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2004.07.12

参院選であまり問われなかった女性議員の問題

 参院選も終わった。終わってみても、よくわかんない選挙だった。
 2chの声援も空しく又吉イエスは落選し、喜納昌吉は当選した。現代うちなーの神んちゅという点で似たような人に思えるのだが…。どのくらい「かみのひと」であるかは、沖縄タイムス 2002年10月16日朝刊文化27面より、喜納昌吉曰く、を読むべし。


二十一世紀の戦争のあり方はテロと報復から始まった。テロにいかなる理由があろうが、報復にいかなる正義があろうが、二つに共通するのは、死体の山しか見いだせないことだ。シンプルに思考すればどこかに間違いがあることに気づく。私たちはその間違いを正し、過去の植民地主義から脱却できない分裂した西洋精神と、常に西洋の恐怖の影におびえるアジアの精神とを和合させ、宇宙に浮かぶこの奇跡の惑星・地球こそが人類の聖地であるということを、そして人間が生きて輝く道を、この沖縄から日本・アジア・全世界に向かって示す時が来たのである。

 というわけで、今回は私はさすがに民主党も嫌になった。しかし、所詮、どーでもいい参院だしな。
 話は少し逸れる。選挙速報を見ていて、女性党というのを知った。まったく知らないわけでもないが、ほとんど関心がなかった。率直に言うと、こんな党を作るより、各党派に女性候補増加についてアファーマティブな規制をかけてもいいのではないか。民主党はそれなりに配慮はしているようでもあるが、まだまだ弱い。
 資料としては、内閣府発表の「平成15年度において講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策」概要(参照)というのがちょっと面白い。まとめとしては、「第1表 各国の男女の主な参画状況と制度の充実度」(参照)を見ればいいだろう。
 これを見ると、日本ってちょっと先進国とは言えないな、韓国とはお友達…って感じだが、韓国ではすでにクォーター制度が導入されているようだ。クォーター制度は、政治関与における男女差を無くすためにアファーマティブに女性を割り当てる制度だ。詳細は先のページに説明がある。なお、このページにはアメリカについて否定的にもとれそうな言及がある。

 一方,アメリカにおいては,1970年代後半以降,雇用や教育分野でのアファーマティブ・アクションに関する訴訟において,違憲・違法の判決が出されるなどの動きがあり,政治分野においても各政党はクォータ制に対して慎重な姿勢をとっている。

 だが、実際には、アメリカの実社会における女性の力は強いので、ある意味で例外なのではないか。
 話を女性議員割合に戻すと、これもグラフがわかりやすい(参照)。スウェーデンとかは、これもちょっと例外っぽいが、日本の現状は、先進諸国という点では、ちょっと恥のレベルにある。参院、つまり、上院は日本の場合、女性を含ませる言い訳のように見えないでもない。ま、それでももっと多いほうがいいだろう。だが、今回もしょぼかった。
 この手の国際間比較の統計の元ネタによくなるのは、the Inter-Parliamenary Unionの一覧(参照)だが、見るとわかるように、上位が先進諸国というわけでもない。というか、このリストの意味はちょっと難しい。印象として思うのは、これが民族国家の適正サイズいうイメージだ。つまり、現在の巨大国家というのは国家としてすでに間違った方向にあるようにも思える。
 話がさらにずれるが、先月米国でおきたウォルマート集団訴訟がこのまま推移すると、先進諸国に大きな衝撃を与えるようになるのかもしれない。朝日新聞系「女性160万人原告 対ウォルマート、米最大集団訴訟に」(参照)をひく。

 米小売り最大手ウォルマートでの給与や昇進で男性社員に比べて差別的な待遇を受けた、として女性従業員が同社に損害賠償を求めている訴訟について、カリフォルニア州連邦地裁は22日、集団訴訟として扱う決定を出した。これにより、98年12月以降に働いていた元従業員と現従業員の女性160万人が原告となり、人権を巡る米国の集団訴訟としては過去最大となる。

 話が散漫になったが、ただのスローガンではなく、もっと大きな潮流として、日本でも女性がいっそう政治に大きく関与しなくてはならない時代になってきているのだろう。
 だが、率直に言えば、おたかさんのイメージではないが、女性の政治家であることがある種のイデオロギーの傾向を含むかのように見えるのは日本の問題だろう。もっと端的に問われなくてはいけない中絶問題や低容量ピルといった問題などは、女性問題のなかから置き去りにされている。原因はマイルドな左翼イデオロギーがブロックになっているようにも思えるのだが、それだけの問題でもないだろう。
 飛躍した言い方だが、女性が社会コミュニティの質を変化する主体とならなくてはならないのだろうが、今の日本の傾向としては、優秀な女性がむしろ、経済的な勝ち組に吸収されるような構造があるように見える。

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コメント

まさかfinalventさんが知らずに書いてらっしゃるとも思えないので、余計なお節介とは思いますが、女性党というのは別に女性の権利を守る党でも何でもなくて、マルチ紛いの化粧品会社がやってる宗教活動です。詳しくは以下参照。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/negi/DEMO/topic/t018.htm
僕のブログでも選挙前に24条改正問題を取り上げてものすごいアクセスがあったのですが、個人的にはこのての話に反応する人たちというのは、たぶんに「脊髄反射」的な傾向が強くてちょっと…ていう感じがありますね。
finalventさんのおっしゃる通り、女性の待遇等に関して、ある程度幅広い国民全般に受け入れられそうな政治的方向性のコンセンサスを作る必要を、最近感じます。でも女性で音頭をとろうとする人が出てくると必ず党派性の論理に引きずり込んで揚げ足を取る女性も出てくる「気がする」ところがまさに、日本の女性政策を政治的に広げる最大の障害なのかもしれませんが。

