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2004.10.19

ロシアのスキンヘッドはマジ恐いよ

 15日のモスクワタイムスに"Asian Student Stabbed to Death(アジア人学生が刺殺される)"(参照)というニュースがあった。私もアジア人なので、なぜアジア人が殺されるのか?と思って読み進めた。サンクトペテルブルグでの事件だ。ぞっとした。


Vu An Tuan, a 20-year-old first-year student at St. Petersburg Polytechnic University, was walking to the metro after attending a friend's birthday party at the Pavlov Medical Institute dormitory when he was attacked at about 10 p.m., police said Thursday, citing witnesses.

The witnesses said there were about 18 attackers and that they had shaven heads and black clothes and boots.
【試訳】
サンクトペテルブルグ技術専門大学一年生ヴー・アンチュアン(ヴェトナム人・20歳)が刺殺されたのは、目撃者情報を元にした警察発表によれば、木曜日夜10時頃、パブロフ医学研究所寮の友人の誕生日パーティの帰り地下鉄へ向けて歩いている時のことだった。目撃者によれば、18人の暴漢がいたが、彼らはスキンヘッドで黒服を身につけ黒靴を履いていた。


 あれかなと想い浮かぶものがある。2002年6月9日のサッカー・ワールドカップ、日本―ロシア戦で、日本の勝利の後、ロシアで大暴動が起きたが、これにスキンヘッドたちが関わっていたはずだ。当時の記事はと探すと、産経「ロシア 恐怖に震えた 騒乱一夜明け…」(参照)にあった。

モスクワ市内での騒乱は、一九九一年夏に三人の若者が死んだ守旧派によるクーデター未遂事件、九三年秋の当時の保守派の牙城だった最高会議砲撃事件以来だ。しかし、モスクワの真ん中、クレムリン隣のマネジ(調馬場)広場一帯が、放火された数台の車から噴き上がる黒煙に包まれ、百人近くが流血でのたうち回る事態は、帝政ロシア時代からの歴史でも初めてのことである。


 ロシア政府のボーリン官房副長官は、「今回の暴動はスポーツにも本当のサッカーファンにも何の関係もない。数百万というファンへの侮辱だ」と述べた。事実、広場にはネオナチやスキンヘッド組織のスローガンを絶叫する「精神遺産運動」など、極右・過激主義者の姿が多数見られた。別の政府筋は「プーチン政権への国民の信頼失墜を狙った輩(やから)が、法案など何の効果もないことを実力で誇示するために挑発グループを使ったのだ」などと反論している。

 ネオナチの若者たちが、ロシアにまだいたのか。まいったなと思って、しばしネットを探すと、あるある大事件…。アムネスティによる「ロシア連邦:人種的非寛容は撲滅しなくてはならない」(参照)は、昨年のアナウンスだ。

2002年7月のある夕方、スキンヘッドのロシア人の男性10人ほどが人種主義的な暴言を吐きながら、モスクワのとある公園でピクニックをしていたアフリカ系の学生や難民、庇護希望者らを襲撃した。付近の警察は、当初、彼らを助けに来ようとはしなかった。30分後に警察が到着した時には、暴力をふるったとされる一群は2人を残し、すでにその場にいなかった。ある警官は、ピクニックをしていた人たちが最初にけんかをふっかけたといいがかりをつけ、目撃証言を無視した。

 外務省の海外安全ホームページには、「サンクトペテルブルグ(ロシア):スキンヘッドと思われるグループによる外国人留学生襲撃事件の発生」(参照)がある。幸い、この情報は、「本情報は2004/02に失効しました。」とあるから、もう大丈夫…な、わけない。
 モスクワタイムスの記事に戻ると、こいつらひどすぎる。

A 9-year-old Tajik girl was brutally stabbed to death in front of her father and young cousin in February.
【試訳】
9歳のタジク人の少女は金曜日に父と従兄弟の目前で刺殺された。


Last year, a group of young men killed a 6-year-old girl and seriously injured a 5-year-old girl and 18-month-old baby in an attack on a Gypsy camp south of the city. Seven suspects went on trial for the attack Monday.
【試訳】
グループは、昨年、市南部のロマ・キャンプで6歳の少女を殺し、5歳の少女と18か月の赤ん坊に危害を加えた。月曜日にこの襲撃容疑者の裁判があった。

 東欧でも右傾系が進んでいる。日本でも「右傾化」ということが政治的な話題になることがあるが、こんなひどい事件は起きてはいない。こうした問題はたんなる政治的な趣味ではなく、もっと別の視野から見るべき問題ではないだろうか。
 日本人はなんとなく国際ニュースでテロの危険ということに関心を向けているようだが、身に迫る危険はテロだけではないと思う。現状、日本人などアジア人、有色人種が被害に会う地域とその危害を加えるグループは限られている。日本人はまだ身を守ることができるが、世界にはそれが難しい人々もいる。

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コメント

はじめまして。
最近になってfinalventさんのブログを拝見させていただくようになりました。

ロシアのスキンヘッドとはあまり聞き慣れませんが(報道がないせいかそれとも私に関心がなかったせいか)、このようなロシアのネオナチの台頭はヨーロッパのそれとリンクしているのでしょうか。

投稿: むぎ | 2004.10.20 17:07

ロシアってソビエト時代にナチスドイツと激しく戦ったはずなのになんでネオナチなんでしょうか。
国家としてのアイデンティティーが他にないのかなぁ。理解に苦しみます。

投稿: める | 2004.10.25 04:31

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