« [書評]サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか(新井佐和子) | トップページ | [書評]日本人とユダヤ人(イザヤ・ベンダサン/山本七平) Part 1 »

2004.09.18

あなたは三日間コーヒー断ちができますか?

 これを書いているのは金曜日の午後。もうすぐ安息日が始まる。私はユダヤ教徒ではないので、電源のオンオフやエレベーターの昇降くらいはするが、先週同様「ニュース断ち」をしようと思っている(「健康のためのエントリー休刊日」)。ということはアコンージングリー「ブログ断ち」である。このエントリも書き上げたら、土曜日の朝に投稿するようにセットしておくことにしょう。
 さて、先週の初めての「ニュース断ち」をしたのだが、ある程度予想はついていたものの、けっこう来た。禁断症状で手が震えだした…ということはないが、精神がさまようさまよう。その間北朝鮮で核実験をしていたとしても、私などがどうすることもできないのに、気になる。東京にテポドンが飛んでくる気配はないのか、と気になる。考えてみれば命中すれば気に病むこともないのだが。
 「ニュース断ち」の禁断症状がきついかもな、と予想がついたのは以前、同じくワイル博士のお薦めで「コーヒー断ち」をやったときの経験からだ。「コーヒー断ち」とは、単純に三日間コーヒーを飲まないことだ。それだけ。だが、これが生涯忘れられないほどきつかった。
 私が「コーヒー断ち」をしたのはもう五年以上も前のことだ。その頃、ふと気が付くと毎日コーヒーを飲んでいる。それほど飲むわけでもない。せいぜい二杯程度。ただ、コーヒーには凝っていて、ベトナムのコーヒーのようにフレンチローストというのかダークローストが好み。豆もちょっとこだわってカナダから個人輸入していた。ローストまでは自分でしないもののグラインドは手でごりごりとする。エスプレッソ器もイタリア製を使う。と、いう感じのありがちなコーヒー好きの懲りようである。

cover
ワイル博士の
ナチュラル・
メディスン
 コーヒーに凝っているとはいえ、中毒ってことはあるまい。「コーヒー断ち」なんてたいしたことはあるまいと思っていた。違った。すごく違った。やばいほど鬱になった。医学的な意味での中毒症ではないのだろうが、自覚としては、自分はコーヒー中毒だぞと理解した。
 「ワイル博士のナチュラル・メディスン」では「コーヒー嗜癖」をこう説明している。

 そうとは知らずに無数の人に使われているが、コーヒーも強力な薬物である。すべてのカフェイン飲料の中でも、コーヒーはとくに強力で、からだへの刺激と嗜癖性がいちばん強い。わたしの推測では、コーヒー愛好者の八割は嗜癖者だと考えてもいい。その嗜癖は身体的なもので、急に摂取を中断すると明かな禁断反応を呈する。コーヒー嗜癖のおもな特徴は次の通りである。

  • この薬物を毎日使用する。とくに朝が多い。コーヒーを飲まないというという日がない。のむ量は重要ではない。わたしは一日一杯しかのまない真性の嗜癖者をたくさん知っている。
  • 排便の促進をコーヒーに依存している。
  • エネルギーのサイクルがコーヒーにコントロールされている。午前中が元気だが夕方には活気がなくなるというパターンが多い。
  • 二四時間~三六時間コーヒーをのまないと禁断反応がはじまる。反応は無気力になる、怒りっぽくなる、拍動症(血管性)の頭痛がひどくなるなどで、悪心や嘔吐が起こる場合もある。それらの症状は三六時間~七二時間つづく。なんらかのかたちでカフェインをとると、症状がすぐに消える。


 ワイル博士は医師だが、厳密にいうと医学的にはこうした知見は確立されていない。その意味で「コーヒー中毒」というのは比喩的な表現だとするのが常識的な判断である。まじで言うと「とんでも」である。
 ただ、そうは言っても、実際に「コーヒー断ち」をやってひどい鬱を経験をしてみると、これは実感としては、あるとしか思えない。「コーヒー断ち」は鬱を誘発するなど、ちょっと危険な面もあるので、あまり人には勧められない。
 それでも「コーヒー断ち」をやってみたい人には次のようにワイル博士は指針を出している。

コーヒー嗜癖はアルコール嗜癖やタバコ嗜癖にくらべれば克服しやすい。ただし、時間とエネルギーに余裕があり、何の拘束もない自由な三日間をつくって、そのときに摂取停止を試みること。コーヒーに意識が向かわないように、何か別の気晴らしや楽しみを用意しておくといい。四八時間~七二時間の脱力感・頭痛を覚悟しておくこと。その間は絶対にカフェインを摂取してはならない。

