて、政府がらみの補助金を出すんじゃねーというWTO提訴合戦になった。
 EU側からの話は例えば日経「EU、ボーイング向け補助で米に事前協議要求」(参照)のこれ(なお、EU文書のほうはこちら・参照)。

欧州連合(EU)欧州委員会は8日、大手航空機メーカーへの補助金支出をめぐる欧米の通商紛争に絡み、米ボーイングが開発中の次世代中型旅客機7E7に政府補助を行う際には、EU側と事前に協議するよう米国側に求める文書を公表した。

 エアバス社側もシラクを引っ張り出すほど必死なのは、ボーイング社が現在開発中の燃費効率の高い次世代中型機7E7に人気が高まっていることがあるらしい。200機近い注文がすでにあるそうだ。
 日本もこの問題に巻き込まれている。日本もボーイング側に資金援助をしていて、これもEUでは問題視されている。話はInvestor's Business Daily"EU eyes Japan's role in Boeing 7E7"(参照)などにある。

The European Commission has questioned the financial aid that the Japanese government has given to Japanese fims participating in the development of Boeing's 7E7 Dreamliner airplane as a possible attempt to circumvent a 1992 EU-U.S. agreement on subsidies, an EU official said Friday.

 もっとも、日本は全面的に米国贔屓だからボーイング傘下みたいになっているのかというとそうでもない。企業によってはエアバスの開発に関わっている。
 エアバス社もボーイング7E7の売れが良さそうなのを見越して、対抗機種A350の開発を発表している。詳しくはわからないのだが、部品開発メーカーにしてみると、パーツレベルでは双方にある程度互換性があるらしいので、関連産業としては旗色を分けるというより、勝った方が総取りということになりかねない。
 この他、エアバス社には2006年就航予定のA380超大型機(参照)に関心があつまっているようでもある。
 とはいえ、私はこの分野は率直に言ってよくわからない。エアバスと聞くと、中華航空機事故を連想してしまう程である。ま、その後、エアバスの技術は変わったらしく、9.11のテロリストたちも、墜落回避の自動操縦装置が装備されたエアバスを敬遠していたようだ。

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コメント

エアバスが中国企業にA380部品の製造を委託した。なんていうニュースも4月にありました。ボーイング737型旅客機の80%に中国で製造された部品が使用されているというニュースもあったし。これは6月のニュース。
中国。今回も更に部品受注を増やしたのかな。

投稿: 熱帯 | 2004.11.06 16:08

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