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2004.10.09

スカル・アンド・ボーンズ(Skull And Bones)とフラタニティー(fraternity)

 先日の極東ブログ「ケリー米大統領なら日本は…」(参照)でちょっといたずら心もあって「スカル・アンド・ボーンズ」にCBS"Skull And Bones"(参照)のリンクをはっておいた。CBSがソースならまいいかなと思ったが、この趣向はあまり関心を持たれるふうはなかったようだ。このブログはそれほどおもしろいネタが少ないからしかたない。次は@の書き順のネタでも書きますか。
 スカル・アンド・ボーンズについてはgoogleで日本語のサイトを検索すると、「陰謀がいっぱい!―世界にはびこる「ここだけの話」の正体」みたいなのだが出てくる。比較的穏当なWikipediaの「スカル・アンド・ボーンズ」(参照)の説明も、これはちっとどうかなとは思うが、それほどひどいわけでもない。


スカル・アンド・ボーンズ(Skull and Bones、S&B)はアメリカのイェール大学にある秘密結社。通称「スカボン」。構成員同士が協力し合いアメリカで経済的・社会的に成功することを目的としている。

 この項目でも強調されているが、ケリー上院議員とブッシュ大統領は二人ともスカル・アンド・ボーンズのメンバーだ。この結社は年間15名しか入会しないから、少数のつながりは強固だ。大統領選の二人も結社ならではの暗号のやり取りができはずだ。
cover
石の扉
 そういえば、フリーメイソンについて書かれた「石の扉」にも、この話が載っていた。

 ブッシュ大統領の有力対抗馬は民主党のジョン・ケリー上院議員ですが、お互い名門イェール大学の同窓生。しかも二人は秘密結社「スカル・アンド・ボーンズ」に入会していたのです。この「スカル・アンド・ボーンズ」は、十九世紀にイェール大学にできました。徹底した白人至上主義エリート集団とされる、フリーメーソン仕込みの秘密結社で、米国社会には強力な影響力があるといわれています。
 アメリカのクラブは、名門であればあるほど会員は非公開で、秘密団体に近い形で存在しています。

 なかなか愉快なお話だ。秘密結社とかいうと日本人はいろいろ想像したくなる。だが、これらは基本的に大学のサークルの延長のようなものである。青春映画などにもよく出てくる。
 厳密にいうと日本の大学のサークルとはかなり違う側面もあるが、いずれ一種の社交クラブだ。男性向けはフラタニティー(fraternity)、女性向けはソロリティー(sorority)とも呼ばれる。
 フラタニティーはそれなりに威厳を重んじるので、入会が難しいこともある。フラタニティーという組織自体が資産をもっていたりもする。この先は、私が説明するより、「アメリカ留学便りNo.34 ~ジャッキーとYシャツと私(2)~」(参照)という体験談を読まれたらいいだろう。

メンバー同士は「ブラザー」と呼ばれ、その結束力は強い。活動内容は、大学内の各種行事にオーガナイゼーションとして参加する、他支部と交流する、毎週開かれる集会で様々な問題を話し合う、ソロリティーと合同でパーティーを行う、など。また、大学各分野で積極的に活動している学生に、フラタニティーのメンバーは多い。確実な組織票が得られるし、様々な要職がブラザーつながりで得られるからだ。また、組織として様々な分野で行事やチャリティーに参加するので、リーダーシップ能力を伸ばしたり、ディベート能力を伸ばしたりするのにも格好の組織である。フラタニティーに入ったことがきっかけで活躍する人間も多い。クリントンにしてもブッシュ親子にしても大学時代はフラタニティーのメンバーであった。

 これに類するもので、ハリーポッターの映画でも出来たのだが、寮(dormitory)もおもしろい。奇妙な入寮儀式(initiation)などの風習がある。
 この手の仲間内グループは、クリック"Clique"というふうに言われることもある。考えてみると日本の学閥などもクリックの一種だし、旧制高校のOB会というのは日本の成長期には帝国ホテルなどでかなり盛んに活動していたものだった。
 というわけで、「スカル・アンド・ボーンズ」は陰謀に胸ときめかすほどのことでもない。
 フラタニティーということではもう一点、あまり日本人に知られていないかなと思うことがある(といいつこのネタは以前も書いたか)。フランス革命のスローガン、「自由・平等・博愛」あるいは「自由・平等・友愛」についてだ。これが三色旗の起源にもなっている。で、この言葉なのだが、対応する英語で言えば、"liberty・equality・fraternity"である。
 つまり、フラタニティーというのが王政を打ち倒すときの共和制の価値の原理でもあるわけだ。別の言い方をすると、愛国心というのは、王政の場合は忠誠はloyaltyだが、共和国の場合は忠誠はfraternityだとも言える。このあたりの違いはあまり日本人には感じられていないようでもある。
 フラタニティーというものが歴史的にどういうふうに出来てきたかというのは、近代の各種の友愛団によるものだろう。そして、さらにはアッシジのフランチェスコの修道会のような宗教的な団体に遡及できる。
 と、話がいっそうたるくなるので、このあたりでおしまいにしよう。

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コメント

フラタニティーやソロリティについては、日本人の目からすると、たわいない友好クラブあるいはエリート養成クラブにみえてしまう。しかし、その内実は人種差別や女性差別、ソロリティでは「ブロンド女しか生きてる価値なし」とするものすごい排外主義の集団主義信奉グループである。カルト団体とほぼ同じ性格を持つ。こういった存在に対して、大学は新入生に対して「入会しないように」と学長自らが個別の学生にメールで警告しているほどである。

投稿: 現在在米中 | 2008.09.06 12:58

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