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2004.09.25

鼻がスっとして健康によさそうだからワサビを食べるアメリカ人

 いやあきれた、などと言っては異文化理解などできないのだが、アメリカ人は、鼻がスっとして健康によさそうだからワサビを食べるらしい。20日付ロイターヘルス"Think Wasabi Clears Your Sinuses? Think Again(ワサビで鼻がスッとすると思っているなら、考えなおせ)"(参照)を読んで、ぶっと吹いてしまった。


Many people believe the sushi-seasoner wasabi clears their sinuses, but new research presented this week suggests that the spicy green paste may do the opposite.
【試訳】
寿司の調味料であるワサビは鼻の通りを良くすると思っている人が多い。だが、今週発表された最新の調査によると、このスパイシーな緑色のペーストはその反対の効果を持つようだ(つまり、鼻が鬱血する)。

 なんだ、それ。それってシャレか。鼻がスッとするからワサビを食う、なんてこと思っているやつなんかいねーぞ…、って、これはアメリカ人の話だな。
 それにしてもあきれたなと思ったら、その先がある。あれだ、健康のためなら死んでもいい系のノリだ。

While wasabi may not work as a decongestant, previous research has suggested that it is not without other health benefits. For instance, lab research shows that wasabi may inhibit the growth of cancer cells in test tubes, prevent platelets from forming blood clots, and may even fight asthma or cavities. And, appropriately for a condiment used to season raw fish, wasabi has antimicrobial properties.
【試訳】
ワサビが鼻の鬱血解消にならないとしても、健康に悪いわけではないと示唆する研究もある。実際に人間に適用した研究結果ではないが、ワサビにはガン細胞の成長を抑制する効果や、血液サラサラ効果もあるらしい。さらに、喘息や虫歯を抑えるはたらきもありそうだ。ワサビは生魚の調味料として適切に利用さえすれば、抗菌作用もあるだ。

 おいおい。間違ってないけど、すごい違うぞ、とか言いたい。これじゃ、そのうち、ワサビのサプリメントでもできてしまいそうだ。
 それもあながち冗談でもないかもしれない。すでにインド料理のスパイスからはサプリメントができているし、ワサビというのはブロッコリやキャベツなどと近縁な植物でもあり、ファイトケミカルズ(有用植物由来化学物質)が豊富だろうというのは理解しやすい。
 ちょっと悪のりがてらに、この調査のやりかたも説明しよう。笑えるんだよ。

During the current study, Cameron and his colleagues from Kaiser Permanente Medical Center in Oakland, California asked 22 people to dissolve a lentil-sized amount of wasabi on their tongues multiple times at one-minute intervals, and then report whether the spice affected their sinuses.
【試訳】
今回の研究では、キャメロン研究員とその同僚は、レンズ豆大のすりおろしたワサビを、1分間隔で交換しては、被験者22名の舌に乗せることで、鼻腔の状態を調べた。

 想像すると、なんか喜劇のようだ。
 アメリカ人のワサビ利用には困ったもんだなというのは、現代アメリカの食をリポートした「食べるアメリカ人」でも描かれている。

 また、アメリカには独自の寿司マナーがまかりとおっており、それを高級店のカウンターでやられた日には、それこそいたたまれなくなってしまう。割り箸を割ったらまずシャッシャッとこすり合わせる、小皿にしょう油をなみなみと注ぎいれ、ワサビ(アメリカではガリと一緒に必ず山盛りで添えられてくる)をドロドロに溶く。彼らはその「ワサビ・ソイ・ソース」とも言うべき代物に寿司をどっぷりつけて食べるのだ。

 うぁぁぁ、やめてくれぇぇ。絶叫しそうだ。
 著者加藤裕子も見かねて指導したようだが、結果は、奉行ならぬ、「ワサビ・ナチ」の称号を得てしまったそうだ。そこで、これじゃだめだということで、彼女は、なぜダメなのかを合理的に説得するようになったらしい。

 そんな彼らに対抗するには、理論武装でいくしかない。「それが日本の伝統」などといった曖昧な根拠ではダメなのである。

 とは言ったものの、それはそれでいいのかもしれない。
cover
食べるアメリカ人
 カレーだって日本料理だし、アメリカの寿司がアメリカ料理であってもおかしくはない。むしろ、日本の寿司やワサビのほうが怪しいくなっているかもしれない。市販されているチューブワサビの原料の大半はホースラディッシュなのだ。だから、あれ、鴨のローストとかローストビーフにも合う。
 日本の寿司も怪しくなりつつある。シャリの握りとネタのバランスがあれ?と思うことが多い。私だけがそう思っているのかと思ったら、友里征耶ご意見番も言っていた(参照)。

 かくして、私の経験ですが、最近の若い主人の鮨屋では、「疑問な握り」に出くわす結果が多くなるのです。小ぶりなシャリを、覆い隠すようにネタで巻き囲み、ネタ毎、箸や手で摘ませる、つまり直接箸や指がシャリに触れないようにして、シャリの崩れ、つまり握りの技術のなさを隠す手法が結構とられているのではないでしょうか。

 そう思うな。
 ま、しかし、私の場合、懐具合もあって、小洒落た寿司屋にはあまり行かない。こうしたこともマーケットのニーズで各様のままでいいのかもしれない。

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コメント

アメリカ人同僚で、寿司好きが2人いました。2人共にワサビが大好きで、寿司屋へ行くとワサビを山のように頼んで、ワサビだけでも食べていました。驚きでした。
ただ2人共に、健康とか鼻がスッとしてとかではなかったようです。
食は国によって違ってきますね。

投稿: maida01 | 2004.09.25 09:05

こんにちわ。
いや、山葵大好きは支那人ですよ。10年くらい前は「技術交流」で来日した連中を居酒屋に連れてって刺身盛り合わせ注文したら、「こっちの方」がうまいってんで粉山葵のどんぶりに溶いたヤツ、そのまんま持ってこさせて舐めてましたもん。

いまではそこいらのコンビニでも、チューブ入りの割ときちんとしたのが売っております。たぶん食べ方もきちんとしてるのでしょう。

でも刺身にしろ寿司にしろ、それなりの日本料理屋にいっても、とんでもないもんしかないですからね。はたしてあのチューブ入りわさびを何につけて食べてるのかはわかりませんのですが。

投稿: shibu | 2004.09.25 15:24

こんにちは。いつもたのしく拝見させて頂いています。
shibuさんのコメント読んでいて思い出したのですが、うちの実家は魚屋で、台湾の観光客のおみやげ用にとあわびをたくさん入れたときがあったのですが、それを大量購入いただいた際にサービスでつけた粉ワサビは一袋を超えていたように思います。

なんでも消毒されるからとかなんとか。いっていたような気がしますが…。

投稿: eiki | 2004.09.26 14:24

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