投稿: kawakami | 2004.07.12 15:14

 参院選おわりましたね。昨夜はTVを見ましたが、ハナからゲストの政治家が自民党擁護論をぶつ場と化していたのには、首をひねりました。民主党のほうも、取った議席数が煮え切らなかったにしても、今回の投票行動や個々の票にもっと意識的に意味づけする必要があるんじゃないかと思いました。

 前の選挙の時だったか、「女性党」にちょっと興味をひかれ、
 HPにアクセスしたことがあります。
 内容にさほどインパクトがなく、それきりになりました。
 ウェブデザインはソフトな感じだったと思います。

 インパクトがあったのは、今回たまたまTVで目にした政見放送です。いかつい感じの女性たちが順番にカメラに向かい、直立姿勢で棒読み風に決意を語るという手法。ふだんニュースに映る女性国会議員が、おおむねフェミニンを身にまとっているのとは対極の雰囲気でした。
 「女性党」には同性として興味はあるけど、近寄りがたい印象のほうが残りました。女性党を正面から扱った記事などはあるのでしょうか?女の人生に寄り添ってくれるのか、謎の政党のままです。
 
 (と、書いたところで、kawakamiさんの書き込みを発見しましたので、参照にアクセスしてみます)

 ところで、女性についての話題で、近頃思っていること。
 少子化対策の「育児支援」は、育児の外部化より、むしろ、家事の外部化を論点にしてはどうかな、と思います。どの親も、子どもとゆったりしたい気持ちはあると思います。でも、子育て期は家事も忙しい。夫の食事や身の回りの世話もしている女性が多いことを考えると、家事が減ることで救われる人も多いはず。
 介護に外国人導入が議論されるなら、家事労働の分野でもそんな発想があってもいいと思うのですが。今後も、日常的な家事は、男性にとって関心の薄い分野のままでしょうしね。
 女性自身が、家事も育児も自分の責務という使命感にがんじがらめになっているから、そこを発想転換していくことも必要だろうと思います。

投稿: じゃがりこ | 2004.07.12 16:15

女性ねぇ...

女性に隣国との交渉とか、テロ対策を任せられるかな?
女性に反対官僚の前で頭をさげて場を治めたりしてくれるかな?
女性に弾圧状態の著作権に絡んだ暴走を食い止められるかな?

今回女性に投票した人たちは、そういう代表を選ぶんだってわかって投票してた?
レンホウがやってくれそう??

投稿: i | 2004.07.12 23:32

たしかにレンホウ氏の提起した議員スタイルは、いままでの女性議員のそれとは異質のもので、
その辺りの空白を突く戦略が、フェミニズムとは一寸距離を置く同姓の支持を集めたのかもしれない。
まぁ電通界隈の連中の入れ知恵なのかもしれないが、とにかく凡百のタレント議員とは別の何かを
持っているかも。
もっとも、一年後には呆気なく仮面が剥がれる可能性も多々在るわけだがw

投稿: uiui♪ | 2004.07.13 00:46

女性候補者たる女性候補が少ないことも問題のひとつだろう。
私が抱く日本における女性議員のイメージはといわれると、
非常に不勉強に憲法問題、自衛隊問題を叫ぶ方々、といったところだ。
通常、女性議員は女性有権者の代弁者たるべきだと思う。(女性差別といわれそうだな)
そういった意味では、私はまったく持って彼女の不勉強さには閉口するのだが、
田島陽子氏が50万票あまりを集めたのも、国民がそういった人材を求めている証拠ともいえるのではないだろうか。
彼女は、曲がりなりにも女性問題を最前線で主張している。
日本の出生率低下もこの辺に原因があるのではとも思う。

投稿: せつな | 2004.07.13 02:02

又吉さんの落選は残念でしたね。
女性ということでは、出口ナオのような女性が
出てきてくれたら風穴が開きそうでいいなあと思いますね。
柳田の調査によるとナオのルーツはアイヌだったそうでして、
極めて興味深い霊学の流れを感じますね。
(上記ナオルーツのソースは蒲田東二
「神学のフィールドワーク」です)

投稿: kagami | 2004.07.13 04:26

とまあ、こういう風に議論してても遅々として進まない現状があるので、アファーマティブな施策が必要だということですよね。議員一人や二人の力ではなかなか変わらないでしょう。

話変わって、じゃがりこさんの「家事の外部化」に賛成です。付け加えると、必要と(周りから期待)される家事のレベルが、結婚したとたんにすごく高くなるところが問題かな、と思います。子育て以外の家事労働なんてみんなそれほど必要としていないでしょうに。実際は。

投稿: yuno | 2004.07.13 08:46

yunoさん、ども。フランスの動向を見ると、現状の日本ではアファーマティブな施策があってもいいのではないかと思います。ただ、日本の場合、米国からの外圧は受けるけど、それ以外の国の動向や助言は実際には、表面的な倫理・思想なりで解消され、プラクティカリティがなくなるように見えます。

それでも、ウォルマート訴訟の動向で米国がシフトすれば、日本も危機感を持つかもしれません。こういう受け身なあり方もどうかとは思うのですが。

投稿: finalvent | 2004.07.13 10:05

喜納昌吉のすべて!?
世界の著名人から喜納に寄せられたメッセージや、過去の活動、議員当選後の活動などなど、
これまでの喜納とこれからの喜納を熱く見守るサイトらしいです。
チミたち、言いたいことは山ほどあるだろうが、あのボブ・マーリーやダライ・ラマ、オノ・ヨーコに
横尾忠則、そんな面子からメッセージを寄せられるような政治家は日本にはおらん。
詳しくはここ見てみれ。

http://kina8888.net

投稿: saki | 2004.09.15 11:19

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