 私としては、あの地獄のような鬱を思うと、「絶対に」とは言えない。まして、これは医学的にも確立した嗜癖症状でもない。
 とはいえ、たぶん、かなりの人にこの地獄の三日を経験する意義はあると確信している。心身の不調が改善されることがあるからだ。

|

« [書評]サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか(新井佐和子) | トップページ | [書評]日本人とユダヤ人(イザヤ・ベンダサン/山本七平) Part 1 »

「雑記」カテゴリの記事

コメント

個人差があるのでしょうか。十年くらい毎日コーヒーを5杯は飲んでいた時期があって、突然ぱったり止めるという経験をしていますが、何の症状もありませんでした。

投稿: Sundaland | 2004.09.18 19:09

何かが足りない、欠乏していると感じることがあり、
多くの場合、それは珈琲だったりする。
珈琲中毒に医学的裏付けがない事を盾に、
それは気のせいだ、と自分に言い聞かせるのだが、
現実として珈琲中毒。

博士の言う珈琲断ちが、
禁煙と同じアドバイスなのがトホホだ。

投稿: at | 2004.09.19 19:19

コーヒーを毎日4杯以上飲んでる人が急に止めると、3週間ぐらいは眠気と鬱に襲われるってよく聞きますね。でもこれは、お茶やコーラなどのカフェインすべてを断った場合のことだそうです。私の場合、毎日コーヒーを少なくとも4~5杯は飲んでいるのですが、1~2週間止めたところで何も感じません。カフェイン自体にもう反応しなくなってしまっているようで、それが突然体内から消えても何ともないようです。こんなことで大丈夫なんだろうか、この体。

投稿: ヘーゼルナッツコーヒー中毒者 | 2004.09.20 16:06

はじめまして。

「珈琲バカ。」というBLOGを書いておりますが、
ちょっとこの記事が気になったので、TBさせていただきました。

珈琲豆や、コーヒーマシンを販売する立場上、
やはり知っておかなければならない分野ですね。

情報ありがとうございました。

投稿: わこうちゃん。 | 2004.10.15 16:36

 ブラジルの ガラナや コーヒーなどを ネットで 買いました!
  美味しいですね!おすすめします!

http://www.rakuten.co.jp/welcomeshop/

投稿: hiromi | 2009.09.11 04:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: あなたは三日間コーヒー断ちができますか?:

» [food][radio]「コーヒー断ち」(極東ブログ) [そらねっと通信局]
カフェイン断ちについては以前聞いたことがある。 [続きを読む]

受信: 2004.09.18 12:18

» : あなたは三日間コーヒー断ちができますか?・・・私にゃ無理でした。 [「情報酒場」]
いつも時事関連ですごく勉強になっているfinalventさんの「極東ブログ」のお題が あなたは三日間コーヒー断ちができま [続きを読む]

受信: 2004.09.19 08:20

» http://kuri.ameblo.jp/entry-55fec929139ea848172c7b9df3df2c6f.html [栗ヲタ★]
「ニュース断ち」「ブログ断ち」に次いで「コーヒー断ち」 というテーマで書かれている、昨日の『極東ブログ』。 「あなたは三日間コーヒー断ちができますか?」 こ... [続きを読む]

受信: 2004.09.19 14:05

» コーヒー中毒 [駄言のよろず帖]
 私は、かなりコーヒーを飲む方である。コーヒーポットにコーヒーがあろうものなら、 [続きを読む]

受信: 2004.09.19 22:14

» コーヒー中毒 [New UnderGround Commune Style]
極東ブログ:あなたは三日間コーヒー断ちができますか? ◇僕の場合、なんかテンション低めでしんどいなと思ったらだいたいコーヒーの飲み忘れなので、コーヒーを飲めば元... [続きを読む]

受信: 2004.09.20 10:43

» 薬物中毒 [辺境からの遠吠え]
といっても違法性の薬物では無い。酒、タバコ、コーヒーに含まれる、アルコール、ニコチン、カフェインの事である。このうちアルコール中毒や、ニコチン中毒は知られている... [続きを読む]

受信: 2004.09.29 07:39

» 珈琲バカ 増殖中。 [珈琲バカ。]
最近、俺の周りでいきなりコーヒーユーザーが増えてきた。 生豆を入れて焙煎ができるコーヒーマシン、「いきなりコーヒー」。 ネーミングもスゴイが、機能もスゴイ。 ... [続きを読む]

受信: 2004.10.15 16:32

»  格安!激旨!いい香りのコーヒー [チョットイイモノ チョットイイコト]
スタバやタリーズに飽きた・・・というコーヒーマニアの方に朗報。このコーヒーショップはオススメです。なんか和み系のショップ(正直ちょっとダサい・・)ですが、いつものコーヒーに飽きた・・と感じているあなたを必ず満足させてくれます。コーヒーは、体にいいだ... [続きを読む]

受信: 2005.04.16 22:27

« [書評]サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか(新井佐和子) | トップページ | [書評]日本人とユダヤ人(イザヤ・ベンダサン/山本七平) Part 1 »